会長の切り札(ジョーカー)
角川スニーカー文庫
著者―鷹見一幸

三度登場!!後輩のS本君!彼は夏休みという大学のことなど忘却の彼方というこの時期にこの不束者のサイト管理者を助けるべくまたも書評を書いてくれたのです!なんということでしょう!気の利く後輩に乾杯(笑)
あらすじ:市町村合併が進む中、楢山町、樫森町、桜川町の3町も合併することが決まった。しかしそれぞれには自分の町の名前を冠した高校があり、その高校もまた、合併が決まっていたのだった。それぞれの町の住民は自らの町の名前が無くなることと、その名前を冠した高校が無くなることを同一に考え、会議は複雑になり、話は一向に進まない。そんななか、楢山高校生徒会長、早乙女朋絵の放った言葉が原因で、学校等語の結果残す名前をその学校同士の対決によって決定することになった。
書評:久しぶりの方もはじめましての方もこんにちは。今回はこの、会長の切り札シリーズを紹介させていただきます。ネタばれをほんの少しだけ含みますのでご注意ください(核心をばらすわけではありません)。この作品はあらすじでも書きましたとおり、高校同士の勝負を描いた作品となっております。これだけ読むと何だか、勉強とか部活の勝負をするかのように感じてしまうかもしれませんが、そんな規模の話ではないのです。彼らの勝負の一回戦は最終的にセンサーで当たったかどうかを判断するバトンを使った、楢山城攻防戦になるのです。楢山高校の副会長、所光明によって、あれよあれよという間に町全体を巻き込んだ大勝負になっていく様子は読んでいてとてもわくわくします。第1巻では、一回戦の楢山vs樫森が描かれ、第2巻からは、また違う組み合わせの戦いになり、4巻で完結します(既完)。
この物語は、市町村合併という現代の一つのトピックを題材に描かれ在校生や、これから入学する生徒たちが主役である高校の統廃合問題を大人たちが勝手にきめてしまうことへの問題提起がなされており、政治に対する自分の意見を持つのにも参考になるのではないでしょうか。もちろん、この本に書いてあることが絶対正しい、というわけではありません。それは、個人が決めることでありますので・・・。
だからといって、堅苦しい話では決してありません。あくまで、中心は戦う生徒たちの物語であり、エンターテイメントとして読むにも適した作品です。ただ、王道ではないと思いますので読まれる場合はそのあたりを考慮に入れてください。一度読み始めたら、最後まで読んでしまうこと請け合いですよ!