第零九話 揺れる?だけど?それは…

Last-modified: 2013-08-14 (水) 20:00:20

女「男おおおおおお!!遅刻するぞおおお!!」
お前が来るのが遅かったからだろう…
待ってる俺もどうかしてるのかもしれないけど…
思わず苦笑いが漏れる
男「遅刻はお前が原因だからな」
女「そんなこと言うなああ!!!」

その日の昼休み…
理由はわからないが、俺は違和感を感じ続けていた
女「男おおお!!弁当食べるぞおおおおお!!!」
男「はいよ」

いつもなら「どうだ!?」やら「美味いか!?」やら問いただしてくるんだが
女「……」
男「…」
女友「それでさー」
男友「へぇぇ」
そして弁当を食べ終えるとすぐに
女「あ!すまない!先生に呼ばれていたんだった!行ってくる!!!」
男「あ、おお」
女友「いってらしゃーい」
男友「がんばってなー」
なんなんだ?何があったんだ…って何心配してんだ俺…
男友「んで…」ニタァ
なんだその笑いは…
女友「最近どうですか?男君」ニタァ
二人して…

私は…男に嘘を付いてしまった…
でも…全てが片付いたら…正直に言おう…
大丈夫…きっと許してくれる…うん…
??「付き合ってもらえますか!?」
女「え?あぁ…それh… ??「今すぐじゃなくて良いですから!良い返事待ってます!!」
ちょ…人の話は最後まで聞いてくれ…
時間なんかかけなくても即答するのに…

即答できなかった私が悪かった…
まさかあんな事になるなんて…想像なんてできるか?

次の日、いつものように男と登校すると
パカ、トサササ!
女「うひゃ!」
男「ん?どうした?大丈夫か?」
女「あぁぁ、大丈夫だ!!!ちょっと転びそうになっただけだ!!」
大量の手紙
何これ?昨日は一通だけだったのに…
今日は…10通?なんで増えてるんだ…
女「男!」
男「ん?」
女「すまないが今日の昼休みは一緒に食べれそうにない…だから先に弁当渡しておくな!!」
男「あ、あぁ…」
女「それじゃ!またなああああ!!!」

昼休み
男「おぅ、飯食べようぜ?」
男友「ん?あぁ…女友もいないから久々の男二人だなw」
男「気色悪い事言うな…行くぞ」
チャイムと同時に女が来なければ…すぐにわかるのか…
その日の昼は久々に新鮮で
久々に…何故か…満たされなかった…

女「どうすればいい?」
女友「うーん…」
私は女友に相談した
昨日の一通だけなら、ただ断れば良い
そう思えたんだが…今日の数はちょっと…不安になってしまった…
女友「私にだけ話すって事は男君には知られたくなんだよね?」
女「そう…なるのかな?」
特別そんな風には考えなかった…けど言われてみればそうかも知れない…
何故だ?別に私の気持ちに変わりは無い…何故だ?
女友「それじゃちょっと色々聞いてみるね?今日家に着いたら私の家に来て?」
女「わかった、頼む…」
その日の昼は久々に満たされなかった
私が原因でこうなったのは初めてかもしれない…

ピンポーン
女友「はーい、いらしゃーい、さぁ上がって上がって」
女「うん、お邪魔しまああああっす」
ガチャ
男友「いらっしゃい」
女「なななななな何でいるんだ!?」
心底驚いた…
女友「協力者よw正直私一人じゃわからなかった事もちょっとわかったし多めに見てあげてw」
少し安心する…何かわかった事があったんだ…
女「うん、わかった…」
男友「それがさ…ちょっと厄介かもしれないんだよね…」
女「何がだ?」
男友「たぶん明日登校したら…今日以上に増えるかもしれない…」

なんだって?
男友「ほら?最初に一通だけ入っていたのあっただろ?アレが原因みたいだ…」
女「あれが何故原因になるんだ?」
心当たりが無い
男友「あいつが言うには、返事を先延ばしにしたって言ってるんだけど…」
女「あぁ、話を最後まで聞かずに行ってしまったからなぁ…即答で断るつもりだったのに」
男友「そうか…その『先延ばし』が…ほんの少しでも希望がある、そう思ったんだろうな」
何!勘違いも甚だしい!
男友「その情報が漏れて、俺も俺もって奴が今…手紙を書いているってわけだ」
女友「入学式で有名人化したからねぇ、多分全校レベルで動いてるかも知れない…」
女「何故だ!?別に私じゃなくていいじゃないか!」
男友「んー…それは…これを…」
女友「何これ?」
そこには
全校女子人気TOP10と書かれている紙が…
男友「出来る限りの男子生徒に投票させて作ったみたいだぜ?俺と男には話しは来てないが」
7位:一年×組・女  ネックは男、しかしこの位置!活発さと見た目が○
8位:一年○組・女友  巨乳が人気!見た目も○
9位:二年○組・七子  知的美人!?品乳がネックか!?
10位:一年□組・敵女  見た目は◎!性格に難があり?
女友「へぇ…」
女「これが?」
男友「いや、あの…その…ハイ」
女友「女ちゃんが可愛いって事よ?わかる?」
女「そうなのか?」
女友「そういう事なのwんでどうするかなんだけど…」

結局一人一人断る、それしか方法はなさそうだ…

その日俺は…見てしまった…
さすがにここ数日様子がおかしかったんだ…
俺が見たものは
女が下駄箱から大量の手紙を鞄に入れている所…
その瞬間…何故か心臓の鼓動が早まった…何でだ?
俺はソレを見て何を感じたんだ?焦り?怒り?虚しさ?
男「なぁ…それは…」
女「にょわ!なななななな何でも無いぞ!?そそそそそれじゃまたなあああ!」
隠す…のか…
俺は怒りを覚えた…何も隠す事はないだろう…
しかし…よくよく考えれば…俺が怒る事なんでできないな…
決めるのは女なんだから…

俺の心はグルグル荒れていた、正直気分が悪い…
何故だ?
生まれて初めての感情に…
俺はソレが何であるのか、理解する事が出来なかった

女「男おおおおお!!弁当食うぞおおおおおおお!!!」
男「あぁ、男友先行っててくれ」
男友「ん?あぁ、わかった、行こうぜ?」
女友「わかった」
俺は、女を連れて空き教室に入った
男「今朝の何だったんだ?」
女「なな何でも無いぞ?どうしたんだ!?」
男「何でもない…それは俺には関係ない…って事か…」
女「え?」
男「すまんが今日は気分が悪いんだ、俺はこれで早退する…それじゃぁな」
女「え?大丈夫か!?私も一緒n 男「お前には関係ない、それじゃな」

くそ
ガン!
自分でも信じられないほど荒れている
そんなに女に話して欲しかったのか
そんなに女と離れるのが駄目なのか

そんなに…女の事が…好きだったのか…
吐きそうだ

女友「ちょっと!どうしたの!?大丈夫!?」
大丈夫じゃない
女「うぁあああああああああああ」
男友「俺次の授業の準備あるから先行ってるわ」
女友「うん、わかった」
女「うぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
死にたかった
何もかもがどうでも良くなった
勉強なんてどうでもいい
学校なんでどうでもいい
生きている事さえどうでもいい

それほど男が消えてしまう事が
私にとってどれだけ男が必要だったのか
どれだけ男の事が好きだったのか
自分で自分に思い知らされた

朝、女は来なかった
気分が悪い

昼休みの時間が来る頃
ふと見ると男友がいなかった
この時間まで気が付かないなんて何を考えていたんだろう…
あいつはいつものようにサボったんだろう
キーンコーンカーンコーン
さて一人の昼休み…どこで過ごそうか考えていると
PPPPPP!
メールだ
差出人:女 本文:体育館裏で待ってる
それを確認すると同時位に
女『お昼休みに失礼するううううう!!一年×組の女だああああ!!』
突如女の声がスピーカーから出る
女『毎日毎日私の下駄箱に手紙を入れる男共に警告だああああああ!!』
女『明日以降同じ事が続くようなら!!クラス個人名を出して!!晒し首にする!』
??『お前達!何してるんだ!!出てきなさい!!!』
??『やば、早く…長くは持たない』
男友?いないと思ったら…
女『誰が!何をしようとも!私の心は!!決して動きはしない!!』
女『何故ならば…なぜ…ならば…』
泣いている
誰もがすぐに気が付くだろう
確実に…泣いている…

女『私はァァァァァ…男をォォォォォ……愛してるぅぅゥゥゥ!!』
それは入学式と変わらぬ宣言だった
ただ宣言の対象が…同学年では泣く
学校全体と言う事だった
クラス全体所か…廊下にいた生徒までが俺を見ている…
女『邪魔するやからは…容赦なあああく!!!ぺぺぺいのぺい!!!っだ!!!』
??『終わったな?マイクを切れ!行くぞ?』
ッブ!
そこで放送は終わった
そこには朝よりは気分が良くなった俺がいたのは嘘ではない

体育館に行こうと思うのだが行動が監視されている
仕方なく昼飯を片付け、授業開始を待つ俺
そして

キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
来ない…か…
もう…駄目なんだな…
このまま…ずっとここで寝ていようかな…
何日ここにいれるかな?
1週間?もっと短いかな?
誰かに見つかる方が早いかな?
そんな事考えていると
男「遅くなってすまなかった…」
女「!」
振り向くと男がいた
男「誰かさんのせいで全校生徒から監視されててな…動くに動けなかった」
女「…」プルプル
駄目だ…声を出す事が出来ない
ただこうしてるだけでもう…涙が出てくるのを我慢出来そうにない…
男「…」
女「うわぁあああああああああああああああああああ」
我慢できなかった
男「…」ぎゅ
男が抱きしめてくれた
何故?何のために?どうして?
男「何で…今日の放送のように…あの時話してくれなかったんだ?」
女「そ…れは…ッヒ」
男「少しこうしていよう…落ち着くまで…こうしていよう?」
女「…う…うん…ヒック」

女「話さなかったのは…怖かったんだ…」
男は何も言わない、私は続ける
女「それを話して…男は何を感じて…何を言うのか…わからなくて…」
女「だから!…何か言うよりは言わないほうが…」
女「何も変わらずいれるんじゃないか?って…そう思っていたんだ…」
男「そうか…」
それ以上何も言わない男
ただ黙って私を抱きしめてくれている
どれ位時間が経ったのだろう
10分?1時間?
時間の流れが遅いような感じがした
男「もう、大丈夫だな?」
女「たぶん…」
次はいつ体験できるのだろうか
きっとまた男が体験させてくれるだろう
そんな気がする
女「男!」
男「なんだ?」
女「大好きだ!」
男「わかってる」
女「しかし!!」
まず無いだろう
女「しかし!私を捕まえておかないと…駄目だぞおおお!!」
私が男から離れてゆく事は…
余程の事が起こらぬ限りは
男「わかった…」
良く聞き取れなかったが、小さな声でそう言ったように聞こえた…

第零八話へ戻る目次へ戻る第一零話へ進む?