目玉焼きの焼き加減は人それぞれ

Last-modified: 2020-06-20 (土) 20:21:54

「殺し合い…… 自分は『乗るか』か『乗らない』のか……。
 えっと……どっちでもいい、といいますか……普通に考えたら、『乗らない』方なのかなと……思いますが……」

 

 そう独白する少年。彼の名は中沢。下の名前は特に必要ないので伏せる。
 中沢の最後の記憶は、学校を終えて家に帰宅する途中まで。
 その最中、どうやら自分はあのプッチと名乗っていた人物に拉致されたらしい。
 明らかに異常な事態に、中沢は恐怖よりも混乱していた。
 それでも、この意味不明な状態を少しでも整理するため、考えを口に出して纏めようとしているようだ。

 

「えっと……いや、スタンドとか、……ちょっと意味が……わかんないです、はい」

 

 やはりそう簡単に受け入れられない。
 中沢は一般人、ごく普通の中学生に過ぎない。
 そんな彼が、この殺し合いにすんなり順応できる訳がないのだ。
 よしんば戦っても、勝ち残れるとは本人も思っていない。

 

 一応、デイパックに入っていたメモによれば、今の彼にはスタンドという能力が与えられているらしい。
 『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』という名前の『無重力空間を作り出す』スタンド。
 これがこのバトル・ロワイアルでアタリのスタンド能力なのかはーー

 

「えっと……どっちでもいい、といいますか…… 
 危ないから……寧ろいらないかな、と……」

 

 そう、能力が強かろうが弱かろうが、『どちらでも良い』。
 まさしく無重力のごとく、彼には上も下も正も否も無い。
 それが中沢という男なのだ。

 

 彼はこれまでの人生で、出来るだけそういう『中立』な生き方を心掛けてきた。
 それが最も無難な選択だったし、事実、
彼の私生活はそれで上手くいっていた。
 この場ですら、無意識に彼は『選択しない』思考をしている。
 しかし、このバトル・ロワイアルでその生き方は通じない。いずれ、彼もまた選択を迫られる時が来るだろう。

 

 どっち付かずな彼は、今のところ『マイナス』でも『プラス』でもない。
 そんな彼が、このバトル・ロワイアルで何を選択するのか。

 

 それはまだ分からない。

 

【名前】中沢
【出典】魔法少女まどか☆マギカ
【性別】男性
【人物背景】
 アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』に登場する、鹿目まどかたちと同じクラスの男子生徒。
 下の名前は不明。
【能力・技能】
 彼の世界には魔法少女や人に危害を加える魔女などが存在するが、そのいずれとも関わりのなかった彼は勿論異能など所持していない。
 ただ、どこまでもどっち付かずな性格をしているだけ。

 

【スタンド】ジャンピン・ジャック・フラッシュ
【破壊力:B/スピード:C/射程距離:B/持続力:A/精密動作性:D/成長性:E】
【能力詳細】
 鉄輪で目隠しをした人型のスタンド。本体と一体化することもできる。
 手首についた入れ物は高速回転する。ここに釘やネジなどのガラクタを入れ、回転する遠心力で散弾銃のように撃ち出す事もできる。
 能力は「触れた物を無重力にする」事。直接触れなくても、本体の体液や触れた物に触っても相手を無重力にできる。
 無重力にできる範囲は、最初に支配下においた相手から半径20mほど。
  無重力の状態が長く続くと周囲は空気のない真空状態となり、内部にいる人間は出血多量か呼吸困難で死ぬ。

 

【備考】
 中沢の参戦時期はアニメ1話の後。
 スタンドについては把握しました。

 

【方針】
 とりあえず家に帰る方法を探す。