日本 Tier10巡洋艦 蔵王


諸元
主砲解説
3連装砲を4基12門。青葉から貫通力や威力、火災発生率が長らく変わらなかったが、本艦にきて遂に強化された。前級の伊吹から2門増えDPMは向上しているが、装填速度と射程は僅かに悪化してしまっている。低い抗堪性を補うためにも、高い弾速と機動性を生かせる間合いを管理することが重要となる。相手の砲撃は避けつつこちらの砲撃を当てられる距離を維持したい。
HE弾とAP弾共に威力が向上し、高初速化と砲弾重量の増加により距離減衰が軽減され弾着速度が改善している。貫通力は203mm砲の中ではVeneziaに次ぐレベルとなり大幅に強化されている。駆逐艦基準の優秀な散布界を引き継いでおり、弾速も相まって高い命中率が見込める。HE弾による放火だけでなく、伊吹まで以上に狙える場面では積極的にAP弾を使っていきたい。また、火災発生率が同格重巡の中では高く、砲門数×装填速度×火災発生率で計算すると実はこれもトップクラスに高い。持ち前の精度の高さと弾着速度があるので戦艦への放火はしやすい方である。敵戦艦の火災が起きていない位置を狙って複数弾ヒットで火災を狙ったり、正確で丁寧な射撃で敵の駆逐艦へのHE斉射や敵巡洋艦のVPを抜くなどしてチームの勝利に大きく貢献しよう
魚雷解説
5連装発射管を片舷2基づつ、合計4基全20門搭載。隠蔽を強化してあれば隠蔽雷撃が可能になっている。
当たった場合の威力は魅力的であり、島風を超える左右20本の魚雷は相手にとっては脅威である。相手の警戒と回避をうまく利用し、有利な位置関係を作りたい。軽い舵を活かせば引き打ちの最中に押し上げてくる敵艦を魚雷群に突っ込ませることも可能である。
抗堪性
HPが44,900と同格重巡の中では最下位クラス。軽巡の淀やAlexander Nevskyよりも低いため、VP貫通がなくても通常貫通ダメージでも試合後半に大きく響いてくる。生存を優先して射撃を諦めることも必要になってくるだろう。足を止めて殴り合う艦ではなく、引き打ちが基本である。
砲塔直下の舷側は152mmの装甲はあるが装甲厚は前級の伊吹と大差がない。加えて、伊吹にあった32mm甲板が30mmに減厚されている。このために420mmまでのAP弾は跳弾させることができるが、180mm以上のHE弾やTier8以上の巡洋艦の152-155mm主砲HE弾、日本の100mmHE弾、そして429mm以上のAP弾を甲板からまともに喰らうようになる。
機動性
34.5ノットと快速であり、転舵速度も同格最速の7.7秒と優秀。
隠蔽特化と比べ汎用性にはやや劣るが、転舵特化すれば3.7秒となり戦艦の砲撃の回避がしやすくなる。また斉射姿勢と防御姿勢のスイッチが容易になり、砲雷撃戦を積極的に仕掛ける場合は攻撃力を高めることにもなる。ただし、旋回半径は840mと劣悪であり向きを変えるには相応の時間がかかる。旋回の入りは早いが旋回そのものは遅いという特性ゆえに見られている状態での全舵旋回は致命傷になりかねない。
転舵特化の場合細かい転舵で針路を振ることで相手の照準を狂わせるのが主たる回避法になる。足を止めてはいけない。その際は座礁や魚雷などにも注意が必要。
機動性と共に消耗品の潜水艦探知機を有することから、潜水艦への対応をすることも本艦の大きく期待される役割であると言える。突出してきた潜水艦は積極的に狩りに行きたい。
回避力の高さが生存性を担保しており、一対一なら戦艦を相手に無傷で一方的に攻撃することも可能である。反面回避不可能な複数方向からの攻撃には弱い。いつ攻撃するか、どのような進路を取るかという立ち回りに生存性が大きく左右される。
隠蔽性
同格重巡洋艦の中では最も優れている。
さすがに軽巡には劣るもののデフォルトで12.2km、隠蔽特化で9.9kmまで縮まる。航空発見距離は約6kmとなり伊吹より悪化するが、対空砲の最大射程が5.8kmとほぼ被発見距離と同じため継続してスポットされる恐れがないのも利点。斉射火力の高さと相まって日巡が得意とする一撃離脱戦法に一段と磨きがかかっている。敵巡洋艦を先んじて発見しその腹にAP弾と魚雷を叩き込んでやろう。隠蔽は本艦の最大の武器の一つと言っても過言ではない。
対空解説
素のままでは頼りない。
対空砲の爆発数は伊吹の5つから6つに増えたが、中長距離射程の継続ダメージと共に同格巡洋艦と比較すると最低クラス。本艦は隠蔽を活かして敵の側面から奇襲をかけたいところだが、蔵王単艦では敵航空機を追い払うことは望めない。無理に奇襲をしようとすれば被発見からの集中砲火で即沈没の憂き目を見ることになる。無謀な単独侵入は避け、味方の対空艦と連携して対空を行うことが重要になってくる。
継続ダメージはどうしようもないほど低いわけではないし射程も標準なのでアップグレードや艦長スキル、消耗品の対空防御砲火で対空を強化すれば艦載機に手痛い出血を強いられるポテンシャルはある。ただし、スロット6では素の射程が短い事を補う射程UGや固有UGと競合することになり、普段の立ち回りが難儀な事になってしまう。対空特化に関しては十分船に慣れてから検討したほうがいいだろう。
消耗品解説
総評
低い抗堪性を隠蔽性と機動性で補い、手数の少なさを高速、高精度、高威力、高発火率のHE弾及び高貫通力のAP弾でカバーし、隠蔽雷撃のみならず砲戦中の雷撃も強力な、バランスを武器とする重巡洋艦となっている。
Des Moinesのような大火力はないし、Petropavlovskのような硬さもない。だがしかし、全ての能力を活かすことができた時には、そのポテンシャルは計り知れない。
適切な運用を行えば相手を縦横に切り裂く刀のような鋭い攻撃が可能だが、若干短い主砲射程と不十分な抗堪性、対空火力の低さや大きな旋回半径など各分野で僅かに足りない部分があるためプレイヤーの力量でカバーすることが必要になってくる。
Des MoinesやMinotaurのような煙幕や警戒レーダーを持ち合わせていないため前に味方が居ない状態で敵駆逐艦や潜水艦に見つかるとスポットを受けた状態から後ろの戦艦や煙幕内の敵に一方的に撃たれかねない。それを回避するには敵駆逐や潜水艦を最優先で排除し、味方駆逐を守り、隠蔽負けする相手を無くすことである。特に相手駆逐は刺し違える覚悟で倒しにかかるべきであろう。
視野を広く保ち忍耐強く状況を見定め、場を整える事で活躍がしやすくなる艦と言える。
史実・小ネタ
計画はされたが設計図は存在しない架空の艦艇。優秀な砲と魚雷を持つ日重巡の特徴をそのままに性能を進化させた日重巡ツリーの集大成と言える艦である。
蔵王戦闘指南
強い蔵王乗りとは「撃たない蔵王」である。
本艦の弱点を上げればキリがない。同格最低のHP、劣悪な兵装射角、低い砲レート…。また追い討ちをかけるように空母が跳梁跋扈しているため隠蔽も剥がされやすく、動きづらい。
が、諦めてはならない。いつ来るかもわからないバフを待っていても母港で埃を被るばかりである。
打ちっぱなしの蔵王は劣化版Henri IVと言って差し支えない。彼らと同じ土俵で戦ってはならない。
勝つためには、やはりこの期に及んでも隠蔽を駆使して戦うことが推奨される。
隠蔽を生かし、引きうちの姿勢を整えてから駆逐>(レーダー)巡洋艦>戦艦の優先順位で攻撃し、不利な形勢になったらすぐに隠蔽に入る。基本的にこれを繰り返すだけである。
「撃たない」ことで敵はこちらの存在を知らぬまま、腹を晒す場面が必ず出てくる。
この時初めて高速AP弾も輝いてくるであろう。
ただし、引きうちの場を整えるまでに、入念に戦況把握をしておく必要がある。原則Republic以上の大口径艦から多数ロックオンされる状況下では打ってはならない。一発でもバイタルパートに被弾すれば、その後の戦闘がやりづらくなること請け合いである。島で斜線を切ったり、場合によっては雷撃だけに集中する場面も、出てくることだろう。この点は前Tierの伊吹の性能も参照されたい。一方、16inch以下の敵戦艦との交戦なら占めたもので、操艦如何では一方的に殴り勝てる戦闘力は持っている。
基本的には影を潜め、敵の注意が逸れている間に、自らの狭い土俵を移動させておく。そして得意の引きうちに持ち込む。
これが最もオーソドックスな蔵王の勝ち方である。戦場を押す場面は苦手とするため、一手二手先を読んで移動しておき、引きうちの土俵を整えて立ち回ろう。
以上が基本的な型の話だが、あとは個々の回避スキルや戦況把握の能力が結果を左右することと思われる。
各員の健闘を祈る。
ランク戦戦闘指南
ランク戦での蔵王の立ち回りについて。
まず最初に、本艦は隠蔽率が高く蔵王戦闘指南でも隠蔽状態からの一撃に重きを置く戦法が有用と書かれているが、少人数ランク戦に於いては隠蔽状態に入り続けることは味方火力の大幅な低下を招くためあまりおススメされない。また空母戦場であるが故に常に隠れ続けて一撃を狙うという戦法は失敗しやすい。劣化アンリのような運用にはなってしまうもののしっかりと火力を出しつつ回避盾をすることで勝率は伸びるだろう。
空母の攻撃からの身の守り方であるが、ロケットは基本的に角度は気にせず、戦艦からの遠距離砲撃を避けることを優先しつつ受けるのが基本となる。白龍、オーディシャス、ミッドウェイの円形散布ロケットに対してはほとんど姿勢は関係なくダメージを貰うからである。
雷撃機に関しては従来通り転舵回避を基本とし、転舵タイミングや加減速の調整で魚雷の射線と射線の間に上手く飛び込んで避けるか、もしくは信管作動距離内で踏みつぶしてしまおう。
爆撃機は散布界が縦長であるため腹を向けるように転舵することでダメージ軽減が期待できる。特にオーディシャスと白龍に対しては絶対に縦を向けてはいけない。ミッドウェイの爆撃はかなり強引に照準を合わせられても散布界が広がりにくいのでダメージを受けることは諦めよう。
蔵王にとってかなりの脅威と捉えられがちな白龍のAP爆撃対策であるが、こちらは爆撃機の突入方向をよく観察してしっかりと腹を向け加減速を織り交ぜることでそのほとんどを回避、もしくはバイタル1枚(8500ダメージ)程度に抑えることが可能である。これはアンリよりも高い回避性能であり(※筆者感覚)特に回頭性能が大きく影響していると思われる。
以上のことを踏まえて全マップ共通の大まかな立ち回りを解説していこう。
まず戦闘開始直後では全速には入れないようにして味方艦隊から大きく離れないようにしよう。高確率でロケットによる開幕索敵が飛んでくるため、味方から離れると余計な1万ダメージほどを受けることになる。また開幕は最も敵のフォーカスが集中するタイミングでもあり、一番最初に敵に見つかると集中放火され遠距離射撃による不運な致命傷を受けることにもなりかねない。
開幕索敵をやり過ごしたら全速でマップ外周側に向かおう。この際幸運の海ではC外周、北方ではAB外周、砂漠の涙ではマップ下側外周、ギリシャではBC側capライン上を目指そう。反撃と破片はどちらサイドについても構わない。スポーン位置や味方艦隊の戦力比を見て判断しよう。
駆逐艦が少なく、高隠蔽の巡洋艦も少ない場合であっても初手capは大きなリスクを伴うので無理はせず、敵艦載機の位置をよく確認して慎重に動こう。capエリアの少し手前でいつでも回避運動ができる体勢で待機しつつ、もし逆サイドに艦載機が見えたらこっそりcapするくらいで構わない。最もいけないのは無理をして大ダメージを食らい、capも切られて未遂に終わることである。
砂漠の涙(中央攻略戦)と反撃のcapエリアに関しては初手無視してしまって構わない。まず取れないので外周からの火力支援を優先しよう。
もし敵の艦載機が執拗に粘着してくる場合は無理をせず回避と防空に集中しよう。大抵の場合、蔵王で敵の艦載機を引き付けている場合は反対サイド(北方のC、ギリシャのA、幸運の海のABキャップ側)の視界有利が形成されており少しは役に立っているのでcapできないからと言って気にする必要はない。
敵艦載機の隙をついてcapを完了したら火力支援及び回避盾の体勢に入る。敵前線からの距離は15キロ程度以上を保つようにしよう。この距離は砲撃戦中の回避用としてだけでなく空母艦載機の攻撃を回避する際にも「爆撃機や雷撃機の攻撃を回避したいのに敵戦艦に腹を晒すから転舵できない」といった状況を減らすことにもなる。
魚雷の活用方法であるが、完全に敵が突っ込んできている時に14キロ程度から流しておけば着弾時には12キロ圏内に入っているのでしっかりと距離を置いて流せるときに使おう。無理して隠蔽に入って接近してから流そうとすると、相手も警戒する上に接近中に空母艦載機に見つかって砲撃で大ダメージをくらうことになる。
外周側から中央の巡洋艦(デモイン、マイノ、ウースター等)に対してしっかりと見張っておくことも大事になる。ゴールドリーグのような上位リーグであっても、中央側の戦艦に気を取られて外周の蔵王に対して腹を晒していることがよくあるのでいいダメージが期待できるだろう。(このため筆者は戦闘機はなく観測機を愛用している。ちなみに特殊UGを付けたときの射程は素で17.5km、観測機使用で21kmである。)
空母に粘着された場合の防御放火の使用優先順位について。白龍に対してはロケット=雷撃機>爆撃機となる。ロケットは安定してダメージを貰いやすく、最大で1万ほど吹き飛ばされる。雷撃機は単独行動では3周回程度も攻撃されるので拘束される時間が長くなりやすい。これらは防御砲火でさっさと撃墜してしまっていいだろう。AP爆撃に対しては1中隊棄てで3回攻撃、2中隊棄てであれば2回しか攻撃されないので、しっかりと回避行動を取ることでほとんどダメージを食らわないままやり過ごすことが可能である。防御砲火は温存しよう。(もちろん中盤以降で防御砲火回数が余っている場合は使ってしまって構わない。)
ミッドウェイに対しての防御砲火の使い方は爆撃機>雷撃機=ロケットとなる。ミッドウェイ爆撃機に関しては安定してダメージを貰うのでさっさと落としてしまおう。雷撃機とロケットに対しては余裕があれば使おう。
おさらいであるが、基本は砲撃と回避盾での火力支援で撃ち勝っていくことになる。空母戦場では隠蔽状態からの接近戦はリスクが大きい上、大幅な火力低下を招く。ロケット、MID爆撃、雷撃機からはしっかりと身を守り、白龍APは気合と根性で避けよう。ヘイトをしっかりと取り、味方のダメージを軽減しよう。
最後に、この艦の最も重要な仕事、それはしぶとく生き残ることである。もちろんここ一番で勝負をかけるべき時の見極めは大事だが、死んででも完遂すべき状況はごく一部に限られる。もちろんその見極めができるようになれば完璧であるが、それは最初は難易度が高いので、まずはヘイト受けと生存のバランスをしっかりと把握し、引き際を見極められるようになればもう一人前のランク戦蔵王乗りである。
編者注
本稿は黒wikiの蔵王ページにかつて記載されていた戦闘指南をコピーしたものです。
あちらで「情報が古い」と判断され、非表示とされたものであり、状況によっては削除するかもしれません。
我と思わん蔵王乗りは、ランダム・ランク双方の最新環境を反映した加筆・修整をお願いします。
コメント欄
- 感謝なんやで -- 2023-09-03 (日) 07:23:59
- 改めて読み返したけどランク戦指南となっているが基本的に現行のランダムでも使える蔵王の対空戦術よなぁ。なんで本家の連中はこれがわからないんだろうか?指南新書の方はオヤツ蔵王量産する意図にしかみえないわ -- 2023-09-03 (日) 12:31:58
- 改めて指南読むと、空母と潜水艦のせいで隠蔽駆使した戦いが辛いのもあって、推力転舵ビルド増えてるのも解る…。 -- 2023-09-06 (水) 16:00:29
- 空母に隠蔽剥がされるのは指南が書かれた時期からあんまり変わんないな。潜水艦も対駆逐の延長線にあるから指南は生きてると思うぞ、対潜水艦の指南も一言ほしいところだけどな。最終的にビルドは実際何だってイイんじゃないか?隠特、プチアンリ、雷特、防空化と色々やったけどメリハリと取捨選択の匙加減が変わるだけだったし。撃たないは地味だしな -- 2023-09-07 (木) 02:06:06
- 戦闘指南は全削除したんだ。 -- 2025-04-19 (土) 23:56:37
- テンプレ刷新時に消したみたいだったので、そのままサルベージしてきた 黒wikiのかなり古いバージョンだと思うから、アップデートできる人は適宜アプデよろしくお願いしたい -- 2025-04-20 (日) 00:32:50