Reconstruction Times 創刊号

Last-modified: 2023-03-08 (水) 19:39:15

ターン0(海域再興暦0年12月)発行

はじめに

Reconstruction Timesは、インフェルナ再興運動?のゲームマスター(GM)による、TRPGについての最新情報をお知らせするためのブログ記事です。TRPGの新要素、設定変更、推奨されるプレイングなどについての情報をお届けします。

序盤の開拓について

なかなか正式に新規登録を行なってくれるプレイヤーが現れないのでGMは気を揉んでいます。きっと皆さん国家設定を書いているところなんですよね!……と楽観したいところですが、ひょっとするとTRPGではどんなことが起きてプレイヤーが何をできるのかがはっきりしていないから、参加を躊躇されているのかもしれません。そこで、特にこのゲームの序盤戦(TRPG開幕直後)において各国がどのようなことができるかについて、この記事で紹介したいと思います。本当は、GMとしてはTRPG上で何が起きるかは実際に「起きる」までプレイヤーには秘密にしておいて、予想外の出来事に直面した各国がどのように対応するかを見てみたいのですが、それは中盤戦以降の楽しみとしたいと思います。

まず、このTRPGにおける、各国の「目標」が何なのかは特に決めていません。資金備蓄、年間の収入、海軍の規模、領土の広さなどいくつかの種類のランキングを作って上位の国を表彰するようなことをすることは考えていますが、「これをすれば勝ち」というような決まりごとがあるわけではありません。各国が「何を目指して」国家運営を行うかについては自由に考えてください。そうはいっても、これから「序盤戦略」についての記事を書くにあたっては、その戦略が「何を目指す」ための戦略のかを明確にしないと書きようがありませんので、ここでは「できるだけ多くの資金を稼ぐ」ことを目標にしていると考えることにしましょう。

TRPG上のフェルを単位とする資金を稼ぐための手段は、大雑把に言って2種類あります。1つは「首都」や「都市」から1年(12ターン)に1回入ってくる収入によるものです。もう1つは、いろいろな場所から手に入る鉄屑を国際組織「インフェルナ再興運動」に売却することで海域外の金属を欲している人々から売上を得ることです。これらの収入を増やすためにはどうすればいいのでしょうか。

まずは、何かが見つかるまで探査をしよう

探査は、それ自体から鉄屑を1トン得ることができるので、ダイレクトに収入になります。それだけではなく、さらに収入を増やすために必要なものが発見されることもあるので、困ったときはとにかく探査しましょう。探査から発見されるものは、マップの中心に近づくほど「高ティア」になりますので、ひたすら中央に向かって突き進んでいくことも考えられるでしょう(ただし、「高ティア」なら必ず「より良い」かは分かりません。例えば強力な海賊団とかを引き当てる可能性も内側の方が高くなります)。序盤の探査の過程で見つかる可能性があるものをいかにざっと並べておきます。それぞれの役割についてはこの記事の中で次第にわかってくるのではないかと思います。

陸地

  • 平地
  • 造船所
  • 都市の廃墟
  • 海賊の拠点

艦船

  • 輸送船
  • 戦闘艇

設計図

  • 輸送船の設計図
  • 戦闘艇の設計図
  • ???の設計図

廃墟から鉄屑を採掘しよう

ここでは、あなたの国は探査の過程で「廃墟」を発見して占領したとしましょう。しかし、この「廃墟」は、それだけでは直ちに資金収入に変わるわけではありません。「廃墟」から採掘された鉄屑はそのままではただその場所に積み上げられていくだけなので、「都市」(おそらくはあなたの国の「首都」)に輸送する必要があります。この輸送を行うことができるのは輸送船だけです。「首都」に輸送船を配備して、「廃墟」との間を往復するように指示すれば、輸送船は「首都」と「廃墟」の間を1年間かけて往復し、毎年12トンの鉄屑をあなたの国のストックに加えてくれるでしょう。この鉄屑をインフェルナ再興運動に売却すれば、あなたの国は鉄屑1トンあたり1フェルの資金を得ることができます。

しかし、ここで問題になるのは、ひょっとするとあなたは輸送船を持っていないかもしれないということです。輸送船がなければ、いくら「廃墟」を確保していたとしても何にもならないのでしょうか?そうではありません。多分、あなたが輸送船を持っていないとしても、他の誰かは輸送船を探査の過程で発見しているでしょう。その国と交渉して、「首都」と「廃墟」の間の輸送を代行してもらう契約を結びましょう。当然あなたは鉄屑の売却から得られる資金の一部をその国に支払わなければならないでしょうけど、それをどの程度の金額に抑えるかは交渉の手腕次第です。

もう1つの選択肢は、造船所で輸送船を建造することです。あなたの国が造船所を所有しており、さらに「輸送船の設計図」を持っていれば、一定量の鉄屑を最初に消費することで輸送船を建造することができます。輸送船は数ターンの建造期間の後に完成し、それ以降は自由に使うことができるでしょう。この方法を採用すれば、初期投資が必要なことと引き換えに、あなたは誰かに定期的に輸送船の使用料を支払う必要がなくなります。もちろん、あなたは造船所か輸送船の設計図のどちらかを所有していないかもしれないので、その場合は誰かの造船所を使わせてもらえるように交渉したり、輸送船の設計図を持っている国にコピーさせてもらえるように頼む必要があるかもしれません。

では、無事輸送が始まって、輸送船が毎年鉄屑をあなたの「首都」に運び込むようになれば、それで万事OKなのでしょうか?そうとは限りません。あなたの経済を支える輸送船は武装しておらず、近くの海域を荒らしまわる海賊船にとっては格好の餌食です。海賊が輸送船に気がついて船を襲撃すれば、あなたは身代金を払うか、輸送船を諦めるかしなければならないかもしれません。このような「事件」を防ぐためには防衛能力が必要です。幸い、海域からは海賊船と対抗できる武装したボート、「戦闘艇」が発見されています。あなたは輸送船の輸送ルートを戦闘艇の航続距離の範囲(3HEX)に入るようにして、海賊船が襲撃してきた場合に備えましょう。もちろん、隣の軍事大国に「ボディーガード代」を支払って防衛を肩代わりしてもらうこともできるでしょう。しかし、一度関係が悪化すればその国はボディーガードからあなたの輸送船の航路を脅かす敵に変じるかもしれないことは忘れずにおきましょう。あなたはそうなる前に「自主防衛」のために自前の艦隊を整備する必要があるのかもしれません……。

新天地に入植しよう

ここでは、あなたの国は探査の過程で「平地」を見つけたとしましょう。「平地」は、農業による自給自足が可能そうで、今すぐに住むことができるかもしれない(核戦争で荒れ果てたこの海域の中では)天国のような土地です。ここに「都市」を作れば、毎年12フェルの収入を自動的に得ることができるようになります。さらにつけ加えると、「都市」は輸送船や艦隊の基地としての機能も備えているので、あなたの国はより遠くの「廃墟」から鉄屑を運び込んだり、艦隊を配備することで遠方の他国のボディーガードを引き受けたりすることもできるようになります(もちろん、それはその国を攻撃できることも意味します)。

入植は簡単ではありません。ほっておけば毎ターン平地に村が生える一般的な(言うほど一般的か?)世界とは異なり、この世界では簡単には人口を増やすことはできません。「平地」が発見されたなら、国際機関「インフェルナ再興運動」は誘致活動を行なってディルタニア海域への移住を希望する人を地域外から募ることになります。この「誘致活動」は競り形式によって行われることを予定しています。つまり、最も多くの誘致予算を提示した国がこの「移民団」を獲得することになります。移民団は「インフェルナ再興運動」によってそれを獲得した国の「首都」まで送り届けられますが、その後は輸送船によって発見された新天地(「平地」)まで輸送されなければなりません。輸送が完了したならば、晴れてその国の領土として新たな「都市」が設立されることになります。

自国の「首都」から遠い場所に新たな都市を建設した場合はそこを防衛するためにそれなりの艦隊を配備する必要があるかもしれませんし、そもそも移民団を輸送する段階で周辺の海賊をあらかじめ討伐しておく必要があるかもしれません。これらのことには注意しておきましょう。

「インフェルナ再興運動」を活用しよう

「インフェルナ再興運動」はこのゲーム自体の名前であると同時に、TRPG中に登場する国際機関の名前でもあります。全ての国が参加し、一国一票の多数決で何かを決定するという意味では国連っぽいですが、実はもう少し強力です。「インフェルナ再興運動」は各国が鉄屑を10トン売却して10フェルを獲得するごとに、その鉄屑を海域外に輸出して差し引き10フェルの利益を得ています。各国が序盤の探査を終える頃には「インフェルナ再興運動」は結構な額の資金を持っていることでしょう。「インフェルナ再興運動」はこの資金を次のような用途に使用する予定です。

  • 探査で発見されたアイテムのリバースエンジニアリング
  • プレイヤー国家が必要としないアイテムの買い取り
  • プレイヤー国家への資金の貸し出し
  • 新規に海域へ参入する国家への経済支援

これらの活動のうち、どのような活動を優先するかは「事務総長」の性格によって決定されます。ゲーム開始時の事務総長は「拡張主義者」であり、各国が海域を探査すること、獲得した陸地やアイテムを最大限活用することが望ましいと考えています。事務総長の任期は5年間であり、今後各国間の平等を重んじる「社会主義者」、海賊その他の脅威に対する備えを重視する「軍事主義者」などの事務総長が登場する可能性もあるでしょう(どのような事務総長が就任するかについてはプレイヤー国家の選挙で決定する方針です)。「インフェルナ再興運動」の運営会議で事務総長と交渉し、必要に応じて多数決による「決定」を活用することで、各国は「インフェルナ再興運動」から利益を受け、より早く海域を開拓し、経済発展を勝ち取ることができるでしょう。