185-187仲直り

Last-modified: 2009-01-12 (月) 16:51:29

181-183女性の勉強の続き…

 

185 :それも名無しだ:2008/07/13(日) 18:18:54 ID:j05383r3
イルイ「ねえアイビス、まだ怒ってるの?」
アイビス「当たり前じゃない!あんなっ……人をバカにするにもほどがあるわよあのアホ犬!」
イルイ「でも、フェルナンドには悪気はないと思うの」
アイビス「悪気が無くても!」
イルイ「だってね。たとえば、アイビスが自分の住んでいる世界じゃない世界に突然連れてこられて、
    そこでいきなり生活しろって言われても、きっとたくさん困ると思うの」
アイビス「そ、そりゃあまあ……」
イルイ「住んでいる人間の姿形が自分たちと同じでも、
    だからといって自分たちの世界での常識が当てはまるとは限らないでしょ?」
アイビス「まあ、ねえ……」
イルイ「特にフェルナンドが住んでいた修羅界って、いろいろこちらとは違う常識が成り立っていたところみたいだから、 フェルナンドもたくさん大変だと思うの」
アイビス「……」
イルイ「だからフェルナンドが知らないこの世界のたくさんの常識をちゃんと教えてあげないと、フェルナンドが可哀想なの。
    だって今もきっと何でアイビスにあんなに怒られてるのか解ってないと思うから」
アイビス「……」
イルイ「それに、何も知らないフェルナンドに周りの人たちが面白おかしく吹き込んでるみたいなの……。
    まあその人たちに関しては私の方で処理しておくから」
アイビス「……え?」
イルイ「ううん、こっちの話。だからね、フェルナンドのこと、許して欲しいんだ」
アイビス「……そっか、そうだよね。フェルナンドはこっちの世界じゃ、まだ子供みたいに何も知らないんだもんね」
イルイ「そうだよ」
アイビス「私、恥ずかしくって、ついつい頬叩いたり、燃えるゴミに出そうとしたりしてしまったけど……
     フェルナンドには、処女とか童貞とか、そんなこと解るはずないものね。
     解らないからあんなに真正面から臆面もなく叫んだりしたんだよね」
イルイ「うん。だから、自分が何でこんなに怒っているのかってことを、アイビスがちゃんと説明してあげればいいと思うの」
アイビス「そうだね、説明すればフェルナンドだって解って……え?」
イルイ「え?」
アイビス「イ、イルイ……今、何て言った?」
イルイ「だから、フェルナンドにどうして処女と言われて怒ったのかをちゃんと説明してあげてね、って」
アイビス「わ、わたっ、私が言うの!?」
イルイ「だってアイビスがちゃんと言わないと、フェルナンド、どんどん周りから変なことを吹き込まれてもっと変なこと言い出しかねないよ」
アイビス「うっ、そ、それもそうだ……」
イルイ「アイビス自身がちゃんと言ったら、フェルナンドも納得すると思う」
アイビス「……(ど、どうしよう)」

 

186 :それも名無しだ:2008/07/13(日) 18:21:14 ID:j05383r3
↑の続き
その日の夜。

 

フェルナンド「……」
アイビス「……(呼び出してみたはものの、どうやって切り出そうかな)」
フェルナンド「……アイビス」
アイビス「な、何!?」
フェルナンド「すまなかった」←土下座。
アイビス「え?」
フェルナンド「やっぱり今でも処女とは何なのかよく解らんのだが、
       俺がそう言ったことでお前がたくさん傷ついたことだけはすごくよく解った。だから、すまん」
アイビス「あ……う、うん、私こそ、ごめんっ」←同じように土下座
フェルナンド「な、何でお前が謝る!?傷つけたのは俺の方なのに」
アイビス「だってさ、私、フェルナンドがこの世界でずっと暮らしてきたわけじゃないこと、忘れてたみたいなんだ。
     だから、フェルナンドにはこの世界で解らないことがたくさんあるんだってことをにも気づかなかった」
フェルナンド「……」
アイビス「反射的に怒っちゃったけど、でもよくよく考えたら、怒る前にちゃんと説明しなきゃならないんだって。
     何で怒ったのかってこと、フェルナンドは解らなかったんでしょ?」
フェルナンド「ああ」
アイビス「だから、ごめん」
フェルナンド「アイビス……」
アイビス「でね。フェルナンド、ひとつ提案があるの」
フェルナンド「何だ?」
アイビス「もし、言葉の意味が解らなくて困ったなー、という言葉があったら、誰よりも先に私に言って」
フェルナンド「お前に?」
アイビス「うん。そしたら私がちゃんと意味を教えてあげる。
     もしかしたら、感情に任せて怒っちゃうかもしれないけど……でも、私になり、教えてあげるから」
フェルナンド「……ああ、解った。解らなくて困った時には、一番にお前に聞けばいいんだな」
アイビス「うん」

 

フェルナンドニヘンナコトヲオシエタノハオマエタチカー!

 

フォロー・ザ・サン

 

ギャァアアアアアアアアア!

 

187 :それも名無しだ:2008/07/13(日) 18:24:06 ID:j05383r3
フェルナンド「ではアイビス。怒られ覚悟で聞くがいいか?」
アイビス「処女、の、ことでしょ?」
フェルナンド「ああ」
アイビス「ええっとねぇ……えっと……処女、ってのはねえ。
     ともかく、女の人に聞くのは大変失礼なことだってのは解ったでしょ?」
フェルナンド「よく解った」
アイビス「つまり、女性である人には絶対言っちゃいけない言葉、っていうので覚えておいて」
フェルナンド「言われると女の逆鱗に触れるのだな。そして女を傷つける」
アイビス「ま、まあね……」
フェルナンド「つまり、女を侮蔑する言葉なのだな」
アイビス「そーでもないんだけど、まあ、そういうこと」
フェルナンド「解った」
アイビス「(やっぱり私には言えない)」

 

フェルナンドトアイビスノジャマヲスルモノハユルサナイ!
イケ!ミッツノシモベ!

 

ウワァアアアアア!
タ、タスケテー!
ヤメロー!

 

ツグミ「二人とも、仲直りは出来た?」
アイビス「うん」
フェルナンド「ああ」
ツグミ「じゃあ二人共、仲直りの印に私の作ったチーズケーキはいかが?」
アイビス「やった!!ツグミのチーズケーキ♪」
フェルナンド「(じゅるり)」
ツグミ「こっちにいらっしゃい」
アイビス「はーい!」
フェルナンド「……そういえばイルイはどうした?」
ツグミ「ちょっとゼンガー少佐のところに遊びに行ってくるって。今日はお泊りらしいわよ」
アイビス「そっかぁ、残念だなあ。イルイもツグミのチーズケーキ好きなのにね」
ツグミ「大丈夫、あの子用に取っておいてあるから。あなたたちは安心して食べていいわよ」
アイビス「うん!フェルナンド、行こう」
フェルナンド「ああ」

 

同時刻、ゼンガー宅にて。

 

ゼンガー「遅かったなイルイ」
イルイ「うん、でも、悪を斬ってきたきたからすっきりした」