お話
あるところに、足を着けば大地が裂ける呪いを宿すテクタという少女がいた。
その呪いは空飛ぶ魔法を全て打ち消すがため、外界へ出ることも叶わず、大樹より釣り下がった小さな家で、少女は使い魔と寂しく暮らしていた。
ある日のこと、使い魔が家の傍で行き倒れていた青年ユーノを連れてきた。
青年は旅の者で、自分にかけられた呪いを解く方法を探していた。その呪いは数センチだけ常に地面から浮いてしまう、世にも奇妙なものだった。
なぜこんな家に一人で住んでいるか青年に尋ねられ、少女は事情を話す。
そして青年が言うに「僕が君を抱いて外に出れば、大丈夫なんじゃないか」と。
青年が少女を抱き上げるのは簡単で、果たして地に降りても何も起こらない。
少女は大変喜んで、外の世界を見たいと青年に懇願する。
青年も乗りかかった船と、少女を抱いて旅することを心に決めた。
関連事項
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