【無人城の王】

Last-modified: 2025-11-29 (土) 18:18:29

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数年前から「帰らずの城」とうわさの【無人城】に住み、冒険者に宝がほしいかと挑発して去っていく爺。
【ひゃひゃひゃひゃひゃひゃだってボクチンこの城の王様だもーんひゃひゃひゃひゃひゃひゃ】に代表されるように頭のネジが数本飛んだようなセリフばかり言いながら冒険者たちを翻弄するが、その本性はネジどころかネジ穴そのものが吹き飛んだような、狂気的な妻への妄執を抱えていた、正真正銘この国の王である。
 
3年前に亡くした妻を蘇らせるために手段を選ばず禁断の魔術にも躊躇なく手を伸ばしていたようで、そのために城の住民いわく「とてもいやな感じのする」魔道士を遠方から招いており、その方法である【死者の書】を手にした途端に食事がのどを通らなかった日々がウソのように活気付く。
しかしそこから始まったのは、死者の書に書かれていた「蘇生に必要な生者の血」を集めるために城の者を誘き寄せては生贄にする毎日であり、住民たちは次から次へと仲間がいなくなっていく毎日に次第に不安を覚えるようになる。
「無人城」とは、彼の手によって人が次々と屠られていく、文字通り「帰らずの城」であった。