大人数でテラリア 第21話

Last-modified: 2019-09-17 (火) 22:07:41

大人数でテラリア 第20話
大人数でテラリア 第22話
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拠点が押されはじめたころ、リアは包囲網を強引に突破しまくっていた。
その理由はリコールポーションの類を手に入れてなかったという不運からで、
(やっぱりきつい……)
鎖ナイフが活躍しているがそれも物量に潰されそうになる。
それでも、
「私は!そう簡単には諦めないよ!」
手榴弾の音。包囲網が崩れる。
そしてリアは視界に映る景色を見て手を振った。
「来たよ。」

 

スパイクボールと大量のゴブリンに挟まれたメイジ達は、
(……いた、怪しい奴)
「メイジ、あそこにスパイクボール撒いたっぽい奴がいる」
アリスが背水の陣の原因となっている厄介極まりないゴブリンを発見した。
「……あいつか。セグアル、一発突撃してきて」
「一人でか?」
あの数にそりゃないぜ、という風に苦笑するセグアルに、メイジはただ一言。
「あの群れを作っているゴブリン分かるか?」
「……確かに戦士は居ないな。」
そう言い残した直後、セグアルは突撃していた。
「アリス、僕達も行く。準備しといて」
「……あと40発、タイミングはどうするの?」
「僕が手榴弾を投げたら」
そう言ってメイジは手榴弾を取りだし、
(……あと一つ……ここで決めなければ)
一瞬死に戻りという考えが頭を巡ったが無視する。
テラリアに入っている以上、何があるか分からない、と。
そしてメイジは手榴弾を群れに放る。ライトベインを抜く。
直後に響く銃声。

 

「く……おいっ、あとどれくらい相手をすればいいんだ!?」
もう日は暮れかけている。とうとう武器商人が叫んだ。
「そうだね……もう、ざっと170は倒しているから……」
対するガイドもやや余裕を欠いている。
リアは、指揮官が冷静を欠いてどうするんだと言いたかったが、前方からの矢と魔法弾の雨に思わず後退する。
(むむ……そろそろまずいかも、私が来て、少しは持ったかな)
そして直後に気付く。
ドライアドの加護が、消えている。
武器商人がはっとして振り返ると、そこには絶望的な表情で呪文を口ずさむドライアドがいた。
「おい……アラリア」
彼女の名前を言う。
「……畜生、……いや。いい。せめて、あいつらが来るまで。耐えるぞ!!」
その大声にドライアドは思わず焦点を戻した。
そこには決死の覚悟を叫ぶ青年がいた。
__上等……やってやりますよ。
その時、意識に水色の風が入って来た。
__いいですよ、その調子でやれば、精霊も戻ってくれますよ。……手伝います。
__アイさん。
ドライアドが目をわずかに潤ませた時、呪文が力強くなっていることに気がついた。
__悪の輩から我らを……護って。お願い。
次の瞬間、再び全員に加護が宿り、敵には呪いがかけられた。
そして、
「皆ーーー!?生きてるか!?」
かなり近くから聞き覚えのある声がした。

 

スパイクボールのゴブリンは混乱していた。
何故だ。
なぜ自分が、ここまで追い詰められている……!?
さほど多くない体力を、時々銃弾が奪う。
そして抵抗の末、彼は思う。
これは、手を出すべきではなかったな。
「撤退。逃げろ。何でもいい。戦闘をやめて、さっさと家に帰るぞ!!!」
同族にしか伝わらない言葉で大きく叫んだ瞬間。
彼の体は、今度こそ体の中心を貫いた弾によって、砕け散った。
ゴブリンぐんだんを たおした!!!!

コメント

  • なんとか2話で収まった(構想では今回は第17話の予定だった) -- アイズ 2019-09-17 (火) 21:33:05