トーナメント合格者体験記/『3インチ』多口はじめ

Last-modified: 2019-08-12 (月) 09:33:00

※以下、公式https://urasunday.com/tmt1905int03.htmlの文字起こし


 
 

トーナメント出身者体験記               

 

出身者体験記4

『3インチ』多口はじめ さん

(第7回 マンガワン連載投稿トーナメント出身)

 
Q.トーナメントに応募した理由・きっかけはなんですか?
 

マンガワンで連載されている先生のアシスタントをしていた時に、他のアシスタントの方が連載デビューし、負けていられないと奮起して応募したような記憶があります。
トーナメントを選んだのは漫画家の先生の勧めでした。

 
Q.トーナメントに投稿した作品の内容はどのように決めましたか?
 

当時、東京に越したばかりで、都会の喧噪や将来への不安に圧迫感を感じていたので、「解放されたい!」「外国行きたい!旅行したい!」という自分の不満や欲求をそのまま勢いで描き出しました。

 
Q.第7回では惜しくも優勝に届きませんでしたが、そこから見事デビューを勝ち取るまでの経緯を教えてください。
 

2回戦で敗退した後、編集さんからメールを頂き、その後何度か打ち合わせをしました。
仕事を続けながら、週に一回小学館へ赴き、少しずつ作品の企画を作り上げていきました。
その時に漫画の基礎的な描き方、キャラクターの作り方を教えていただいたのは非常に貴重で素晴らしい経験でした。
企画ができてからはネームを作り上げ、連載会議に出していただき、今の連載をさせていただくことができました。

 
Q.トーナメントをきっかけに担当編集がつきましたが、どんなメリットがありましたか?
 

完璧に読者に伝わるように描いたと思っても、自分では気づかないような伝わりづらいところがあったりするので、担当さんに内容がわかりやすいかどうか確認してもらえるのは非常にメリットだと思います。

 
Q.トーナメントへの参加・連載獲得を通して、自分が一番変化したところはどこですか?
 

一番成長したと感じるのは話作りに対する考え方です。
トーナメントの時は、とにかくストーリーを考えてその通りに描くことに集中していたため、不自然な展開になっていたなと今になって思います。今は、自分の考えたストーリーに沿うよりも、キャラクターがどう行動したいかを優先して描いています。

 
Q.自分が参加したからこそ思う「トーナメントで人気が出そう!」と思うマンガは、どんなジャンル・テイストですか?
 

世間で流行しているような題材や作風を小手先で真似しても、読者の方々は「もう何度も見た」という感じであまり興味をそそられず、読む気がなかなか起きないと思います。
流行や売れ筋を研究して描くことは商業では必要なことですが、自由に題材を選べるトーナメントでは作者本人の内側から滲み出るような作品が強いと感じました。
第7回のトーナメントでも、2回戦、3回戦と上がっていった作品たちは、どれも作者の「好きなもの」「欲求」「性癖」「願望」などが強く出たものが多かったように思います。
特に今、何かを不満に思っていたりする方は、それをエネルギーに描いてみると意外に新しく面白いものができるかもしれません。

 
最後に、これから「マンガワン投稿トーナメント」に参加する方へのメッセージをお願いいたします。
 

連載デビューしたあとも、トーナメントに参加したことは生涯忘れられない経験になると思います。
たくさんに人に読んでもらえることのドキドキや楽しさを存分に味わってください!