ここは
MMの作品をしまってある倉庫です。ゆっくりしていってね!
アニメ風ストーリー
まだ製作しておりませんm(__)m
小説
「星のカービィ 復活せし道化師」は自信作です!
●カービィ
かつてポップスターを救った星の戦士。
今回はノヴァの封印を解き、脱走した邪悪な存在を探すために戦いに出る。
●メタナイト
カービィと同じく元々は星の戦士だったという謎多き仮面の騎士。
今回はカービィ達と共に邪悪な存在を探す。
●ギャラクティック・ノヴァ
通称「ノヴァ」。常に銀河のどこかに浮いている願いを叶える大彗星。
自分のパワーを込めた大彗星の懐中時計となりのカービィ達をサポートする。
●デデデ
ポップスターにあるプププランドを統一している自称大王。
今回は珍しく(?)カービィ達に協力する。
●アックスナイト
メタナイトの部下、メタ・ナイツの一員。
主にハルバードの護衛及び操縦を行っている。
●メイスナイト
アックスナイトと同じくメタ・ナイツの一員。
ハルバードの護衛及び監視役をやっている。
●水兵ワドルディ
メタ・ナイツの一員でハルバードの雑用係及びムードメーカー。
よくデデデの部下のバンダナワドルディと間違われる事を、多少のコンプレックスと思っている。
●バンダナワドルディ
デデデの部下。青いバンダナが特徴的な事からこう呼ばれる。
日々訓練でもしているのか、主であるデデデ並に(またはそれ以上?)体力が多い。
●ソードナイト・ブレイドナイト
メタナイトの部下達。今回はそこそこ活躍する。
真面目な性格からか、皆に振り回されがち。
●マルク
かつてポップスター侵略を企んだ1人で、まるで道化師のような姿をした少年(?)
2度に渡りカービィに倒され、ノヴァに封印されていた。
今回の物語の鍵を握る人物らしいのだが・・・?
時間で言うと真格闘王への道から約2年後の世界。
ここではカービィは特訓の末、喋れるようになっている。(ただし語尾にポヨを付けてしまう。)
基本はアニメ版寄りの設定なので、メタナイトはデデデ城で勤務中。そのためデデデを陛下と呼ぶ。
ギャラクテック・ノヴァは銀河の統制を行う存在。そのため自分からは出しゃばった行動は不可。
しかしノヴァは、銀河に危機が及ばないようにするためにと、邪悪な存在は封印していた。
水兵ワドルディとバンダナワドルディはパラソルが使える。
基本はシリアスに作ったつもりだが、1部パロディ及び笑い要素がある。
ここはとある宇宙空間。
全ての惑星から離れたこの場所は、あたり1面の闇が広がっている。
その中で、一際まばゆい光を放つ不思議な結晶が浮いていた。
この結晶の中にはある1人の道化師が封印されていた。その名も「マルク」。
マルクはかつて平和な星「ポップスター」を侵略し、我が物にしようと企んでいた。
2度に渡る攻撃を仕掛けてきたが、春風と共にやって来たという「星の戦士」に野望を打ち砕かれ、ついには消滅した―。
だが、実際彼の生命力は凄まじく、なんと爆発を起こしても肉体は残っていたのである。
この事に危機感を持った大彗星「ギャラクティック・ノヴァ」は、彼がもう2度と復活しないよう自らの力を使い、ある結晶に封印し、現代に至るのである。
しかし、この後ノヴァ自身も想像もしていなかった出来事が起こってしまうのである。
そう・・・あの「星の戦士」に恨みを持った者たちによって・・・。
平和な星「ポップスター」。その中でも一際平和な国「プププランド」は今日も平穏な日々を送っていた。
そんな中、プププランドのシンボルともいえる巨大な城、デデデ城では、ブレイドナイトとソードナイトがあわただしく城内を駆け巡っていた。
「卿!メタナイト卿!どこにいらっしゃるのですか!」
すると2人の慌しい声に呼ばれて、城の主であるデデデ大王の第1部下、メタナイトが慌てて出てきた。
「何だ2人とも!何かあったのか!?」
「卿!こんな所に居たのですか!実は戦艦ハルバード内のメタ・ナイツ達から卿に緊急連絡があると・・・」
「とりあえずわかった。私に通信機をよこせ!」
ブレイドナイトから通信機を受け取ると、メタナイトは冷静に事情を聞いた。
「メタナイト様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「うるさい!とりあえず事情を話してくれ。」
するとメタ・ナイツの1人、メイスナイトが話し始めた。
「じ、実は戦艦に向かって大彗星みたいなのが来たんだスよ!このままじゃ戦艦どころかポップスター全てが吹き飛ぶだス!」
「大彗星だとっ!?」
メタナイトが大きな声を出して答えた。
「今すぐそちらに向かう。その前に艦長と話がしたいのだが。」
すると今度はアックスナイトと水兵帽を被った水兵ワドルディが順に答えた。
「バル艦長なら皆を置いて真っ先に逃げました。」
「「びぇぇぇん!ワシもう逃げるぅぅぅぅ!」とか言ってね。」
「・・・ちっ、弱気なヤツめ。わかった。では出来るだけ攻撃をせずに待ってて居てくれ。私の推測が正しければ、むこうも攻撃はしてこないはずだ。わかったな?」
「かっ、かしこまりましたっ!」
「・・・まったく世話の焼ける奴らだ・・・。おい!ソードナイトはカービィをハルバード前に連れて来い!ブレイドナイトはこの事を陛下に報告に行け!攻撃はするなとも言っておくんだぞ!」
「了解いたしました!」
そう言うと2人のナイトは各場所に散っていった。
「(・・・しかし何故あいつが・・・。何はともあれこれは止めなくては・・・)」
そう心の中で思うとメタナイトはハルバードに向かった。
メタナイトは風を切るように戦艦ハルバードに向かって飛んでいた。
「(一刻も早く確かめなければっ・・・!)」
メタナイトの頭の中はその事でいっぱいだった。
その時、上空が急に暗くなった。不審に思って上を見上げると、そこには巨大な影があった。
こんな物がポップスターに衝突すれば、たしかにこの星は跡形も無く吹き飛ぶだろう。
そうこうしているうちに、メタナイトはハルバード前に着いた。
数分後、寝起きであろうカービィを重そうに引きずりながら、ソードナイトがゲッソリとした顔でやって来た。
「ハァ・・・ハァ・・・おお、卿・・・!もう来ておりましたか・・・。」
「・・・。どうしたんだ?そんな顔をしおって。」
「はい・・・話せば長いのですが、実はカービィの家に行った所まではは良かったのですが、その後コイツを起こして連れてくるまでに色々ありまして・・・。」
「・・・。わかった。で、肝心のカービィはどこだ?」
メタナイトがそう言うと、後ろから眠そうな目を擦りながらカービィがこちらに来た。
「何だポヨ・・・。こんな早朝に呼び出して・・・。」
「あぁ、実はちょっとあってな。上空を見てくれないか?」
「!!・・・あの大きな影は何だポヨ!?」
「それが今日の朝5時ぐらいにメタ・ナイツどもから連絡があってな。何でも大彗星のような物がこちらに向かってきたそうだ。」
「大彗星・・・。まさか!?」
「そう、私もそのまさかだと思ってわざわざお前を呼んだのだ。」
「とっ、とにかく急いで向かうポヨ!」
「あぁ、行くぞ!!」
そう言うと2人は大彗星の居る方角へと飛び立って行った。
2人は大彗星の正体を掴むため、ついに宇宙空間へたどり着いた。
「ふぅ・・・。ようやくたどり着いたな。ちゃんとついてきたかカービィ?」
「大丈夫ポヨ!」
メタナイトはその事を確認すると、大彗星に向かって指差した。
「・・・にしても大彗星の正体はやはりお前だったか!ギャラクティック・ノヴァ!!」
すると、大彗星ことギャラクティック・ノヴァはゆっくりと答えた。
「イカにも・・・>良ク・来てくれマシタネ・・・>メタナイト・そして・カービィ・・・>」
「お前の目的は何だ!?まさかポップスター征服とは思ってはいないが。」
「・・・>2人にお願いがアッテ・ここマデ・来まシタ・・・>」
この言葉にカービィは1つ疑問を持った。
「何で!?ノヴァは本来願いを叶える側のはずポヨ!」
するとノヴァは深刻そうな顔で答えた。
「ワタシの・力でハ・もうどうにも・ならなくナッテ・しまったのデス・・・>実ハ・ワタシがかつテ・封印してキタ・ダークマター一族を初めとスル・邪悪なる存在達ガ・何か凶悪な思念によって封印を逃レ・ポップスターに逃げ込んだのデス・・・>」
「何だと!?どうしてだっ!」
メタナイトが鋭い質問を返した。
「ワカラナイ・・・>だからコソ・あなた達星の戦士ニ・頼みにキタ・・・>お願いデス・私の力も貸しますカラ・どうか全員を再ビ・封印してくだサイ・・・>」
ノヴァがそう言った瞬間、銀河全体が激しい光を放った。
「ポヨっ!?」
「なっ、何だ!?」
光で前が見えなくなり、周りの視界が元に戻ったと思うと、なんと目の前からノヴァが消え去っていた。
「まさか・・・騙されたのか・・・?」
メタナイトが愕然としていると、カービィは自分の手元に何かがあるのに気が付いた。
「メタナイト!これ・・・もしかしてノヴァ?」
そう言われ、メタナイトが横からカービィの手元を見ると、確かに金色に輝く懐中時計があった。
一見ごく普通の懐中時計に見えるが、流星のような縁取りや左目上の歯車がある所を見ると、確かにノヴァを連想させるものがあった。
2人が疑問に思っていると、時計から声がした。
「コレは・「大彗星の懐中時計」・・・>ワタシのパワーが閉じ込めてアリマス・・・>もし何かがアッタラ・この時計に願いをコメテ・クダサイ・・・>ワタシが・助けにナリマス・・・>」
「大彗星の懐中時計か・・・。まぁいい。カービィ、何かあったら大変だ!急いでポップスターに戻るぞ!」
「わかったポヨ!」
そう言うと2人は急いで戻って行った。
そんな中、ポップスターに戻って行く姿を後から覗いている者が居た。
「ふん、星の戦士か・・・。それなら先ずは小手調べだ。ゆけ!我がしもべ共!」
戻って行く2人の後を追って、いくつもの黒い物体が後を追っていった。
2人はポップスターに付くととりあえずイリュージョンアイランドに止まっているハルバードの前に降り立った。
「ふぅ、とりあえず事情を整理するか。」
「そうするポヨ。まず第1にノヴァは僕達に助けを求めている。そしてその理由は―・・・」
そうカービィが言いかけた時だった。
丘の向こうから、巨大な体がメタナイトに向かって物凄い勢いで突っ込んできた。
「メタナイトォォォ!話は聞いたゾォォォォォォイ!」
デデデの渾身の体当たりを食らって、メタナイトは華麗な弧を描いて吹っ飛んだ。
しかし着地は見事に失敗し、メタナイトは地面に頭からめり込んだ。
デデデは短い手を使いながら必死に地面から抜け出そうとしているメタナイトを無視して、カービィに話しかけた。
「カービィ!プププランドに大彗星が来たって本当かゾイ!?」
「・・・。あぁ、その件ならもう解決したポヨ。大彗星の正体はギャラクティック・ノヴァ。用件は僕達に頼みがあるって事だったポヨ。」
すると、やっと抜け出せたメタナイトがすかさず補足した。
「何でも今までノヴァが封印してきた、ダークマター一族を始めとする邪悪な存在が封印を逃れ、ここポップスターに逃げ込んだらしいのです。」
「なっ・・・何だと!?だったらワシも協力するゾイ!プププランドをまとめる王として、いや、プププランドの代表として一緒に戦うゾイ!」
2人はあまりにも急なデデデの決意に唖然としたが、強い見方を手に入れたのだ。当然大歓迎だった。
「あ、ありがとうございます陛下!」
「よぉし!だったら早速作戦会議を―・・・」
その時だった。ブレイドナイトがこちらに向かって来た。
「大王!卿!大変です!やっと大彗星が消えたかと思ったら、今度はプププランドが何者かによる大攻撃を受けました!」
「何!?・・・まさか!?」
「邪悪な存在かもしれないポヨ!」
「急いで向かうゾイ!!!」
3人はブレイドナイトと共に、急いでプププランドに向かった。
4人は全力疾走でプププランドに向かっていた。
「デデデ!ちょっとあれを見るポヨ!」
カービィが指差した先を見ると、そこではデデデ城が今にも燃えそうになっていた。
「たっ、大変だゾイ!」
「急いで向かいましょう陛下!」
―その頃デデデ城ではバンダナワドルディを始めデデデの部下達が敵によって城に放たれた炎を消そうと必死だった。
「大王様ぁ~!!城が燃えちゃいますよぉ~!助けて大王様ぁ!!」
バンダナワドルディがそう叫んだときだった。
「ワドルディ!大丈夫だったゾイ!!」
「大王様ぁぁ~~~!!」
先ほどの4人に加え、道中で合流したソードナイト達がすすをほろいながらこちらに来た。
「みんな大丈夫だったポヨ?それよりこの炎は・・・。」
「誰かに放火されたんです!そのあとにプププランド全体も襲われちゃうし、僕達は水を運んだりパラソルで火が広がるのを防ぐので精一杯で・・・。」
「とりあえずわかったゾイ。戦えないお前達は再び消火にかかるゾイ!ワシらは放火したりプププランドを襲撃した奴らを探しに・・・。」
そう言ってデデデ達が城を後にしようとした。
「まってください大王!僕も戦います!もう只戦っている大王様達の背中を見ているだけなのは嫌なんです!パラソルさえあれば僕も戦えるし、カービィさん達と日々陰で特訓を・・・。」
「・・・死にぞこないめ。わかったゾイ!」
「陛下!あれを!」
そう叫んでメタナイトがあるところを指差した。そして次の瞬間、全員が声を合わせた。
「リアルダークマター!!!!!」
「放火したりプププランドを襲ったのはこいつらポヨ!?」
「・・・・そのようだな!!」
全員は地面を蹴り、リアルダークマターに向かって身を乗り出した。
「食らえ!マッハトルネイド!」
メタナイトは空中で巧みに羽を使い回転すると、まっすぐ敵に向かって行った。
手に持った剣は正確に敵に向かいその体を切り裂いた、はずだった。
ダークマターは紙一重で攻撃をかわした。
「くっ!なんて動きの俊敏なヤツだ!」
「ほんとだゾイ!にしてもこんなに居たらキリが無いゾイ!?」
たしかにダークマターは10体、いやそれ以上は居るだろうか。
カービィ達6人は完全に囲まれていた。
「・・・いったいこんな数の敵、どうすればいいポヨ!?」
皆が考えている時だった。
キュイィィィィィン・・・ドシュュュンッ!!!
突如空の彼方から太い光線が飛んできて、目の前に居た敵たちを一掃した。
「なっ、何だゾイ!?」
その時、光線が飛んできた方角から声がした。
「メタナイト様!大丈夫だったダスか?」
「・・・!!その声、メイスナイトか!?」
メタナイトがそう言った瞬間、むこうから大きな物が飛んできた。
メタナイトの仮面によく似た正面操縦室の壁や、蝙蝠のようないでたちの大きな羽。
中央には大砲や光線を撃つ事の出来る2連主砲がある。・・・そう、戦艦ハルバードだ。
皆が上を呆然と見上げていると、ハルバードから何かがふわふわと降りてきた。
その「何か」はゆっくりと地面に着地すると、赤地と白地のパラソルをたたみ、こちらに向き直った。
「皆さん、お久しぶりです!僕達メタナイト様達の事心配で助けに来ちゃいました。」
「ワドルディお前・・・。アックスナイトも居るのか?」
「はい。元々ハルバードで助けに行こうって考えたのはアックスナイトです。この事には皆賛成して各自ハルバードで働いているんですが・・・。」
「居るんですが何だポヨ?」
「・・・恥ずかしながら僕は雑用しか出来ないので、この通り地上戦で挑もうっ!ってワケです。」
ここで新たな仲間について、デデデが1つ疑問を持った。
「なるほどゾイ。にしてもこのままじゃ、ワシの部下のワドルディと呼び分けがつかんゾイ!」
「あぁ、デデデ大王。その事については安心してください。僕、この人に会った事ありますから。」
「さっき、大王様に内緒でカービィさん達と特訓していたって言ったじゃないですか。で、特訓しようって時に僕達も呼び方に困ったんです。」
「その時に2人の特徴で呼び分けたらどう?って事になったポヨ。」
「それで僕がバンダナワドルディで。」
「僕が水兵ワドルディになったんです。長かったらワドルディは省いていいですよ。」
「・・・なるほど。しかしこのままでは私や陛下は呼びづらいな。」
「だったら2人だけワドルディで伝わるようにすればいいポヨ。メタナイトがワドルディと言う時は水兵を、デデデがいう時はバンダナを指すという事にすれば解決ポヨ。」
「なるほどな。では全員、改めてダークマターを倒しに行くぞ!!」
「オーーーーーーーーー!」
「メタナイト様!我々はハルバードで後ろから援護します!」
「あぁ、よろしく頼む!」
先ほどに10体くらい一掃されたはずが、ダークマターはまだまだたくさん居た。
「邪魔者ハ・・・倒ス・・・。」
ダークマターは一斉にこちらに突進してきた。
「くっ、早いゾイ!」
「こっちは防戦一方だポヨ・・・。」
「カービィ!後に注意しろ!来たぞ!」
「!!!」
「カービィさん!危ない!」
ドンッ!!!!
誰もがカービィがやられたと思った。
しかし、吹き飛んできたのはカービィではなくダークマターだった。
「ぷぅ、間一髪だったダス。」
なんと、メイスナイトはギリギリのところでダークマターにハルバードから弾丸を撃ち込んだのだ。
「・・・危なかったゾイ。」
「よぉし、早速僕達も反撃しましょう!行きますよカービィさん!」
「今こそ僕達の特訓の成果を見せる時!」
「2人とも!いくポヨ!」
ワドルディ2人とカービィはその掛け声と共にパラソルを天に掲げると、一斉にダークマターに向かってジャンプした。
「何だ!?3人がダークマター達を三角形型に囲み始めたぞ!?」
「これぞ特訓の末に編み出した必殺技だポヨ!」
「くらえ!トライアングルアターーーーーーークッ!!!」
「!!何ダト!?クッ、ギャャャァァァァァ!!」
バァァァァン!!
何と、カービィとワドルディ2人はパラソルのみでほとんどの敵をなぎ払ってしまった。
「こ、これが彼らの特訓の成果・・・。我々も負けてはられませんぞ卿!」
「そっ、そうだな!ソードナイト、ブレイドナイト、それにメタ・ナイツ達よ!残りも倒すぞ!」
「はっ!かしこまりました卿!」
「ワシらもどんどんいくダスよ!!」
「オイ!ワシを忘れるなゾイ!」
カービィ達の戦いは数時間に渡って繰り広げられた。そして―・・・。
「やっとダークマターを全て倒すことが出来たポヨ!」
「アリガトウ・・・>コレで・先ずはダークマターを・封印することが・デキタ・・・>」
「・・・しかし城は愚かプププランド全体が大きな被害を受けたゾイ。」
「これからもこんな戦いが続くのかポヨ・・・。」
「・・・そうだな。」
そんなカービィ達の様子を陰から見ている者が居た。
そう、あの時銀河で何かを探っていた者だった。
「・・・倒されたか、まぁいい。プププランドに絶大なダメージを与えられた事だし、今度はこの僕が自ら出向いてやるのサ!!」
その者はそう言うと、大きな不気味な翼を広げ、何処かに飛んで行った。
「おっほっほっほ・・・。おーーっほっほっほ・・・。」
ダークマターによる大攻撃を受けたプププランドは、状況が一時沈静すると、すぐに復旧作業を始めた。
こんな即急な判断は、住民達の絆が深くないと出来ない事であり、それこそがここの良い所だ。
そんな中、カービィ達は、カービィの親友であるフームとブンと家で治療を受けていた。
「うっわ、酷い傷ね。皆こんな怪我しながら戦っただなんて大丈夫だったの?」
「そうだよ!星の戦士であるカービィとメタナイト卿はまだしも、デデデ大王達はそんなタフじゃないんだしさ!」
「うっ、うるさいゾイ!!」
「・・・にしても、悲しい話よね。昨日まであんなに平和だったのに、1夜にこんなになっちゃうだなんて・・・。」
「姉ちゃん・・・。本当だよ。どうして僕達、いや、プププランドばかりがこんな目に・・・。」
そんなブンの言葉に誰もが静まっている中、フームが鋭い声で叱った。
「何言ってるの!勘違いしてるんじゃないわよ!誰が1番辛いと思ってるの?・・・カービィに決まっているでしょう?カービィは今まで自分に接点の無い争いにまで身を乗り出して戦った。そりゃ仲間の助けもあったかもしれないけど・・・。でもやっぱり辛いのは―・・・。」
「わかってるよそんな事!!」
ブンがフーム以上に大きな声で言った。
「わかってるけど・・・。けど・・・。」
沈黙が続く中、フームがブンに謝った。
「・・・ごめんなさいブン。私も少し熱くなりすぎたわ。」
「いいんだよ姉ちゃん。弱音を吐いた僕も反省するところがあるし・・・。」
「まっ、まぁこれで兄弟喧嘩も一件落着だゾイ!」
励ますようにデデデが言った。
「2人とも、僕の事心配してくれてありがとう。大丈夫、きっとプププランド、いや、この宇宙全てを平和にしてみせるポヨ!!」
―そのときだった。
家の外で見張りをしていたソードナイトとブレイドナイトが慌てたように中に入ってきた。
「大変です!敵が来ました!」
「何だとっ!?皆、傷はまだ痛むか?」
「皆心配要らないポヨ。特に星の戦士である僕は、常人よりも傷の治りは早いポヨ。」
「・・・そうか、では皆のもの、行くぞ!」
全員は一斉に外に出た。その瞬間、どこからか不気味な笑い声が聞こえた。
「おっほっほっほっ・・・。おーーっほっほっほっ・・・。」
そのとき、メタナイトとカービィははっとした。
「!!その声は!」
「・・・まっ、まさかポヨ・・・。」
さっきまで晴々としていた空が、急に薄気味悪い沈黙の闇となった。
「そのまさかなのサ・・・。」
まるで道化師のような姿をした何者かは、軽くジャンプしたかと思うと激しい光を発した。
そして光が消えたかと思うと、その小柄な体から、自身の2倍近くあるであろう大きな羽が生えた。
「この大宇宙の真の支配者、闇の道化師マルク様大復活なのサ!!」
マルクが高らかに笑っていると、突如カービィの手元の懐中時計―ノヴァ―が突然騒ぎ出した。
「コイツだ・・・>コイツの・思念が・邪悪な存在の・封印を・・・>」
「!!!!」
2人が驚いていると、それに答えるかのようにマルクが説明した。
「フン。邪悪な存在だか何だか知らないけど、とにかく僕はカービィ、お前をずっと憎んでいたのサ。」
「・・・。」
「そんな事を思いながら数年間封印されていたある日、急に封印なんか解けちまったのサ。何だかよくわからなかったから、しばらく呆然としていたら、僕の周りに何か集まってきてサ!」
「邪悪な存在ポヨ!?」
次の瞬間、マルクは吐き捨てるように衝撃的な事を言った。
「そうかも知れないのサ。でもそいつら攻撃もしてこなくてさ、この僕が身を持って全員吸収してやったのサ!」
「!!そっ、そんなっ・・・。」
「僕は絶大なパワーを手に入れたのサ・・・。カービィ、僕は今日こそお前に復讐して、この全宇宙を手に入れる。そして、皆に僕の存在を認めてもらうのサ!」
「存在を認めてもらう・・・?どういう意味だ?」
「これから僕にひれ伏す存在に言う価値は無いのサ。さぁ!僕を倒したければ精々銀河のなれの果てまで来るがいいサ!!」
「銀河の・なれの・果て・・・>」
そして、マルクは再び高らかに笑い始めた。
「まぁ、来ても無駄だろうけどサッ!おっーーほっほっほっ!!」
そう言うと、マルクは銀河の向こうまで飛び去って行った。
「・・・マルク。」
「大変です卿!グレープガーデンにて、リアルダークマターが出たとの報告が!」
「わかった。今すぐそちらに―。」
そのとき、メタナイトの言葉をデデデ達がさえぎった。
「心配要らないゾイ。お前達2人は、マルクを止めてくれゾイ!」
「大丈夫ですよ、メタナイト様。ここは僕達に任せてください。」
「ワドルディをなめないでくださいよ!」
皆の信頼に満ちた目に、メタナイトは覚悟を決めた。
「・・・わかりました陛下。後は頼みました!」
「あぁ、言ってくるゾイ!」
「がんばってくれダスよ!メタナイト様、カービィ!」
すぐさま向かおうとしたメタナイトだったが、何かを思い出したかのように振り向き直った。
「おぉ、そうだった。ソードナイト、少し頼みたいことがあるのだが・・・。」
「?何ですか陛下?」
「実はな―・・・・・。」
―その頃、カービィは1人考え事をしていた。
「(マルク・・・。一体過去に何が・・・。)」
そんな中、背後からメタナイトが来た。
「カービィ、遅れてすまなかったな。ダークマターは陛下達が何とかしてくれるそうだ。」
「・・・あぁ、わかったポヨ。それじゃ、いくポヨ!!」
「あぁ!」
2人はマルクを追って、銀河のなれの果てへと向かった。
銀河のなれの果て・・・。それはビックバン―宇宙誕生―の時、他とは違い銀河になりきれなかった物の集まりだった。
その集まりは今も宇宙のどこかあり、まるで黒いもやのような姿になっている。
カービィとメタナイトは無事に銀河のなれの果てに着くと、足場とも分からぬ足場に降り立った。
「さぁ、マルク!姿を現せ!!」
メタナイトが叫ぶと、どこからか声がした。
「ククク・・・。まさか本当に来るとは思っていなかったのサ。」
そう言うと、マルクはどこからかワープして来た。
「よく来たのサ。さぁ、見せてやるのサ、僕の強化された真の姿を!!」
すると、突如周囲が激しい光を放った。
「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」
不気味な笑い声が轟き聞こえ、周囲の激しい光がおさまったかと思うと、2人の目の前に忌まわしき闇の道化師が降臨した。
「こっ、これは!?」
それはとんでもない姿だった。
マルクがいつも被っている帽子のふちは、ドロシアを思わせる魔女の帽子のようになっていた。
また、てっぺんの白いボンボリにはゼロに似た赤くて大きい瞳があり、こちらをまっすぐ睨んでいる。
羽はゼロツーのように赤く光り、全体からはダークゼロに似ているようでそれ以上の、邪悪なオーラをたたえて。
肝心の体本体は原型を留めているものの、舌はダラリと出ており、目はあのマルクソウル以上に盲点が定まっていない。
元の可愛らしい子供のような姿から考えると、今まさに目の前にいるマルクは、おぞましい執念にとりつかれた怪物以外の何者でもなかった。
「くっ、なんてオーラだポヨ!」
「全くだ。気を確かに持たないと、こちらまで狂い壊れそうだ。」
マルクはニヤリと卑しい笑みを浮かべた。
「ヒヒヒ・・・。これこそが僕の極限まで強化された最終形態、マルクファイナルなのサ!!」
「マ、マルクファイナルだポヨ!?」
カービィが驚きの声をあげた。
「そう・・・。あのマルクソウルとは比べものにはならない力を手に入れたのサ。さぁ、僕の力の前にひれ伏すがいいのサ!ギィィィャハハハハハハハハハハハハハハ!!」
「行くぞカービィ!!」
「わかってるポヨ!」
2人は一斉にマルクに向かってジャンプすると、猛攻撃を仕掛けた。
「マッハトルネイドッ!!」
「コピー能力ミラー!リフレクトフォォォス!!」
ドォォォォォォンッ!!
その激しい攻撃はマルクに正確に当たり、激しい爆風を起こした。
「やったポヨ!?」
「ククク・・・。そんな甘い攻撃、効かないのサ!!」
マルクは大きな羽を羽ばたかせ、爆風を吹き飛ばした。
その体には傷1つ付いておらず、戦闘前と同じようにピンピンしている。
「なっ、さっきの攻撃は全て直撃していたはずっ・・・!」
驚きを隠せないでいるメタナイトをまるで嘲笑うかのように、マルクは返答した。
「だから言ったのサ。来たって無駄だって。さぁ、あの世で後悔するがいいサ!!」
その言葉と同時に、マルクの体が真ん中からゆっくりと2つに裂けていった。
「先ずはメタナイト!お前から始末してやるのサ!」
裂けたマルクの体の中心から、黒い穴のようなものが浮かぶ。
「食らえ!ハイパーブラックホール!!」
マルクの中心にあった穴が、メタナイトに向かって真っすぐ飛んで来る。
それは今までのマルクのブラックホールとは明らかに違い、追尾性能のあるブラックホールだった。
この時、既にメタナイトは長年の経験で勘付いていた。
この攻撃は自分の実力では、ほとんどの確率で、いや、絶対にかわせないと。
「くっ・・・!」
「危ない!!!!」
メタナイトはマルクのブラックホールに吸い込まれていった。
そして、そのまま勢い良く吐き出され、地面に叩きつけられた。
「がっ・・・はっ・・・。」
「メタナイト!大丈夫ポヨ!・・・っ、その傷・・・。」
メタナイトの体は、攻撃を1回受けただけとは思えないほどの深い傷を負っていた。
そんな中、振り絞るような声がかすかに聞こえた。
「くっ・・・。カービィ・・・、気を・・付けろ・・・。あいつの力・・・とんでも無く・・・・。」
そのまま、メタナイトはガックリとうなだれたまま動かなくなってしまった。
「メタナイト!・・・。とりあえずここは危ない。メタナイトだけでもポップスターに返さなきゃポヨ。」
宇宙の彼方から、一筋の光が差した。
「出でよ、ワープスター!メタナイトをポップスターまで安全に送り届けるポヨ!」
ワープスターはメタナイトを乗せると、一直線に飛んで行った。
「・・・マルク。勝負を再開するポヨ。」
その返事に、マルクは陽気に笑いながら答えた。
「フン、お前は僕以上に諦めが悪いのサ。さぁ、どこからでも来るがいいサ!」
カービィはその言葉に激怒したのか、拳を強く握り締めた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・!」
その叫びと共に、カービィの手のひらに高い硬度をもつヨーヨーが現れた。
「コピー能力ヨーヨー!食らえ!ゲイサースパイラル!」
カービィはヨーヨーを支えに、マルクに鋭い回し蹴りを放った。
「クハハハハハッ!無駄無駄無駄ぁっ!」
回し蹴りをあっさりとかわしたマルクは、そのまま高く飛び上がった。
「僕の攻撃!ニードルシード!」
「!!」
カービィはその攻撃をかわそうとした。
しかし今までのものとは違うだけあってか、その棘の幹は予想以上に太いものだった。
更に、幹から生えているとげはまるでドリルのように高速回転している。
こんなものかわせるのか?―その気の迷いが油断となり、隙となった。
ザシュッ!!
「くっ・・・!」
カービィは空中で巧みにスピンし、幹の間をすり抜けた。
しかし、さすがに油断していただけあってか、腕に軽い切り傷を負ってしまった。
「ククク・・・。軽い切り傷だけで済んだとでも思っているのサ?」
「え・・・?」
その言葉と同時に、急にカービィは力尽きたかのようにその場に倒れこんでしまった。
「(一体何が!?・・・体に・・・力が入らない・・・。)」
視界はだんだんとかすみ、意識も朦朧としてきた。
それでもカービィは目の前の敵を倒すため、体に力を入れようとした。
「まだ抵抗する気なのサ?僕のニードルシードの毒からは絶対に逃げられないのにぃ。」
マルクは苦しむカービィを嘲笑うかの様な視線で見続けている。
「毒を食らったら最後、お前に助かる術は無いのサ!アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」
「・・・・>」
マルクが高らかに笑う様子を、ノヴァはカービィの懐で見ていた。
「このままでは・カービィが・危ナイ・・・>しかし・まだ・パワーが・足リナイ・・・>」
そんな中、カービィは薄れゆく意識と同時に、ゆっくりと目を閉じた・・・。