《…どうして、こうなったんだろう…》
深夜の商店街をぽてぽてと歩くショートカットの女の子。
名は沢渡楓。竹原高校3年生。写真部の部長を務めている少女。
「殺し合いなんて…私にはとうてい無理なので」
楓にとって、とうてい理解が追いつかない神父さんによる殺し合いのデモンストレーション。
「お母さん…おばあちゃん…香。…あっ!?ローライ!」
愛する家族の名前を呼びつつ持ち物を確認すると…それは、父親の形見のカメラ・ローライ35Sだった。
「マエストロに修理をお願いしていたのが…どうしてここに?」
ここ最近、調子の悪く、修理をお願いしていたローライがあることに驚く楓。
「…うん。やっぱり私には写真しかないので」
意を決した楓は、ローライで商店街を撮影する。
パシャッ!…ボンッ!!
「えっ!?」
写真を撮影するとなんと!小さな爆音と共に写真が現像された。
「すごい…もしかして、神父さんが言っていた「スタンド」の力?」
恐る恐る床に落ちた写真を拾い上げた楓。
「…うん。しっかりと現像できてええええ!?」
なんとッ!楓の体が写真の中にッ!!
「あわわわわ…これはどういうことなので!?」
余りの超現象に困惑した楓は説明書の紙を読み上げる。
「え~と…「アトム・ハート・ファーザー」写真の中へ入りこむことができるッ!?」
そう、楓に支給されたスタンド「アトム・ハート・ファーザー」は写真の中に自由に出入りできる。
さらに、写真内での行動が現実世界にも影響されるのだッ!!
「す…凄い能力…これなら、いざという時は写真の中へ逃げ込めばいいのかな?」
どうやら、楓にとってアトム・ハート・ファーザーは他者を攻撃に使うより守りに使うようだ。
「それで、どうしたら出れるのかな…わっ!?」
ドサッ…!!
写真から無事に出れた楓は尻もちをついた。
「いたた…でも、うん。私がこの殺し合いでできることは、写真を撮って撮ること」
沢渡楓はこの殺し合いでの自分の立ち位置を決めたッ!
「私を見守って…お父さん」
楓はローライを両手でギュッ!と抱きしめると、歩みはじめた。
楓が残す写真がこの殺し合いでどう生きるのか…神のみぞ知る。
【名前】沢渡楓
【出典】たまゆら~卒業写真~第3部 憧-あこがれ
【性別】女性
【能力・技能】
性格はほんわかとしているが、初対面の人と接するのが苦手でよく赤面し、あたふたする。また、語尾に「なので」をつける口癖がある。
父親は5年前に他界しており、父親の形見のカメラ・ローライ35Sで写真を撮るのが趣味。実際に将来は写真家になることを考えている。
彼女の撮影する写真には「たまゆら」と呼ばれる白い光が映り込むことがある。
【参戦時期】3年目の竹灯後
【スタンド】アトム・ハート・ファーザー
【破壊力:E/スピード:E/射程距離:なし/持続力:A/精密動作性:E/成長性:E】
【能力詳細】
能力は「写真の中に自由に出入りできる。ことと写真の中で本体が取った行動を現実世界に与える」こと。
写真自体にダメージを与えると、攻撃した人物にそっくりそのまま返ってくる。例えば写真を破けば、写っている人物の身体も引き裂かれる。
最も厄介なのは、写真に写り込んだ人物は、スタンド使い(写真に入りこんだ)の攻撃を直接防ぐことはできないということ。
ただし、致命的な弱点として「自身が写っている写真内」でしか行動を起こせない為、『写真の上から更に自身を撮られる』ように隔離されてしまうと、簡単にほぼ無力化される。
【方針】
殺し合いには参加しない。
とりあえず、写真を撮影する。
※1フィルム36枚撮影できる 残り1本と35枚撮影できる。