デカルトの密室
新潮文庫
著者―瀬名秀明

数キロ先の花火大会の音がわが家にドンドン響いていました。見えない花火の音ってちょっとそわそわしますよね。
5月に「八月の博物館」で紹介した瀬名秀明氏の小説です。理系作家と称される瀬名氏ですが、この作品はタイトルからもわかるように哲学的な問題につての議論が多かったです。わりと長い物語で、途中幾度か私のちゃちな頭がフレーム問題(誤用)を起こしましたが、興味深い仕掛けの数々とダイナミックな展開に飲まれ読破することができました。
「八月の博物館」ほどではないがメタ要素の強い作品。本文中の「私はあなたが書くのを待ち続ける」この言葉は、本当はだれに向けられているのだろうか。
いく度となく現れる機械が心を持つか否かという問いには考えさせられるものがある。いまさらながら、改めて機械と人間の違いというものがどんな前提の上に成り立っているのか、どんな常識を根底にもっているのか、そしてその常識は疑いの目を向けられた時にどうなるのか。時にはそういった自分には答えの出せない問いに取り組んでみるのも面白いと素直に思えた。
実はこの本、中二の時に「八月の博物館」を読んだ後に読もうとしたのですが、途中で気持ちが悪くなって断念してたりします(笑) 怖かった表現も慣れれば読めるのですね。