全作品レビューさん/第3回1回戦感想

Last-modified: 2015-06-11 (木) 22:59:34

※原文(テキストファイル)


全作品レビューさんの第3回トナメ感想

第3回/1001 『こけ助くん物語』

のっけから規約違反…本来なら載らないはずの作品なので評価したくない。またこの手の動物・難病ものドキュメントは

それだけで完成されたジャンルなので、評価のしようがない。通常のマンガとして見れば画力は全く足りていないが

それなりにマンガとしての見せ方は出来ているので「漫画誌以外の」商業誌に普通に載っていてもおかしくない。

第3回/1002 『バブーヒーロー』

画としてマンガの基礎が出来ていて非常に読み易い。話の面でも導入から主人公・敵の行動動機の説明~山場~オチまで

綺麗にまとまっており理想的な1話の形。オチは若干弱いが。バオバブの言動が完全にオヤジでギャップが面白い。

ただ題材と絵柄の組み合わせが少年誌的でなく裏サンには向いてない。年齢層高めの女性漫画誌などが向いてるかも。

第3回/1003 『モモモモモギー』

いしいひさいち的で若干古臭さを感じるが、4コマとしては王道の部類でむしろ安心感がある。4コマとして完成度が高く

ほぼ非は無い。反面、王道的ゆえに目新しさを感じないことが最大の弱点。比較的奇抜を好む裏サンでは厳しい。

飛び抜けたセンスが欲しかった。もう一味加わっていればかなり評価が変わる。最後のセリフ差し替え4コマは蛇足。

第3回/1004 『やれんの課』

締めが導入と同じ場面で終わっていて進展がなく先の期待感が薄い。せめてもう一展開があってから締めて欲しかった。

これでは何を描きたいのかも分からないまま。前回の作品やサイトの作品を見る限り、すでに作風が完成している。

決して悪い作風ではないが、少年~青年誌的な裏サンよりもっと高めの年齢層のほうが向いている。

第3回/1005 『夢のあかり』

技術的にはまだな部分も多いがマンガを描く地力は高い。少女漫画的絵柄だがシンプルなので少年誌でもいける。

上手くまとまっているが展開の繋がりが悪い。名前の印象付けが弱く、特に「あかりを見張ってて欲しい」はその前まで

一人称が「私」だったので混乱した。ラストはかなり唐突だがどうせならもっとインパクトが強くなる描写が良かった。

第3回/1006 『月に行ったウサギ』

味のある画風。飛行機の戦闘シーンはかなりいい感じだが、全体的に描写が小ぢんまりとした印象で、ウサギが救出に

現れたシーンなど迫力に乏しい。ケレン味を描けるようになると一気にバケると思う。見開きやカラーが効果的でない。

全体としてかなり王道な展開なので、展開自体に独自色が欲しかった。ただその描き方は上手い。成長に期待。

第3回/1007 『頑張れ!!豆腐メンタルちゃん!!』

自虐感が少なく、主人公を割と美形に描いていたりと「作者の実録漫画」という感じが少ない。この文は要らないかも。

このジャンルは「わたモテ」という最近の有名作があるので、それに匹敵しなければ人気を得るのは難しい。

パースなどの画力、構図の組み立て、読み易さなどのマンガの総合力はまだ勉強が必要。13Pはちょっと物足りない。

第3回/1008 『ムノウアライブ』

中間色ばかりでベタが無いので画面に締まりが無い。リサイズで汚くなってしまってさらに酷い。トーンが一辺倒過ぎ。

文字を詰め込みすぎで読みづらい。設定の独自性は高くないが展開が上手い。ただ山場らしい山場が無く読後感が弱い。

レイティの暴走をもっと極端にするなど面白いものにして欲しかった。レイティ、いつセネの腕掴んだ?

第3回/1009 『ジゴーク』

絵柄と描き込みのバランスが良く見栄えする。見開きの針の山にインパクトが弱い。獄卒?はシンプルで怖さがあり

画風と合っているが、カエデの装備が立体機動装置的で独自性を感じず画風とも合っていない。全体の印象にも関わる。

マンガ的表現力、特にコマ割での見せ方があまり上手くない。話は凡庸。引きも印象が弱い。見せ場を描けていない。

第3回/1010 『Calla』

絵は可愛らしいが題材と合ってない感も。動きなどは上手い。「あなた」に関する描写は分かりやすくして欲しかった。

特に新人から主人公に取り憑き替えた直接の描写が無いのは混乱の元。主人公の腕が機械化されてるような描写だが

その辺も描いておいて欲しかった。説明より展開を優先したのはいいことだがさすがに説明不足。惜しい点が多い。

第3回/1011 『REVERSE外伝』

画力は高く魅力もある。しかし話が盛り上がる前に終わってしまっている。勇希が攻撃を受けるシーンをラストにした

かったのなら、それまでにそれなりの山場を用意しなければ1話として物足りない。手垢の多いネタで新鮮味が乏しい。

オリジナリティを期待できるような点を描いて欲しかった。読者を惹き込む工夫があれば完成度が高かった。

第3回/1012 『シコクへンゴク』

四国・狸で気付いたが第1回の松山の設定利用か。前回と画風を変えたが画面の煩さが減って読み易い。色も効果的。

ただ無料で読まれるweb漫画としては良いが先を考えると厳しい。珍しい設定を面白く、過不足無く描けていて上手い。

次回予告を入れたのはトナメ的には正解。綺麗にまとまっているので、無いと先の期待感が少なかった。

第3回/1013 『妖護学級ハヴリダ』

教師ものは意外に少ないジャンルで、舞台はファンタジーながら展開は王道で貴重。生徒の設定ばかり考えて初めから

無闇に多かったりせず、必要最低限に抑えていて好印象。ルウナ先生も生徒達も魅力的に描けていて感情移入が出来、

このキャラ達の続きを読みたいと思わせる。腕が燃えた→解決の件に作話に必要な要素を詰め込んでいて非常に上手い。

第3回/1014 『残存娘』

キャラ重視なので画力アップは必須。ただ少ない動きをカバーする見せ方は出来ていてマンガとしては上手い。

「誰かさんと違って」と「私の友達」は同じコマか極力近くしないと分かりづらい。回想の明確な区別も欲しかった。

タイトルから考えてかえでが欠けている状態を主に描くとするとなかなか面白い題材。成長次第で上を狙えそう。

第3回/1015 『シンデレラ戦記』

突然の路線変更、魔法使い何しに来たんだ…てツッコミは野暮と言わざるを得ない勢いと画力による説得力がある。

スピード感だけでなく緩急もあって非常に上手い。バトルとストーリー進行の配分を考えると、もう1~2Pでいいので

バトル描写を多くして欲しかった。展開の面白さだけでなく、バトルシーン自体にも印象を強める要素が欲しい。

第3回/1016 『Answer』

クセのある絵柄だが画力はある。ただ背景がほぼ白いので寂しい。ほぼ時系列に話が進んでいるにも関わらずウィディー

の独白がどの時系列の視点から語られてるのかが明白でなく非常に混乱する。特に「あんなことには」で場面が変わると

回想かと思ってしまう。展開自体は悪くないのに見せ方が悪いのでもっとネームを練る必要を感じる。

第3回/1017 『エフネコ Franken Cat』

第1回の「猫人」とほぼ同じタイプのゆる系4コマ。前回も書いたが4コマは好みに大きく左右されるので評価が難しい。

特にゆる系は「絶対面白い」というものでなくても紙面にあるとつい読んでしまう、という性質があるのでどのぐらいが

連載向きかという判断は付けづらい。その一定以上の水準を持った作品だとは思う。娘さんの「ムー」が可愛い。

第3回/1018 『人間コンテスト』

チューリングテストの大会とは面白いアイディア。この大会はチューリングテストと全く同じ問題点を持っているが

ここを突き詰めていくと哲学的な話になる。討論の「人間性とは何か?」から考えてもそこに踏み込んだ話の展開を

していきそうなので非常に続きが読みたい。長編に向かない題材なのが不安要素。もう少し説得力のある画力が欲しい。

第3回/1019 『紺碧の空を突きぬけて』

よくまとまっているが展開に緩急が乏しく読んでいて飽きる。全体的にチマチマしているので大胆さが欲しかった。

前作でも少し感じたが、型から入ってそこに自ら縛られている感が強い。今作は展開にもそれが及んでいて「好きなもの

を描いている」という感じがせず作劇が機械的に感じる。カラーも同様に効果的というより作為感が強い。

第3回/1020 『スティーブンハイツ305』

言い回しや描き文字などが面白く読んでいて楽しい。画力は未熟だが個性的で、もう少し線が整うだけでも武器になる。

展開も良いが幽霊の登場が唐突なので存在を分かりやすくする描写が欲しい。アイリーの股間を蹴り上げるのは女性でも

痛いんだろうがマンガ的説得力や面白さを考えると別の攻撃のほうが良かった。文字の小ささが残念。成長に期待。

第3回/1021 『IT’S MY LIFE(仮題)』

最初にインパクトのある場面を持ってきているのは先のページを読ませる工夫として良いがトナメでは使われすぎかも。

元々マンガを描く能力が高かったが前作・前々作で目立っていた画面の煩さ減りスッキリして更に完成度が高くなった。

人間らしい顔を出したキャラがノアだけなのが可愛さを強調していて良い。アストラ35歳で現役引退は何か理由が?

第3回/1022 『AMPLIFIRE-MAN』

前回から多い「力はあるのに1話として良くない作品」。画力・技術力があり展開自体も悪くないが、話が大きな動きを

見せる前に終わっているために綺麗にまとまっているだけに印象に残らない。特に今作は話とタイトルとの繋がりすら

見えないままなので確実に大量の作品に埋もれてしまう。描きたいシーン、自分一押しのシーンから描くぐらいで。

第3回/1023 『天然魔道士』

幻影に襲われシゲゾー気絶→ドルグには効かず返り討ち、が余りにもあっさりしすぎ。ここにページを割くつもりが

無いにしても、印象に残るエピソードが欲しかった。強いシーンが無いため14Pと短いこともあり記憶に残らない。

淡々とした展開やドルグとシゲゾーの関係など面白いものは持っているので、飛び抜けた点があれば評価は全く違った。

第3回/1024 『ミイラクルン』

絵物語的な序盤や絵柄などの古めかしさが、十分に武器になる個性に昇華されている。作品として完成されていて文句の

付けようが無い。欲を言えば23Pでは物足りない。ミイラクルンの活躍をもっと描いて欲しかった。発砲怪人の件と

子さらいの件に繋がりが無いので、それぞれを長くするか連携させて欲しかった所。サルクビサッチャンもいいキャラ。

第3回/1025 『マルマテックへようこそ』

16Pの読み切りとしてならよくまとまっているが、売りとなるような特徴的なものが無い。続きが読みたいと思わせる

ヒキも無くトナメ向きの話でも無い。絵柄的に着ぐるみの中の人がヤクザっぽく見えないのも痛い。基礎は出来ているが

なぜか13Pまでとそれ以降でノドが逆。発展途上という感じだが成長の期待感はあるので頑張って欲しい。

第3回/1026 『雨垂れは殻を穿つ』

初め数Pで判断を下されることの多いトナメ作品としては若干導入が弱いが、前作同様完全にプロレベル。鷹野と黒部の

キャラも立っていて、どういう過去を持っているか興味を引かれる。ただおそらく暗くシリアスなものになりそうなので

その描き方次第では評価が分かれそう。アーチェリーという題材もいい。ヒキは悪くないが描き方が少し弱いかも。

第3回/1027 『シーズ・ア・マザー』

描きこみ量の多い線にメリハリが無いので画面が煩い。描写力的な問題で分かりづらさが目立つ。唐突に話が始まるが

設定を語るより展開で納得させるほうが良いし、分からないなりに話に惹き込まれた。それだけに終わり方が悪すぎる。

もう2~3Pだけでも欲しかった。ヒキが強いというよりブツ切りな感じでストレスがある。でも続きが読みたい。

第3回/1028 『武神楽』

前作のギャグより作風が合ってる。小奇麗な絵柄だが同じ構図が多かったり人体が上手く描けていなかったりで要向上。

アクションも迫力に欠け、見開きが今一つ決まっていない。燕が主人公なのかと疑うほどそれらしさが無いのが欠点。

武神と舞人の関係はバディ系の王道設定だが、燕がそこから外れているのは(今後の展開次第だが)面白い。

第3回/1029 『トキとケイ』

展開の繋がりが非常に悪い。特に最初の、会話シーンから突然の「誰もいない…?」は完全に読者置いてけぼり。

虎春パートからケイパートへの移行も混乱が大きい。白鳥が食われるシーンのインパクトが弱い。謎の少女と少女トキは

同一人物なんだろうが、そう思わせたいのか思わせたくないのか。頭の中の設定を読者を意識して描けていない。

第3回/1030 『マジシャンしるく~夢を継ぐ者~』

前作に比べて格段に画力向上したが、それだけに背景の細かい部分やパース、人体の不自然さなど荒も目立ってしまう。

特に動きがまだ上手くなく迫力が足りない。また基礎を抑えた描き方になったが、それゆえ勢いにも欠ける。ほぼ意味の

無かったしるくの喫煙をやめたのは良いが、キャラが弱くなった感も。「何で名乗る」の天丼は好きだったのに…。

第3回/1031 『ホシノオウジサ』

えんぴつ取り込みのような線は清書が間に合わなかったのか。キチンとした線ならかなり印象が違った。15Pのギャグ

としてよくまとまっているがオチが印象に残りづらい。最終Pに文字を詰めすぎなので2Pに分けたほうが良かった。

上記以外の点はよく出来ているので惜しい。出来れば2話も公開で八王子君をもっと見たかった。

第3回/1032 『馬王子と勘違いブス』

まだ描き慣れていない感じはあるがマンガを描くセンスはある。不自然にはなっていないが文字横書きは良くない。

現実・フアナ・王子視点の切り替えが上手く飽きない。ただ1話のみならいいが続くと煩くなりそうなのでどうするか。

少年誌のギャグマンガというより、少女誌のそれという感じ。それを目指すなら意外に早く編集者が付く気がする。

第3回/1033 『ゆるいぞ。0001』

マンガを描き慣れた感がある。セリフ回しやテンポ、見せ方が上手い。細かいギャグや、それぞれのオチも振るってる。

ただタイトル通りまさにゆるく、強く印象に残るような作品ではなくトナメでは不利。もう少し強いオチの話なら…。

キャラ全てに個性が出ているのも良いが、アー君が2話で殆ど出番が無いのが勿体無い。ルーちゃんが絶妙の芋さ。

第3回/1034 『こどもべやにはもどれない』

少女漫画的絵柄でそれなりの画力もあるが丁寧さに欠ける。中間色が多く画面に締まりが無い。引きの画が少なくアップ

が多い。デザイン等が良く、雰囲気のある世界を説得力をもって描けている。ただ15人の名簿を出したことから考えると

話が大きく動くのは先になりそう。それまで飽きさせずに展開を維持できるか…その期待感は出せているが。

第3回/1035 『リアライジュース-Realideuce-』

マンガとして形になっているものの画力の低さが最大のネック。そのせいでサツキの全裸も色気が無いが、画力以前に

展開としても意味のある描かれ方になっていない。割とよくある題材で、いかに欲望を共感も持たせて描くかが肝だが

それが出来ていないのが痛い。ヒキも唐突で弱く、「カクト絶体絶命!」を印象強くするよう描いて欲しかった。

第3回/1036 『脱都』

2P組は横読みを意識させたいならアリだが今作にその意味は感じられない。文字が小さくなるのでマイナス要素なだけ。

導入でミヤコの全体像を描けてないのは意味が無い。コココ…という効果音も意味不明。Twitter的なものを出してるが

仕様を知らない人には「@ありす だよー!」は理解しづらい。終わり方も悪く、折角画力はあるのに色々と雑すぎる。

第3回/1037 『フェイカーゲーム』

設定見せで終わってしまうトナメの典型的悪い見本。唐突に始まり、唐突に話が転換して、唐突に設定が語られ、唐突に

終わった。14Pと短く、もっと丁寧な展開を。言葉選びが悪く主人公の「最悪だ…」が何に対してか分かりづらい。

ただ「でけえ音でかき鳴らそうぜ 開戦の鐘ってやつをよぉ!」の勢いだけは良い。というかここだけ浮いてる。

第3回/1038 『おいち ~オチが一コマ目にある4コママンガ~』

試み自体は面白いが、自身が効果的に使っているかというと甚だ疑問。オチが4コマ目にあるより面白くなっているか?

1コマ目に大した面白さが無いので、結局最初から2コマ目から読み始めて最後に1コマ目を読むという、単なる手間に。

ギャグ自体も弱い。おいちを含め全体的にキャラの魅力が出ていない。正直前々作のほうが格段に面白かった。

第3回/1039 『浮世娘』

少年誌では珍しい題材だが、なにげに「絵」を見せるマンガは説得力不足になりがちで難しい。見開きは良いがその他は

コマ割・構図が上手くなくまだまだ実力不足。とはいえ展開は非常に良く面白い。ローレンも可愛らしくて魅力的。

トーマス・グラバーが居るなど幕末ものの側面もありそう。攘夷が激しい時期で面白い展開になりそうで期待感が強い。

第3回/1040 『CherrY-荒野の童貞-』

下品極まりないが笑った。突っ込み拒否の有無を言わせぬ勢いが清清しい。何が「首が座るより先に射精した」だw

紙雑誌にこれが載る未来は全く思い描けないが、商業でもWeb限定なら…やっぱり無いか。かなり悪ノリに近い作品だが

マンガとしての完成度が高いところがまた何とも。メキメキと成長を続けているので飛び道具的な内容以外も読みたい。

第3回/1041 『DragoVenture』

「ドラゴン・クロニクル最終章」は1話には不要。トナメで導入に文字が多いのは下策。ただ文章のセンスはいい。

画力はなかなかあるが、線のタッチを出せるようになれば見栄えが格段に良くなる。構図・コマ割などのマンガとしての

見せ方もまだまだで、見辛さが目立つ。話の展開が独りよがり感が強く頭に入ってこない。最後の見開きの迫力はいい。

第3回/1042 『天使の落日』

写真取り込みを背景に使うならそれに負けない画力が必要。前半の独白は言いたいことは伝わるものの切実さに欠ける。

12P以降の画面の白さは対比が出ていていいが、どうせならそれまでがもっと暗くても良かった。どういうマンガなのか

分からないまま終わってしまった。17Pは短い。「続きを読みたい」と思わせる部分まで描いて欲しかった。

第3回/1043 『MIND』

線だけのコマ割、完成形とは言えない絵、話も正直よくあるベタなもの。だが表現力が非常に高い。展開の緩急もあり

マンガの見せ方が物凄く上手い。世界に入り込んで読める。MINDの精?にもう少しインパクトや独創性が欲しかった。

実力は確かだが、話にも独創性があるかを知るためにも2話が読みたい。清書したときの画力も見たいところ。

第3回/1044 『勇者様御一行』

それなりの画力を持っているがバストアップで同じ構図が多く、背景を少なくする誤魔化しに長けてしまっている感が。

ただ見せ方は上手く普通に読んでいて引っ掛かる点は少ない。魔王を何度か倒しているはずなのに必要な秘宝の詳細が

分からないのは不自然。18Pは短すぎ。せめて伝説の剣を抜いた勇者と会うところまで描くべき。1話の導入レベル。

第3回/1045 『熊になっても彼女ができない』

4コマのテンポが良くて面白い。画面を広く使っているのは読み易くて良い。が、それだけに背景が無いことが目立つ。

ほぼ正面からの絵ばかりで単調。画面に変化が欲しい。佐藤さんの八方美人さ、大野くんのキモオタっぽさを、落差を

出して分かりやすく描けていれば、もっとキャラが立った。表紙右下のキャラが出ていないしもう少し話が見たかった。

第3回/1046 『セブンス・グラウンド』

見せたいことに画力が追いついていないものの表現力は悪くない。マンガの見せ方も良く、気持ち良く読み進められるが

文字が小さく読み辛いが難点。ヒキが弱い。導入に姉を出していた意味も薄いので、もう一展開して欲しかった。

主人公含め登場キャラの印象が弱い。ラプンツェルを名乗らせるなら非常識なほど髪が長いほうが良かったのでは。

第3回/1047 『暴喰の蒼』

親しみ易い絵柄だし背景なども頑張っているものの、もう少し画力が欲しい。悪魔のデザインは面白いが迫力に欠ける。

ヒキが弱いというより話の途中で終わっている感じ。導入のパルチザンと本編が繋がるところまで描いて欲しかった。

マッスル神父とか小ネタは面白いが中盤が冗長。言い回しにも不自然な点があるので、ネーム段階でもっと練り込みを。

第3回/1048 『ハーブ&スパイス』

薬草採りが主人公というのは面白いアイディア。ただスパイスグローブは意味が分からないので何かしら説明が欲しい。

ソラの境遇から馬車のシーンまでが淡々としすぎ。全体的に表情が上手くなく、涙ながらに気持ちを吐露するシーンも

今ひとつ入り込めない。大急ぎながら話の区切りまで描いたのは良い。ただよくまとまってはいるが話のシメが弱い。

第3回/1049 『トウゴクサイキック』

画風は悪くないがキャラの描き分けが出来ていない。一続きのモノローグなのにフキダシが統一されておらず読み辛い。

アップが多く画面が近視的。コマ割が荒っぽいが、これはこれで味がある。細かい部分は上手くないものの画面全体には

個性があり印象的。ただ話にも同じだけの個性が欲しかった。斉の正体を明かすところまで描いた方が印象強いヒキに。

第3回/1050 『サークルフロートの夜明け後』

画力の評価を拒否してるような感じだがそれ以外の部分でネームとして見ても、立ち位置の入れ替わりが頻繁にあったり

文章の推敲が足りないなど、上手いとは言い難い。序盤に興味を引くようなページが無いのもトナメ作品として弱い。

だがアイディアが良くSFとして面白い。眼球から熱線放射て。ブツ切りで終わっているのが残念。もっと読みたかった。

第3回/1051 『空色日和』

絵自体は上手いが画面や展開に緩急が乏しいのは前回同様。そこさえ上手くなれば完成度高いのに成長が感じられない。

特に今回は話に大きな動きが無いまま終わってしまって印象も弱い。前回に続き男主人公だがやはり同様に魅力が無い。

女性を魅力的に描くことに長けているので、女性視点の作品を描いてみては? 千年桜・三尾の狐なので前作と繋がる?

第3回/1052 『青鬼君と620kg』

ほぼ同じ向きの顔しか描けてないなど画力はまだまだながら、アップに頼りすぎず構図を頑張っているのは評価できる。

題材が面白くそれだけでも記憶に残るが44P使って特に強い見せ場が無い。パワリフの場面を印象強くする工夫が必要。

ヒキは悪くはないが説明過多な感があるので最後のページだけ削って43Pで終わるほうが面白い。姉ちゃんの乳デカイ。

第3回/1053 『メシアが私に死ねと囁く』

毎回雰囲気のある作品を描けていて上手い。夢を題材にした作品は多くあるがひねりがあって面白い。ただ夢の中なのに

質量という言葉を使っていたり少しハッタリが足らない。タイトルと内容が繋がらないのも印象を弱めていて勿体無い。

もう少し絵に説得力が欲しい。音春の性格や鍵付との関係を把握しづらい描き方なので構成を練って。続きが読みたい。

第3回/1054 『危険思想団体犯罪調査係』

アイディア自体は面白いが話の構成の実力に見合ってない。公安警察、警視庁公安部との違いは? 犯行予告に狂気を

感じるほどの迫力が無い。真世の過去の描写が展開に馴染んでないので1話では「実力を持った謎の幼女」で良かった。

説得から教団が自首(正確には出頭)する過程が強引。ここが一番の見せ場なので盛り上がるように丁寧に描写すべき。

第3回/1055 『混沌鎮静化計画』

自由帳に描き殴ったような絵面だが、平面的ではない構図を心掛けていたり勢いを出している部分は買う。ただ全体的に

狙いすぎの感がありすべり気味。もっと自然なギャグを。頭に「神」が生えたことにツッコミ無しなのはジワジワくる。

秩序を司る神の萌え袖が判り辛い。展開を描くのは上手く出来ているので数をこなしていけば成長しそう。がんばれ。

第3回/1056 『ロリガイスト』

前回まで同様構図の変化が乏しいが、見せ方は上手くなっている。だが最大の難点はやはり可愛らしさはあるものクセの

強い絵柄。この個性をもう少し一般に受け入れられる絵柄に寄せることが出来れば、萌え系として人気が出そうだが…。

ただおトメは今までの作品より魅力に乏しい。三角頭巾が記号的になりすぎて頭にブメーランが刺さってるようにしか。

第3回/1057 『blues from genzitsu』

こういうカオス系の作品が一番評価しづらい…。多重尻人間など理解しがたいギャグはあるものの、言葉遊び的な部分が

面白く、ギャップ萌えで「あわよくば」を狙う姑息な作品。「もうちょっと待ちやがれ!」のセンスはなかなかいい。

商業連載を獲得することは難しいと思うが、webでの無料連載なら一部でカルトな人気を得そうな気もする。

第3回/1058 『(ほぼ)全部左手で描いた漫画』

自称の悪ふざけ漫画というより実験漫画的。個人的には前作が好きな絵柄だったので残念…確かに画力は必要だったが。

恐らくオチありきで内容を考えたと思うが9Pで諦めムードになってしまうのはさすがに早い。展開に凝って欲しかった。

左手と右手のバトルの件は面白い。どうせなら左手で45P描くぐらいの無茶があればもっと評価できたw

第3回/1059 『天界記』

マンガを描き慣れてないと思われる部分が多く未熟。話の見せ方も上手くない。いつの間にか龍弥がパッファーのあとを

追っているなど展開の描写に丁寧さが無く雑。本編、天上界、パニッシャーのパートが入り組んでいるのも分かり辛い。

実力不足なのでもっとシンプルに。「ドン」が3回も使われててくどい。作者の頭の中だけで話が盛り上がってる感じ。

第3回/1060 『機能障がい』

例によってコミPo使用だが、序盤の数ページは手描きトレスっぽさを出してたのに途中からほぼまんまで統一感が無い。

コマ割や構図に試行錯誤した感がなく適当に配置したような印象すらある。フィクションなのかドキュメントなのか

判然としないが、どちらにしても短く盛り上がりに欠ける。内容を詰めて次の「幼児退行」編まで含めるべきだった。

第3回/1061 『やわらぶ』

導入の柔道のシーンがよく描けているだけに、途中からゆる系になってしまったのが残念。しかも致命的なのはそちらに

魅力が無いこと。内容を差し引いても顔ばかりで画面的に面白くない。折角柔道場という広く動き回れる舞台なのだから

それを生かして欲しかった。最後の帯取りを軽く流してしまっているが、ここでキャラの痴態でも描けていれば…。

第3回/1062 『マルコ・ザ・ギャング』

前作は枠線以外ほぼ灰色なことに味があったが、今作は効果的ではない。単に清書が間に合わなかったのかも知れないが

とにかく見辛い。マルコがローズから足を貰っているが事故でマルコは足に障害を負っていたのか? 描写が無いが…。

セイジとの関係も描写不足。もっと分かり易く。カノンの登場も唐突だがどうせなら37Pでヒキにしたほうが良かった。

第3回/1063 『決闘家族』

お母さんの淡々とした心の中のツッコミが非常に秀逸だが、画面に説得力があることでさらにそれを引き立てている。

兄弟の言い争い自体も面白い。ただ9歳と7歳には見えないしギャップの面白さも出ていない。お母さんを若くするため?

オチも面白いが、もっと大技を出し合っても決着が付かなそうな展開をしたあとのほうが向いているセリフ。短い。

第3回/1064 『あなたは何者なのですか』

フラフラした線だが画力は低くは無い。成長が早そう。とはいえ構図など要勉強。描き文字が同じなのは安っぽい印象。

展開の見せ方はなかなかだがよくあるタイプの話なので、ある程度先が読めるような部分も描いて欲しかった。

主人公のむき出しの欲望やヒキの女の子だけでは期待感が弱い。タイトルももっと興味を引かれるものが良かった。

第3回/1065 『WARMAN』

ルーズリーフにエンピツ描き? 技術的には未熟な点もあるが、個性的だし動きも出せていてかなりいい画風。アップの

正面絵が多めなのは頂けないが見せ方も上手い。それだけに取り込みのせいなのかリサイズのせいなのか、文字が潰れて

読めない箇所が多いのが非常に勿体無い。ワンパンマン的だが王道な内容もいい。技術を磨いて次回も出して欲しい。

第3回/1066 『吸血双子探偵パラメトリックブラッド』

前作までは味のある画風と言えたが今作は動きの少なさで下手さが浮き彫りに。設定と筋はいいがラノベ的な感じもあり

それが更に画力の無さを際立たせてる。展開も文字も詰め過ぎ。1つのフキダシに文字が多いと敬遠されがちなので分け

話も半分ぐらいにして丁寧に展開して欲しかった。コナンの質の悪い模倣みたい。前作は傑作と感じていたので残念。

第3回/1067 『HENTALMAN』

下手ではないが特徴の無い画風。背景・構図の変化の無さで画面に面白みが無い。ギャグマンガのフォーマットに則った

描き方という感じだが内容が若干合わない。似た世界設定・似た展開のマンガが多く新鮮さはないものの展開の見せ方は

悪くない。雨宮の「好きでやってるわけではない」を言葉以外で表現して欲しかった。読み切りだとしてもオチが弱い。

第3回/1068 『M&W』

冒頭の見開きは絵的には説得力のあるいい絵だが、1Pからの流れで先の展開に興味を引くような描き方になっていない。

飛行機墜落は連続見開きを使ってる割に迫力が皆無。カズの死体など、全体的に見せ方が下手。話はよくあるタイプで

展開もテンプレ、それを魅せる上手さもなくまだまだ未熟。「男か女か」の意味が分かる部分まで描いていればまだ…。

第3回/1069 『苗。』

正統派な4コマで面白い。稲ネタはもう少しあってもいい気もするが、苗ちゃんがどんどん可愛く見えてきてツライ。

ありがちなドスからの赤ナメクジは笑った。花言葉がシメに相応しいが、あえてマラカスを最後にするセンスが凄い。

モグやオセロなど好きなネタが多い。野暮なツッコミだが「苗」と「稲」の言葉の意味の違いを知ってて書いてる?

第3回/1070 『青春アンチ』

途中から下書きは残念だが清書部分で画力の高さは伺える。ただ青春の性別が分かり辛い。ネームも上手く実力が高い。

「コミュ障は生き辛い」を「そういう世界設定」にしたアイディアは素晴らしい。結局能力バトルかと思わせつつ青春の

潜在能力がバトルに全く役立たなそうなのも先に期待感がある。「青春」の語を使いすぎなのでこの先混乱しそう。

第3回/1071 『企業戦士サラリーマン』

ヒーローを題材にしたギャグとしては悪くない。画力はギャグとしてなら及第点だが、ホワイトのスープレックス?を

「急に技を掛けて寸止めした」ように見せれていないなど、表現の部分が弱い。テンポはいいがセリフの文字数が多め。

タイトルが使い古された物で何にも考えずに付けた感すら。「服破れた」がボタン取れただけなのは微笑ましくて好き。

第3回/1072 『探偵アタマパンツと謎の漆黒』

なにげにマンガでも小説でも未使用の全く新しいトリック(もしかしたら同人や無料webマンガでは使われてるかも)。

それは「ノンブルを操作してはいけない」という商業での製本のルールがあるからで、ということはもちろんこの作品は

絶対に商業に乗ることは無い。だがそこに注目してトリックを考えたことは評価する。キャラもいいがやはり画力が…。

第3回/1073 『妖精人間獣ペス』

なんとなくパペットのような造詣が画風と相まって味がある。だが性格の描き方が弱く、第1話的な話になっていない。

連載を途中から見たよう。三角木馬で遊んでいる場面がギャグとしてより唐突という印象のほうが強い。ペスに注目した

紹介的な話にし、読者にキャラを受け入れさせる土壌を作っておくべき。犬が凶暴化した部分にもネタが欲しかった。

第3回/1074 『リーガル・タイム・クライム』

前回同様時間旅行系。そして前回同様突っ込みしたくなる内容だが「合法的時間犯罪」という言葉にはハッタリ力があり

非常にいい。でも時間を止めて「エレベーターが」「廃ビルだから」ってのはさすがに変。双子を間違えたのもヒネって

欲しかった。話に緩急がありネームも上手い。因果律に戻される描写に若干分かり辛さが。骨「隋」液の誤字に笑った。

第3回/1075 『鉱熱機関 銅月』

hine氏担当と思われる部分が読者置いてけぼりで勢いのまま45P突っ走り切っていて清清しい。足を引っ張っているのは

青空氏担当と思われる部分で、ナミコ・銅月の回想が回想に入ったと分かり辛く、ここで勢いを殺されている感がある。

「全部全部」「もっともっと」は熱を感じる形に。蒸気人間のデザインを見せれてない。単純に作風と画風が合わない。

第3回/1076 『桜田ファミリ家-おれたちのベースボール-』

ベタで王道な泣かせ話だが、きっちりそれを見せるマンガになっている。導入のキャラ紹介が良くすんなり話に入れる。

1Pとシメが繋がっているのも良く構成が非常に上手い。ただ姉の高校生活で「ホントみたいだ」のナレは変。多分本来は

2話に入れたかった部分なんだと思うが、幸一の視点を通して欲しかった。次話で前作と違う作風を出せるかに興味が。

第3回/1077 『最低のリングスター』

王道スポーツもの、しかも別のスポーツの技術を応用するという、これも王道。コンプレックスを持ったキャラがそれを

打ち破るも王道。バディものも王道。それらの設定に負けないマンガに描けている。読んでいてワクワクする。面白い!

序盤の牛乳瓶をシュートしてる布石もいい。「どうしてこんなに悔しい」と狙撃手は枠無しがいいかも。続き読みたい。

第3回/1078 『処刑番長』

前回同様男臭い画風だが内容に合っている。所々未完成なのは譲歩するとしても変身した懲罰委員がずっと白かったのは

「そういうデザイン」と見られてしまって中途半端。冒頭で文字数の多い説明台詞を多用しているのはトナメ的に下策。

特に説明的でなくても十分に導入としてアリだった。上記以外はネームも上手く完成度が高いが、裏サン的かは微妙。

第3回/1079 『隠世』

画力はなかなかだが特徴の無さが欠点。全体的に画面の白さが目立つこともあり画が淡白。同じ構図も多いので変化を。

もう少し描き込みが欲しいが淡々としたノリに合っている面も。いつの間にか競売場に移動してるが無駄な描写を省いた

結果か。ヒキが悪く、もう少し先の展開が見えないと期待感が無い。細かい話だが「隠世」にフリガナがあったほうが。

第3回/1080 『気づいたら「まっしろ」でした。』

逆転の発想で白い背景にしたのは面白いが、やはり邪道。それ以外の方法で見栄えを出せるように出来ていなければ

趣味のマンガの粋でしかない。そのレベルで言えば12Pで上手くまとまっていて悪くないが上を目指す姿勢は見えない。

突き詰めると「脱出ゲーム」の導入を描いただけなので、せめて意欲的と思わせるものや個性を出して欲しかった。

第3回/1081 『守人Lv.99』

画力はまだ修行が必要で、特に動きや迫力の表現が下手。1P目から道具屋の娘が襲われてるようには全く見えない。

「負けられないから強くある」も山場なのに全く迫力が無い。またこのシーンからシメへの話の展開も悪い。それもあり

ダンさんの魅力が乏しい。舞台が限定的なことが予測されるので次話の期待感を高めるような作話の工夫が欲しい。

第3回/1082 『アワイ奇譚』

エンピツ描きなのが非常に勿体無い。折角画力もマンガを描く能力も高いのに、線が多いにも関わらず細い線が無いのと

中間色の多さで見辛くなっている。文字が多めだが上記のことが無ければ気にならない。展開も上手く15Pによく話を

まとめているが無理に話を詰めた感があり、表紙後の状況が把握しづらい。ホラー表現も上手いが裏サン向きかは…。

第3回/1083 『煌国のアスラ』

船から海を眺める→回想の流れに意味が無い。この回想から受ける印象は「祖母にお尻をぶたれた」で、旅立ちの決意を

印象付けるものではない。海鳥の餌付けも意味が無い。アスラの性格の描写や、エリィとオードルとの出会いの描写だと

しても無駄にページを消費しただけ。海賊以降でも十分に描写する展開は作れるのでまずは話を動かすべき。がんばれ。

第3回/1084 『週休6日のラグナロク』

まだ成長途中という感じだが親しみ易い画風でマンガの能力も高い。展開も上手く非常に読み易い。ただここがヒキでは

期待感に繋がらない。響先生が攻撃を受けて、でもりぼみぃを傷つけることは出来ない、というような葛藤ぐらいは予測

できるのでそこまで描いてしまって更に踏み込んだヒキにして欲しかった。意味ありげな鎖の人物も姿だけでは弱い。

第3回/1085 『黄昏横丁』

キャラはいいのに、背景が無いことで黄昏横丁の世界観が出せていない。この作品で大事な部分なのでかなりマイナス。

面屋が面を売っていると分かる描写が序盤にあったほうがいい。面屋のセリフは説得力が出ていて良い。描きなれた感が

あり全体の雰囲気はいいが、面屋の取引と結局死を選んだ理由が描写不足。そのせいで描きたいものが見えてこない。

没(感傷が過ぎる。意見を押し付けすぎ。目的が違う)

創作で生み出された人物は、必ず創作者の意思で生み出されたもの。現実の人物以上に「存在に意味がある」と考える。

意味も無く死ぬことに意味があるのだとしたら、この話自体に意味が無い。死に意味があるのだとしたら、それを描けて

いない。そしてもし、人物が死ぬ意味を自分でも理解せずに死を描いているのだとしたら、創作をやめたほうがいい。

第3回/1086 『JGAME』

ぬくよの顔がほぼ同じ調子なのが気になるが、それ以外は構図の変化他、マンガの見せ方が出来ていて非常に見やすい。

画力が足らなくとも十分に見栄えする。ジェンガのアイディアや話の見せ方も上手く、17Pまで文句の付けようが無い。

ただ短いのが最大の難点。1P目から「100年に1度」「8年の刻を経て」と破綻してるが深く考えるべきじゃないのか…。

第3回/1087 『堕天作戦/虚空処刑』

必要最低限の説明はあるがマンガの内容で世界設定を表現していて上手い。説明部分も文字は多いが上手く散らしていて

読み辛さがない。背景が白いことで画面が寂しく、特に造反者突入のシーンは状況が少し分かり辛い。メイン3キャラの

魅力が良く出ている。ただほんのもう少し可愛らしい絵柄でレコベルを描けていれば…。ラストはエビフライの恨みか?

第3回/1088 『スペーストレジャーズ』

適当な線の絵でいくつかジョジョの模写っぽいのもあるが、意外と画力がありそうな気が。人物がキチンと描けているし

極端なパース狂いが殆ど無い。内容も思い付きで描いた感が強くかなり適当だが、展開はマンガとして成り立っている。

少なくともそれなり以上の実力は持っていると思われるので、もっと本気の作品でぶつかって欲しかった。

第3回/1089 『さよなら、ほずみ先生』

冒頭が「霧が丘中学」で起きた芝庭事件で、最後に明かされた話の舞台が「蒼海学園」。ミスリードを誘うにしては余り

特徴的でない。特に最後の学園全体像は重要なのに印象的でないので上手く描いて欲しかった。タイトルから受ける印象

は現在の視点のようだがこれもミスリード? 考えられた話のようなので続き読みたい。伊達は「いで」とは読まない。

第3回/1090 『エイジ』

画力は足りないがマンガを見せる能力には才能を感じる。テンポが良く楽しい。エリーの「こんなこともあろうかと」が

可愛すぎる。ただ後半の繋がりが悪すぎる。後半で勢いが削がれ、しかも強いヒキにもなっていないので完全に不要。

前半の勢いには将来性を感じるので、ぜひとも次回は魅力を十分に発揮できる作品で勝負して欲しい。

第3回/1091 『ナナツメの不思議』

描き慣れた感があり安心して読める。実力は十分にありホラー作品の1話としてはほぼ文句無し。だがトナメ作品として

となると導入を描いただけでその後を期待させる強いものが無い。17Pでこれだけまとめる力があるので、世界にもっと

引き込み、続きが読みたいと思わせる吸引力のある場面まで描いて欲しかった。惜しい。電話の場面は少し分かり辛い。

第3回/1092 『秘密警察映像放送課』

面白いがショートショート的なアイディアで、しかもその設定を見せただけで話が動いていない。これでは先の展開に

期待感が持てない。しかも設定の大部分を文字での説明に頼っているのも良くない。茶越の首の痕もそれまでと繋がり

の無い突然出てきた要素なのでヒキになってない。ジローが世界の違和感に気付いたことの表現はもっと分かり易く。

第3回/1093 『ラヴゲヱム』

相変わらず物凄い言語センス。十分に商業で通用する武器だが、今作では「それが多少の欠点を吹き飛ばしている」とは

言えない。場面の繋がりが飛び飛びで状況を把握し辛い。元々セリフの勢いで筋を見失いやすい作風なので、展開は極力

シンプルに分かり易いほうがいい。クセの強い絵もシンプルで見易くすることが出来ればプロへの道が近い作者と思う。

第3回/1094 『エクエス・レクス』

マンガを描く基礎力が高い…ように見えるが、それだけに粗の部分が気になる。コマ割で、断ち切り使用の取捨が下手。

そのせいで視線誘導が速やかでない。背景をしっかり描いているのは素晴らしいがこれも細かいパース狂いが気になる。

展開は上手いが盛り上がりに欠けヒキが弱い。ケインの正体はバレバレなので引っ張るより明かしたほうが盛り上がる。

第3回/1095 『ひめくりスカウト』

ごく普通にヒーローが居る世界…というのは昨今の流行で目新しさが無いものの、スカウトが主人公というのは面白い。

ただ内容で勝負というには少し弱い。前回で高い画力を発揮していたのでそれがあれば…。話の展開に丹念さがあるが

同時にちょっとテンポが遅い面があるのも前回同様。話がこれからというところで終わるのも前回同様。惜しいのだが。

第3回/1096 『黄昏の子供』

SF短編的で面白く、ストーリーテラーとしてハルを登場させ、この形式で様々な「人類最後の記録」を見せていくことを

容易に推測させる展開になっていて良い。文字を読み易いよう組んでいて良いが12Pは推敲不足。絵柄に雰囲気があるが

もう少し説得力のある画力が欲しい。記録なのにハルが歩きながら語ったり妙に芝居掛かってることに笑ってしまう。

第3回/1097 『インターハイを取り戻せ。』

導入で近未来を感じさせつつ青春スポーツもののように進行してからの話のサプライズ。先に興味を引く構成が上手い。

新昼原のインパクトも強く非常に面白い。ただ最後のコマが黒いのは(大コマならアリだが)ヒキを弱めていて残念。

コマ割・構図も良いので、あとはやはり画力。問題はほぼその一点なのでそこを鍛えてぜひまた挑戦して欲しい。

第3回/1098 『天正外道忍法屋』

女性的絵柄で少年誌的ではないものの画力は非常に高く、女性の裸体が上手く描けていて画面に見栄えがある。マンガの

基礎力自体が高い。話の展開も面白いほうに転がっていきそうな期待感を出せてるが…導入9P+本編4Pの13Pでは短い!

読後感が非常に悪い。実力が高そうなだけに残念。鏡探そうよ→脱いじゃおは変。ヒキを作るためにわざわざ詰めた?

第3回/1099 『ドブっ子MAX』

マンガの基礎力は十分にありギャグとしてなら十分に及第点以上。ただ内容的にはテンポが良いというより、盛り上がる

前に次の場面に行ってしまって笑いどころを見失う感じ。狙ってそういう作風なのかも知れないが、どうにも読んでいて

もやもやする。また少年誌としては少しきつい下ネタ。裏サンは許容範囲が広そうなので問題ないかも知れないが。

第3回/1100 『追放者』

導入のゆったりした雰囲気は良いがセリフでの説明は上手くない。中盤以降も導入と同じような大きいコマ割だが時間と

空間を感じるというより単に間延びしてるようにしか感じられない。緩急がないと印象付けたいコマが埋もれてしまう。

密度が低いせいで23Pあっても非常に短い。話が動き始める前に終わってしまっていてはトナメでの注目度も下がる。

第3回/1101 『ゆるモノ』

アイディアが冴えていて面白い。ただ1話ではよく出来ているが今後のギャグ・バトル・ストーリーの配分が難しそう。

設定を展開で見せるのが非常に上手く、他の参加作品がお手本にして欲しいほど。殴り描きだが絵はすぐに上達しそう。

つづく→つづいたwはギャグとしても面白いが、ヒキが格段に良くなっていてこれもお手本。解説デブがいいキャラw

第3回/1102 『瞬きの帳』

哲学的観念的世界でのメルヘンで映像的にも美しいが、一般受けは(させようとは考えてないだろうが)難しい内容。

また長編にも向かず、内容としては結末まで描いてこその作品。でないと手段が目的化してしまった自己満足の産物で

しかなくなってしまう。マンガとして見せる技術は持っているが、作者がそこをどう捕らえているか。

第3回/1103 『High and Low』

画力やマンガの技術力は前回に比べて上達しているが、描き文字での迫力の出し方が出来ていない。話の見せ方も悪く

ロウサの視点で進みエースを謎の人物として描いていたのに、終盤からエースの視点でロウサの存在が謎になるのは読者

が混乱する。導入のテレビの演出に特に面白みが無いなど、演出に関しても勉強が必要。エースのデザインもイマイチ。

第3回/1104 『ジャージと白衣と六畳間』

描き慣れていてマンガの基礎力は非常に高い。ただ吉田パートのコマ割は少し変。話の見せ方も上手く、いきなり始まる

導入で興味を引き、黒木パートで絵の情報から人物背景を見せられている。それだけに話が動き出す前に終わってしまう

短さは本当に残念。どういうことを描いていく内容かもまるで分からず期待感が全く持てない。実力はあるのに…。

第3回/1105 『寄せ集めのアホ達』

前回同様の独自の世界観を持っていて作風が完成されている。ただ前回は比較的小ネタが多かったのに対し、今回はほぼ

泡ネタだけを引っ張っていて少し弱い感じがする。またナレーションでの進行も淡々とした雰囲気は出しているものの

直接ギャグに繋がっているわけではないのも弱く感じる。いい話風に終わってしまったのも弱い。好みかも知れないが。

第3回/1106 『ソラシ西高等学校レンジャー』

一応ギャグなんだろうか…。意外にマンガとしての完成度は高く、交互に話を見せる演出を非常に上手く出来ている。

レンジャーの存在も謎ながら緑の過去も意外なものになりそうな期待感がある。だがその興味をもっと強くするような

ヒキにして欲しかった。折角の期待感がふんわりとした終わり方で殺されてしまった。2組のタカシ連呼はクセになるw

第3回/1107 『Thumb wrestling Battle』

前回同様のコミPO作品だが、やはり前回同様ギャグとしてのセンスに欠ける。弱いボケをツッコミでなんとか面白く

しようとしている感が強い。コミPO作品は画力は関係なくなるがセリフ回しや構図などマンガのセンスを問われる。

相変わらず「コミPOで適当に遊んでみました」の域を脱していない。前々回・前回から成長を感じられない。

第3回/1108 『悪魔さんリボ払い可能ですか?』

可愛らしい絵柄だが若干個性が無い気も。マンガの技術的な部分は未熟だが人物は上手く、ありがちな女の子だけしか

描けない、という感じではなく通り魔も良い。動きも良く描けている。なのでアップに頼りすぎずもう少し構図に工夫が

欲しかった。描き文字が細かくて読み辛い箇所がある。ラストの展開は上手いがその結果→オチでないとヒキが弱い。

第3回/1109 『イバラト、トモニ。』

かなり頑張ってる感じはあるが全体的に未熟。SD化という言い訳で人体を描くことを省略するのは成長の阻害になる。

まずは無しで描けるようになってからやるべき。また話の展開も典型的な「自分の頭の中では盛り上がってる」タイプで

理解し易いように描けていない。それをしなければ他人を自分の世界に引き込むことは出来ない。がんばれ。

第3回/1110 『100万回死ねるオレ』

至らない部分は多いが手を抜かず描き込んでいるのは良い。それだけで見栄えする。マンガの見せ方もよく出来てる。

前半は悪くはないがアンデッドの日常のギャップを描くにしても今ひとつ面白みが無い。先まで見せないとヒキが弱い。

パンの切れ目を入れる機械という説明が無いので手が切れたことが唐突。チャット表示が下→上では漫画と読み順が逆。

第3回/1111 『アトランジェ』

前作とは随分作風が違うが勢いがあって楽しい。世界説明を地球がしているのも面白い。ただ絵柄が少し個性に欠ける。

軽いノリでトントンと進み、初白の秘技も印象的では無く若干緩急に乏しいので、重みのある場面が一箇所でも欲しい。

カラーに意味が無く殆ど紫のゲロのためのようなもの。うんこが色付きではないのは良心か。伏字に突っ込むのは野暮?

第3回/1112 『善意屋ボランティーノ』

前作まで同様、絵は上手くないが構図やセリフ配置などのマンガの基本的な部分は出来ていて読み易い。アイディアも

相変わらず良く、今作は性癖を全開にして描きたいものを描いた感があり清々しい。嫌悪感を持たれ易い内容だが。

ボランティーノの雰囲気作りがデザインを含めて上手くなく、それで全体の印象が少し弱い。ヒキも余り強くない。

第3回/1113 『ほぼ1P!!ショートショートに弾を込めて』

23本収録したのは素晴らしい。ただやはり質にはかなりムラがあり「殺し屋」など特にオチてないものがあるのは残念。

描いた順のようだが「絵を描く理由」等のいい話系は最後にするなど編集をすべき。SSの性質上コマを詰める必要があり

そのためコマ割が非常に重要だが、全体的に疎かで「惑星調査」等の話の魅力が半減している。マンガにする実力不足。

第3回/1114 『あんでってんど』

前作も変なノリだったが今作はまだ一般受けを狙える感じに…とは言ってもやはり変なノリだがw キャラの魅力が良く

出ていてタエちゃんが説明役としていい味。篭サイドの説明が足らない感もあるが、お父さんがバニー人形なこととか

説明が無いほうが勢い任せで面白い。動きや構図にも勢いと迫力が出ていて読んでいて楽しい。トマト美味しそう。

第3回/1115 『たびしカワラん!!』

一言で表せば「サブカル系」だが、千蔭が常識的な視点を担っていて一般的にも受け入れ易く描けているのは上手い。

クレイシハラの地獄の説明に文字が多く使われているが、描き込みによって絵自体に説得力があるので問題ない。色は

付けなくても良かったが、敢えて血を塗ってないのはセンスか。ヒキは強くないがそこまでの展開が十分にヒキ。

第3回/1116 『雀学無双』

「勝込学園」で培った持ち味である勢いと熱さがあるものの同系作品ではあるが以上の作品にはなっていないのが残念。

キャラの命名センスが悪すぎ。ザコだけならともかく音雷て。デザインも主人公らしさが無く、ザコっぽさに溢れてる。

こういうことを突っ込んでも意味の無いマンガだが、一萬が5枚ある(九連で3枚、国士で1枚、ドラ表示牌で1枚)。

第3回/1117 『虎吉君の法律入門』

マンガ以外の指南系マンガは珍しく、それだけでかなりインパクトがあるが、キャラの掛け合い以外は大半を文字だけで

説明してるのは頂けない。またこの系統は意外と画力が無いと文字も読んでもらえない傾向が強いのでマンガでの表現は

明らかに実力不足。憲法に明るくないので内容に踏み込めないが、系統立てた説明になってなく理解し辛いのが致命的。

第3回/1118 『Fantasydomain』

背景が非常に良い。パースなど未熟な部分も多いが雰囲気を出せてることのほうが大きい。代わりに人物が描けていない

のが目立ち、特に動きが表現できておらずバトルの迫力が無い。主人公の銀貨十枚~は引用した意味が無いし、それほど

決まってもいない。ヒキは悪くないが、予想の範囲内で話が進んだだけで終わってしまったので何か驚きが欲しかった。

第3回/1119 『リジェネレーター』

自殺者が異世界に行って訳も分からずバトルというベタ展開だが、模倣ながら上手く展開を見せることが出来てている。

45Pできっちり1話としてまとめているのも良い。絵は壊滅的にダメだが、それ以外はきちんと「マンガ」が描けている。

設定をひけらかすのではなく、展開を見せることが出来るのは作劇の武器になるので頑張って欲しい。

第3回/1120 『最期の晩餐』

個性にはなっているが相変わらず流行とは掛け離れた古臭い絵柄。だが前作までのメカよりは受け入れ易い。異生物の

デザインが雰囲気に合っている。かなり話の展開が急なのでトイレで櫻田が遊佐と三倉の会話を聞く前にワンクッション

あると良かった。「つづく」とあるが、タイトルから考えると読み切りとしてここで終わるほうが綺麗だが…。

第3回/1121 『魔王飼い始めました』

黒が少なく画面に若干メリハリが無い。力を失った魔王が…というネタはよくあるものだが可愛らしく描けていて良い。

でも封印石背負ってるから重いんじゃ…。ノリと勢いがあって楽しく読める。副魔王の行動は意外性があって強いヒキに

なってはいるが、前半を投げたような印象になるので魔王パートに戻して終わらせたほうが良かった。うま可愛い。

第3回/1122 『狸妻』

画力は向上の必要があるが、妙にリアルな狸と、微妙さが絶妙な人間体狸々依に味がある。展開の見せ方は悪くないが

押しかけ恩返し系の話のテンプレ通りに進んだだけで1話として弱い。恩返しの具体的な行動まで描いて欲しかった。

狸が部屋に入り込んだタネ明かしは、小ネタだけどページをまたいだほうが良かった。慎哉の眉毛薄くない?

第3回/1123 『オルタナブレイド ―二者択一の剣―』

若干人物にぎこちなさがあるもののそれ以外は非常に上手くプロレベル。世界観が完成されていて、頭に刺さった剣が

キーアイテムというのは素晴らしいアイディアと見た目的なインパクト。魔力網サーバーも面白い。ゴモリーとルキルの

関係が気になる描き方なのもニクイ。物凄く続きが読みたい。「二者択一の剣」の何が二者択一なのか分かり辛い。

第3回/1124 『おむにばす四季: 春編~お花たちの季節~』

絵もアレだが自称「台詞だらけの4コマ」以前の問題で、まず全く状況を説明できてないので意味が分からない。細かい

指摘を書いていたらキリが無いが、1本目2コマ目からすでに状況の説明不足。せめてタイトルに腐女子が主人公と分かる

記述があればまだ分かるが…。内容を詰め込み過ぎで混沌としていて別にオチてもいないので4コマである必要が無い。

第3回/1125 『祓い様』

絵柄は個性があり画力もあるが、見せ方が上手くない。祓い屋が最初に邪気祓いを見せる場面で、背中の文は片肌を脱が

なくてもいいし邪気祓いの口は胸にあるので演出がちぐはぐ。オサノが旅人を脳震盪させた場面も軽く流していて、話を

見せるコマ割が出来ていない。先代が鍬に戻るのも軽い。ネーム段階でもっと練る必要がある。他は上手いのに惜しい。

第3回/1126 『ジジイが空から降ってきた』

前作同様内容の詰まったドタバタ系で面白い。前作で少年誌向きでない絵柄を指摘し今作もその傾向は残っているものの

線がシンプルになったので向かないこともない。展開が早くひたすら楽しい。続きが読みたい。マンガの技術力が高いが

ほぼ断ち切りのコマばかりなのは画面に緩急が無くなるので余り良くない。魔方陣のデザインは独特でないと説得力が。

第3回/1127 『猫にまつわる魔法の話』

前作も面白かったが今作は絵本系ファンタジーな雰囲気が出ていていい。ただ「ハゲだー」は面白いものの、そこまでの

雰囲気を壊している感もあるので、少しあっさりでも良かったかも。ライナスの毛布もネタとしてはいいが、現実世界と

繋がりを感じてしまいファンタジー感が薄れる。線の荒さが雰囲気作りにもなっているが、清書していて欲しかった。

第3回/1128 『天使も悪魔』

画力はなかなかあるがコマ割が下手で、殆どストーリー4コマのよう。そのほうが良かったのでは? 内容はテンポとノリ

が良く非常に面白い。「それえぇなぁ」は言ってみたくなる。ストーリーを殆ど語らず(登場人物の名前すら出さず)

ネタだけで勝負してるのは潔い。綺麗にまとまってるのも良い。「トンカチで指やったの!?」の優しさにやられた。

第3回/1129 『ミレイ@遺恨のギガトンビンタ』

前作までの突き抜けたノリに比べてパワーが無い。前作のあゆみとちらりが出ているが、ちらりの意味が無い。中学生が

何の躊躇も無く居酒屋に入るのは笑わせ所なのかも知れないが、そこまでに勢いが無いので違和感にしかなっていない。

ネタらしいネタがモンスターペアレントぐらいで、持ち味を全く発揮できていない。個人的に好きだったので残念。

第3回/1130 『魍魎くん』

相変わらず「女性の体に男性が入り込む」というキャラが主軸だが今作も面白い。魍魎くんと元の金切先生両方の過去を

上手く興味を引くように描けているし、普通に思えた傘音のヒキもいい。どういう授業を描くか続きが気になる。導入で

3Pは引っ張り過ぎ。2Pに収めたほうが良い。出席はキャラ紹介も兼ねているだろうから、もう少し印象に残るコマ割に。

第3回/1131 『イケメン・デッドパレード』

前作のように実験的作品だと思うがシンプルな設定の分まとまっている。山田中に微妙なキモさは出ているがブサイクと

罵られるほどではない。逆にイケメンはラフ絵で誤魔化している感があり、清書したときにそこまで説得力を出せるか。

展開はさすがに上手く、まさに「シリアスな笑い」を描けている。ただ2話でも同じような面白さが維持できるか…。

第3回/1132 『四谷快談!』

前作まで同様可愛らしい絵柄で、総合的なマンガ技術も高い。前半を上手くまとめているが、やはり詰め込み過ぎの感が

強く、練り込みも足りていない。「面識はない」は変。ハツ墓と累ヶ淵の会話に構図の変化が少なく画面に飽きが来る。

占いがいつも外れている具体的な例を。後半の夢はコマ割に夢らしさが欲しい。絵柄に救われてるがツメの甘さがある。

第3回/1133 『日陰より』

前作同様「新耳袋」系の怪談マンガで評価が難しい。直接的な恐怖の描写である、霊?の描き方に怖さを感じられない。

そこだけまるで違うタッチにするなど強調して欲しい。前作と違い3編をまとめたのは良い。ただ「言うな」は序盤より

終盤のほうがいいのは確かだが3編の最後としては弱い。なんとなくネタが尽きることを危惧した出し惜しみを感じる。

第3回/1134 『月並奇譚』

死ぬ絵:みたらしを途中で気付かせる構成で最後にそれをひっくり返すのは上手いが404は解釈の幅が生まれてモヤる。

擬人化:意外とよくある系統だが時計等まで擬人化してるのは面白い。主人公視点の異常性をもっと描いても良かった。

携帯電話:構図に工夫を。深みのない話を最後にすると全体の印象が弱くなるので擬人化と順番を入れ替えた方がいい。

第3回/1135 『ドアホル』

人物のアップが多い4コマだが背景を描いてるのは良い。それだけで全然印象が違う。キャラの魅力をよく出せているが

序盤にメイン3キャラを描いたあとで先輩や兄弟に移らないとキャラに愛着を持ちづらい。画力は低くはないが、絵柄に

個性やキャッチーさが足らない。この系統はそれが作品に大きく左右されるので、それがあれば人気が出そう。

第3回/1136 『ヒーロースーツ』

絵柄から話の展開、セリフ回しに至るまで「ぼくらの」の影響が強く見られる。発展途上なら、まずは模倣から入って

腕を上げるのも必要な過程。展開などを「明らかに影響がある」と分かるレベルまで模倣するのはそう簡単ではないので

その点で言えばよく出来ている。この先も模倣から脱せないか、離れて個性を出せるかで今後が決まる。がんばれ。

第3回/1137 『ネッシーのお医者さん』

可愛い。面白い。絵がラフだが、これで個性的な絵柄を生かしたイラスト的な絵が描けるようになれば文句無しな作品。

絵本的な雰囲気が非常に良く、ちょっとダークなところがまた絶妙で幅広い層に受け入れられそう。マンガ的にも優秀で

構成が非常に上手く、理想的な展開。良い所を挙げてたらキリが無いが、良い所しか見つけられない。上手い。

第3回/1138 『マビト』

非常に雰囲気がある作品だが、逆に言うと雰囲気しか出せていない。その雰囲気に浸らせるほどの画力には至ってないし

説得力を出せるほど丁寧な描写でも無い。「怒ると顔がふくれる」の注釈は独りよがりな設定に酔っている感を強める。

異人・異形の世界を描くのはかなりハードルが高いが、そこに技術が追いついていない。人魚の対比など上手いのだが。

第3回/1139 『地下闘技ジャンキーズ』

画面に勢いと迫力があるが、緩急が無いのでくどさを感じる。格ゲーを知らない人にも分かるようにしているのは良い。

初心者で話を盛り上げておきながら、あっさり返り討ちの肩透かしで終わってしまっては読後感が悪い。いくらが上級者

なのは想像に難くないので、もっとリベンジを強く感じる形のほうがヒキが良くなる。ゲーセンの雰囲気が良く出てる。

第3回/1140 『紅葬送』

例によって少女誌的印象が強い。前作まで「絵柄が」と指摘していたが、むしろ心理描写やそれに伴うふわふわした背景

効果、透過したフキダシや断ち切りの多さなど人物以外の部分に拠るところが大きい。少年誌的な効果や迫力が無い。

もし本気で少年誌を狙っているのなら相当な自己改革が必要。ただ永尚の回想が分かり辛い以外は非常に完成度が高い。

第3回/1141 『悲色のプローヴァ』

前作までと毛色が違うが確実に上達している。線が整って見易くなった。ただ始末人のセリフが説明的過ぎる感がある。

死を扱うと説教臭くなる恐れがあるが、いい観点での論理展開。冒頭が唐突で逆に印象が弱い。状況説明となる背景など

を挟んでから入るほうがいい。5Pの「私の分も」は意味が通り辛い。記憶の見せ方が弱い。彼氏に復讐したのは短絡的。

第3回/1142 『15KIDS -未来世紀の学園戦争-』

画面に白さはあるものの高い画力で絵的には見栄えがいい。ただ変化はあるが面白くない構図が多く、また枠線の間隔を

広めで統一してるなどコマ割に工夫が無く、マンガ的な見栄えは無い。展開の描写も上手くなく話の状況を把握し辛い。

どうせなら前半でもっと絶望感を出し、ちゃんとオトしてから後半に繋げたほうがいい。布陣は戦術というより戦略。

第3回/1143 『少年少女ノスフェラトゥ』

画力はまだ足りないところが多いが作品の空気を十分に出せている。縁の無垢さと不気味さがよく描けている。わざわざ

変則的なコマ割の見開きにしているが(縦読みを意識した?)余り効果的で無い…というより、動きを表現出来ておらず

何をしているのか分からない。ヒキはいいがそこまでの流れが強調していない。縁たちの素性気になる。続き読みたい。

第3回/1144 『ネコシメジ』

前作までと登場キャラは違うが相変わらずケモケモ。特異なセンスを持っているが16Pではその魅力を出し切れてない。

前作は長すぎだったので中間ぐらいで。一貫して完成された世界観を持っているので正直内容に口を挟む余地が少ない。

「ネコシメジ大きくなりすぎ、どう話を膨らますんだ」という憂慮を吹き飛ばす展開をしてくる作者なので侮れない。

第3回/1145 『人間レベル』

前回同様の独特で個性的な絵柄。意外とありきたりなネタか…と思わせつつ最後にまさに桁外れな驚きがあり面白い。

ただ華は各パラ合計値がLv×10と同じだが、東浦は10足りずツッパリは140も足りない。整然とした規則を持ってない?

かわいさ0にしては可愛すぎる…。山田の内面的カッコ良さをもう少し描いてから主人公と明かして欲しかった。

第3回/1146 『E-MEN』

導入としては17Pでよくまとまっているが、どういうマンガになるのかが分かるところまで描けてないのは最大の難点。

ヒーローものギャグは似た作品が多く、それらとは違う(もしくは同じ)ことが分かるところまで描かないと期待感に

繋がらない。背景をキチンと描いてるのは良いがパースの勉強を。いい目をしている→目が座っているは面白かった。

第3回/1147 『造られた英雄』

背景等の描き込みがきっちりしていて画力は十分あるが、デザインにモンハンなどの影響が強く個性が無い。また迫力の

表現が下手で、特に導入の戦闘は最初の見せ場になるはずが、そのせいで役目を果たしていない。人工呼吸辺りも構図に

面白みが無い。話の見せ方も良くなく場面の繋がりが不自然。特にラストは唐突すぎてヒキになっていない。

第3回/1148 『しーしゅぽすの休日』

内容に合ったタイトルがまずなにより素晴らしい。ハナの子供らしい悪魔っぷりが上手く描けていて、思わず憎らしさを

感じてしまうし、だからこそ子供らしい天使っぷりが引き立っている。カラーの空も印象的。ただ確実に少年誌的な内容

ではなく青年誌や一般誌的。また読み切りとしては高い完成度だが連載となるとどうなるか。2話掲載が良かったかも。

第3回/1149 『異業』

例えばJOJOなど能力バトル物で「能力に或る共通項がある」のは極めて王道。それが諺というのは非常にいいギミックで

読者側も想像を掻き立てられる、いかにも少年誌的な素晴らしいアイディア。ただ導入が唐突過ぎ、女友達の存在意義が

話の案内役としてだけ、都合の良すぎる展開、説明を文字に頼りすぎ、個性的過ぎの奥郁夫、などマンガ的には厳しい。

第3回/1150 『あいさつの鬼』

マンガの技術力が高く、アイディアも素晴らしく面白いが…短い! このままでも十分に続きを読みたいと思わせるもの

があるが、やはり12Pでは短く読後感が無いのでトナメでは不利になる。冒頭の「金が欲しいか」の謎の女が呪いと関係

ありそうなので、その辺も描いて欲しかった。短いがキャラの魅力を非常に良く出していて上手い。続き読みたい。

第3回/1151 『100億人のラグナロク』

前作同様かなりベタな設定でプロローグ的なのも同様。亞久井が覚醒した所まではまだ導入で話が動き出し始めただけ。

敵覚醒者を殺したところからやっと話が動き出すが、そこで終わってしまった。そもそも6Pまでの世界設定と状況説明は

別に1話には必要無く、7Pからでも十分に成り立つ。全体的に冗長さが目立つ。見せ方などは上手いのだが。惜しい。

第3回/1152 『貧弱マン!!』

マンガの基礎力は十分にあるが、人物の顔が一定していない。デザインが野暮なことを差し引いても貧弱マンがキャラと

して面白く描けてない。因幡さんやウルフ男は活き活きと描けているのに、主人公の行動には「面白いことをさせよう」

という意図を感じてしまう。オチも意外性のあるものではなく定番なもの。ギャグマンガとして練り込みが足らない。

第3回/1153 『Rps』

コマ割やセリフ配置が上手く背景もきちんと描けているので気になりづらいが、人物の描き方がほぼ同じ調子。動きも

描けておらず、視覚的にキャラを印象付けれていない。話も動き始める前に終わってしまったので全体の印象が弱い。

「ただの物理だ」という驚き方は「この世界ではやろうと思えば物理攻撃で大岩を壊せる」という認識になってしまう。

第3回/1154 『僕らの殺人教室』

女性が可愛い絵柄だが若干クセがある。キザシの自己紹介が冒頭を含め「オレ キザシ」だけなのでそういう姓名かと。

キザシの「皆殺し」までの展開が強引。後で意味があるセリフだし丁寧かつ印象的な描写を。アイコのキスが突然過ぎ。

同じページに1コマ溜めがあるだけでかなり印象が違う。意味ありげに謎を散らしただけで終わっていて中身が無い。

第3回/1155 『ほにゃららからのプレゼント』

独特の味がある絵柄と高いマンガの基礎力で安定感がある。お母さんがたかしを見つけたコマはなんとも言えない怖さ。

ただそこから一気に爆発まで行ってしまい感情移入が出来ない。たかし視点でのお母さん像をもっと描いてからでないと

サンタへの願いが唐突でしかない。読者の心を引く終わり方ではなく、話の手綱を手放しただけ。「ヒキ」ではない。

第3回/1156 『ローグライクログ』

前作で見せた美しい絵での4コマで、意外と珍しいタイプ。そもそもマンガ的構図や表現が得意では無いようだったので

絵の印象とキャラの魅力が重要な4コマはむしろ合ってるかも。ログが犬好きには堪らない感じに可愛く描けている。

なにげに各話の並びと情報の出し方が上手く4コマ漫画の第1話11編としてほぼ文句無し。裏サンより犬雑誌が合うかも。

第3回/1157 『不思議大陸ドンゴラス』

初期の鳥山明風の緻密な画風で往年のコロコロギャグマンガを描いたような強烈なインパクト。この画風で低年齢層向け

ギャグを描けるのはかなり貴重なので、冗談抜きで本当に今のコロコロにスカウトしたほうがいい(同じ小学館だし)。

逆を言うとそれ以外での活躍は難しいと思う。「いきなり尻見せ」はオマージュだろうが今の時代は何か配慮が欲しい。

第3回/1158 『善人’s』

設定が面白い…ようで、実は能力バトルで「敵を倒す」が「善人になる」に置き換わっただけ。悪人が善人になる葛藤を

描いているがそれでこの先も話を続けられるか疑問。善人化に先の展開を期待出来るような意味を用意して欲しかった。

話を見せること自体は上手く、キャラが個性的で面白く読めるが…。しゃくれ顔のヤスが高橋名人にしか見えないw

第3回/1159 『TWIN-KLY SWOON』

同じ向きの顔しか描けてない感があるが人体や服をよく描けている。だがティアラが無表情なことを構図などでカバー

出来ていないのは痛い。背景も描き込まれていて基礎力が高い。マンガで色を題材にするのは難しく、実際カラーも中途

半端で今ひとつ印象的では無い。ただ雰囲気はよく出ている。ヒキは哲学ではベタネタだがどう描くのか期待感がある。

第3回/1160 『龍意──リュイ──』

「理不尽な程、空が綺麗」のためのカラーだと思うが、カラーにしたことでそれを表現できたと思っているのなら失敗。

それ以外の部分での表現を模索すべき。またそれが話に関係してなければ意味が無い。ほぼ状況説明だけで終わっていて

雰囲気作りすら出来ていない。「理不尽な程~」を含めて、文章も余り上手くなくマンガの世界に惹き込まれない。

第3回/1161 『NEWAGE』

キャラの顔芸だけでなんとなく読めるマンガに仕立て上げてることは評価できるが、話を全く描けてない。個性のある

絵柄でノリも独特なので、そこは十分に武器になっている。ピカリに注目した展開を続けて、話の動きを見せることが

出来ていれば、面白い作品になっていたかも。将来性は感じるので頑張って欲しい。バスケ要素をもっと見たかった。

第3回/1162 『ジョイジョイジョジョーナ殺し屋ジョンナサン』

殺し屋のキャラが立っていてペロンより可愛く感じるほど。見開きまでの展開はもっと詰めてもいいかも。パチンコの玉

集めは状況が分かり辛い。女体化ペロンが妙に可愛いが、意に介さないところがいい。ただそこまではノリを楽しめたが

死んだペロンを食べたところでドン引き。ギャグは好みがあるので、その後を含めた展開が悪いとは言わないが…。

第3回/1163 『ゴリ押し探偵塩見!』

絵はアレだが探偵物マンガとしてはなかなか。キャラも魅力がある。助手の仲原が新参か古参か混乱する描き方。宝石の

説明も仲原のモノローグか迷う。犯人特定の前に展示台の入れ替わりが分かる描写がさりげなく欲しい。展示台の隠し方

はさすがに強引なので説得力のある大きさに。怪盗が塩見の説得を受け入れた感じなのに奥歯を噛み締めた描写は疑問。

第3回/1164 『Cell Arm-セル アーム-』

描き込まれた画風だが、背景も敵も味方も全て同じ調子でとにかく見辛く、何をしてるのかすら一見では判別が難しい。

見せたいものは強調を。デザインに古臭さが。何の断りもなく導入から現在に話が移行しているので流れが掴みづらい。

翔太の復讐の動機が導入以降は「復讐」と言うだけなので印象が弱い。隼人の行動動機も言葉だけで感情移入できない。

第3回/1165 『ナゾトキミシツ』

謎解き系はアイディアが命だが、やはり画力・マンガの基礎力が欲しい。謎解きを省いた粗筋部分もさすがに定型過ぎ。

成田がイタズラ好きなので機転が利くという設定をまず変装で説明したのは上手い。謎解きは非常に独創性があり優秀。

特に順序立てた説明が上手く、意外と難しい失敗時の思考も良く描けてる。1問目と2問目で数字を合わせたのも凄い。

第3回/1166 『人生はゲームではないので、』

コミュ障を題材とした作品は多くあるが非常に面白い。また19Pでよくまとまっており、少なくとも第1回以降のトナメの

20P以下のストーリーマンガの中で最も完成度が高いと言って過言ではないと思う。冒頭3Pで全く文字を使わずに完全に

状況説明が出来ているのは素晴らしい。ただ読み切り作品の色が強く、ここから話を続けるのは蛇足になる可能性も…。

第3回/1167 『漫画家志望(無職)と一緒なの』

前作に比べると上手くなったが味が無くなった感も。人物に対して背景の甘さが目立つ。省略した絵柄が使い分けられて

おらず統一感が無い。5Pと22Pのイルカの驚き顔は両方重要なコマなのに変化が無い。ワナビ系マンガの中でもかなり

異彩を放つ内容で面白い。なののインパクトは凄いが狙い過ぎ感もある。ただイルカとどう絡むかで面白くなりそう。

第3回/1168 『バグフォレスト』

背景はよく描き込まれているし画に迫力も出せていて基礎力が高い。だが人物の線にタッチが余り無いので若干のっぺり

してるのが難点。展開も上手いが表紙を挟んだ話の転換は明示がないので少し混乱する。設定解説の仕方が非常に綺麗。

設定のアイディアも面白く先に期待感がある。ただ話の切りどころが悪い。世界観の魅力をもう一押しして欲しかった。

第3回/1169 『フラリー・クランツの躁鬱』

女の子が可愛く背景もしっかりしていて見た目だけで言えば十分プロ級。しかし折角の特長である絵を途中からの文字の

多さで台無しにしている。セリフ回しは妙に味がある。また前作は非常にシンプルな話だったが今作は妙に凝った設定で

しかも表現できていない。キャラ毎に画風を変えてるが、特に効果は無く統一感が無いだけ。なんとなく習作的雰囲気。

第3回/1170 『神殺シ』

パースの取れた背景が描けているが陰影が上手くなく立体感が無い。人物も上手いのだが描き易い向きや見栄えする向き

優先になっていて構図の変化に乏しく画面に面白みが無い。内容の雰囲気は良いがそういった部分で質を落としている。

奇跡のトリックを暴くことと「神の不在証明」はイコールでは無い。それが後の話で描きたい部分なのかも知れないが。

(追加分)

奇跡のトリックを暴くことは「奇跡が人為的なもの」が分かるだけで、単に「神が関与してない」ことを証明しただけ。

「神の不在証明」は言い換えると「神のアリバイ」。

「他の世界に居る証拠があるから、この世界には居ない」なら証明可能だけど、それだと神殺しをしたことにならない。

「神はすでに死んでるから、この世界には居ない」だと、「神殺し」のために不在証明をしようとしてるのに本末転倒。

(「神を殺す」という能動的な行動ではなくて「神が死んでること」を探ることになる。それを「神殺し」と呼べるか?)

さらに「どこにも居ない証明」だと「悪魔の証明」になってしまう。

「神の不在証明」をしようとしたら「悪魔の証明」になるってのは面白いからアリだし、その辺を先々で描くつもりだったのかも

ただ宗教論的に考えると、仮に「神自体がどこにも居ない証明」がされても「神への信仰」は残ると思う。

まぁそれも描きたかったことかも。

ところで「神の不在証明」って言葉、何かで見たことがある気が…って、ググったらすぐ分かった。HxHか。

あと涙を流すマリア像のトリックも、同じものを何かで見た(読んだ)ことがある気がするが思い出せないしググっても出ない…。

第3回/1171 『らいふすなっち』

絵が未熟なのは仕方ないとしても描き方が雑なのが問題。夜の表現は特に読み辛く、白背景のほうがマシ。話の描き方も

読み易さを意識できておらず、場面転換するたびに話を見失う。独りよがりな展開になってしまっているので読者を意識

したネームを作れるように他人にチェックしてもらえる環境を作ったほうがいい。カニ挟みは両足に掛けて挟み方が逆。

第3回/1172 『どうせ1話で終わり消費されるキャラたちと漫画』

まさに実験作。こういうの嫌いじゃない。これだけ崩壊していても「マンガ」と認識できるのだからマンガは面白い。

フキダシだけはほぼ残っているので、これがマンガらしく見える最たる理由か。しかしフキダシが無くてもマンガらしい

マンガはあるし、コマ割も絵さえ無くてもマンガと言える作品はある。マンガとは何なのかを考えさせられるいい作品。

第3回/1173 『SNACKER』

ほぼ同じ向きのアップばかりで表情も下手だが素直な線なこととコマ割・セリフ配置の上手さで非常に読み易い。画力は

後からでも鍛えられるのでそのセンスを大事にして欲しい。王道アレンジという感じだがお菓子で戦うのは面白い。展開

も悪くないがチョータと行動を共にする動機は少し弱い。ヒキも弱い。36Pで良くまてめてるので45P描いて欲しかった。

第3回/1174 『イースターエッグのなかみには』

絵は荒いが可愛らしさがある。コマ割・構図はかなり上手く、マンガとして読み易い。不思議の国のアリスのような世界

に雰囲気があっていい。ただ現実世界側でモノローグを入れるなど厭世観を出したほうが展開の繋がりが良かった。現状

では第三者視点で読んでしまい感情移入がしにくい。12Pは短くヒキも悪い。エッグが何なのかまで描いて欲しかった。

第3回/1175 『キローシュ』

満員の闘技場をちゃんと描いているのは凄い。少しクセのある絵柄だが動きの表現が上手い。ただ14Pのコマ割は面白さ

はあるが縦読みでは読み辛い。17Pは視線誘導が出来ておらず、また迫力も出ていない。見開きのほうが良かったかも。

シンシアとヤニスの関係に深刻さを感じるエピソードをもう少し欲しかった。ラストはしっとりしてるがヒキには弱い。

第3回/1176 『スケベ体育祭1.5』

前作同様ブルマー。タイトルのインパクトは前作のほうがあった。画力は上がったものの肝心のエロさを感じるにはまだ

足りない。日野樹のジャンプはいいが、それ以外は全く動きが出ておらず体育祭なのに躍動感が無い。個性を感じさせて

欲しい出場者紹介でも全員棒立ち。内容は置いておくとしてもデッサン力・構図力を鍛えないとキャラに魅力が出ない。

第3回/1177 『Doppel』

完全にネーム状態でキャラの判別すら難しいが「話の中で自然と判別がつく構成になってない」ということでもある。

無駄なコマ、大きすぎるコマ、足らない描写なども顕著に現れていてネームとしても未完成。ループ物のようだが、その

場合ここまでの話で17Pはむしろ冗長。もっと詰めてもっと先まで描かないと興味を引く話にならない。練り込み不足。

第3回/1178 『逢魔のセツナ』

ラフだがマンガの基礎力の高さが出ている。ただ線の感じによって印象が変わりそうな絵柄なので清書が見たかった。

内容はかなりベタな王道…というより古臭い。今時いつも竹刀袋もってる不良て。よくまとまってはいるが今風でない。

「夢で助けられるのはその人に恋してるから」という論法は「その人」が誰だか分からないと夢解釈として意味不明。

第3回/1179 『ウツロbot』

太く荒い線だが絵柄に味はある。表紙のカラーは背景の荒廃したビル郡か煙の中から現れるニセ人類の軍団のどちらかを

しっかりと描くべき。ツカミとなる部分なのにどちらも疎かで印象が弱い。設定と現在の状況を説明しただけで終わって

いて話が始まっていない。漂流したニセ人類の頭部を巡りなにか事件が起きてからヒキにしないと先に興味が持てない。

第3回/1180 『征鈴-セイリン-』

恐らくヤンキーマンガだと思うが、そう不安になるほど雰囲気が無い。絵柄のせいもあるが、勢いや迫力のあるシーンを

まず見せて欲しい。ただそれ以前に単純にマンガを見せる能力が高くない。前作でもそうだが設定や状況の説明、そして

キャラ紹介に拘泥して肝心の山場を失っている。むしろ谷だけで構成されてる感じ。久我山のセリフが長すぎてダルイ。

第3回/1181 『一頭身の。』

相変わらずラフ絵。しっかりした画力はありそうなのでマンガとしての完成度を上げることを目指して成長して欲しい。

構図は第1回時に比べると上手くなっているのだが。テンポが良く楽しく読める。綺麗にオチているがマスコットたちが

また出てくる展開も期待できる。ただ子供たちに少し個性が欲しかった。ゆるいギャグマンガとしてよく出来てる。

第3回/1182 『ようこそ!!猫手高校バスケットボール部へ』

バスケシーンは動きが良く描けているものの総じて人物が上手くなく画力は未熟。セリフの整理が出来ておらず文字での

説明に頼りすぎ。だがそれらを差し引けば完成度は低くない。キャラに魅力があり展開も面白くスポーツ物として王道。

オチは意外だし、次回以降の伏線にもなっている。バスケシーンに説得力を出せる作画者を見つけて組んで欲しいほど。

第3回/1183 『坂本高校美少女部』

非常に文字が多いがセンスのある文で面白い。ただ「文を読ませるマンガ」であることを意識して、文を読み易くする

ような工夫がされているとは言い難い。長い文章が背景と重なるときは、白抜きより方形のフキダシに入れるなどにした

ほうがいい。「美少女部」に関する話を描けてないが1話としてはこれ以上長いとダレるので、一挙2話公開が良かった。

第3回/1184 『方正町の花一匁』

相変わらずアイディアがいい。ただ前作は畳み掛けるようなテンポの良さがあったが、今作は前半を下準備に費やして

いて少し間延びしている。この部分で「この先どうなる」という期待感を維持できてはいるが、女の子が閉じ込められた

パ-トとは直接の繋がりが無い。猫のモノローグは面白いが、前半からの10円繋がりが猫にも欲しかった。オチも弱め。

第3回/1185 『恐怖学園』

前作の反省からか話を詰め込んでいて読み応えがある。だが緩急が余り無く、見せるべきコマで目が留まる工夫が無く

淡々とした印象。ただ黒田の過去を最初に持ってきたのはいいツカミ。光の最初のミスがミスと感じられない。全体的に

僅かだが描写不足と感じる箇所が多い。28Pまでを1話として光の心理の動きを丁寧に描写したほうが良かったかも。

第3回/1186 『CELADON』

なんとなく顔は描けているがそれ以外は要練習。話に練り込みが足らず、妹を見つけることが約束→すぐ見つかるという

展開にするぐらいなら筋を変えたほうがいい。白雪はこの件に関係ないと言いつつ、病室に待たせる意味も分からない。

少年が正気に戻る所も描写不足。セリフ回しも下手で、自分の母親を見たときに「俺の母!?」は変。がんばれ。

第3回/1187 『雨が降った日』

仕上げが間に合わなかったのかトーン以外に効果線などが無く画面が寂しいが、基礎力が高く十分に見栄えする。ツカミ

からの流れが上手く惹き込まれるが、ヒキで自らその勢いを殺している。「おかしいことがある」以降の回想が明示的で

無いのも良くないが、回想で終わってしまっては現在に対しての興味が薄れる。現在に戻ってからの強いヒキが欲しい。

第3回/1188 『伝説の勇者 大魔王(ドルフファーレン)』

白い背景が多く少し画面が寂しいが画力は十分高い。特に表情が上手く、キャラ全員が生き生きとしていて、読んでいて

愛着が沸く。バトルでの迫力も良く出ていて、大魔王の小物っぽさとの対比がいい。最初の勇者のセリフは明らかに負け

を意識してるのでその突っ込みが欲しかった。プーパの前で変身しなかったことで話が続けられそう。というか続けて。

第3回/1189 『料理人間・高井戸人格』

前作以上にカオス…。小学生的絵柄だが、この作風と不可分で完成形としか言いようが無い。内容的にもセンスが全ての

作品なので口出しのしようが無い、一番評価のしづらいタイプ。敢えて言うなら、無料で読めるwebマンガとしては人気

を得られるだろうが、商業作品としての成功はかなり難しい。ただ「山崎シゲル」みたいな例もあるし正直分からん。

第3回/1190 『ナゾのシルクハット』

可愛らしい絵柄で不思議な世界の空気感にも合っているが、工場長の妹が萌え絵風になるのは違和感。表紙の色彩感覚が

非常に良いので、どうせならオールカラーのほうがより雰囲気が出ていたかも。なぜか後半が工場長の話になってしまい

主人公であるシルクハットくんも、せっかく名前の出たナレーションくんも出番が無くなっていて話の統合性に欠ける。

第3回/1191 『異世界トリップしたらいつの間にかラスボスになってしまった俺(仮)』

間に合わなかったのかも知れないが画力が高そうなので、1Pでも仕上げていればかなりいい印象を得れたはず。まさに

タイトル通りのよくある内容になるので、説得力のある絵が描けているかが全てだったのに…。内容的にも専門用語を

断り無しに使っていたり、説明を文字に頼っていたりと練り込み不足。長さも不足していてヒキが弱い。非常に惜しい。

第3回/1192 『世界の傷跡』

前作まで同様、ジャンプ王道バトルマンガの模倣という感じ。着実に成長はしているもののやはりまだまだ未熟。前作に

比べると導入部だけで終わっていて話をまとめることが出来ていない。商業的成功を得るにはまだまだ遠いので、まずは

ひたすら作品を作る段階。展開を見せる能力はそれなりにあるので、無料公開で連載をしてみては? がんばれ。

第3回/1193 『TOMATOS AND THE PEACH CITY』

荒い線だがデッサン力が高く、さらに黒のバランスも良く非常に上手い。説明を必要最低限まで省いているので初見では

話の展開を把握しづらい。ただ描写不足と断ずるほどには破綻してないので、雰囲気だけで読ませることも出来るパワー

のある作品。ただ最終的に語りたいことがシモネタなので微妙に画風と作風が合わず、かなりマニアックな部類。

第3回/1194 『スーパートウエンブラザーズ』

過去の英雄が現代に…というネタは昔からよくあるもの。「確実に2話がある状況」なら悪くは無いが、キャラ紹介だけ

で終わっているこの1話にはトナメ作品として「勝ち上がらせたい」と感じさせるほどの個性は無い。12Pは明らかに短い

ので、各キャラの描写を長くするなどしてもっと魅力を伝えて欲しかった。逆を言えばそれがハマれば鉄板ネタなのに。

第3回/1195 『E.L.』

デッサン力が高く絵自体は上手いが表現が下手。構図が殆ど正面顔ばかりで動きにも迫力が無く、画面に面白みが無い。

デザイン能力もありSFとしての雰囲気は出せているが…。水資源ということは飲料水に限るわけではないと思われるので

ELに構わず安全に採取できる海水で十分と思える。その説明が欲しかった。「宇宙歴史上初」は少し分かり辛い表現。

第3回/1196 『北国男子 つららくん』

若干少年誌的絵柄では無いもののマンガとしての完成度が高い。模試トップだったのがどうして中学受験で落ちたのかの

説明が無いのは少し引っ掛かるが、次回以降に回して序盤のテンポを上げたのかも。見せ方が非常に上手くプロレベル。

ただタイトルのつららくんすら出ず(もしかしたら女の子がそう?)終わっていて期待感を削いでいる。勿体無い…。

第3回/1197 『我の4コマ~おまけ付き~』

前作までの細かいギャグを積み重ねて1つの話にする形を分けて4コマにした感じ。だが切り離したことで個々は悪くない

ものの前後の繋がりが希薄で印象が弱くなった。4コマより短編ギャグ集とかのほうが向いてると思う。オマケは蛇足。

というか「ここはお前の日記帳じゃねえんだ」って突っ込みを御所望か。3分の1以上使うぐらいなら日記を投稿すれば。

第3回/1198 『カグレンタル』

仕上げが間に合わなかったのは仕方ないとしても大学名丸出しは酷い。ただ基礎力は高い。登場人物が多ければ多いほど

名前は重要な「記号」。特に最初に名前を出すときは、それ以降で顔と名前が一致するように印象を強くすべき。愛着を

持てるかが全く違う。ポコロは独自性を出すためと思うが、展開の中で存在の意味が薄く、世界観に馴染んでもいない。

第3回/1199 『オラストリア』

リメイクだが前作までのキラキラした効果が無くなりシンプルで見易くなった。手癖で描いている感もかなり抜けてきて

演出や展開の良さが出てきたが、やはり作品の個性を感じるほどではない。画力も技術力も高いのでそれさえあれば…。

見開きは良く決まっているが、それ以外は緩急が乏しい。1P目はトナメでは不要。ロスのAランクの説明おかしくない?

第3回/1200 『ひどいよ魔法少女ファックちゃん』

間に合わなかったのかラフ絵だがそれなりの画力はありそう。ただ顔の描き分けが出来ておらず場面転換の描き方も下手

なので誰が誰だか分からない。明らかにまどマギ影響下なのでシリアスかと思ったらギャグの色が濃く、しかも12Pと

短いので何を見せたいマンガなのかさっぱり分からない。野々村県議のような鮮度のあるネタをギャグに使うのは悪手。

第3回/1201 『ねこのはやし』

可愛くはあるもののデフォルメがキツくて、本当に猫だか犬だか分からない。猫マンガは非常に強い鉄板ジャンルだが

猫らしい可愛らしさが出ていなければさすがに人気を得るのは厳しい。ただそれ以外ではギャグマンガとして絵に大きな

問題は無い。全員キャラが立っていて楽しい。すれ違ったコスプレ女が次回の伏線なら、その話まで描いて欲しかった。

第3回/1202 『脳食探偵』

個性のある絵柄でマンガの基礎力も高い。ただ冒頭はツカミとしては少し表現が弱い。探偵と言いつつ探偵らしいことは

してないし脳を食うことにも特に意味が描かれてないが、それらが気にならない勢いがある。キスで脳を吸い取るという

のもかなり強引だが押し通された感じ。だがやはりその辺りを簡単にでも説明できていれば完成度が高かった。惜しい。

第3回/1203 『君が不思議』

画力はなかなかだが、迷い線が多いまま清書近くまでしていてペン入れまでしたマンガを仕上げたことが無いのかも。

違うとしても画面の印象が悪い。テンポが良く面白いが最大の不運は第2回3回戦まで行った「かくしか」とのネタ被り。

加藤とうさちゃんの関係など違いは多いが。不思議ホイホイを印象付ける出来事を過去回想でなくツカミに欲しかった。

第3回/1204 『ゲイを卒業したのか?(仮)』

第1回から着実に成長している。キャラに個性があり見た目の描き分けも見事。なぜか01-06が抜けてるが良くまとまって

いて展開を見せるのが上手い。題材としてマイノリティを扱う際は細心の注意が必要で、且つその描写が上手くなければ

極めてニッチな扱いになる。前者はほぼ良いが(紅子のセリフは敢えてだろうが誤解される)後者には及んでいない。

第3回/1205 『人生万事吹矢の的』

描き込み量に対して線が太いので画面がくどい。だが画力は高く、特に表情が上手い。羽矢の悪い顔は夢に出てきそう。

吹き矢を吹いたときの膨らんだコマなど、マンガとしての表現力が実にいい。またセリフのセンスも素晴らしい。羽矢の

突っ込みも口の悪いばあちゃんも最高。吹き矢より帽子のほうがよっぽど変だと思うが、いつも被ってるんだろうか…。

第3回/1206 『ロイヤルセントフロイライン』

少女趣味的絵柄だがシンプルなので親しみ易い。画力もなかなかで画面の変化があり見た目も楽しい。ただコピペ部分は

面白さに繋がってない。いきなり多人数なので若干混乱がある。なるべく早くキャラに馴染むよう最初に紹介が欲しい。

4コマとしては弱いが連作系としてなら許容範囲か。モノマネのネタが古い。オチは絵だけじゃなくネタも力尽きた感。

第3回/1207 『ブルーゴールド』

ほぼネームで、しかもまだ練り込みが足らない。後々元の世界が重要になるのでなければ前半は整理して。水の重要性を

描くとしても4P辺りからでいい。7Pはコマが細かすぎ。後半はよくある異世界能力物という感じ。独自性をもっと出して

欲しかった。16Pと短く山場が無いのも弱い。見せ方は上手いが前作は仕上げに難があったのでその成長が見たかった。

第3回/1208 『その戦争も、夏には終わる』

コマ割やセリフ配置、文字の多さなどマンガの見せ方は未熟ながら絵柄が雰囲気に良く合っている。視点はヒカルと椎名

に絞るべき。父親の心の声は無くし絵で読み取らせるほうが良い。井田母の心の声は余計。三原則系の話として非常に

良いが人間とヒトガタを耳殻で区別というのは人道的問題が出る。内容と不穏を感じさせるタイトルのギャップがいい。

第3回/1209 『もりにん』

トーンでは無くベタ塗りでアニメ絵的だが、マンガとしての完成度は非常に高い。ただ14Pの制限があってこの内容を

描いたなら素晴らしいと言えるが、上限を残してる状況では短いと言わざるを得ない。読み切りというか短編ギャグ的で

連載に向く内容でも無い。話が続くことを強く印象付けるヒキにして欲しかった。老人ばかりで華が無いのも痛い。

第3回/1210 『自宅の魔法学者』

前作同様のほのぼのファンタジー系で空気感は非常にいい。ただやはり前作同様に雑。世界観を伝える上で背景が重要な

話なのに、それを描いてないので雰囲気が伝わってこない。本棚の建物とか面白いのに勿体無い。キャラは可愛らしいが

全身像を描くのが上手くない。マンガの見せ方はいいので仕上げさえしっかりしていれば需要のあるタイプだと思う。

第3回/1211 『ERROR!』

それなりの画力はあるがマンガを見せる技術は未熟。近視的構図が連続していて画面に変化が乏しい。動きの表現も悪く

「刀の鞘を抜きながらヘリに掴まる」が連続した行動には読めない。ヘリから手を離したいろはを地上で受け止めるのは

常識的には無理がある行動。常識的で無いなら強調を。以上のせいで対ヘリは山場となるべき箇所なのに印象が弱い。

第3回/1212 『HIRUKO -ヒルコ-』

ほぼ下書きだが冒頭で十分な画力を見せている。だがそこも仕上げが荒いので1Pでも完成ページを見せて欲しかった。

個性的な絵柄で、王道な少年マンガとしての魅力があり上手い。ただ連載前提ならいい1話だが、トナメ作品としては

照彦がどう話を動かすかが描けておらず先の展開に期待感を持ちづらい。清書が出来てないことを含め非常に惜しい。

第3回/1213 『五番目のアクセサリー』

人物は上手く絵柄もいい。だがほぼ全編、背景が無く七海之のアップばかりで非常に画面が面白くない。どちらも展開上

仕方ないが構図の変化も少なく画面に飽きが来るので工夫が欲しい。コマ割も雑でマンガの完成度は意外と高くない。

設定は面白いが話が冗長。ミカエルが体を乗っ取る辺りをヒキにした作劇のほうが良い。七海之の髪の色どうなってる?

第3回/1214 『睡眠番長!!!獅子童マコト!!!!!!!』

前々作に近いひねりのあるストーリーギャグで持ち味が発揮されていて面白い。ただ元々基礎力が高くないことに加えて

殆ど走り書きレベルのネーム状態。しかも相変わらず文字が小さく読みづらい。話の展開を構築するセンスはあるので

基礎力を高めて1つの作品のクオリティアップを図ってから作品を発表すれば、十分に商業も狙える作者だと思う。

第3回/1215 『戦闘美少女縞パン大全集』

「縞パンか、死か」。凄い世界観。京都怖い。狂った設定にテンポの良いテンションの高さ、そして洒落の効いた軽妙な

セリフの面白さがあり非常に面白い。魔法のステッキワロタw 作品内に言い訳を書くのは無粋だが、それすら作品の一部の

ような気もする。現状でも味のある画だが清書が出来るならして欲しかった。緩急も描けていてなにげに上手い。

第3回/1216 『前略未来ちゃん』

人物の顔が安定しない感があるが画力は十分高く見栄えがいい。設定は面白いが展開が急で説明不足。緩急の急ばかりで

テンポに着いていけなくなるので緩を入れて。スリカエルで何がすり替わったのか分かりづらい。「金で解決出来る」と

しながら現金で無いのは説得力が低い。キャラに個性があり面白くなりそうな要素は多いので丁寧な描写が欲しかった。