先輩ヒート短編集3

Last-modified: 2013-08-14 (水) 22:53:08

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男「委員長。これ、先輩に渡して貰えるかな?」
丁寧に折りたたまれた紙を渡す。表には一言“読んで欲しいにょ”。
女友「はい?いいですけど」

-昼休み-
女友「男君、あれっていったい何だったんですか?」
男「あれ?あぁ、あれはね・・・」
???『ひ…ひぃやぁぁぁぁぁぁ!!!』
学校中のガラス窓を揺らすほどの叫び声。
女友「何この声!?」
男「あ、読んだな」
どたどたどたどた……ガンッ!!
女「はー…はー…はー…お…男…!」
男「あ、先輩。ども」
女「いったい!!なんなんだこれは!?!」
先輩は、手に持った紙を俺の前に突き出す。そこにはあられもない姿の女の子の絵が描かれていた。
男「良くできてるでしょ?ついさっき描き上げたんですよ」
女「良くできてるとかそう言う問題じゃなくて!こんな…いやらしい姿…!でも…男がいつもそんなこと考えてるなら…私だって…その…色々…!
言葉を濁す先輩に、委員長は後ろから近寄る。
女友「どれどれ…」
女「ぁああぁぁぁあ!!い…妹は見ちゃ駄目だ!」
女友「う~ん…いまいちかなぁ…プチもえ陵○系はあんまり趣味じゃないんですよねえ…」
女「え?は…恥ずかしくないのか…!?」
女友「だって…漫画だし」
男「なぁ?漫画の話だもんなぁ?」
女「え…?何?この、私だけ常識はずれみたいな空気?」
二人『だって、ねぇ?』
女「うわぁぁぁぁぁ!二人が苛めるぅぅぅぅぅ!!」
ガラッ!だだだだだだ……!
二人『ふぅ、愛情の裏返しと受け止めて欲しいですわ』

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男「ただいまぁ」
帰宅した俺が部屋の戸を開けるとそこには、
???「お…おかえりなさい!お兄ちゃん…!」
男「先輩…何やってんすか?コスプレは自分の家でしてください」
女「違う!コスプレじゃない!」
男「いやいやいや…だって、先輩の方が年上じゃないですか」
女「違うの!今ここでは私は男の妹なの!!」
男母「あらあら。わたし、いつの間に子供産んだのかしら?」
男「母さんは引っ込んでて!!」

男「それで?何で急に妹になろうと思ったんですか?」
女「それは…その…この前遊びに来たときに…見つけてしまったんだ…」
男「なにを?」
女「これを」
つ『シスタープ○ンセス』、『妹で○こう!』、『カラフル○ッス』etc...
女「男は妹が好きなんじゃないかって思って…それで…」
男「はぁ…先輩?一つ言っておきますけどね?それ、俺のじゃないですよ」
女「そうなのか……って、えぇ!!じゃあ誰なんだ!?」
男「あの方です」
男母「あらあら」
女「お義母様!?」
男「というわけで、どうぞ召し上がれ」
男母「いただきまぁす♪」
女「ぇ?!ちょ、ちょっとお待ち下さいお義母様!?初めては男のために取っておきたく…!」
男母「大丈夫。後ろをもらうだけだから♪」
男「君のことは忘れないよ…」
女「泣いた振りをするなら助けろぉぉぉぉ!!」

『アーーーーーーーーー!!!!』

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新年編

女「男ぉぉぉぉぉぉ!!明けましておめで・・・」
男「あ、先輩。これからクラスのみんなと初詣してくるんで留守番お願いします」
女「お、おう!任せろ!!」
男「下で母が雑煮を作っているので良かったらどうぞ」
女「お、お義母様!?」
先輩は反射的にお尻を押さえる。
男「?では、行ってきます。二十分くらいしたら準備が出来るとお思いますので」
女「はぁぁぁぁぁい!!」

バタン

女「・・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!なんで“一緒に行く”って言えなかったんだぁぁぁぁぁ!!!」
二十分後
女「・・・ぅっく・・・ぐすっ・・・あ・・・行くか」

女「お、お義母様・・・・・・?」
男「あ、先輩。準備できましたよ?」
女「お、男ぉ!?なんで!?」
男「“なんで”とは非道いですね。先輩が心配で途中で戻ってきたんですよ」
女「お…男ぉぉぉぉ!!私のキスをお年玉にあげるぅぅぅぅ!!」
男「灼熱の雑煮をくらえ――」

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ガチャ
男「今年も寝正月かぁ!」
ごそごそ
男「・・・ん?」
ごそごそ
男「ベッドが妙に膨らんでる・・・まさか!!」
ガバッ!

女「ぅんん~ん!男ぉぉぉぉぉぉ…!」
布団をはぎ取ると、そこにはとても幸せそうな顔で寝ている先輩がいた。
男「はぁ…新年早々…」
女「すきすきすきすきすきすき…大好きだぁぁぁぁぁ…」
どんな夢を見ているのだろうか。その寝顔は幸せで満たされていた。

男「しょうがない、もう少し待つか」
女「私が好きだってぇ…私も好きに決まってるだろぉぉぉぉ…うへへへへ…」
かくかくかく…
男「…ていっ」
ぺちっ
女「…ん…んぁ…だれだぁ…」
男「先輩、起きてください」
女「お、男ぉ!?何っ!?もしかして正夢!?一富士二鷹三男ぉ!?」
男「なんですかその造語は…今更ですけど、初詣行きますか?」
女「う…うん!!もちろん行くぞ!!」

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女「男ぉぉぉぉ!あけおめぇぇぇ!!」
男「おめでとうございます。委員長もおめでと」
女友「はい、おめでとうございます」
女「男!男!」
男「はい?」
女「お年玉!ちょうだい!!」
男「……え?あれ?先輩の方が年上ですよね?」
女「精神年齢は私の方が年下だもんね~~!!」
男「……はぁ、今年だけですよ?」
女「やった!やった!」
男「はい、眼を閉じて下さい」
女「う…うん!!」
ぎゅっ
男「いきますよ……」
女「ドキドキ……」
ちゅっ…
女「ふ…ふぅぁぁ………み…みなぎってきたぁぁぁぁぁ!!!」
女友「お姉ちゃん!どこ行くの!?」
女「ちょっと箱根で併走してくる!!」

ガラッ!だだだだだ……!!
女友「……お姉ちゃん行っちゃった……」
男「かまぼこ口に当てただけなのにな」

女「キスキスキスキス…!男のキスだぁぁぁ!!今年は幸先良いぞぉぉぉぉ!!」

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※かまぼこは男が先輩と間接キスした後美味しく頂きました

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先輩ヒート

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準備編

も~い~くつ寝~る~と~

女「バレンタイィィィィン!!!」
女友「えぇ!?早すぎるよ!!」
女「いいや!男に私の愛情を伝えるのに早いも遅いも無い!!」
女友「そうですか・・・」
女「と言うわけで行ってくる!!」
女友「どこに!?」

学校にて
男「ん~最近先輩みないな?委員長、何か知らない?」
女友「これを」
男「ん?南米行きのチケット?」
女友「手作りチョコを作るために、現地に行くそうです」
男「カカオから!?」

現地にて
女「こちら女。大佐、無事カカオを入手した」
敵女「了解女。帰還してくれ。キッチンの準備は出来てある」
二人『ふふふ・・・・・・待ってろよぉぉぉぉぉぉ!!!』

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先輩ヒート チョコレート編

女「男ぉぉぉぉ!ハッピィィバレンタイィィン!!」
男「………先輩、バレンタインは再来週ですよ?」
女「思い立ったがバレンタインデーだ!!」
男「大安吉日ですか…でしたら、喜んで頂戴します」
女「ぅ……うん?ど……どうぞ………!」
男「………何ですか?このチロルチョコ並みに小さいカカオは?」
女「聞いて驚け!私の愛情が溢れんばかりにつまった!純度99.999%の特製チョコレートだ!!」
男「先輩………?」
女「すみません。度重なる失敗で採ってきたカカオがこれ以外無くなりました」
男「ふぅ………先輩らしいというか何というか…」
女「だ……だってぇぇぇぇ……!!」
料理が下手な事を“らしい”と言われて泣きそうになる先輩。
男「先輩………?」
女「…っ!!」
ぽんっ
男は先輩の頭をゆっくりと撫でる。
男「一緒に、チョコレート作りませんか?」
女「……………ぇ?」
男「大丈夫ですよ。俺は、ベルギーで修行を積んだ男です」
女「ぅ……うん!これがアレだな!“初めての共同作業”ってやつだな!?」
男「…そうですね」

後日談

女「~~♪~♪~~♪」
女友「お姉ちゃん、随分嬉しそうだね?」
女「あったり前よぉ!なんて言ったって!男と“初めての共同作業”をしたんだからな!!」
女友「えっ!?それって子づく……ゴニョゴニョ……」
女「ん?どうした?」
女友「う…ううん!何でもないの!どうかお幸せにぃぃぃ!!」
女「変なの……?」

敵女「お、男君!!」
男「ん?何?」
敵女「ちょっと早いけど!こ、これ!」
男「チョコ?ありがとう」
敵女「か、勘違いしないでよね!?ただの義理なんだからね!?当日一個も貰えないあんたを哀れんでるだけなんだからね!?」
男「そうか?」
敵女「そ、そうなの!そう思っておきなさい!!」
だだだだだ………!
男「あ…行っちゃった……で、中身はっと」
カパッ
男「また、高純度かよ……」

30

食玩編

女「んふふ~♪」
男「何してるんですか?先輩」
女「見てわからないのか?ついに私の食玩が出たんだぞ!!」
男「へ~そりゃようござんした」
女「友!妹!次は……!!」

男「先輩…諦めませんか?」
女「はぁ…はぁ…はぁ…つ、次こそ!」
パカッ
女「また友だぁぁぁ!!何で私がいないんだぁぁぁ!!」
男「先輩!シークレット!シークレットがありますから!」
女「そ、そうだよな!よし!引き当てろ!私の左手ぇぇぇぇ!!」
パカッ
美容師「俺ッスよwww」
女「なんじゃそりゃあぁぁ!?」

男「あ、先輩は女友とのコンパチらしいですよ」
女「なんだそりゃあぁぁ!?」
男「頭部と胸部を」

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