農協 月へ行く
角川文庫
著者―筒井康隆

「時をかける少女」の著者であり、アンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」の翻訳者であるという筒井康隆氏の短編集。中には最早笑えないくらいシニカルな作品も。「日本以外全部沈没」は小松左京氏の原作もあり有名だろう。極めてどうでもよいことだが私は三つめの「経理課長の放送」を読みながら朝の埼京線で5回も吹き出し周囲の人から液体窒素のような目に射すくめられた。これを読んでいる人の中で朝方の混んだ埼京線で一人にやにや(ときに不気味に喉をならしている)を見かけたとしたら、それは私だったかもしれない。必ずしも純粋に笑える作品ではなく、カリカチュアを見たような感覚になる作品。ブラックジョークが好きな人は特に楽しめるのではないかと思う。