T.R.Y.
角川文庫
著者―井上尚登

机に陣取るさるぼぼくんよ、今日は一体何処をみつめるのかい。
二連続井上さん!←選んでから気づきました!狙ってません。
暗殺者に狙われる日本人詐欺師の伊沢が身の安全を取引に中国人革命家である関に力を貸す。彼に与えられた仕事は「革命のための武器を、日本陸軍参謀次長からだましとる」という大それたこと。国を跨いだ壮大な騙しのストーリー。2003年に映画化されている。
背景知識や登場人物の設定などの状況説明が多いゆえ、序盤はやや冗長かもしれない。が、中盤以降の詐欺に取り掛かるところからはスピード感が急速に上がる。登場人物も多いが、それぞれに与えられた役割が明確なため、混乱はさほど感じることはないだろう。多くのレビューにあるように、この作品のテーマは「どんでん返し」。最後までダイナミックに展開する。時代設定上、実在した人物と架空の人物が入り乱れる。そして流石に明石元二郎はくせ者。