黒猫の三角 Delta in the Darkness

Last-modified: 2009-10-13 (火) 23:52:03
 

森博嗣 『黒猫の三角 Delta in the Darkness』 講談社ノベルス

 

「理系ミステリー」で知られる森博嗣さんですが、『すべてがFになる』から始まるS & Mシリーズでつまづいた人には、
この作品から始まるVシリーズをお勧めしたい。
理由としては登場人物のキャラがイイ! からです。
そのためミステリーとして読まなくても普通におもしろいです(保呂草さんの便利屋稼業とか)。

 

とはいえ、これはミステリーなので(ミステリー作家が書いたから?)謎があります。
その謎について人物たちが推理を重ねていきます。
優秀な頭脳の持ち主たちが仮説を組み立ては壊し、
という作業を繰り返していくのを読んでいくと自分の頭の固さに泣けてきます。

 

自分は森氏の作品は普通に読んでいると何が謎なのが分からなくなります。自分の頭の固さが原因でしょうか。
ですが、この作品の謎は比較的わかりやすいです。
例えるなら、"シンプルでエレガント"(『冷たい密室と博士たち』より)。
ただ読むだけじゃなく、読み手の姿勢が問われるのが森ミステリーです。

 

担当者 - 鷹取