基本用語集

Last-modified: 2009-03-12 (木) 22:50:03

中尾さんの資料の基本用語です。
 
①進行方向
 踊るときの進行方向には、以下のような呼称がある。
・LOD=Line of dance
 時計の針の動きと反対の方向。                 LOD
・逆LOD=RLOD=Reverse LOD
 時計の針の動きと同じ方向。                    逆LOD
・円内                   円外    円内 円心
 円心に近づく方向。
・円外                               円周
 円心から遠ざかる方向。
 
②回転方向
 踊るときの回転方向には、以下のような呼称がある。
・CW=Clockwise
 時計の針の動きと同じ方向に回転する。右回り。
・CCW=Counter clockwise
 時計の針の動きと反対の方向に回転する。左回り。
・噴水回り
 男女とも進行方向から外側にそれるようにして回転する。男子円内、女子円外で男女ともLODを向いている場合なら、男子はCCWに、女子はCWに回転することになる。
 
 
     CW               凡例
                      ・・・男(枝は体の正面の方向)
 CCW    噴水回り          ・・・女(同上)
 
 資料中で、左右逆、前後逆、男女逆などという表記がしばしば見られるが、この場合、大体においてそのまま逆に読み替えればよい。しかし左右逆のときに限っては、CWはCCWに、CCWはCWに読み替えなければならないので注意すること。ただし、LODは逆LODになったりはしない。
 
③空中回転方向
 踊るときの手足の空中での回転方向には、以下のような呼称がある。
・フロント・バイシクル・モーション Front bicycle motion
 =ナチュラル・バイシクル・モーション Natural bicycle motion
 自転車をこぐ要領で足を回すこと。つまり、上→前→下→後ろと回す(前回し)。また、手を回すときにも同様に用いられる。
・バック・バイシクル・モーション Back bicycle motion
 =リバース・バイシクル・モーション Reverse bicycle motion
 自転車を逆にこぐ要領で足を回すこと。つまり、下→前→上→後ろと回す(後ろ回し)。また、手を回すときにも同様に用いられる。
 
④踊る相手
 踊る相手については、以下のような呼称がある。
・カップル Couple
 男女各1名で作った1組。同一方向を向いた場合は、男子が女子の左側に並ぶのが原則である。
・パートナー Partner
 カップルの相手の異性を指す。同性2人1組の踊りでは、同性の相手をパートナーと呼ぶこともある。また、パートナーが変わることをパートナー・チェンジという。
・コーナー Corner
 パートナー以外でもっとも自分に近い異性を指す。
 
⑤踊りの種類
 踊りの種類については、以下のような呼称がある。
・カップル・ダンス Couple dance
 カップルを作って踊る踊り。
・ミクサー・ダンス Mixer dance
 カップル・ダンスの中で特にパートナーが変わっていく踊り。単にミクサーとも呼ぶ。また、2カップル1組で踊る踊りで、相手カップルが変わるものについても、ミクサー・ダンスと呼ぶ。
・チェーン・ダンス Chain dance
 踊り手が列を作って連なる踊り。列の形は問わない。
・ライン・ダンス Line dance
 踊り手が一直線になる踊り。踊り手同士が連手などで連なっているかどうかは問わない。
・ラウンド・ダンス Round dance
 踊り手が輪(円)になる踊り。踊り手同士が連手などで連なっているかどうかは問わない。また、アメリカの社交ダンス的なカップル・ダンスもしばしばラウンド・ダンスと呼ばれるので、混同しないように。
・ソロ Solo
 踊り手が1人だけの踊り。2人以上で踊っても、踊り手同士の位置関係が全く自由であれば、(2人以上のそれぞれの)ソロである。
 
⑥音楽
 踊りの音楽(リズム)については、以下のような呼称がある。
・呼間、カウント Count(ct と略す)
 動作を音楽的に区切る単位。原則として1小節(メジャー Measure, meas と略す)内の拍数と一致する。つまり、2/4の曲では1小節は2カウントより成る。また、3/4の曲では3カウントより成る。ただし例外も多い。
<主な例外>
 7/16・・・ラチェニッツァ RâFenica と呼ばれるリズム。♪♪♪. というリズムで、3カウントより成る。ただし第3カウントは他より半分長い。
 6/8・・・  というリズムは、踊りによっては  という2/4として扱われることがある。この場合、1小節は2カウントである。
 
 カウントの表記には ct 1, ct 2 のような形が用いられるが、次のような表記もある。
・ct ト ・・・1カウントをさらに半分にしたもので、「1,ト,2,ト」の「ト」にあたるもの。単に ct ト と書かれている場合には、その前に書かれているカウントの後の「ト」である。
ct(1)ト のように書かれている場合には、そのカッコ内のカウントの後の「ト」である。
・ct ア ・・・半カウントをさらに半分にしたもの。「1,ア,ト,ア,2,ア,ト,ア」ということになる。普通は ct ト の後の「ア」であるが、ct 1,ア,ト のような場合は当然、ct ト の前の「ア」である。ct(1)ア や ct(1ト)ア は、上記の ct(1)ト と同様に解釈してよい。
・ct 1-2 ・・・ ct 1 から ct 2 までの間に、ある一つの動作、あるいはひとまとまりの動作を行う。瞬間的な動作の場合は ct 1 で動作し、ct 2 はホールドである。
・ct 1,2 ・・・説明が2つの動作から成っているので、1つ目の動作を ct 1 で、2つ目の動作を ct 2 で行う。
・ct 3 ・・・下線が付してあるカウントは、他のカウントより多少長い。具体的には各資料の [Rhythm] に書かれた音符を参照すること。
・ct U ・・・下点が付してあるカウントは、他のカウントより多少短い。具体的には各資料の [Rhythm] に書かれた音符を参照すること。
・踊りのフィギュアの説明の都合上、2つ以上の小節がひとまとまりとして書かれている資料も多い。この場合、例えば1小節2カウントであっても、ct 3, ct 4 などという表記が現れることになる。誤植ではないので驚かないように。
 
 ホップ、リープ、ジャンプ等の跳躍動作においては、着地の瞬間がカウントの瞬間となっているし、スイング、キック等では、動作の終了がカウントの瞬間となっている。一般的に言って、一瞬で終わらない動作は、動作の終了がカウントの瞬間となっているので、その前のカウントの動作が終わり次第その動作に入るとよい。
 
⑦足
 足の裏については、以下のような呼称がある。
・トー Toe ・・・つま先のこと。
・ボール Ball ・・・ふくらんでいて地面に着く部分。          Toe
・ヒール Heel ・・・かかとのこと。                  Ball
・フラット Flat ・・・ベタ足つまり、トー、ボール、          Heel
ヒールのすべてで地面にふれること。
 
 また、足には通常ダンス・シューズを履いているが、ハンガリーやロシア、ウクライナの踊りではブーツを着用することも多い。ブーツはふくらはぎまでの長さのもので、踊りの中でブーツをたたく場合には、通常ふくらはぎのあたりをたたくことになる。
 
⑧その他
 その他、踊りの特殊用語とは言えないが、ある程度限定された意味で用いられる以下のような言葉がある。
・ライズ Rise
 伸び上がって身体全体を高くすること。アップダウンをつけるときのアップにあたる。ワルツなどの ct 2-3 についてしばしば用いられる。
・フォール Fall
 重心を落として身体全体を低くすること。アップダウンをつけるときのダウンにあたる。ワルツなどの ct 1 についてしばしば用いられる。
・フィギュア Figure
 踊りの姿。踊りの形。踊り方についても用いられる。
・スタイリング Styling
 踊るときのスタイル、つまり細かい点での姿勢の取り方。なかなか文字には表しにくいものである。
・リーダー・コール Leader call
 踊りの中でのリーダーが、踊りについての指示を出すこと。声を出すこともあれば、ハンカチを振ることもある。一種の合図であり、声を出すこと自体が次のパートへの移行を示すこともあるし、リーダー・コールの内容が意味を持つこともある。全員に分かるようにはっきりコールすること。