郵送による調査方法

Last-modified: 2009-10-09 (金) 15:29:20
 

郵送調査

 

FAX調査

 

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郵送調査
アンケートの送付や回収を郵便で行う方法。最もよく使われる自記式(自筆する)調査である。
調査対象地域が広範囲であっても低コストでできるのが最大の特徴。調査対象者の氏名と住所が分からなくてはいけない。また、用紙の発送から回収まで時間がかかり、回収率もそれほど高くない。
郵送にて調査票の配布・回収を行う(留置調査の調査員を郵送に代えたもの)。

 
 

メリット

  • 経費削減できる→ほかの自記式調査(FAX調査・電子メール調査ウエッブ調査・コンピュータキヨスク調査・ドロップオフ調査・街頭調査・グループインタビュー)より費用がかからない。
    インタビュアーが必要ないので、リサーチャーひとりで実施できる。
  • 広範囲を対象にできる→同一国内であれば、サンプルが広範囲に分散していても、限られた近地域で行う場合と同じ費用でできる。データ収集段階で要する時間は、サンプルが多い場合も少ない場合とあまり変わらない。
  • 調査者の人的影響を排除可能→回答者が記録したものを確認したり、回答について考える時間が持てるため回答の正確度が高い。回答者は都合のよい時に、誰にも邪魔されることなく記入することができる。(インタビューのように周りに聞かれる心配がない。)インタビュアーがいないので、インタビュアーと回答者の相互の影響から生じる偏りが少ない。
  • 複雑な調査票も使うことができる→郵送のため質問が長い、選択肢がたくさんある、複雑な枝分かれタイプの質問も調査が可能である。
     

デメリット

  • 無回答の数が多い。→ 回答者が回答まで時間が持てるため、無回答の数が増える。インタビュアーがいないためわからない箇所を説明したり、手助けしたりできないので、補足的な情報も記録できない。
  • 回収率が低い→口頭による回答よりも労力を要するので面倒に思われる。
  • 時間がかかる→データ収集段階は、事前の通知、督促や追跡調査などのフォローアップ、回答の返送などに時間を取られる。
     留置調査の欠点がより強まる。
     

注意点

 自記式調査は、質問の文脈からくる誤解などの影響がインタービュー調査より多いので、質問事項の作成には特に注意が必要である。また回答者が回答しようという気になるように、調査票の見た目とデザインにも注意を払わければならない。それによって不必要な間違いを最小限にできる。
また急速に変化する意見を調査したい場合や指定された順番で質問に答えなくてはいけない調査の場合は不向きである。さらにリサーチャーが指定した回答者自身が調査票を記入したかどうか確認できないことも頭に入れておく必要がある。

 
 

 
 

FAX調査

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広告などで募集したり、商品販売時に依頼をして了解を得た対象者に、FAXでアンケート用紙を送信して、FAXで回収する方法。調査対象者とあらかじめ調査協力のためのモニター契約をしておくのが一般的。
FAXで送付されてくるアンケートにFAXで返信する。

 

メリット

  • 幅広い調査が可能。
  • 在宅率の低い対象者にも可能。→複雑な設問には不向き
  • 画像提示が可能。→ 電話と違ってマークやロゴなどのビジュアルについての情報を伝えやすい。
 

デメリット

  • 質問量は多くても2~3枚に制限される
  • 画像を使った調査には不向き→企業によっては不向きとの見解もある。
 

注意点

最大A4サイズ3頁(25問程度以内)に収める
対象者のFAX機は、家庭用のため、送受信に予想外の時間がかかることを注意する。比較的低コストで、対象者が広い地域に散在している時に向く。郵送に比べても早く調査対象者に届き、かつ回答も早く即効性に富む調査方法である。

 

調査例

  • 高齢者向け携帯電話サービスに関する調査
    高齢者(50歳以上)向けの携帯電話サービスの開発を検討しており、自社が保有するシーズをもとに、どのようなサービス開発の余地があるかを明らかにするため、FAXアンケートを実施。
     
  • 団塊世代向けの就職・転職支援サービス検討のための調査
    団塊世代の一斉退職をむかえ、退職後にも働く意向を持った方が多数存在すると思われる。その層向けの就職・転職支援サービスの部門設立にあたり、市場調査(FAXアンケート)を実施した。