擬古田薬品 (2)

Last-modified: 2021-08-12 (木) 16:35:39

前回:擬古田薬品 (1)

49 名前: 10・MMG棟 (薬物ミニ知識編) 投稿日: 2003/11/19(水) 13:11 [ 2XccdJxA ]
ちびしぃは、MMG棟での研修が始まる時間よりも、かなり早くに目が覚めてしまった。
お風呂場で体と顔を洗い、自分の部屋で身支度を整えても、まだ時間があったので、
少し早い食事をとり、外の空気にあたっていた。
爽やか過ぎる、朝であった。

擬古矢がダッコ映像の3人と一緒にちびを呼びに来たので、
5人で一緒に、部屋を出た。エレベーターに乗り、6階に案内された。
ドアに(合同会議室)と書かれている。
4人は擬古矢に促され、会議室の中に入った。
(学校ってこんな感じなのかしら?)とちびしぃは思った。

会議室について、擬古矢が説明を始めた。
「ここはMMG棟・レモナ棟の合同会議室です。
 ダッコ映像さん。ちびちゃん。
 まずはここで、ちょっとした講義を受けてもらいますね。
 先生はMMG棟の責任者の3人です。モララー・モナー・ギコ
 この3人が責任者を勤めているので、頭文字を取ってMMG棟と呼ばれています。」

擬古矢の説明が終わって10分ほどしたあとにモララーが現れた。

「みなさん、おはよう。漏れが、モララーだ。
漏れの説明は、ここで扱っている麻薬についての説明だな。
すでにダッコさん達は知っていると思うがちびちゃんのために。」

モラ山、モナ川、モラ谷はうなずくと、
「ちびちゃん。麻薬の映画のことはすでにダッコさん達に聞いているね?
 ここで扱っている麻薬のことについて簡単に、説明をしようね。」

「麻薬というのは、麻酔作用のあるお薬のことです。
免許を持った人しか扱うことはできません。麻薬を輸入したり、製造したり、
処方したり、研究したりするのには免許が要ります。
お医者さんの中にも、麻薬取扱者の免許を持った人でないと使えません。」

「アッパーとかダウナーってあるじゃないですか。どういう違いがあるんですか?」

モラ山が尋ねると、モララーが、ニヤニヤしながら、
「それは、我々とは別の世界の言葉だね。簡単に解説すると、
アッパーは気分が高揚するタイプの薬、
ダウナーは、気分がまたーりとするタイプの薬のことだよ。
アッパーの例は覚せい剤、リタリン、
ダウナーはヘロイン、アヘン、睡眠薬とかかな。」

「リタリンと睡眠薬は、お医者さんで使ってる薬じゃないですか?」
ちびが尋ねると、モララーは少々沈んだ顔で、
「お医者さんは、本当に必要な人たちに処方したいんだけどね。
快楽目的で使うお馬鹿さんのおかげで、悲しい思いをしている
人たちがいるんだよ。それを忘れないでね。」

全員がうなずくと、続いて、撮影で紹介する薬物についての説明を始めた。
彼は、黒い塊を机の上に置き、「臭いでしょ。」といって窓を開けた。

「次に、あへん・モルヒネ・ヘロインについて話そうか。
3つとも親子みたいなものなんだけれど。で、これがあへん。
けしの実を傷つけて、そこから出た液を固め、天火で乾かした物だ。
これを、精製してモルヒネができる。モルヒネは、医薬品として厳重に管理されている。
主に、末期がんの患者さんに鎮痛剤として使用されている。
モルヒネを精製してできた物がヘロインだよ。」

ちびが、「使うとどんな症状になるんですか?」と聞くと、

「それは、モナーとギコの説明を受けながら、実際に見てもらったほうが
わかりやすいかもしれないな。漏れの時間はこれでお終い。少し待っててね。
モララーとギコが迎えに来るから。」

ちびと、ダッコ映像の4人は、モララーに礼をいい
モナーとギコを待った。

50 名前: 11・MMG棟 「見学(事前説明)」 投稿日: 2003/11/19(水) 13:17 [ 2XccdJxA ]
会議室のドアをノックする音に、モラ谷が応答すると、
白衣を着たモナーとギコが現れた。
彼らは全員と挨拶を交わし、説明を始めた。

「さて、被験者達の見学へ実験棟に行く前にちと説明するぞ。ゴルァ
まず、第一段階は、全員一部屋にまとめて、モルヒネを経口投与している。
大体2週間ぐらいかな?彼らの身体症状、
すなわち嘔吐とか、ふらつきとか、消える者が出てくる。薬に慣れてきたってことだ。
ただ、便秘は氏ぬまでずっと続くので、定期的に職員が浣腸をしてるんだ。」

「それから、吸引室へ移動モナ。ここで、しぃ・ちびしぃ・ちびギコを
分けるモナ。吸引室には2種類あって、増量剤入りのヘロインを吸わせる
グループ、そして100%の純度のヘロインを吸わせるグループに分けている。
部屋は6室あることになるモナね。」

「いや、8室だ。ベビどもの部屋もあるぞ。経口投与している最中に
コウビして、妊娠したしぃとちびしぃが産み落としたり、
吸入しながら、ボランティアの皆さんとコウビして、
妊娠し、出産したベビの部屋だ。個体差があるからな。妊娠能力が消えていると思われる時期
にコウビしても妊娠してしまっている者とかもいるんだ。
それと、吸引室の部屋の上に6ヶ月とか、3ヶ月とか期間の書かれた札が掛かっているが、
それは、初めてモルヒネを投与した日からの期間を考えてくれればいい。」

「おっと、もう1室はモニター室モナね。それぞれの部屋と、モニター室に
観察日記があるので、よかったら見てみるといいモナ。どっちかといえば、
モニター室のほうが、記録としては細かいね。何せしぃちゃんのすべてを知りたい人たちが
記録をとっているからね。」

「1年以上のグループは、注射をしているんだ。もう吸入方式じゃ
我慢ができなくなってるみたいだな。量も、被験者に任せているので、
下手すると死体を目撃するかもしれないぞ。ゴルァ」

ちびが、「いわゆるOVERDOSEってやつですか?」と質問すると、
モナーが「そのとおりモナ。鋭いモナね。」と答えた。

「どんな状態か見に行こうか。」ギコの声に皆同意し、実験棟に向かった。


173 名前: 12・実験棟(経口投与室) 投稿日: 2003/12/09(火) 09:59 [ BzRMHfQs ]

5人は実験棟に通された。実験棟のある階の部屋は
階段に近い順に経口投与・ちびギコ部屋・ちびしぃ部屋
しぃ部屋・モニター室の順に並んでいる。

まず、(経口投与)と書かれた札が掛かっている部屋に入った。
ちび達がいる部屋と、被験者達の部屋はガラスの壁で隔てられていて、
被験者側の部屋には、監視カメラが設置されている。ちび達がいる部屋に
スピーカーが設置されている。スピーカーから被験者達の音声が聞こえてくるそうだ。
被験者の音声を聞くには、モニター室で機材の操作をしなければならず、
そのためにモニター室へ連絡を入れる必要があるそうだが。

この部屋には、ちびしぃ・しぃ・ちびギコ・フサギコが一緒にいた。
部屋の向こうには、頑丈な鉄のドアが見え、ドアの窓にはめ込まれた鉄格子
コンクリートの壁が覗いている。そこの部屋には
ちびしぃ・しぃは各10匹、ちびギコ・フサギコは各5匹、
それに、レモナ棟から連れてこられたしぃが1匹。
31の被験者がそこにいた。被験者達はそれぞれ小さな番号札つきの
耳飾りをつけている。個体を識別するためだそうだ。

「お腹の膨らんだしぃ達がいますね。妊娠?」とちびが聞くと、
「レモナさんとこで診てもらったら、一匹を除いて、全員便秘モナ。」
「そろそろ特殊な趣味を持ってる連中に頼んで、浣腸だな・・・・」
「特殊な趣味って??」とモラ山が聞くと、ギコは気持ち悪そうな表情で話し始めた。

ギコの言う(特殊な趣味を持ってる連中)とは、
しぃに対し、特別な感情をもっており、糞でも愛でることができる連中のことらしい。
浣腸の仕事やほかの仕事のために(ボランティア)で雇おうとして金額を提示したのだが、
(しぃちゃんのいろんな姿が見れるなら無料でもいい)と行ったつわものがいたそうだ。
ちびが開いた口がふさがらないといった表情をすると、
「しぃのウンコを掻き出したいと言ったやつもいたんだ。正直気持ち悪いぞ。」と
ギコは青ざめた表情で話していた。

モナ川は、なにか気まずい空気を読み取ったかのように、
「話を変えよう。観察日記を見せてもらっていいモナ?」とギコに聞き、
ギコが了解したので、日誌を見ることにした。この部屋の日誌は、
被験者達が自由に書き込み、その下に研究員が
一言書き込むという形式を取っているようである。

-----------------------------------
★月○日 

・今日は、ちびしぃちゃんとしぃちゃんと3pしたデチ。
 こういうのを「ハーレム」て言うんデチね。
 ちびちゃんのういういしいところもいいデチが、
 しぃちゃんの大人の色気もいいデチ
 よーしパパ明日もコウビしまくるぞー

・キョウハ チビギコト コウビシタ。
ホントハ ギコクント コウビ シタカッタケド 「タマニハ ショタモ イイカモ」
チビクンハ スグニ カイフクシテ ナンドデモ デキタ。
コウイウノモイイカモ・・・・・

・サイキン ウンチサン デナイヨォ
マスクノヒトニ カンチョウ シテモラエルノハ ウレシイケド ウンチサン タベラレナイヨォ
ウンチサン サベサセテクレナイノハ ギャクサツチュウダヨ!!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★月○日 記入者 モララー

レモナ棟から連れてきた1匹を含む31匹の被験者が入った。
すぐに頃してやりたいが、まぁ、緩慢に頃しているようなもんだからいいか。
レモナ棟からの1匹は手術後ということもあり、モルヒネを点滴している。
もしかしたら、早めにこの部屋を出ることになるかもしれないな。

コウビを始めている者が早速いる。こいつらの頭の中にはコウビしかないのか
ダッコしかないのか、と小一時間問い詰めたい。漏れは問い詰めたい。
その上、ボランティアが食事としてしぃフードを出したら、
「甘くてやわらかい物しかしぃちゃんは食べないんだよ。」だの
「高級な物食わせろ」だのと行ったらしい・・・・それが、この書き込みかい!!!

(甘い物・柔らかい物・高級な物)しか食べないとぬかしておきながら、 
「ウンチサン タベサセテクレナイ」 と矛盾を言いやがる。漏れは、正直混乱している。

ボランティアが、被験者(便秘の者に対して)の摘便作業を希望したので、
「せいぜいグリセリンやお湯での浣腸にとどめておいてくれ」と頼んだ。
被験者達は凄く脆いので、便と一緒に、こてっちゃんまで出されると非常に困る。

174 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/12/09(火) 10:00 [ BzRMHfQs ]
「・・・・・・・・」
全員、コメントに困ってしまった。

モナ川は、
「えーと、ここ以外で多少楽そうなとこってどこモナ?」
と擬古矢に聞くと、擬古矢は考え込んでしまった。
「ベビ棟かなぁ。」モナー・ギコが同時に口にした。

「ベビ棟は、レモナさんとこの単眼症の子はいないんで
多少は大丈夫かもしれないけど、全員ドラッグ・ベビーだぞ?」

「でもここ以外は、全部同じような感じモナ。」

擬古矢の(大丈夫か?)という意味を含んだ問いに、
モナーが答えると、ちびが口をはさんだ。

「擬古矢さん。これは、ちびの個人的な感想なんだけど、
麻薬って、私達のいろいろな仮面を剥ぎ取っていくような物なのかな。
ここのお部屋は、すごろくで行ったらスタート地点みたいな物なのかもね。
ここから、順当に進んでいったほうがいいかもしれない。ベビ棟は後でもいいよ。」

「ちびちゃんがもっともなこと言ってるんだから、大人が泣き言を言うのもなぁ・・・」
モナ川が呟いた。

モラ谷は擬古矢に、
「擬古矢さん、増量剤の説明をしてもらって、純度100%のお部屋だけ見せてもらっていい?
増量剤のグループの方は、100%のグループの方と何か違いはある?」と聞いた。
「ありません。症状が悪くなっていく速度の違いだけですかね。」
ギコに即答され、モラ山は、
「じゃあ100%のほうだけ見せてもらおう。それと増量剤のことを焼却炉で聞いたんだが、
説明をお願いできるかな。」とギコにたのんだ。

ギコは、モラ山の申し出を了解し、モナーが説明を始めた。

「実は、しぃ達に渡すあへん系麻薬のコストが問題になったんだ。
100%の純度の物を渡すと、あまりにコストが掛かりすぎということで。
いかにして金を減らすかという話になって、ギコが戯れに買った本の中身を社の上の者
に話したら、実験を行い、結果を報告するようにというお達しが出て・・・・」

ギコが続ける。
「本に書かれているいろいろな物を試したら、一番いいのは中毒者の骨だったんだ。
金がかからないっていう点でも、ほかのいろいろな点でも。上の方に、
実験結果を報告したら、骨粉と、麻薬の割合を調べる様に言われて調べているんだ。
今回は骨粉を30%混ぜたグループ。どこまで純度を下げて大丈夫かっていうのを
現在調べているんだよ。」

ちびが「ある種のリサイクルですね」と、モナーに感想を言うと、
その場にいた全員が苦笑いを浮かべていた。
「じゃあ、少し仮面が剥がれた被験者達を見に行くかゴルァ?」
苦笑いを浮かべたギコが冗談交じりに皆に次の部屋へと促すと、
皆が困ったような笑みを浮かべてギコに同意し、
「経口投与」と書かれた札のある部屋を後にした。

175 名前: 13・実験棟(3ヶ月・ちびギコ&フサギコ部屋) 投稿日: 2003/12/09(火) 10:02 [ BzRMHfQs ]
続いて、3ヶ月という札の掛かった部屋の近くに来た。
まず入ったのは、ちびギコ&フサギコとかかれた部屋だった。
早めの昼食の時間だったらしい。ガラスの壁の向こうでは、
ボランティアが被験者達に食事を与えていた。

ここも、経口投与とかかれた部屋とだいたい同じつくりの部屋である。
違う点といえば、まるで留置所を思わせる鉄格子のドアの小部屋があるくらいだ。
小部屋に入室しているちびギコはいなかった。
また、部屋の一角ににあるテーブルの上には白い大きな塊と、
塊から粉を削り取るためと思われるナイフが人数分置かれ、吸引具・薬包紙なども点在している。

「この部屋は定期的に薬は投与してないんだ。いわゆる、頓服状態だな。
マターリしたいときとか、コウビ前やオナーニ前に粉薬を鼻から吸えば、マターリ感や
気持ちよさが倍増すると騙して吸入方法を教えたんだ。」

ちびが、「ちびギコ部屋なのに何でちびしぃがいるの?」と
耳の先に2番の番号札をつけたちびギコを指差すと、
モナーが「日誌を読んでみてよ。理由もわかるから。」とノートを差し出したので、
皆は、日誌を読むことにした。

----------------------------------------------------
ちびギコ部屋 ○月×日

・ちびしぃちゃんとコウビしまくりデチ。
毎日のごはんもおいしいし、白衣のフサギコたんが教えてくれた
お薬を鼻からすいこむと、ちびしぃちゃんやしぃちゃんとのコウビも
気持ちよさが倍増デチ。ここは天国デチね。

・白衣のフサたんがおしえてくれたお薬を鼻からすいこむと、
何回でもコウビができるでち。それにコウビが終わると何時間でも眠れるでち。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○月×日 ちびギコ部屋 記入者 フサギコ

まずは、某大人のおもちゃメーカーに感謝を。しぃ、ちびしぃの型の
いわゆる、(丈夫なリアルドール)を写真だけ渡して発注したら、
精巧な物を作ってくれた上、「連続一週間でも破れません」とニヤけて説明した。

ヘロインの吸入方法を教えておいた。
(コウビの気持ちよさが増す薬)とヘロインについて説明したら、
被験者達は熱心に説明に耳を傾けていた。欲望に忠実な連中だ。

被験者達の書き込みや、モニター室の日報によると、
疲労感が麻痺しだしている者が出始めているようである。
3時間超のオナーニ、3日間の睡眠・・・・・既に性欲の抑制が聞かなくなっているとも
考えられる。こんな状態の連中に、しぃやちびしぃを投げ込んだら、かくじつに
あぼーんだな。と妄想してみる。
食う、寝る、遊ぶの3種類揃って、さぞや彼らは幸せなことだろう。 
--------------------------------------------------------------------------

ちびギコ室の中に爆笑が響いた。
「人形だったんですか!しかしよくできてるなぁ・・・・」
「てゆーか、ちびギコが気付かないのがおかしいね。」
「ハハハハ」

ギコがおどけた。
「しぃちゃんやちびしぃちゃんとのセクースのつもりだろうが、実はただのオナーニだったとさ。
という落ちでした。ちゃんちゃん。」

モナーが続ける。
「それもただのオナーニではないよ。3時間4時間は当たり前、下手すると一日以上も
オナーニ漬けだったりするし。そして、体力の限界になると、泥のように眠るんだ。」

「もう、何回射精したかも自分でもわからないんだろうな。それに皆見てみろ。あれ。」
ギコに促され、皆がガラスの向こうの部屋を見ると、ちびギコが自分の腰を振らずに、
しぃの人形を腰のあたりを持って激しく振っている。人形は揺れまくり、今にも破れそうだ。
ちびギコの顔を見ると、よだれをたらし、恍惚の表情を浮かべている。
「相手のことを思いやるということは、性欲を抑える、理性で抑えるということにも
つながるんだよ。でも、もうあの被験者は、できなくなってる。」
モナーがさめた口調で皆に説明をした。

「オナーニを覚えたサル状態ですか?」「・・・・・・」
ちびの質問に、みな黙りこくってしまった。
「すいません。もうここはいいです。次いきませんか?」
沈黙の詫びを入れるような口調での、ちびの言葉に従い、
皆は、ちびギコ部屋を出た。

176 名前: 14.モニター室 投稿日: 2003/12/09(火) 10:04 [ BzRMHfQs ]
ちびギコ部屋を出たダッコ映像の面々と、ちびしぃ、擬古矢は
隣のちびしぃの部屋へ行こうとして、モナーとギコに止められた。
「モニター室に先に行くぞ。ゴルァ。」

「?????????」
「モニター室ですか?見るところあったっけ?」
5人が不思議がっていると、
「まぁまぁ。面白い物を見せるモナ。」とモナーが盛んに勧める。
二人に後ろをふさがれる形で、5人は一番奥のモニター室に入った。
ドアに「必ず最初に日誌を確認!!!!」と書かれた紙が貼られていた。

「ここでは、各部屋の被験者の行動を監視しているんだ。
ここの日誌は、行動記録みたいなもんだな。日誌に書かれてる
番号は被験者の耳の札だ。ちょっと古いけど」といってギコは日誌を見せた。
特記すべき事項を書き込んだり、ボランティア間の連絡に用いているようである。
-------------------------------------------------------------------

×月△日 経口投与部屋 記録者 ○△木 しゃぶ朗 AM8:00~PM5:00

特記事項 2・5・8番が嘔吐。 

嘔吐した時刻 2番 AM10:00、 5番 PM12:00 8番 PM 3:00

食事は全員残さず食べていた。
前回浣腸時より14日以上経過しているため、ボランティアに呼びかけを行う。

-------------------------------------------------------------------

3ヶ月 (ちびギコ&フサギコ)

特記事項 2番がAM10:00よりオナーニ開始。PM4:35過ぎても続けているため、
     夜勤さん、継続して監視をお願いします。

7番がPM12:00より睡眠。

10番はAM8:00に私が入った時点で既に睡眠中でした。食事のときに
ボランティアに生死の確認をお願いしました。生きている、とのことです。
PM4:35過ぎても睡眠中のため、継続して監視をお願いします。

-------------------------------------------------------------------
(ちびしぃ)

特記事項 1番がAM9:35よりお祈り、9:40よりコウビ中。
PM12:00に終了  12:30より睡眠中のため 継続して監視をお願いします。

6番がPM3:00に目覚めました。24時間の睡眠です。

-------------------------------------------------------------------
(しぃ) 6番がAM9:00に陣痛?を訴えたため、レモナ先生を呼びに行かせる。
     AM11:00、6匹のベビを出産。即座にヘロインを吸引したため、
レモナ先生が育児放棄&ベビの治療が必要と判断し、ベビ棟に、ベビを連れて行った。

8番 PM4:26よりお祈り、PM4:30よりコウビ中。
継続して監視をお願いします。

177 名前: 14.モニター室 投稿日: 2003/12/09(火) 10:05 [ BzRMHfQs ]
「・・・・・????」
何でここに連れて来られたのだろうという表情の5人がいた。

モナーがモニター室の機械の操作をしながら、
「本当に見せたかったのはこれ!」とあるモニターを指差した。
モニターに移った画像を皆が見ると、しぃがなにやら祈りをささげている。
「音声を今聞かせるから、ちょっと待ってな。」とギコがなにやら
つまみを引くとしぃの祈りが聞こえてきた。

「マターリノ カミサマ マターリノ カミサマ シィノ トコロニ ギコクンヲ ツレテキテ クダサイ。
ギコクント コウビガ シタイデス。」

一番早くて2分ぐらい、遅くても5分以内に床の穴から棒のような物が生えてきた。
モニター室のボタンを操作しながら、モナーが説明した。

「ここの画面じゃ見づらいけど、あの棒はティンポだ。今は、モナーが連絡したけど
いつもは、この部屋の監視当番が、しぃやちびしぃの祈りを見つけたら、
ボランティアさんたちの詰め所に連絡を入れて、元気な人たちが、
ああやって抜いてもらってるんだよ。」

「ボランティアさんの顔も見てもらおうか。」
とギコがモニター室のボタンを操作し、床下の様子が映し出されると、
モニター室に爆笑が響いた。床下には恍惚の表情を浮かべた、
かなり顔の造作が不自由な男性が横たわっていたのだ。
「笑わせに来たのか!お前ら!」笑いをかみ殺しながら擬古矢が言うと、
「3ヶ月のグループの部屋を見終えると、地獄が待ち構えているので、笑い収めだから。」
と、冷静な顔のモナーが切り返した。

(地獄??)ちびには地獄の意味がわからなかった。
混乱が、ちびの顔を青ざめさせ、息も少々荒くさせていた。
「ちびちゃん。大丈夫?」擬古矢がちびを気遣った。
「ええ。ちょっと混乱しただけです。」

「ちびちゃん。百聞は一見にしかずモナ。後2部屋見終わると地獄の意味がわかるモナ。」
「そうだな。漏れ達も、下調べの意味もこめてちびちゃんと一緒に来てるんだからな。
 しっかり、地獄を見ておかないと駄目だな。」

モナ川とモラ谷に少々力づけられたのだろうか、ちびに少し開き直った感じが見えた。
「モラ谷さん。モナ川さんありがとう。
ギコさん。モナーさん。次はちびしぃの部屋に行きましょう」

ちびがモラ谷・モナ川に礼を言い終わった頃、ドアをノックする音がなった。
「そろそろよろしいですか?」という、ボランティアの問いに
「お。悪かったな。祈りの時間を記載をしたのと、ボランティアさんの連絡は済ませたので
続けて監視を頼むよ。」とモナーが答えた。

モナーとボランティアのやり取りと平行して、
ギコは、ダッコ映像の面々・ちび・擬古矢にそろそろ次の部屋に行こうと促していた。
5人がそれに同意すると、モナーに、「そろそろ次の部屋に行こう」と呼びかけた。
モナーが同意すると、監視当番のボランティアに、皆で礼を言い、モニター室を出た。

178 名前: 15・実験棟(3ヶ月・ちびしぃ部屋) 投稿日: 2003/12/09(火) 10:07 [ BzRMHfQs ]
ちびしぃの部屋に入ると、ガラスの壁の向こうで、ちびしぃもマターリの神様に祈りをささげていた。
(ヒョコッ)床の穴からばらばらにボランティアの男性のペニスが出てきた。
もぐら叩きを思わせる光景で、微笑ましく思えたらしい。ちびしぃが思わず微笑み、
思わず、「もぐら叩きみたい。」とガラスの向こうの様子を表現した。
「ちびちゃんは、面白い事言うなぁ。」「うまいね。どうも。」
モラ谷、モナ川が感心していると、ギコが釘を刺した。
「おいおい、みんな。あの状態が普通じゃない事は頭に入れてくれよ。」
ノートを数冊持ったモナーが続けた。
「ちびギコの部屋でも言ったけど、このグループの被験者は
もう相手を思いやることが出来なくなっているんだ。自制というものがきかなくなっているんだよ。」

「はーい。先生わかりましたぁ」おどけた擬古矢が返事をすると、
「じゃあ、このノートを見て確認しますね。ちょっと先生恥ずかしいけど見てください。」
とモナーもちょっとふざけながら、古い日記を持ってきたので、
モラ山・モナ川・モラ谷・ちび・擬古矢は「はーい。」と幼稚園の園児のような
返事をし、日記のページを開いた。
-------------------------------------------------------------------
★月△日 ちびしぃ部屋

・マターリノカミサマ イツモ アリガトウ ゴザイマス。
オイシィ ショクジニ ギコクンノ ティンポ。 シィハ トテモ シアワセデス。

・7バンノ ゙シィチャント コンド ナンニンノ ギコクンヲ イカセルカ
キョウソウ シマス。 カミサマ ドウカ シィヲ カタセテ クダサイ。 3バンノ シィ

・モナーサンガ「この穴の前でお祈りを捧げると、マターリの神様が、
シャイなギコを連れてきて、しぃちゃんとコウビさせてくれるモナ。」ト オシエテクレタ。
タメシニ オイノリシタラ ホントウニ ギコクンノ ティンポガ ハエテキタ。 ソレニ トッテモ オオキクテ ツヨカッタ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★月△日 ちびしぃ部屋 記入者 モナー

フサギコは、某おもちゃメーカーに感謝を捧げていたので、
モナは、ボランティアさんに感謝を。
よく、お祈りに合わせてタイミングよくティンポを出せるよな。しかも、たたせて・・・・
あるボランティアさんが言ってたっけ。
「1回じゃもったいないので、ためて最低2回は抜いてもらう」って。
もったいないって感覚を持ってること自体感服する。

モナは、とんでもない誤解をしていたことを告白しなければならない。
性欲の亢進が見られるのは、コカインや覚醒剤等のアッパー系麻薬だけだと思っていた。
ヘロインでも同じ状況が見られるとは思わなかった。反省。

ボランティアさんよりお祈りの頻度が上がっていると報告を受けた。
人数は被験者の5倍程度はいるので、お祈りには誰かしら応じられるだろう。
もし全員腎虚になったら、また募集をかければいいだろう。

モニター室の確認も必要になるが、疲労感が麻痺している者が出始めているようである。
日記の記述から推測すると、自制がきかなくなっているのだろうか?
それとも、もともと自己中心的な性格が、さらに増長しているのだろうか?

-------------------------------------------------------------------------
「モナーさん、両方。」ちびは思わず、日記に書かれた質問に答えていた。
「研究者でも、誤解することがあるモナ?」モナ川に突っ込まれると、
「お恥ずかしい・・・」とモナーが顔を赤らめていた。
しばしの沈黙の後、
「こうやって、研究は進んでいって、いろんな物が開発されていくんだね。」
とちびが、かなり強引なまとめと思われる言葉を口にした。
「ちびちゃん。フォローされるとかえって恥ずかしい。いっそ笑ってくれ。」
モナーがさらに顔を赤らめている。

「ちびちゃんがまとめてくれたんで、次行ってみるぞゴルァ。」
某○リフターズの●かりや氏を思わせるギコの一声に皆が背中を押され、
ちびしぃ部屋を後にした。

179 名前: 16・実験棟(3ヶ月・しぃ部屋) 投稿日: 2003/12/09(火) 10:09 [ BzRMHfQs ]
「コメディの最終幕だぞ。ゴルァ。」
ギコのそんな言葉に後押しされるかのように,ちび達はしぃの部屋に吸い込まれた。
ガラスの向こうを注視してみると、奇妙な光景を目にした。
小用を我慢していると思われるしぃがいたのである。
「モナーさん?ギコさん?あれ・・・・なんすか?」
「ションベンを我慢してるモナ?」

モナ川とモラ山の質問に、ギコが笑いながら答えた。
「ハハハ。あれか?見ての通り、ションベンを我慢してるんだ。
薬の効果をできるだけ長く持たせたいんだろうよ。顔を洗わなくなるのもいるし、
体を洗うのをやめるのもいるぞ。ま、ここは製薬会社なんで、
衛生面はきちんとしないといけないからな・・・・・」

モナーが続ける。
「ちなみに、洗顔と風呂の担当もボランティアさんだよ。
うちのボランティアさんは3Kどころじゃないよね。
きつい・汚い・暗い・キモイ・危険・・・・・・
あ!抜いてもらうんで気持ちイイだ。6Kだね。」
皆がいっせいに「モナーさん、最後の違う!!」と突っ込みを入れていた。

かなり場違いと思われる和んだ空気の中、モラ谷はある一点を凝視していた。
ボランティアの入口とは別の場所に鉄格子のドアがある小部屋があるのだ。
まるでペナルティボックスか留置所を思わせる小部屋である。
ちびしぃ部屋や、ちびギコ部屋にも、実は小部屋はあったのだが、入室者はいなかった。
この部屋で、初めて入室者を見つけたので質問することにした。

「あの檻は何ですか?何かの罰用ですか?」

モナーが答える。
「ああ、衛生面をきちんとしないとって、さっきギコが言ったでしょ?
もう、薬を長く持たせるためなら何でもやりますって言う感じで
小便まで飲んじゃうのがいるんだよ。糞は洗い流すから安心だけどさぁ。
小便までは・・・ってことでペナルティだな。」

「そうなんですか。でも、禁断症状がそろそろ・・・」

「おお、出てるぞ。見てみろあれを。」
ギコが指差した先を見ると、ペナルティボックスの中のしぃががくがくと震え出していた。
「音声も聞かせるか?」と言うギコの申し出にモラ谷は甘えることにした。
ギコがモニター室に連絡を入れて、数十秒後に音声が聞こえてきた。

「シィィィィィィィ サムイヨォ ギコクン タスケテヨォ・・・・」
しばらくすると、小部屋の中でしぃが暴れ始めた。
「イタイ イタイ カラダジュウノ ホネガ バラバラニ ナル!!!
タスケテ タスケテ オナガイ タスケテ!!」

「そろそろ ボランティアさんにもう一回連絡が必要だな。」
しぃがのた打ち回る光景を見ながら、モナーがだるそうに呟いた。
「え?」モナ川が思わず声をあげる。
「1人スカトロレースが始まる前に、ボランティアさんに入ってもらって
洗浄の準備をしてもらわないと。」と、モナーが続けた。
「スカトロレース????」
その場にいたダッコ映像の面々や、ちびの不思議そうな声に
今度はギコが説明した。
「モナー。連絡は頼んだぞ。そう、禁断症状の中の1つで下痢を繰り返すっていうのがある。
・・・・・っていってる間に始まったぞ。」

「しまった、遅かったか・・・」
連絡を終えたモナーが思わず呟いた。
「ほれ、あれが1人スカトロレースだ。」
ギコが指差す方向を見ると、しぃがもの凄い量の便を小部屋中に撒き散らしている。
勢いがついてしまったのか、体が車のスピンのように回転している。
回転が止まり、しぃがぐったりして倒れた。小部屋の床はまるで、
こげ茶色のじゅうたんが敷き詰められたようになっていた。
「ほら、前に便秘の話をしたでしょ?薬を飲んでいる間は便秘するって。
禁断症状が始まると、反対に下痢を繰り返すんだよな。溜まっていたから
量も物凄いし、それに臭いも・・・・・」
「・・・・・・・」
モナーの説明に、皆顔をしかめた。沈黙と気まずさが時間を長く感じさせる。

ガラスの壁の向こうでは、被験者のボランティアに対する罵声が響いていた。
「ナンデ オイシイ ウンチサン ステチャウノヨ!」
「コリコリノ ウンチサンガ マタ イイノニ ナンテコトスルノヨ!!!」
ボランティアは無言で小部屋の床と、
小部屋の入所者のしぃの体に水をかけて洗浄作業をしていた。

180 名前: 16・実験棟(3ヶ月・しぃ部屋) 投稿日: 2003/12/09(火) 10:11 [ BzRMHfQs ]
ギコは内線電話でモニター室と連絡をとっていた。
これ以上、この部屋にいる必要は無いと思ったのだろう。
ギコが電話を切って少しした後、ガラスの向こうの音声が切れたのだ。
付箋の貼ってあるノートを彼は持ってきて、
「妊娠しぃについての記述だ。読んでみるといい。記述者のレモナさんは
 レモナ棟で会った人だよ。」といってノートを差し出した。
ノートを見ると、彼女の前任者の医師の助手を彼女が務めていた頃に書かれたもののようである。

-------------------------------------------------------------------

◇月●×日 しぃ部屋

・ベビチャンガ ウマレタケド アンナ ブサイク イラナイヤ。
ギャクサツチュウガ ツレテイッテクレタ。 アシタカラ マタ オクスリ スッテ マターリダネ!

・アンナニ ギコクント アイシアッタノニ ナンデ ベビチャン デキナイノカナ?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇月●×日 しぃ部屋 記入者 レモナ

今日は、ガナー先生のお手伝いで、しぃ部屋の分娩と流産・死産の処置の手伝いをしました。
4匹出産。案の定4匹全員ドラッグ・ベビーです。
ガナー先生の指示で、ベビ棟の保育器に全員移しました。
彼らを使って、解毒治療の練習用にするそうです。
ここは、医師も育てている製薬会社だったのねと初めて実感。
解毒治療に成功した場合は、乳児院に出すそうです。
死産・流産した胎児は看護士に頼んで、焼却炉に運んでもらいました。
10数匹いたかな?

あれだけ、ヘロイン漬けなのに妊娠できる個体がいること自体驚きでした。
普通、生殖機能が低下し、流産・死産が普通なのに。
生まれたベビは血液中の麻薬も一緒に摂取しているため、生まれた時点で
禁断症状が出始めている状況です。母親はといえば、自分の体力を省みず、
早速ヘロインの吸引を始めています。

ベビ棟の日誌にも詳しく書く必要があるのですが、
生まれたベビはみな小さいです。レコ種?とかいう種類を
実際見たことがあるのですが、彼らと同じくらいか、それよりも小さい。
でぃなみの金切り声を上げている個体もいれば、虚脱状態になっている個体もいます。
解毒の実習の開始です。成功すればいいけど・・・・
ベビがあれだけ弱ってるとなぁ・・
-------------------------------------------------------------------------

「こういう実験していてこう言うのもなんだけどさ。
ドラッグの最大の被害者ってベビ達やちび達じゃないかと思うんだ。」
モナーが思わず声を漏らす。

ギコもぼやいていた。
「俺みたいな仕事の奴が言うことじゃないけども、
神様って、いたずら好きだろって思うときあるもんな。本当にベビが好きで
ベビを欲しがってる夫婦には子供ができないで、お前は子供を産むんじゃないよって
馬鹿どもが子沢山なの。全員に平等に愛情を注ぐべきなのに、虐待したりする馬鹿もいるじゃんか。」

「やるせなくなってくるモナ。」モナ川も困惑した表情をしていた。

「でも、ちびしぃやしぃ、ちびギコ・フサギコを連れてくるためのセールストークは
浮かびました。3ヶ月のグループを見せてもらってたら、釣るネタは満載でした。」
ちびが少々にやけながら話している。

「ちびちゃん。釣るネタを見つけたんなら、今度は釣られた連中の末路にも興味はある?」
「もちろんです。っていうか見とどける責任があるんだと思うんです。」
モナーの質問に少々びくつきながらも、ちびが答えを返した。

モナ川とモラ山の顔は青ざめ、震えていたが、モラ谷に一喝された。
「お前ら何を震えてるんだ。ちびちゃんがあんなにがんばってるのに。
ここをでて、6ヶ月のグループの所へ行くぞ。」

「はい・・・・」二人は力無い返事をする。
「じゃ、お願いします。」モラ谷の言葉を合図に皆はこの部屋を後にした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちびちゃんの社内研修2日目 (パート1)です。
次回社内研修(パート2)行きます。

今回は、警察関係のホームページと、小説スレ(前々スレ?)保育日記ネタと、
山口椿さんの著書を参考にさせていただきました。

次回:擬古田薬品 (3)