路地裏。そこで行われているのはサーカスなのか、打ち捨てられた椅子に座った男を道化たちが囲っている。
そこで行われているのは愉快なサーカスではなく教育。先輩から後輩への優しいレクチャーといったものだ。
少なくとも、マトモな人間は誰一人居ないことは明らかな光景である。
「こういうパーティーにオススメなのは、ガソリンと爆薬だな。あれは良い、手軽だし何より安い。文明の利器ってやつさ。
だが、必要なのは手際の良さだ。まずは手下を集めてみろ……」
口元から耳に至るまるで笑っているかのような傷跡に、不気味なピエロメイクをした男はそう言った。
彼の名は『ジョーカー』。この催しの参加者である。鮮やかな銀行強盗によってデビューを飾ったゴッサム史上最大の犯罪者。
そのアドバイスを聞いているのは、赤いスーツにこれまたピエロのメイクをした中年男性。
本明はアーサー・フレック。彼もまた『ジョーカー』である。
「へぇ……」
「HAHAHAHAHAHA!! そんなちゃちな案より、毒ガスをばらまくのはどうだ? 札束も添えて、パァーと派手にバラまくんだ! きっと爽快だぞ」
そう口を挟む彼は、真っ白な皮膚に引きつったような笑いを常に浮かべている、骨太の体格に仕立ての良い紫のスーツといった装いの男。
かつてギャングのボスの右腕であった男の成れの果て、彼も『ジョーカー』だ。
そのアイディアを聞いた『ジョーカー』は、なるほど確かにそれも良いと思った。しかし問題がひとつある。
「……おい、毒ガスや金なんてどこで手に入れるんだ?」
その問いかけに男は肩を竦めた。ここは彼のホームグラウンドではなく、特注の毒ガスの入手は厳しいのだ。現金もしかり。
「HAHA、いやいや、まず必要なのが他にあるだろう」
すると、また別の男が口を挟んできた。緑髪をオールバックで固めた、全身にタトゥーをしたギャングスターのような装いの男だ。
彼もまた『ジョーカー』だった。
「お前に必要なのは象徴だぜ。特注品を用意しろ、エンブレムの入った銃とかな。市販のなんてショボいのはナンセンスだ」
「……まぁ、そのうちな」
ある男は、裂けた口をメイクで雑なメイクで隠している。
ある男は、骨太でひきつった顔が延々と固定されている。
ある男は、身体中にタトゥーをいれたギャングスター。
それらはすべて、『ジョーカー』だった。
「ありがとう。やってみるよ」
HAHAHAHAHAHA!!
やがて意見を聞き終えたアーサーは、重い腰を上げる。解散を察したそれぞれジョーカー達は、思い思いに自分達の世界に戻っていく。
「頑張れよ新入り」「お前ならやれるさ」「何せお前も『ジョーカー』なんだからなな」。
それぞれ挟まって消えていく彼らを、アーサーは笑顔で見送った。
僕の人生は喜劇だ。
それは正しかった。
エンリコ・プッチ。彼が与えたスタンドで、僕は他の僕に会えた。
『平行世界』の僕は、いや『ジョーカー』は皆イカれていた。
でも、それは僕も同じだ。何が狂ってて何が正しいのか、誰の物差しで図るんだ。
そんなものはくだらない。だから、僕は皆が求めてくれることをやることにした。
だって、僕はーー『ジョーカー』だから。
新たな『ジョーカー』は踊る。息苦しい檻を飛び出し、光に飛び込む感触。
どこまでも深い解放感が、アーサーを包み込んでいた。
【名前】ジョーカー(アーサー・フレック)
【出典】JOKER、もしくはバットマンシリーズ
【性別】男性
【人物背景】
アーサー・フレック。コメディアンを目指すも才能無き男。あるいは新しき『ジョーカー』となった者の一人。
基本世界ではアーサーが『ジョーカー』としてこの催しに参加している。
【能力・技能】
先人に比べその腕は粗削りだが、史上最悪のヴィランになる素質はある。
【スタンド】Dirty Deeds Done Dirt Cheap(D4C)
【破壊力:A/スピード:A/射程距離:C/持続力:A/精密動作性:A/成長性:A】
【能力詳細】
平行世界を自在に行き来することができ、さらに他者を異世界へ引きずり込む(又は送り出す)ことができるスタンド。
発動のトリガーは何かの隙間に挟まれる、或いは挟み込むこと。
本来ならあり得ない事だが、平行世界に参加者としているジョーカーは、それぞれ別人のようである。
しかし、側が違えど全てジョーカーなので問題なく能力は使える。
【備考】
アーサーの参戦時期は暴徒によって助け起こされる前後、少なくともマレーを射殺した後。
D4Cを用いてそれぞれ『ジョーカー@バットマン(実写)』、『ジョーカー@ダークナイト)』、『ジョーカー@スーサイド・スクワッド』と接触しました。
【方針】
アドバイスを参考に、ジョーカーとして行動する