アイテム番号: SCP-013-LCOP
メタタイトル: 我、無に至れり
オブジェクトクラス: Ancestor
特別収容プロトコル: SCP-013-LCOPは完全な収容は非常に困難ですが、財団は死力を尽くして収容を続けなくてはなりません。
SCP-013-LCOPはサイト-Εの収容チャンバーの、3重・厚さ10cmの銅箱に厳重に収容されます。収容室内には角に4台のスクラントン現実錨 (SRA) を設置し、不安定状態へと移行したときに自動的に稼働するように設定しておきます。
収容済非収容済にかかわらず、SCP-013-LCOP-AはSCP-013-LCOPの収容チャンバーから半径3m以上離してください。
説明: SCP-013-LCOPは高さ100cm・左右幅74cm・前後幅74cmで銅製の仏像です。仏像は内部に即身仏があり、左目に人間由来の眼球があります。SCP-013-LCOPは24時間周期で「説法」を行います。「説法」が行われている時、周りのヒューム値が著しく低下します。この状態の事を不安定状態を揶揄します。SCP-013-LCOPは意思疎通ができ、積極的に話をしようとします。人間が「説法」を聞いたり会話をすると、影響範囲内への侵入を試み、成功した場合、即座にSCP-013-LCOP-Bへと変化します。
SCP-013-LCOP-Aは合計3体(それぞれ、SCP-013-LCOP-A-1、SCP-013-LCOP-A-2、SCP-013-LCOP-A-3と呼称)存在する異常実体の総称です。SCP-013-LCOP-AがSCP-013-LCOPの半径3mに存在する時、SCP-013-LCOPは周期を無視し、即座に「説法」を始めます。SCP-013-LCOP-Aが一定時間「説法」を聞くと特殊な電波を放ち、まだ到着していないSCP-013-LCOP-Aに現在位置を伝えます。すべてのSCP-013-LCOP-Aが範囲内に到着すると、SCP-013-LCOPの「説法」の影響を受ける範囲が徐々に増加していきます。この増加した範囲は、SCP-013-LCOP-Aを範囲外に出すことで減少させることができます。
SCP-013-LCOP-Bは人間が影響範囲に侵入した後に変化した姿です。見た目は影のようになり、顔面には各種器官の代わりに曼荼羅模様が掘られています。
SCP-013-LCOPは、ネパールとインドの境目の農村で発見されました。発見当時、SCP-013-LCOPは宗教団体の拡大に使われていました。宗教団体に潜入していた財団職員が発見した当初はEuclidクラスオブジェクトでしたが、後にSCP-013-LCOP-Aが中国で発見され、オブジェクトクラスの変更がなされました。SCP-013-LCOPとの会話記録は補遺1を参照してください。
補遺1:
対象:SCP-013-LCOP
インタビュアー:ネジャリア博士
<記録開始>
(ネジャリア博士は影響を受けても大丈夫なように、常に機動部隊-Εが付き添います。)
ネジャリア博士: やぁ、SCP-013-LCOP、今の自分の状況を理解していますか?
SCP-013-LCOP: ……Schaden freude。
ネジャリア博士: ……その言葉の意味をわかって話しているのですか?
SCP-013-LCOP: この我が何もわからないと思うのかね?
ネジャリア博士: そうですか、それでは質問を続けます。
ネジャリア博士: あなたはどこでどうやって生まれましたか?
SCP-013-LCOP: …君が生まれたずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと前から、我はここにいる。
ネジャリア博士: それはどういう意味ですか?
SCP-013-LCOP: 人類は何かにすがりたいのだろう?宗教とは、神とは、仏とは、なにか、考えたことはあるか?
ネジャリア博士: ……それは、
SCP-013-LCOP: あなたの家族構成は、母・弟で、父は数年前に事故死したな?
ネジャリア博士: ……
SCP-013-LCOP: 私の「説法」さえ聞けば必ず救ってやろう。
ネジャリア博士: ……記録を終わりにします。
SCP-013-LCOP: そうか、残念だ。
<記録終了>
