神を見た犬
光文社古典新訳文庫
著者―ディーノ・ブッツァーティ
訳者―関口英子

部長である先輩に書いていただきました!あまり専攻語とか意識しない文芸部ですが、今回の先輩のチョイスは流石イタリア語科というものです!いつもの私の紹介文よりも為になりますよ!
「イタリアよりも日本などの諸外国で人気の高い作家」と、イタリア語科のある教官は仰っていましたが、日本でも、文学少年・少女でもなければ、あまりブッツァーティの名を知っている人はいないでしょう。
では、決して文学少年とは言えない私がなぜこの本を手に取ったのかというと、率直なことを言えば、主専攻語の授業・テスト対策です。イタリア語のテキストの横において、解釈の参考にさせてもらったものでした(授業に出ていればそんな必要はない、というツッコミは却下)。
そんな、私にとっては格別の思い入れのあるこの一冊(ちゃんと単位も取れたことですし)。短編集なのですが、「イタリアのカフカ」の異名に間違いはなく、全体が不条理な空気で覆われています。ただ、カフカの「虫」のような、背筋の凍るような読後感はなく、ただただ「何だかなあ」という気持ちだけが残ります。この辺りは、チェコ(東欧)人とイタリア(南欧)人の考え方の違いなどもあるのかもしれませんね。
直前の書評とからめた比較をしようと思ったのですが、思いついたのが「筒井康隆氏の短編から、エログロとナンセンスを抜いた感じ」。ただ、彼の作品からそれらを抜いたら、何も残らないような……。