ミッション/第二次世界大戦のヨーロッパ/枢軸国/ミッション09

ドイツ軍は、クルスク突出部に展開すると予想される多数の戦力を遮断することにより、1943年夏のソ連軍の攻勢の可能性を弱めたいと考えた。[ 20 ] クルスク突出部または隆起部は、南北250キロメートル（160マイル）、東西160キロメートル（99マイル）の長さであった。[ 21 ]この計画では、突出部の北側と南側の側面を突破する2つの挟撃砲による包囲が想定されていた。[ 22 ]ヒトラーは、ここでの勝利により、ドイツの力が再び強化され、戦争からの撤退を検討していた同盟国における自身の威信が向上すると考えていた。 [ 23 ]また、多数のソ連人捕虜が捕らえられ、ドイツの軍需産業で奴隷労働力として使われることも期待されていた。 [ 24 ]

ソ連政府は、イギリスの情報機関、ルーシー諜報組織から伝達された情報、ロレンス暗号の傍受などから、ドイツの意図を事前に把握していた。攻撃がクルスク突出部の中心に降りかかることを数ヶ月も前に察知したソ連は、ドイツ軍の装甲先鋒を弱らせるために設計された多層防御を構築した。ドイツ軍は、主に新型パンター戦車と大量のティーガー重戦車などの新兵器を待つ間、攻勢を遅らせた。これにより、赤軍は一連の多層防御帯を構築する時間を得た。防御準備には地雷原、要塞、砲兵射撃ゾーン、対戦車拠点が含まれ、深さは約300 km (190 mi) に及んだ。ソ連の機動部隊は突出部から移動され、戦略的な反撃のために大規模な予備部隊が編成された。