感情のパワー
感情はすべてのキャラクターの意思決定、行動、言動の核となり物語を牽引していく大切な要素である。
感情がなければ、キャラクターが歩む旅路にも意味がなくなってしまう。
感情を失ったキャラクターはただの 記号 となり 科白 は 音 に成り下がる。
なぜだろうか?
それは、聴取者がなりよりも感情的な体験を求めてドラマを観るからだ。
聴取者はキャラクターと心を通わせたいと考えている。
単に楽しいだけではない、キャラクターとリンクしキャラクターを通して物語の疑似体験がしたいがため作品を手に取るのだ。
人間とは 感情の生き物であり、それゆえキャラクターが魅せる感情は聴取者を駆り立てる。
感情が私たちの選択を左右し、共に過ごす相手を決め、価値を決定する。
それだけではなく、感情は コミュニケーション を刺激し、人と重要な情報や信念を共有することを可能にしてくれる。
ところが、この感情の動きはなにも会話だけで行われているものではない。
ある調査によれば、コミュニケーションの実に九三パーセントは非言語的なものだという。
ボディランゲージや表情、目の動きなどでメッセージを発信し続けている。
ということは、人間には言葉を交わさずとも相手の様子を読み取る力が備わっている、ともいえるだろう。
ということは、身体が表現する感情の出所…すなわち 非言語的な感情表現 をいかに活用するかということが重要になってくる。
そしてこれは、外的動作、内的感覚、精神的反応の三要素に分けられる。
逆を言えば、これらの要素を取り入れれば感情表現を表面上出すきっかけになるというわけである。
感情の分類
八情 と 七五感情
感情は、大きく八種類に分類される。
喜、怒、哀、楽 といった 四情と、愛、憎、怖、鬱 の四情である。
これらは複雑に入り組み混ざり合い、微妙な感情を作り上げる。それが七五感情である。
ここでは、八情を陽性と陰性に分類しそこから派生しうる七五感情を分類していく。
- 陽性感情
喜
うぬぼれ?、衝撃?、驚嘆?、緊張?、好奇心?
幸福?、興奮?、高揚感?、自信?、自尊心?
崇拝?、熱望?、平穏?、満足?、愉快?
楽
安堵?、葛藤?、期待?、希望?、驚嘆?
緊張?、好奇心?、興奮?、高揚感?、自信?
自尊心?、動揺?、熱望?、平穏?、満足?
愉快?、欲望?
愛
愛情?、懐古?、感謝?、幸福?、高揚感?
自信?、自尊心?、崇拝?、同情?、平穏?
満足?、欲望?
- 陰性感情
怒
怒り?、いらだち?、衝撃?、危惧?、疑心暗鬼?
疑念?、拒絶?、疑惑?、軽蔑?、激怒?
決意?、嫌悪?、自責?、嫉妬?、失望?
自暴自棄?、羨望?、短気?、恥?、反感?
不安?、不信?、不本意?、不満?、防衛?
欲望?、立腹?、冷笑?
哀
懐古?、悲しみ?、きまり悪さ?、苦痛?、屈辱?
後悔?、孤独?、罪悪感?、自信喪失?、自責?
失望?、絶望?、短気?、同情?、敗北?
恥?、反感?、不安?、不信?、不本意?
不満?、立腹?
憎
疑心暗鬼?、疑念?、拒絶?、疑惑?、屈辱?
軽蔑?、嫌悪?、嫉妬?、失望?、羨望?
憎しみ?、敗北?、恥?、反感?、不信?
不本意?、不満?、防衛?、欲望?、冷笑?
怖
圧倒?、あやふや?、安堵?、怯え?、葛藤?
気がかり?、危惧?、疑心暗鬼?、疑念?、希望?
驚嘆?、恐怖?、拒絶?、疑惑?、緊張?
苦痛?、屈辱?、屈服?、苦悩?、懸念?
後悔?、混乱?、罪悪感?、自信喪失?、自責?
自暴自棄?、心配?、絶望?、動揺?、敗北?
恥?、反感?、不安?、不信?、用心?
鬱