第零七話 玉!鍵!浴衣!!!

Last-modified: 2013-08-14 (水) 19:57:18

夏休みに入ってすぐ
俺たちの町では年一回の一大イベントがある
男「なぁ?」
女「なんだぁ?」
男「河川敷の花火は行くんだろ?」
女「もちろんだあああ!!」
一応聞いといて良かったな…
男「今俺が聞かなかったら…どうなってたか知らんぞ?」
女「ぅ…」
男「予定が無いから良いものの…勝手に予定を立てるなよ?」
女「わかった…それじゃ!!男おぉぉお!!花火は約束だぞおおお!!!」
男「わかった」
なんだかんだいって夏休みだけど…
こいつが家に来てるから変わりが感じられない…

花火だ!
男と二人で…花火を…見れるかな…
男だけ見てそうだけど…まぁどっちでもいいか
浴衣を用意して…下駄を用意して…
わくわくが止まらないいいいいいいいいい!!!
女「うおおおおおおおおおおおお!!!」
PPPPP!
おや?メールかな?
女友からだ…
受信:『花火に男君・男友・女ちゃん・私で行かない?』
む…これは…
返信:『その答えは男に聞いてくれ!!私は男の意見に従う!!!』
PPPPP!
返信はや!
受信:『了解。行くのは別として終わったらみんなで花火やろう』
返信:『わかったああ!!』
そう言えば癖かわからないけど
メールでも叫んでるな…私…

うわぁ…なんだこの人ごみ…あっちぃぃぃ
男「もううんざりしてきた…」
男友「俺も軽く…」
そこへ
女「男おおおお!!!待たせたなあああ!!」
女友「お待たせえええ」
男「浴衣着てきたなら少しは静かにしたらどうだ?」
浴衣姿の女と女友が来た
思えば男友も甚平と空気を読んだ格好だ…俺は…
男友「よーし、とりあえず場所探すかー」
男「あぁ…そうだな」
まぁ下は濡れるつもりで来たしな…しょうがないか

計画通り…私はわざと女友と男友のペアと逸れた
これで向こうもこっちも二人きり…フヒヒ
女「男おぉ!?女友たちがいないぞお!?」
男「何ぃ?…まぁあの二人も子供じゃないし大丈夫だろう…俺たちも場所探そう」
女「わかったぁ!!」ニタァ
っく…思わず顔が動く…戻れ戻れ戻れ…
男「…よし!行くぞ」
ぐい!
え?
女「あ…ちょ…ゆっくり歩いてくれええ!!」
男の手に引かれて…私は歩く…
私より大きくて…私より硬い手…だっはあああああ
顔がにやけてしまうううううううう

焼きそば・りんご飴・たこ焼き・じゃがバタ
いくらなんでもちょっと買いすぎだろう…まぁ俺が買ったわけじゃないからいいが…
男「もう買い物はいいか?」
女「おう!!」
男「それじゃ場所を探しにいくぞ?迷子になるなよ?」
女「わかったああああ!!!こうしてれば大丈夫だああ!!!」
そういって今度は女から俺の手を取ってくる
男「!」
思わず女を見てしまったが…それが失敗だった…
女「?」ニマァ
うわ…ものすっごい笑顔だ…やめろ
男「んじゃとりあえず土手降りようか?」
まぁ場所なんて最初から決めてあったんだけどな
河川敷で人が少なくて花火が良く見える場所…それは

男「荷物はまとめたか?」
女「ん?おう!落としはしないぞ!!」
男「それじゃ!」
ガ!ッガ!
お?…えええええええええええええええええ
女「!!???!??!?!」
男「いくぞ!」
そういって私をお姫様抱っこして…
川を渡りだす男…思わず男の首にかけてある私の腕に…
力がこもる
男「暴れるなよ?」
女「うん///」
あーもー、なー、フヒヒヒヒ
ずっとこのままでいいかなぁ…
男「いつまでそうしてるつもりだ?」
女「え!?あ!?あわわわ」
…気がついたら橋の下…誰も人がいない場所に付いていた…
女「おおおおお!!!ココはすごいなあああ!!!!」
ちぇ…もうちょっと川を渡るのに手こずっても良かったのに…
ってもしかしたら帰るときも…?

男「まぁ川を渡って来る家族連れなんているわけないし、人は少ないと思ってたが」
正直誰もいないとは思ってなかった…
女「ここなら涼しいなあああ!」
そう言って女はシートを敷いて四隅に石を置いている
男「おまけに打ち上げの目の前だ、仕掛けは見れないがな」
女「仕掛けなんておまけの花火はどうでもいい!!!」
おまけなのかw
それから買った焼きそばやらたこ焼きやらを食べながら
開始の時間まで俺たちは過ごした

ひゅるるるるるるる…ドン!ッパ
男「お、始まったな」
女「おおおおおおおおお!!この場所良く見えるなああああああ!!」
男「そうだな」
ひゅるるるる…ドン!パパパパパパ
ひゅるるるる…ドン!パラパラパラ
静かだな?ふと横を見てみると
男「!?」
女と目が合う

男「おおお前、花火見てるか?」
バレた!
女「見てる…ぞ?」
覚悟を決めた私は…
ずりずりっと男に密着する
男「!」
一瞬びくっと体が反応していたが…
男「今だけ…だからな?」
そう言って…肩を抱いてくれた…
女「今だけだからな!」ニタァ
思わず顔が緩む、そして私は頭を男の肩に預けた
女「ありがとう…大好きだ…」
ひゅるるるるるるるる…ズッドン!!パァ!
男「…………」
ん?何か言った?
女「何か言ったかああああ!?」
男「何も言ってないぞ?空耳じゃないか?」
怪しい…怪しすぎる…
女「そうか…そんな態度を取るのか…」
男「なんだ?」

女「男おおおおおおおおおおおお!!」
ひゅるるるるるるるる…

女「愛してる!!!!!!!」
ずどん!!パァ!

っつ…
男「いきなり叫ぶな…」
耳がキンキン鳴ってる
女「私の愛の叫びは!!花火の音にも負けはしなああああい!!!」
男「わかった、落ち着いて花火見ようぜ?」
女「え?今の最後の一発だぞ?」
え?そうだったのか?…
最後の一発を花火を見ないで女を見ていたなんてな…
男「それじゃぁ片付けて帰るか!」
女「おう!!!」

帰りも女は川を渡りきったのに気付かずに…
俺に抱っこされたまま結構な距離歩かされた…

EX

うへ!マジであいつらココ渡るのか!?
女友「ちょっと!ボケっとしてないで私達も渡るわよ!?」
うほ…こいつは本気だ…っち
男友「しかたないなぁ…っほ!」
そういって俺は女友を抱き上げる
意外と軽い?
女友「早く!見失う!」
男友「むちゃ言うな!転ぶわ!」
女友「あぁぁ…」
しかし…この状況…これなんてえろげ?
女友「見失った…」
男友「いいじゃんか?それよりは花火…見ようぜ?」
女友「そうね…ま、いっかw」
男友「この辺でいいか?」
女友「ん?ああああああああ、ううううん、いいよ」
男友「ほら、もうちょっと歩こうぜ?」
そう言って俺は手を出す
女友「え?あ…うん…」
男友「まだ石っころ多いしな、転んだら大変だろ?ほら///」
納得したのか俺の手を取る女友…ちょっとだけ小さいんだな俺より…

女友「ここで見よっか?」
ちょうど良く端の根元がコンクリート(セメント?)で座るのによさげだった
男友「ん?おぉ、丁度いいかもな」
そう言って男友は首に巻いたタオルを自分の右側に置いた(女友から見て左側
男友「ほれ、ここに座りな」
何格好つけてるのよ…いっちょまえに…
女友「ありがと///」
ココまで手を繋いでたし…手を取っても大丈夫かな…大丈夫…だよね?
女友「…」oO(えい!
心の中で気合を入れて!
私は男友の右手の上に私の左手を重ねた
男友「…」
男友は何も言わずに重なってただけの手を繋ぐように握り締めてくれた…
良かった…安心したけど…ドキドキが収まらない…
女友「…」
男友「…」
お互いに何も言葉が出てこない…そして…

ひゅるるるるるるる…ドン!ッパ
男友「始まったなぁ」
女友「始まったね///」

ぐはああああああああああああ
何これ何コレナニコレ
どうしろって言うんああああああああああああああ
ずし
うええええええええええええええええええええええ!!!
ちょっとちょっとちょっとちょっとおお!!!
女友の頭が俺の肩の上に乗ってきてるんですけどおおおお!!!
マジデコレハナンテイウエロゲーナンデショウカ!!!?
男友「みみみ見にくく無いか?」
ややややややっとの事で声を出す俺
女友「ん…ちょっと見にくかったりするかな?」
ここで俺中に神が降りて来た!!!
右手で持っている女友の左手を離し
右手は女の背を通って腰を持ち女友を抱き寄せた!!!俺すげえええええ!!
女友の頭は俺の顔と肩の間に入るようになっている!!いい匂いがする!!!
んで空いてる左手で女の右手を握る…二度と同じ事は出来ないな…
女友「あ…ありがとね」
男友「おおおおおう///」
次はどうすればいい神よ!!!フラグ?ねぇこれフラグ!?

花火が終わって…人ごみが薄くなってきた頃…
女友「そろそろ女ちゃん達と合流しようか?」
男友「そそそそっそそっそうだな」
どもりすぎww
また川を渡るときに抱っこしてもらって…
女友「いつまで持ってるつもり?私は楽でいいけどさ…」
男友「あ?あぁぁぁ、すまん」
女友「んじゃ男君の家の前にいこっか、逸れた場合の集合場所だし」
男友「そうだな、屋台の残り物でも見ながら行くか?」
そう言って私の手を取って歩き出す…
女友「そうね…奢ってくれるでしょ?w」
男友「無理です」
少しは…こっち向いてくれたのかな?

男「お前ら少しは落ち着いてやれよ!」
生徒男「おらあああああああ!!」
手持ち花火に大量に火をつけて走る奴
10連発の小さい火の玉を飛ばす花火を
2本背中につけてガンキャノンとかほざく奴
男友「行くぞおおおお!!」
ロケット花火やトンボ花火にテンポ良く順序よく火をつける男友
生徒女達「うひゃああああ」
馬鹿やってる男どもを見て笑う女達
しゅるるるるるる!ッパン!
ヒューヒューヒューヒューヒューパパパパパン
ベンチに座って涼んでいる女友
女「男おおお!!コレ一緒にやるぞおおお!!!」
そういって線香花火を大量に持ってくる女
男「どうみても数多いだろ…」
女「それだけ男と一緒にやれるだろ!?」
男「わかったわかった…はぁ」
線香花火一束以上を二人で消化か…つらいな…
だが以外にも他の花火の消費が激しかったようで
気がつけば全員して線香花火大会になっていた

そして女を家まで送って…
男「お…女?」
女「ん?なんだあああ!?」
男「その…浴衣…似合ってるぞ…///」
女「ありがとおおおおおおおおお!!嬉しいぞおおおおおおおお!!!!」
男「それじゃな」
女「待てい!」
男「なんだ?」
女「写真を撮ることを許そう!!!」
許そうって…撮りたいとは言ってないんだがな…
男「撮って欲しいんだな?…カシャ」
女「美人に撮れたかああああああ!?!?」
男「さぁなwそれじゃぁな!」
女「待てええええ!!見せろおおおおおおおお!!!!!」
誰が見せるか!家に帰ったらPCへ転送して保存だ…
って俺何考えてんだろうな…
こりゃそうとうやばいかもしれないなぁぁぁ…はぁ…

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