大人数でテラリア 第22話

Last-modified: 2019-09-19 (木) 20:33:48

大人数でテラリア 第21話
大人数でテラリア 第23話
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今回はリア視点が途中から入る予定です。

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メイジははっきりと見た。
遠くに見えていたゴブリンの援軍が撤退していくのを。
アリスは目に焼き付けた。
自分が放った銃弾が敵を貫き、砕け散らせたのを。
NPCたちはそれぞれの思いで見た。
助けに来たプレイヤー達と、消えていく大軍を。
セグアルはぼんやりと思った。
もう終わりか、と。
そして、リアは、

 

一瞬の自失のあと、
……なんだ。これ、私が来なくても良かったかも、
そう思った。
何せ、NPC全員が協力して、大軍の半分を残骸に変えた。
振り返る。そこには、大量のドロップアイテムと、
駆け寄ってくる仲間達がいた。
「お疲れ!」
「そっちこそ、何回も突撃したような顔してるよ?」
傷はシステム上ない。だが感覚の痛みは元の世界の50%は感じるだろうとリアは踏んでいる。
そして今のメイジは冷や汗いっぱいだった。だがそんなことは知らないように、
「お、ハープーンだ。これは運がいい」
「ドロップのスパイクボールが大体200個位あるな」
「リア、ハープーン持っとけよ」
「えっ?」
「大丈夫リアならすぐにコツ掴めるから」
……確かに、私の主力武器は鎖ナイフ。
「わかった、持っておくよ」
そのあとは本当に祭りだった。
仕方ない、あの大軍を自分たちでも半分は撃破したのだから。
その後、ひとまず外に出た。
ただガイドの難しい表情が印象的だったので、静まるまで待とうと思ったからだ。
夜が更けるまでは地上のマップ埋めをした。
まあ、ハープーンの練習の意味合いもあったが。
そして夜明け近くになった時、拠点に戻った。
そういえば、みんなは何をしているのだろう。
アリスは探索だよなぁ……
まぁそれは置いといて、ガイドに聞きに行く。
「ガイドさん、何かあったの?」
「ふわぁっ!?おい、やめてくれ、急に……」
「何か考えているように見えたけど」
ガイドの心臓を完全に無視して聞く。
「……ゴブリンと人間は本当に共存できないのかな?」
?と私は首をかしげるがすぐに思い至る。
「……(ゲームの中だし)もしかして、何か役に立つゴブリンとかいるの?」
「……地下深くを探せば見付かるはずだよ。」
リアの察しの良さに敬意を示したように呟いた。
地下深く。
まだリアはどういう景色があるのか知らない。
行くなら全員で行った方がいい。
リアは一人決意した。

 

(頭はいいけどね……逆に、早すぎる)
商人がリアを論評していた。
(……全く、何を考えているやら)
月が沈む。その瞬間、
天空に一筋の光が差した。

コメント

  • き つ い -- アイズ 2019-09-19 (木) 20:33:48