カブ(蕪、学名:Brassica rapa var. rapa)は、アブラナ科アブラナ属の越年草。代表的な野菜(根菜類)の一つで、別名はカブラ、カブナ、カブラナ、スズナ(鈴菜、菘)、ホウサイ(豊菜)、ダイトウナ(大頭菜)など数多い。春の七草の1つとしても知られる。食用にするのは胚軸とよばれる根の部分と葉で、日本各地に多様な地方品種がある。

越年草(二年草)の野菜で、草丈は30 - 50センチメートル (cm) になり、葉はへら形で全縁、開花期は3 - 5月で、花茎を垂直に伸ばした総状花序に、径1 cmほどの黄色い十字形の4弁花を咲かせ、花後は緑色の果実をつける。カブは他のアブラナ科植物と交雑しやすく、ダイコン(ダイコン属)とは交雑しないが、コマツナやハクサイなど(アブラナ属)とは交雑する。肥大した球形の根を可食部として利用するが、これは発生学上で胚軸と呼ばれる部位で、本当の根はその下に伸びたひげ状の部位である。漬物用の日野菜や薬味用の遠野蕪などではこの胚軸が大根のように長く伸びるが、野沢菜ではほとんど肥大しない。胚軸と根の色は多くの場合白だが、これらが赤くなる赤カブと呼ばれるものもある。
歴史
原産地については、地中海沿岸のヨーロッパ南西部を起源とする一元説と、地中海沿岸および中央アジアのアフガニスタン地域を起源とする二元説がある。もともと野生アブラナであるブラッシカ・ラパ (Brassica rapa) の1変種で、紀元前からヨーロッパで栽培されていた。中国へは約2000年前に伝わったとされ、中国の『詩経』に記載され、ヨーロッパ系も古代ギリシャの史料に見られる。ただし、地中海沿岸から東へ伝播した中国では、カブの根よりも葉のほうが主に扱われ、山東菜やハクサイへと改良されていった。また、西へ伝播したヨーロッパでは宗教の考え方の影響もあり、「天からもっとも遠い地中に出来る根菜類」を低く見る嫌いがあって冷遇されていた。ヨーロッパで広く普及したのは16世紀からで、飼料用途が多かった。東ヨーロッパなど寒冷地では冬場の貴重な食料源や救荒植物として活用された。
日本へは時期は不明であるがかなり古い時代に(弥生時代という説もある)、中国または朝鮮半島からもたらされ、スズシロ(大根)とともに重要な根菜とされてきたと考えられている。古い記録では『古事記』(712年)に記されている「吉備の菘菜(あおな)」はカブのことと見られている。『日本書紀』(720年)にも、持統天皇が栽培を推奨したとの記述がある。奈良時代の朝廷が、根に養分を蓄える野菜づくりを奨励し、五穀に次いでダイコンや菜類とともに重要視されて、各地に伝統的なカブが誕生することになった。東北地方では、古くから焼き畑でつくる作物として毎年栽培されたものが、保存して冬から春の間に食べる食料にされた。江戸時代になってから日本各地に広まり、各地域ごとに特徴ある栽培品種が多数作出された。日本在来種のカブは味が良く、明治期に西洋から導入された品種は不評で根付かなかった。
京野菜など西日本で見られる中国伝来のアジア系とともに、東日本でヨーロッパ系(野沢菜など関連する変種も含む)が在来種として確認され、シベリア経由と見られている。
食用
特徴的な、大きな球形となる根を食用とするほか、茎や葉などの地上部も青菜類と同様に利用される。品種によって収穫時期に差はあるが、一般に野菜としての旬は、秋(10 - 12月)と春(3 - 5月)で、寒い時期に収穫された物ほど甘味は強くなり、葉も軟らかい。根茎(いわゆるカブ)にツヤと張りがありひげ根が少ないもの、あるいは葉が緑鮮やかで瑞々しいものが良品とされる。葉を水菜に似た食味・食感に改良した品種「小粋菜」も開発されている。
カブは漬物をはじめ、蒸し煮や炒め物、シチュー、すりおろしなど、様々な料理のバリエーションで使われ、調理法によって食感も変化する。そのままでは固いため、生食よりも煮物や味噌汁・シチューの具材としての利用が多いが、大根おろしのように蕎麦の薬味としても利用される。加熱すると一転して非常に柔らかくなるため、ダイコンのようにじっくり煮込む料理には向かない。葉の部分は、新鮮なうちに浅漬けや油炒めなどにして食べられるほか、アクが少ないため茹でてお浸しや汁の実にも適している。赤カブなどの色カブは、たいてい漬物などに加工して利用される。
日本料理では風呂吹きにも利用される。また、浅漬け、糠漬け、千枚漬け(聖護院かぶら)、酸茎などの漬物に加工される。かぶら寿しは石川県金沢市の郷土料理で、日本海で採れた塩漬けの寒ブリを、薄く切った金沢青かぶに挟んで、米麹で漬け込んだ江戸時代から続く伝統料理である。
近縁種
スグキナ(酸茎菜)

京都で栽培されてきたカブの一種。栽培は江戸時代から始まったという。
根が20cmほどのくさび形をしており皮は白く、短めの大根のような見た目である。重さは、1㎏ほど。根は、錘型とやや長い系統とがあり、葉もびわ葉ときれ葉の系統に分けられる。
ヒノナ(日野菜)

滋賀県日野町で古くから栽培されてきたカブの一種。室町時代の後期に、鎌掛地区の組合山林で発見された。その後、江戸時代の中頃になって品種改良が進められ、広く作られるようになった。葉は立性で、わずかに切れ込みがある。根は25~30センチと細長く、地中の部分は白色で、地上にでている部分は鮮やかな紅紫色に色づく。独特の辛味があり、塩漬けにする。
画像並びに情報の出典:ウィキペディア、ボタニックガーデン、jusa's home page
コメント
閲覧者数
| 今日 | ? |
| 昨日 | ? |
| 合計 | ? |