全作品レビューさん/第2回2回戦感想

Last-modified: 2014-03-20 (木) 04:05:19

※原文(アップされた掲示板へのリンク)
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全作品レビューさんの第2回トナメ2回戦感想

第2回/1008 『人生は神ゲー』

1話(既出の感想)

マンガを描き慣れている感じだが、パースが全く取れていない。分かりやすいところで12P1コマ目の立ち位置。

パースの勉強をしっかりとすれば、ぐっと絵のレベルが上がる。現実とゲームの区別がついてない少女という話は面白い。

先の展開次第では面白くなりそうな期待感がある内容だが、この話単体ではちょっと物足りない。

2話
  • 1話にあったデッサン人形的な人物の固さが、随分と柔らかくなった。
  • パースも前回に比べ気を使ってるのが分かる。目立って変な部分は少ない。ただ今回は写真トレス背景や、白背景が多い。
  • 唯一目立って変なのは11ページ上の2コマ。タイルと人物のサイズ差がおかしい。
  • 絵が全体的にディフォルメが少なく平坦。そのせいで「コミPo!っぽい」と言われるんだと。
  • 会話中心だが飽きさせないようにアングルに気を使ってるのが分かる。
  • が、描きやすい角度でしか描けてなく、画面に面白さがない。意外にアップが少ないのもその要因のひとつ。
  • まきながほぼ全コマ、ぱかーっと口を開いてるのはさすがにマヌケ。
  • 貴美島さんとくるみがまきなに同行した理由が希薄。というかこの2話自体が唐突。
  • 貴美島さんが髪を切っていながら、風呂に入っていなかったことに後から気が付くのは引っ掛かる。
  • 「!?」多用しすぎ。これをちゃんとしたツッコミにしていて、しかもそれが冴えていればかなり印象が良かった。
  • その意味でも前話からの繋がりがほぼ無いのは残念。せっかく妹はツッコミの出来るキャラなのに。
  • 貴美島さん、まきなと同じ学校って言ってるってことは中学生…? 高等部かも知れないが。
  • 中高生が仕事探しでまずハロワに行くってのは、ネタとしては面白いが現実味が薄い。
  • くるみが空気。同じクラスということを言わせるためだけの登場になっている。もっと上手く使って欲しかった。
  • 「はじめてのお買い物」は後からでも出来るネタで、トナメで一番勢いが弱くなる2話に持ってくるのは策として悪い。
  • 主張の無い話で、少なくとも「勝ち残るための勝負の話」という内容では無い。
  • ヒキは悪くないが、期待感だけの描き方では弱い。もっと具体的な動きが欲しかった。
2話総評

この話単体としてはそれほど悪くないがトナメの2話としては良くない。印象の薄い話。現実とゲームの区別がつかないという

一番のキモの部分も、今回は印象強くないのも良くない。これはツッコミ不在のせいが大きいと思う。

画力の向上は見れたが、作劇力はまだいまひとつ。もっと勝ち残りを意識した話作りをして欲しかった。

第2回/1021 『狐子の嫁入り』

1話(既出の感想)

前回の「蜘蛛」同様、描き慣れていて上手い。ただ同じ構図が続いたりバストアップ絵を多用したりというクセも変わらず。

緩急が上手くなればプロレベルだと思う。42Pは狐との対比を効かせるか狐子の全身絵を大きくするかどちらかを強調すべき。

一番インパクトが必要なのに中途半端。話の展開としてもここに重点をもっと置いたほうがいい。全体の印象がボヤけてる。

2話
  • 相変わらず構図の変化に乏しい。12Pの楠木さんと14P見開きの晴明/狐子の構図がほぼ同じ、など。
  • バストアップ絵自体は減っているが1ページ内での人物絵の割合が高いページが多い。近視的な画面が多い。
  • 14/25ページの見開きに意味がない。強く印象付けれないのなら見開きは使わないほうがいい(特に縦表示の裏サンでは)。
  • 1話のときに書いた「緩急」は主に画面に対してだが、どうも画面が一本調子で面白みがない。
  • 強調されているもの、訴えるもの、が画面に足りてない。のっぺりしてる。
  • 「文字を読まずに絵だけ見ていても面白い」というのは漫画の理想のひとつの形と考えるが、これに近いように見えて遠い感じ。
  • 11ページの楠木さんの手首の古傷、もう少し引いた画じゃないとなにが描かれてるのか分かりづらい。
  • 1話は狐子の可愛らしさを出した話だったが、2話でいきなりシリアス度が強くなって戸惑う。
  • 一幕目で状況を説明しきる前に二幕目に入ってしまった感じ。唐突感が強い。
  • 2話はキャラの個性を読者に強く印象付ける、1話の延長で良かったと思う。
  • この2話が3話だったら悪くなかったかも知れない。
  • 7ページと25ページで胸もみが2回あるが、対比があるわけでもなくただ2回繰り返されただけで面白くない。
  • ちょっとしたセリフを追加するだけでも、これを生かすことが出来たかも知れないのに勿体無い。
  • やたらと裸が描かれているが「裸体が描かれている」以上のものを感じない。
  • 裸の描き方が淡白で、フェチさが無い。そのせいで肌色成分が多いわりにエロさが無い。
  • 「訴えるものが足りない」と感じる理由のひとつにキャラの視線がある気がする。ふらついてるというか自信なさげというか…。
  • とにかくキャラの目にみんな力が無い。目に力があると印象が強くなるので、今度意識して描いてみて欲しい。
2話総評

デッサン力など総合的な画力はあるが、どうも画面に変化を出すことが苦手っぽい。こぢんまりと小奇麗なだけになっている。

画面から訴えるものが出てくるようになったらバケると思う。技術的でなく精神論的で具体性を持ったことが言えないが…。

この2話はちょっと性急だった。しっかりとキャラの掘り下げをしてから話を進めたほうが良かったと思う。

第2回/1022 『Ⅰn the dream./Ⅰn the real.』

1話(既出の感想)

夢の中をリアルに、現実をマンガ的に描いてるのは意外と効果的で面白い。コマ割りにも違いを出していたりとニクイ。

夢世界はあまり少年・青年誌向きの絵柄ではないが、寧夢が見ている世界と思えば受け入れられる。上手い。

夢と現実を行き来する話は古典的なネタだが読ませる。夢と現実がどう繋がるか明かされずにヒキだが、続きが気になる。

2話
  • 緻密に考えられた作品。実質的に2つの漫画を1つにまとめているのは本当に上手い。
  • 1話は夢10P→現実1P→(タイトル1P)→現実5P→夢10P→現実5P→夢7P→現実1P(夢27P:現実12P)
  • 2話は夢4P→現実1P→(タイトル1P)→夢11P→現実8P→夢4P→現実3P(夢19P:現実12P)
  • 1話が夢側にページが割かれていたことを考えると、2話は現実側の割合をもう少し高くしたほうが良かったと思う。
  • 今回は特に夢側が複雑だったので、夢側は確認を入れて分かりやすく進行したほうが良かった。
  • 恐らく話を詰め込むためだと思うが(夢側との対比もあるとは思うが)、現実側のコマが小さいのが地味に痛い。
  • 現実側が非常にちまちました感じ。特に20~23Pはセリフも多くて余白がほぼ無く、息苦しい。
  • コマの狭さもあって現実側のモノローグ(フキダシに入れない文字)が見づらい。
  • 四角フキダシにモノローグを入れるか、もしくは絵に重ならない位置に文字を配置するぐらいのコマの余裕が欲しい。
  • 26~29Pは空中で話が進む印象的なシーンで夢側の話のいいアクセントにもなったと思うが、絵で印象付けれてなくて勿体無い。
  • 守護龍の幼女形態の体型がかなりいびつ。そのせいで(外見からの)キャラ立ちが出来なかった感じがする。
  • 寧夢の心情が描かれ、大胆に行動もしているがあまり感情移入できない。
  • 寧夢が(心の声とは別に)喋らないせいもあると思うが、「これが寧夢」と説得させるだけのエピソードが欲しかった。
  • 「設定の追加」が出来るがそれが万能ではない(やりすぎると世界設定が崩壊してしまう)のは面白い。
  • ある意味セカイ系で、メタもので、明朗なファンタジーもので、ぼっちの学園もので、と非常に贅沢な作りを今のところは上手く描けているが、これを定期連載できるだけの実力があるかどうか…。
  • 完全に作風の違う2つの作品を平行して(しかも互いが無関係ではなく)連載するようなもので、相当難しいが…。
  • 一言で言えば作者的にはかなり疲れる作品だと思う。労力に見合うだけの完成後の充実感を得られているならいいが…。
  • ヒキは非常にいい。夢と現実の接点を描くのはまだ早い気もするがトナメを考えると勝負のカードを切った感じ。
  • 1回戦と2回戦では作品数がぐっと減ることから「1話は見てなかったけど2話から見る」という人が増えると予想する。そういう場合のために2話には簡単なあらすじがあると良いが、この作品の場合は現実→夢の流れをまた見せたほうが良かった。
  • 2話は途中1Pを挟むのみで序盤はほぼ夢側のため、2話単体で読むと分かりづらさがある。
2話総評

作画的にも作劇的にも非常に考えて描かれている作品だが、自分の実力以上のものを描こうとしている感じもある。

肩の力を抜いては描けない、非常に難しい作品だと思う。現時点ではなんとか形になっているが…。

詰め込み感を出さないよう工夫はされているが、現実側の狭苦しさをどうにかしないと今後読みづらさが目立っていくと思う。

第2回/1035 『恋愛無双 レオ』

1話(既出の感想)

前回の「鬼名瀬さん」と「よみがえれ妹」のコンビ。妹の人は絵が優しすぎるので迫力が足りない。もっとデビルマンに。

言葉選びは鬼名瀬さんの人の持ち味が出ていて、キャラが強烈。なんだかよく分からなくても飲まれる。レオさんカッケェ!

面白いが、妹の人の作風ではないから続けられるのかちょっと疑問。ハッタリが効いていていいのだが。

2話
  • 1話感想で心配したことは杞憂だったようで、妹の人がのびのびと描いていて気持ちいい。
  • むしろ今回はhineテイストは少なく、青空テイストが強い。互いの持ち味を出し合っているいいコンビ。
  • 今回レオさんの出番がほぼ無いのは残念。ただレオさんの魅力は1話で出し切れているので、これはこれで悪くない選択。
  • 前回の予告に描かれた箇所はきっちり使われてるのが良い。3話でもちゃんと使われるのか楽しみになる。
  • 「カンチョオオ」や「ポタポタアアア」という擬音が面白い。
  • 7Pのレオさん、26Pの並子さんの顔は1話よりもデビルマン的迫力が出ていていい。ぐっと落差が出るようになった。
  • 7P艦長(なぜ艦w)の顔に迫力足りない。というか目を光らせてるのもあまり効果的でないので淡々としてたほうが良かった。
  • 10Pで「くそが……ッッ」とキレたのを後に生かして欲しかった気もするけど、アッサリなのが並子さんらしさな気も。
  • 13P「寝るか!」はかなり強引の落とし方。「いいオチが思いつかなかった」って感じで逆に面白いけど。
  • 12P「まあいっか!」と13P「寝るか!」がほぼ同じ構図なのはあまり良くない。
  • 上記のほかにも、並子さんはびっくりするほど左斜め顔ばかり。
  • だがアップロングの使い分けなどで画面に変化が大きく、不自然さを感じさせないのは上手い。
  • 左向きの顔が多いのは画面に「←」の指示が出ているようなもので、それで勢いを感じる部分もある。のか?
  • 15Pのダイオウイカと並子さんの絡みは文字だけのほうが効果的だが、16P1コマ目は文字だけじゃ寂しい。
  • 16P1コマ目でボロボロになった並子さんが描かれていたほうが15Pでなにがあったか想像の余地があってエロス。
  • リアルに描かれたセイウチより、動きを捉えてるナマケモノがナマケモノっぽい。
  • 24Pでなまちゃんが2回目の吹っ飛ばされるのは、予想通りとはいえもうちょっと強調して欲しかった。
  • 大オチが弱い。用意したネタ自体は悪くないが、もっと「レオさんすげえ!」と思わせる描き方をして欲しかった。
  • 1話は殆どノドを意識しないページ構成だったが、今回はシッカリしてる。
2話総評

安定して上手い。ただ前回はレオの強烈なキャラが目立っていただけに、並子さんだけでは力不足の感が大きい。

2話にしてレオのキャラに頼らない話作りを選択したことは英断と思うが、だからこそ最後は「この話は結局レオの話」と

思わせるだけの強烈なオチにして欲しかった。1話は全体の印象が作品を方向付けたが、2話はオチが全ての作りだったのに。

第2回/1039 『ラブ・ボーイ・ラブ』

1話(既出の感想)

前回の「私、死にます」等と同様にまずツカミから入る作風。ラフ絵だが総合的なマンガの技術は高い。

ただ少年誌的土壌の裏サンで男の同性愛ものをやるには、男から見てもタイチに魅力を感じるほどでなければ。

例えば17Pの笑顔をもっと可愛くするとか。男が読んでもキュンキュンするぐらいで。オチも含めて展開は非常に上手いのだが…。

2話
  • 1話のラフ絵から2話でペン入れ絵になった。イメージを損なってなくて凄く良い。単純にこれだけでも印象がいい。
  • 1~2Pでさりげなく、しかも非常に上手く1話のおさらいをしている。このおかげで2話単体で読んでもすんなり入れる。
  • 登場人物のフルネームもおさらいして欲しかった。2話で一度も「タイチ」の名前が出てない。
  • もしかしたら「タイチ=すずか」を印象付けて、ヒキで引っ繰り返すためわざとかも知れない…そうなら凄い。
  • というか哀川のフルネーム、まだ一度も出てなかった…。
  • 全体的にタイチのアップが多いが、それぞれアングルや表情を変えていて飽きない。むしろ魅力をよく出せている。
  • 10P3コマ目や31P4コマ目のような笑顔もいいが、多彩な表情で男から見てもタイチに魅力を感じる。キュンキュン。
  • 実質的に今回は大部分が「タイチの表情を見せるための話」。もちろんこれは成功していると言っていいと思う。
  • ただ24P「哀川君!」と25P「あぶないッ!」の構図の連続は単調。さほど重要な箇所ではないけど変化が欲しかった。
  • 26Pのバットの握り方が全く剣道的ではない。細かく挙げるとキリがないほどなので「竹刀の握り方」とかでググって。
  • 細かいこと言うと28Pの振り切ったあとの姿勢も変。右足つっぱり過ぎ。剣道やってたので凄く気になる。
  • 剣道とは関係なく、26Pの右手の親指の位置が変。右手が右手に見えない。
  • 26~27Pは迫力はあるものの、2P使うほどかというと疑問。28P1コマ目までを含めて整理したほうが良かった。
  • ヒキが凄くいい。もう一人の「すずか」はどう考えても話をかき回すだろうから、次の話が楽しみになる。
  • 前回の「パミイラ・パミイコ」「私、死にます!」「全力勇者」「この世に神など~」はどれも出し惜しみ感が強く話の盛り上がりの前に終わっていたが、今回は見せるべきところを見せるべきタイミングでキッチリと見せている。上手い。
2話総評

印象付ける話作り・画作りが上手い。この2話を読んだだけでタイチの色んな表情がすぐに思い浮かぶようになる。

話の展開を急ぎすぎず、丹念にキャラを描くことに重きを置いたのはいい判断。トナメでの2話は難しい位置だけど

理想的な2話の形になっていると思う。ヒキも良くて全体的に殆ど文句の付けようのない話。ひたすら上手い。

第2回/1041 『懲役339年』

1話(既出の感想)

前回の「レプタリア」も宗教を扱いながら不完全燃焼に終わっていたが、今回はまず描きたいものを出してきた感じ。

おそらく話の全体図からすると導入部分なのだろうが、非常に良いツカミ。説明文を使わず話で世界に引き込む良い見本。

20Pは描き直したのかラフだが、おそらくギリギリまで展開を練ったのだろう。非常に上手い。続きが読みたい。

2話
  • 初代ハロー:1話冒頭で語られた懲役339年を直接受けた罪人。20年服役して53歳で発狂して死亡。
  • 2代目ハロー:1話の中心人物。作中では10~12歳の頃が描かれた。12年服役して疫病で死亡。
  • 3代目ハロー:2話の中心人物。作中では23歳の頃が描かれた。45年服役して安らかに死亡。
  • なぜか2代目ハローのことを初代と書かれたりすることがあるので念のため書いておく。
  • 刑務長は1話でアーロックと一緒にメシ食ってたりした人か? 些細なことだけどこういう繋がりを描くと深みが出ていい。
  • 移送囚人たちの名前と罪状紹介は、パタ以外はわざわざ説明書きするほどではない。他人の口から語られるならまだしも。
  • リンドウだけは説明があったほうが20Pとの繋がりがいいが、これもやはり他人の口から語られたほうが良かった。
  • パタが漫画体型なのは効果が出ているとは言えない。積極的に悪いというほどではないが、良くなる要素でも無い。
  • 典型的悪人面にするよりは効果的ではあるが、漫画体型である必要は無かった。
  • パタはキャラデザが良ければもっと印象に残るキャラだった。微妙にキャラが弱い。
  • 逆にコーヤは非常にいい。実質的にコーヤが居なければ今回の話は成り立たないので、上手く印象付けれている。
  • 30P「ハローそれこそが」「意味への意思それこそが」は悪くない言い回しだが「それこそが」のフキダシは分けたほうが良かった。
  • 1話は普通だったのに、2話ではなぜか妙にコマの斜め切りを多用している。特に意味は感じられず違和感。
  • さりげなく初代ハローの「罪」について言及しててネタの小出し具合が上手い。先の展開の想像が楽しい。
  • 1話最後のアーロックの前世照会が2話最後の手記に繋がっていると思うが、よく出来た構成。
  • おそらく3話に勝負を持ってくるために、あらかじめ相当練られている話だと思う。
  • ヒキが非常にいい。3話は大きな転機がありそうだが全く先が予想できない。
2話総評

トナメではどうしても谷間になる2話だが、世界観の強調に費やしつつ面白さを出せた苦労の2話という感じ。

ほぼ1話と同じ世界説明だが、それと感じさせず形を変えて上手くやり抜いた。なにげに凄い。

ただそれだけに3話の期待のハードルはかなり高くなっているので、それに応えられるだけの3話を用意できるかどうか。

第2回/1051 『俺とヒーローと魔法少女』

1話(既出の感想)

男が魔法少女に変身というネタはちょくちょくあるが、これは絵に説得力があっていい。主人公は嫌がっているのに

公衆の面前で変身してしまうのはちょっと不自然。17Pは少ない気もするが、1話としてはシンプルに綺麗にまとまっている。

画力はあるし他も上手いが、コマ割りなど未熟なところも。魔法少女のデザインはもう少しそれらしいほうがいい気が。

2話
  • サイト版とは違う展開を持ってきたことはいい判断ではある(おそらくサイト版の1話と2話の間に相当する話だとは思うが)。
  • だが魔法少女に変身しない話は2話に持ってくるべきじゃなかった。変身しないぐらいならサイト版2話のほうがいい。
  • サイト版をすでに読んでいる人なら「変身しないこともある」というのは認知してるが、大多数の人はそう見てないはず。
  • (大多数の)読者側からは作品の方向がまだ見えないうちに、魔法少女に変身しない話を持ってきたのは策として悪い。
  • 1話同様、コマ割りは未熟。勉強の必要がある。正直かなり違和感のある気持ちの悪いコマ割り。
  • ただ大きめのコマに大きめの文字で、web発表では見づらさはあまりない。
  • 最近珍しい黒が強調された絵柄で、単純に目を引く。これは多分一番の強み。
  • 構図が単調。殆どバストアップ絵ばかり。
  • 特に6~8Pは変化のない構図が連続しているうえにアップロングの変化も少なく、画面自体が単調。
  • 16~17Pのエイジも同じアングルの連続で、折角の変身シーンがなんとも面白みが無い。
  • あまり目立たないが立ち位置のパース狂いが結構ある。一番分かりやすいところで7P5コマ目。ハヤトが地面に埋まってる。
  • エイジの変身した姿が、変身する前とほぼ変わらないのはインパクトがない。
  • 顔まで完全に変わってしまうハヤトとの対比かも知れないが、エイジの変身後にもっと面白さが欲しかった。
  • さりげなく会話中ハトがずっと弾込めてるのが面白い。
  • エイジの変身以外に山場らしい山場の無い話。かなり気の抜けた2話。
  • ヒキが悪い、というほどではないが良くも無い。むしろヒキよりもそこに至るまでの弱さのほうが痛い。
2話総評

すでにweb漫画作品として人気を得ていることと見栄えする画力が強力な武器だが、この2話は頂けない。

魔法少女に変身しない話はさすがに時期尚早。せめて3話、出来ればトナメ中には変身しない回は無いほうが良かった。

話の展開自体も弱い。気が抜けやすい2話の位置で、策もなく気が抜けてしまった2話という感じ。パワーがまるで無い。

第2回/1068 『かくして平和、しかして秩序.』

1話(既出の感想)

前回の「よかれあしかれおそかれはやかれ」もギャグが冴えていたが今回も面白い。第1回でデスゲーム系マンガが多かった

ことからの序盤のネタだと思うがツカミはバッチリ。凄まじい不条理系だがどうやって続けていくんだろうか、これ…。

まぁ次回は何事もなく妹の顔にモザイク掛かってるかも知れないがw ぜひとも続きを読んでみたい。

2話
  • まさか1話からそのまま続けるとは…。ギャグなんだし仕切り直しでも良かった気がする。
  • とはいえ、続けたのはむしろ凄い。こうなるとどこまで行くのか見てみたくなる。
  • しかも巻馬が流れに乗りさえすれば全てリセットされて、その後また別の流れに持っていけるんだから設定として優秀。
  • 2Pの「何だ夢か」はかなり笑ったが、やはり1話に比べるとツカミは弱い。
  • 4P後半のクラスの人のセリフは、セリフだけじゃ不自然。絵も欲しかった。
  • 1話も文字が詰まり気味だったが、今回はかなり顕著。6~9Pと中盤で文字が多いのでここで挫折する人居そう。
  • というかページ数は規定数までに余裕あるし、もっとページ使って画面を広く使ったほうが良かった。
  • 文字を詰めて説明したことが10Pで全部スルーされてるのが面白いところではあるんだが…w
  • (ギャグとしては)構図などはわりと悪くない。コマの迫力もあるが、むしろフキダシで画面が狭いことのほうが問題。
  • もしかしたら背景を書くのが面倒だからフキダシでコマを埋めてるのかも…。だとしたら良くない。
  • 生徒会長や書記の人が妙にキャラが立ってていい。
  • 瀬広ちゃん可愛い。中身はモザイクだけど。
  • 1話での放り投げたオチに対して、2話はヒキで終わらせてきた。悪くは無いけど急にストーリーもののようでちょっと違和感。
  • もしかしたら瀬広ちゃんの中身はモザイクじゃないのかも知れない、予想の付かないヒキだけど、作者も何にも考えて無さそう。
  • 瀬広ちゃん可愛い。
2話総評

非常にギャグが冴えていて面白い。ただ1話は文字量とギャグの配分が良かったが、2話はそのバランスが良くない。

そのせいでパワー不足の感はあるが、作者の地力はあると思うし作品の設定的な伸びしろもある。キャラ作りは出来ているし

画面を広く使った漫画が描けるようになればまだまだ成長する作者だと思う。瀬広ちゃん可愛い。

第2回/1072 『初めての料理教室ゥアッ!!』

1話(既出の感想)

前回の「異能力バトル」の印象から料理バトルになるかと思ったら、男の料理的ではあるが結構本格的な料理マンガ。

5~9Pはもっとコンパクトにしたほうが。34~36Pは言いたいことは分かるが要らない。本編は若干整理が必要だが上手い。

目玉焼きネタはベタ過ぎな上にそれで票稼ぎするとは…凄いアイディアだと感心したw 写真を使うなども上手い。

2話
  • 3Pのうっすらデザート担当など、なにげないちょっとした描写でキャラを立てるのが上手い。
  • というか9P3コマ目の茶山がいい。個人的に2回戦の全作品中ベストの1コマ。
  • 26~30Pのような茶山と明子の関係を描くのはちょっとまだ早かった気がする。
  • 1話の時点でも明子が「これプロポーズの台詞に聞こえる」と喜んでたりしたけど、これはまだ憧れ的にも見えたが…。
  • 二人の間には何も無いように描いて、読者側から「二人の関係は?」という反応が強まってからのほうが良かったと思う。
  • ってトナメだからそんな悠長なことは出来ないか…。結果を待たず連載が続きそうな錯覚を起こす、風格を持った作品だ。
  • 茶山・明子ともにコックコートで、しかも茶山(と多分デザート担当も)が白い髪なので画面が白い。
  • おそらく背景などを描き込む気は全くないと思うので、それ以外で画面にアクセントが欲しい。
  • ほぼ茶山と明子だけで進む漫画にも関わらず、ページの使い方、特にコマの使い方が上手くて見ていて飽きない。
  • 作者は原作志望のはずだが、コマの使い方の上手さに関しては2回戦の全作品中トップと言っても過言ではないと思う。
  • セリフの言葉選びも上手くて、非常にテンポよく読める。
  • 自分も料理をするけど包丁選びに関してはほぼ同意。ただページ数の問題もあるだろうけどもう少し詳しくして欲しかった点も。
  • 猫の手は、それ自体は知っていてもどう包丁に添えるかを知らなかったりするので、この辺はもう少し描いて欲しかった。
  • 砥ぎに関しては包丁の扱いで一番敬遠されるところなのでシッカリ描いて欲しかった。画的に地味なのは確かだが。
  • ただ3話で包丁の話の続きをしてもくどいだけなので、そのへんは追々やって欲しい(また続くこと前提)。
  • 包丁の話をやっておいてだけど、包丁は初めて料理をするうえでやはりハードルなので包丁を使わない料理特集とかして欲しい。
  • 卵の黄身のめんつゆ漬けとかでも充分に料理だし、そういうのから料理への道が開けていったりしたりしなかったりするし。
  • 1話から引き続きのアルパカネタは微妙。でも料理担当3人以外のレギュラーキャラとして定着させるのはいいと思う。
  • 返す返すも目玉焼きネタは凄いアイディアだったと思う。卑怯だけど。
2話総評

読ませる技術が非常に高い作品。何の疑問もなく、どこにも引っ掛からずに読めるというのは簡単なことではない。

画面の白さだけが非常に残念。見栄えは第一印象になるからなにかしらの対策が欲しいところ。他がレベル高いだけに勿体無い。

これを読んだだけで、もう次の話もその先も読めると錯覚してしまうような、そんな風格すら漂う堂々とした2話。

第2回/1089 『Helck』

1話(既出の感想)

カラーも含め極めて画力は高い。若干説明臭さはあるがテンポ良く読み進められる。ありきたりな設定かと思わせながら

次々にそれを裏切っていき、最後にはまさかのオチという展開が上手すぎる。全く先が読めない。これは続きが気になる。

ホンが出るコマがほぼ同じ構図なのはちょっと気になるが、マンガの技術は概ね高く安心して読める。プロレベル。

2話
  • まさかトランプタワーでの試合が描かれるとは…ふっけぇ!
  • 1話のヒキで「カード対決なんて地味になんじゃ」と思いつつもそれを裏切ってくれると期待していたが、予想通りに地味だった。
  • ヴァミリオが非常に見栄えするデザイン。画面に居るだけで華やかに感じる。
  • 逆にヴァミリオは他キャラと比べて絵の情報量が多いので、アップが続くと他が単調に感じてしまう。
  • つまりヴァミリオはいい意味で目立つが、悪い意味でも目立つ。悪く言うと若干浮いていて他とのバランスが取れていない。
  • コマを広々と使っているが、密度が低くはなっていない。情報の配置がいい。但しヴァミリオだけ単体で情報量が多い。
  • ↑例えると田園風景の真ん中に漫喫が建っている感じ。ヴァミリオだけ異質。
  • ヴァミリオ・ヘルクはキャラが非常に強いが、ホンやその他のキャラが弱い。
  • 特にホンはコメディーリリーフとしていいキャラになれそうなのに、いまひとつ使い方が悪い感じ。
  • というかやっぱりホンがほぼ同じ構図ばかり。描き慣れてない? もっと動きがあればキャラが立つが。
  • ヘルクのキャラが楽しかった1話と違い、2話はほぼヴァミリオの動きだけで展開されていて、そこに物足りなさを感じる。
  • 1話はヴァミリオの予想を次々に裏切るヘルクが面白かったが、2話ではそういう面白さが無かったのが痛い。
  • この話の山場はヘルクの集中になると思うが、やはり地味。ここをもっと強烈に描けていれば全体の印象も良かった。
  • 「ふっけぇ!」は面白い。「わぁ! 物理!」の22P全体などセリフセンスは非常にいい。
  • 全体的なゆるいギャグセンスは好み。
  • ヒキは悪くは無いがちょっと弱い。最終Pに取って付けた感も強い。
  • 今の1P目のツカミも弱いので、今の最終Pを1P目に持ってきて、最後にその続きで驚きのあるヒキにしたほうが良かった気が。
2話総評

安定してヴァミリオが可愛い。が、2話は完全にそれだけの話になってしまっている。1話はまだヘルクの活躍があったが…。

他要素が弱い。加えてトランプタワーが地味すぎた。それを跳ね返すだけの山場を作るか、もしくはヒキに驚きが欲しかった。

1話のヒキから予想されるものをいい意味で裏切ることが出来なかった2話。センスは凄くいいんだが…。

第2回/1095 『有線戦線』

1話(既出の感想)

前回の「OVER LAND」からかなり印象の違う作品。ゲームの世界に入り込む類の設定は珍しくないが見せ方が上手い。

カラーは効果的だし最終Pも強いインパクトがある。ほどよく謎を散らして続きも気になる。非常に上手い。

一目では「首の方向がおかしい」とは見えないのが惜しい。体の向きを分かりやすくするポイントが欲しかった。

2話
  • グラデーションにも青っぽい色が付いてるからインクの色じゃない? 特徴的で目立つのは確かだけど、やっぱり違和感がある。
  • でも28~29Pで灰色が使われてるのがよく分からん。
  • 単純に全ページをグレースケール変換して見てみたけど、やはり黒のほうが画面が引き締まる。
  • 1Pのツカミは面白いが、どうせなら優さんに「ビシャビシャになっちゃった」ぐらいベタなことを言わせても良かった気が。
  • 2話から読んでも分かるようにおさらいを入れているのは好印象。2話という位置は、これがあるかないかの差が地味に大きい。
  • 1話にあった日付・時間・場所のト書きが2話で一回も無いのは、統一感の無さを感じる。
  • 話数がStageなので単に「1話了」「2話了」ということだと思うが、1話最後の「1st stage Clear」はアイテムゲットという達成があったからまだ違和感が無かったが、2話最後はボス登場でこれからなのに「2nd stage Clear」ってのはさすがに変。
  • ヒキで「Clear」は変なので、サブタイトル後に「2nd stage Start!」でも良かった気が…上手くないか…。
  • 3P1コマ目など凝った書き文字が面白い。が、10P1コマ目・23P1コマ目・25P1コマ目など、同じ書き文字を多用してる面も。
  • 2話最後の、有線星人?がステージの中に現れたことが分かりやすく描かれていなくて、このシーンの驚きが余り無い。
  • ↑1話のときも流一たちに対してどこに居るのかが分かりづらかった。
  • 17P3コマ目、電源の点かないゲーム機が鏡代わりになったのは面白いが、もっと引いた画でないと分かりづらい。
  • ボスは全体像が分かるように描いて欲しかった。デザインが分からなくてインパクトになっていない。
  • 背景など描き込み量は多いが、上記や1話で指摘したことも含め、分かりやすくは描かれていないのが欠点。
  • 背景に対して人物が埋もれ気味。画面全体が同じ調子で描かれているので、シーンによって何を強調するべきかを気をつけてメリハリを出さないと、結局どこにも目が行かず折角の描き込み量が無駄になってしまう。
  • ↑顕著なのが24P。折角の見開きなのに凝った書き文字に真っ先に目が行ってしまい、他に(右文章にすら)目が行きづらい。
  • 優の話と割り切った感じで、流一の描き方が全体的に控えめで優を目立たせているバランスはいい。
  • ただ流一と優のキャラクタ描写に終始してしまったために展開がゆるやか。そのため1話で期待された爽快感などに乏しい。
2話総評

描き込み量は凄いが強調が上手く出来ていない。メリハリが無ければどんな描き込みも意味が無くなってしまうので工夫して。

有線星人の現れた場所など、描き込み量に対して説明力が足りない。分かりやすい画作りが出来るようになれば相当向上する。

話の展開は丹念だがそのせいで意外と大人しい印象。冒険感などを期待していたがその辺を出せなかったのは惜しい。

第2回/1100 『運命のデヴァタ』

1話(既出の感想)

画力があり技術も非常に高い。8Pは読んでいて若干引っかかるポイントだが、プロットも上手く総合的にプロレベル。

ロボットものとして期待感が高い。バーナ隊とはまた出会いそうだし、試合とはどういうものかも気になる。続きが読みたい。

父親ならともかく母親と一緒だったのにユナの一人称が「オレ」なのはちょっと疑問。理由があるのかも知れないが。

2話
  • ユナの色々な表情がそれぞれ印象強く描かれていていい。表情豊かなキャラは見てるだけで楽しい。
  • 1話は非常にプロットが上手かったのだが…。2話は見るも無惨な状況としか言いようが無い。
  • おそらく2話のヒキはレナと決めてあって、そこから逆算的に話作りをしたんだと思う。結果から言えば上手くいってない。
  • レナをヒキにするためにレナの周辺の話を描かねばならず、そのためにケイスケ側の話を出し渋ってしまっては本末転倒。
  • 1話はトーテムで外の世界に出る、ということを期待させる終わり方になっていた。それにまだ読者に対してケイスケとユナがどういうキャラであるかを伝え切れていなかった。2話はそれに応える話にするべきだった。
  • 1~3Pはともかく、レナ周辺の16~21P・30~32Pは2話に必要な話ではない。ケイスケ周辺のみで話を進めたほうが良かった。
  • ケイスケ側にしても、ユナの母親の謎に関しては、2話でなくてもあとからケイスケに疑問を感じさせる描き方で良かった。
  • 1話のバーナ隊は期待感を持たせるエピソードで良かったが、2話のトーテム隊の描き方は具体性がなくて話の発展を想像しづらい。
  • ケイスケとユナの関係とトーテムでの脱出劇、、ユナの母親の謎、ウルガ王国の敵国のハルとレナ、これらのどれにも焦点がなく話が拡散してしまっている。これらは現時点では独立してる話なはず。2話のうちから関連しない情報を詰め込むのは良くない。
  • 3話を描けるか分からない状況のトナメ2話では、読者視点での「2話で必要な情報」の取捨がかなり重要。それが出来ていない。
  • 18~19P、トーテム戦闘が何をしているか分かりづらく、また迫力もない。
  • 多分トーテム戦闘が話のキモとなることを考えると、気を抜いた表現をするべきじゃなかった。先への期待感が削がれる。
  • トーテム戦闘を2話の中で描くのなら、全身全霊全力で描いて一番の見せ場にしたほうが良かった。
2話総評

クセのある絵柄だが高い画力でユナが気持ちよく描けている。だが1話と比べてどころではなく2話はプロットが非常に良くない。

話の焦点が定まっておらず散漫。何を見せたいのか分からない話になってしまっている。本当に残念な2話。

ロボ戦闘に期待があったが、その描写に気が抜けていたのも大きなマイナス点。ヒキでのレナの存在は面白かったが…。

第2回/1117 『おきつねさまヒメコ』

1話(既出の感想)

ヒメコ以外の人物や作風はゾルゲ市蔵の影響が強そう。勢いで押し切られた感があるが殆ど同じ向きの顔しか描けていない。

単発でギャグを描いてる分には問題は少ないが、連載トナメで続けていった場合、その技術力でどれだけ変化を出せるか。

ギャグ、特にセリフのセンスはあると思う。あと敢えて言うまでもないけどパンツ見せすぎ。飽きた。

2話
  • ヒメコはオレっ娘だし恥ずかしくてぽろぽろ泣いたりして可愛いし、デザインもいいと思う。
  • ヒメコ・イチ以外は同じ向きの顔のアップばかり。味のあるデザインセンスだが。
  • ヒメコも似た構図や、2話内ではそれなりの変化を付けているが1話に同じ構図があったりが多い。
  • ↑もしかしたら、パンツを見せる構図を考えたら似たような構図になってしまったのかも知れないが。
  • 23Pのヒメコのパンチの構図は、1話で2度使われてた構図と同じ。とにかく全体的に構図の変化が無い。
  • 顔の向きの描き分け・構図以外に関してはそれなりの画力はある。少なくとも下手ではない。
  • 絵のワンパターンさも作風のひとつになってそうだが、もっと画力を鍛えて欲しい。
  • 杞憂があったが連載もの的な話は作れている。だがその分ギャグのセンスは落ちている感じがする。
  • 1話に比べるとセリフのセンスもいまひとつ。全体的に説明的なセリフが多い。
  • 冒頭の話は3話以降の布石だと思うが、次が描けるか分からないトナメでは、その話のうちに使えない布石なら無いほうがマシ。
  • ↑なんだけど、この冒頭はこれ単体で面白いことは面白いし、これが無いと薄味な話になっていた可能性もある。
  • ヒキが中途半端。間に合わなくて放り投げた感がある。
  • ラストに描かれてるのは冒頭の妖怪(火車)だと思うが、ヒキは妖怪よりイチに関することのほうが良かったと思う。
  • イチは眼帯・貧乳・変態百合と面白いキャラクタ。冒頭の妖怪関係を無くしてイチとの絡みを描き切ったほうが良かったと思う。
  • 妖怪関係で話を2本に分けてしてしまったこともあり、23Pは少なく感じる。
  • 敢えて言うまでもないけどヒメコもイチも痴女すぎる。
2話総評

相変わらずの勢いがあるが、1話に比べるとギクシャクした感じがある。ギャグセンスはいまひとつだしセリフは説明的。

イチは面白いキャラなので、冒頭の妖怪のくだりは削ってイチとの対決をメインにした話作りでも良かったと思う。

作風が固定化されてる節があるが、技術力が上がれば実力で勝ち上がれるだけの力はあると思う。飽きっぽそうだけど。

第2回/1129 『戦闘員と怪人さん』

1話(既出の感想)

前回の「NEKOPUNCHΩ」から絵柄が…。春原さんがjinさんの名前を借りて裏サン再連載を狙ってトナメに来たのかと思ったw

かなり春原テイストが強いが、動きなどはむしろ本人より略。ただギャグのテイストはやはり違いがある。

展開はさすがに上手いがヒキが弱い。32P使ってるが29Pで終わらせたほうがまだ良かった気が。文房具マンは面白いけど。

2話
  • やっぱり春原テイストが強い…。持ち味を出したコウモリ女の出番が少ないから特に2話はなおさら。
  • ただやっぱり春原テイストではないのはセリフのセンス。「軽妙さを意識したわざとらしさ」のようなものがある。
  • コマ割りの上手さは2回戦作品でも随一。文字を全く読まなくても楽しく「読める」、漫画の理想的な形になってる。プロ級。
  • 画面の緩急があってページの少なさを感じさせない。充実感がある。
  • 画力や画面構成に関しては上手すぎて他に言うことがない…。
  • 戦闘員2人は、片方は多分主人公の黒木、目の下にクマがあるのが青山と一応描き分けはされているものの分かりづらい。
  • ↑ザコ戦闘員が2人居るのでさらに分かりづらい。額に番号が振ってあるとか、分かりやすい判別の記号が欲しかった。
  • あまり2話を意識した話作りではない。1話の引き続きから始まっていてタイトルすらないのは唐突感が強い。
  • 1話のおさらい的な部分を入れるなどして、序盤にワンテンポ置く箇所が欲しかった。
  • ヒキが弱い。17P使ってるが15Pで終わらせたほうが良かった気がする。
  • 16~17Pは15Pの説明でしかなく、説明臭い終わり方。印象強くすることが出来ないなら15Pで放り投げて終わったほうが。
2話総評

絵柄は春原テイストが強いが、セリフのセンスはそこに及んでいない。わざとらしさが鼻につく感じ。軽妙さが足りない。

画面構成は非の打ち所無く上手い。文字を追うことなく楽しく「読める」。緩急がありページ数は少ないが充実感がある。

戦闘員の区別が付きづらいのが難点。相変わらずヒキが弱い。15Pで放り投げ気味に終わらせたほうが良かった気が。

第2回/1135 『シロ×クロ』

1話(既出の感想)

囲碁を題材としたマンガは珍しいが、展開はギャンブル系マンガ1話のテンプレをほぼなぞったもの。あまり新鮮さはない。

ただそこに至るまでのエロ本から碁会所のくだりはキャラ紹介として上手く機能してるし、ミスリードを誘っていていい。

画力はいまひとつ。だが見せ方は上手く見開きも決まってる。白井さんが学校の外と内で態度が違う理由が気になる。

2話
  • やはりギャンブル系マンガ2話のテンプレをほぼなぞったものであまり新鮮さはない。
  • 良くも悪くも王道というか、ありきたりというか、基本に忠実というか、よくある展開というか…。
  • 1話の白井さんに似た子のエロ本を買う→そこは白井さんのおじいさんの家という繋がりから、実はエロ本は白井さんのお姉さん…なんてベタな展開とか、少なくともエロ本絡みでなにかネタが挟まれるかと思ったら何も無かった。
  • 白井さんの学校での態度に関することが2話で話に出なかった。これは早めに明かして欲しかった。
  • 上記のようにあまり1話と2話の連続性を感じさせるような話作りになっていない。
  • ↑もちろん作者的には連続した話のつもりで描いてるだろうが読者的にはそう見えないという感じ。
  • 構図の変化に乏しい。2,3,5,7,8,9,11,13,16,17,18,19,20Pの黒田の後ろ姿の描き方が殆ど同じ。
  • アップ絵が多く画面に緩急が無い。ダラダラした印象。アップ絵を使って背景を描くことを避けてる感じ。
  • 展開をスピーディにするためとは思うが、仕切り直し→次に盤面が出たときは試合終了は淡白。盛り上がりに欠ける。
  • 曲がりなりにも囲碁漫画ということを印象付けるような描き方をして欲しかった。現状では題材が囲碁の意味がない。
  • ↑現状では囲碁盤の出てるコマを将棋盤に差し替えて、セリフの「囲碁」を「将棋」にしただけで将棋マンガが成り立つ。
  • パンチを額で正面から受けて血が出るのはいくらなんでも不自然。
  • 16P1コマ目はおそらく1万円以上が置かれているんだと思うが、1万円にしか見えないのでそのあとの会話とチグハグに見える。
  • むしろ7Pの仕切り直し時に、真剣師ともあろうものが賭けの条件を再確認してないのは変。読者への説明的にも良くない。
  • 20Pで黒田が金を借りたことになってるが、いくら知人の知り合いとはいえ顔合わせた初日に10万も貸すのは…。
  • ↑ここで「楓さん」といきなり名前で呼んでるのも違和感。1話を読む限り知り合いでは無さそうだし…。
  • 22P「言わないのは君を気遣って~」ってセリフは意味が通りにくい。少なくともハッとするようなセリフではない。
  • ヒキはさほど悪くはないが、そこまでの展開が平坦。24P中に見せ場らしい見せ場がない。印象付けるポイントが無い。
2話総評

やはりギャンブル系マンガの色が濃く、しかも良く言えば基本に忠実だが期待を裏切るものが無い展開で面白みがない。

折角の珍しい題材にも関わらず囲碁ならではという描写が皆無。あっさりと勝負が決まってしまって描写を避けている感すら。

アップ絵多用で画面に緩急がない。展開も平坦で作品全体の印象が弱い。何も考えずに何の変哲もない2話を描いてしまった感じ。

第2回/1137 『間宮さんといっしょ』

1話(既出の感想)

女性的な絵柄だが、あっさりとした画風なのでクセがなく読みやすい。華やかすぎず暗すぎず、非常にバランスがいい。

ただちょっと背景が寂しい。佐々良さんの病んでいる表情の描写や話の展開のさせ方が上手く、引き込まれる。

「嬉しいです!」はもっと大コマでも良かったかも。2人の今後の描かれ方によって評価が大きく変わりそう。2話に期待!

2話
  • 1話感想に書いた画風のバランスの良さと作品の雰囲気が非常によくマッチしている。
  • 1話であった背景の寂しさは無い。程よい省略の仕方でキャラも引き立っている。
  • 春日という個性の強い新キャラを早々に投入して先の波乱を感じさせつつ、1話の雰囲気を損なわずに上滑りすることなく丹念な描写を心がけてある。1話で期待される2話への期待に、全作品中で一番応えている作品だと思う。
  • 6P「私のストーカー」「適当にあしらって~」は間宮さんのセリフと分かりづらい。他にも11Pなどが分かりづらい。
  • ↑2コマ目はせめてセリフを別コマに分けておけば、少なくとも春日のセリフではない、ということは分かりやすくなってた。
  • 1話でも誰が言ってるセリフか分からないことが多かった。みっちゃんとマヤのどっちが美術部員なのかは2話でやっと分かった。
  • 7Pはコマ割り次第でもっと春日のまくし立てた感じが出ていたと思う。現状ではちょっと読みづらさを感じる。
  • 10Pで1コマ目「ばしっ」5コマ目「びしっ」と2回手を叩いてるが、どういう状況だったのか分かりづらい。
  • 12P2コマ目はキャラ位置とセリフ配置が逆で分かりづらい。フキダシの尻尾を伸ばすなどして欲しいところ。
  • 14P「馬鹿にしてんのか?」は個人的に2回戦の全作品中もっとも印象に残ったセリフ。
  • 16P8コマ目のコマの余白の使い方のように、間の描写が上手い。
  • 20P3コマ目と6コマ目で分かるように佐々良とマヤが若干区別付きづらい。目が全然違うので似てても違うことは分かるが。
  • 人物が殆どアップで引きの画が少ない。だがアップにしても7P2~3コマ目のように切り方の工夫があって意外と飽きがない。
  • アップばかりを避けるための手元の描写もアクセントになっていていいが、ちょっと多用しすぎな感も。
  • 展開に派手さはないが、心理的な起伏で話を見せているのはひたすら上手い。緊迫感が出ているのがいい。
  • ヒキは…なんとも言えない箇所。これよりいいヒキがありそうな気も、これ以上のヒキはないような気もする。
  • ↑ヒキが弱いとも強いとも言えないが、「こうなってしまった」ではなく「こうでなければ」と選択したものならセンスが凄い。
2話総評

間など直接描かない方法での心理描写が上手い作品。少女漫画の系譜と言えるので好き嫌いが激しそう。

アップの多さが若干目立つが画面の飽きが出ない工夫はされている。誰が喋っているか分かりづらい箇所が多いのは要改善。

変と普通の言い合いなど緊迫感がある。1話の雰囲気をさらに強く打ち出している。1話で期待されたものに見事に応えている2話。