世界の電話帳

Last-modified: 2014-10-20 (月) 19:46:07

アメリカの電話帳

アメリカの電話帳-電話帳WIKI

アメリカにおける初期の電話事業は、それぞれの町で地元の事業家が小さな電話会社を起こすじだいで、各加入者の手元に電話帳がなくても電話交換をするか会社が番号を把握しているだけでよかった。しかし、電話の便利さを知るようになり、加入者も増加するに連れ、交換手も対応できなくなり、1881年、ミルキーウォーキー電話交換会社が、初めて40ページの電話帳を作った。人々が電話の仕組みや使い方を理解する前に電話が普及していった為、この電話帳には「電話のかけ方」も記載されていた。後に、1883年108ページに及ぶ電話帳を発行。この電話帳にはアルファベット順の他、「ビジネス電話帳」ももりこまれ、職業別の索引があり、小さな広告も登場した。1906年には、ミシガン州電話会社から、きちんとした広告がつき、黄色い紙に印刷された職業別電話帳が登場した。アメリカのイエローページは人間が生きていくために必要なあらゆる情報がつめこまれており、企業にとってはPR活動やマーケティングになくてはならない情報源である。また日常生活の食料品の購入や病気や怪我、火事などの非常時や道に迷ったり、財布をなくした時などや旅行者の観光ガイドとして非常に役に立つ情報源である。

<外観と内容>
日本のタウンページより少し大判で厚さが7cm程で、表紙はシックなチョコレート色。そこに金文字「Business to Business Yellow Pages」と書かれ、下部に小さく出版会社名などが記載されているだけのきわめてシンプルなものであるが、一方でメトロフェニックスやスコッツデールの電話帳は砂塵を上げて幌馬車を走らせている西部劇さながらの表紙になっている。ページをめくると最初に三十ページ程にわたってカラーグラビアでマンハッタンの歴史、商業地区、交通機関の細部にわたる図面、空港の1,000繊細図、ヤンキースタジアムからマジソンスクエアヤーガーデン等の競技場、カーネギーホール等のコンサートホール、レストラン、ショピングガイド、季節の各種イベント、地図入りの郵便番号表、ニューヨーク市の街路図に劇場等を番号でプロットしたものなどが網羅されている。また、警察・消防などへの通報の方法、電話帳の上手な使い方などが記載された後、ABC順の掲載名となる。
<広告>
写真やイラストを利用した全ページ広告も多い。デトロイトのイエローページでは赤や濃いブルー・グリーンを使用した、華やかな2色刷り広告がある。また、巻末には商品や各種サービスを探しやすくするためのインデックス表がついている。
<分類>アメリカのイエローぺージはコンシューマー編(家庭用・個人向け)とビジネス編(企業向け・業務用)に分類されている。
<編集>
電話帳の編集は顧客志向で職業・商品などの見出し語が多く、しかも、辞書の様に利用者の頭に浮かんだそのままの言葉で索引できるので、非常に利用しやすい。また、銀行や法律事務所、錠前屋、運送業、レストランなど家庭生活上・企業活動上、共に必要と思われる業種は両辺に重複掲載し利用者の便を図っている。また、見出し語としては、一つであっても該当ページで地域別、営業内容別に細分化し、広告と見出し語をうまく組み合わせた構成を行っている。
<メディアとしての電話帳>
日本の電話帳と比べ、アメリカの電話帳は広告が主体といってもよい。特に個々の広告のコピーが要領よく的を得ており、さらに全体のレイアウトが巧みになされている。また、アメリカの電話帳は①盛り込まれている情報が読者に何らかの便益性を与えるものである。②読者が有料でも買おうという気を起こさせるもの。③他にはない独特の情報が盛り込まれているもの。などの「情報誌などの出版物」の条件をみたしている。さらに電話帳の中には買い物を効果的に楽しむためにクーポン券などが付けられているものもある。
<電話帳のPR活動>
企業を良く知ってもらうため社名を覚えやすいものにしたり、日々の企業の行動、思想、ビジョンのもとに展開される経営戦略そのものをCI(Corporate Identity)といい、現代は「CIで企業の成否は決まる」とまで言われている。アメリカの電話帳はCIにおいても完璧で、いたるところで利用者とのコミニケーションがなされており、利用者にその存在意義をPRし、クリエートしている。アメリカのイエローページは人間が生きていくために必要なあらゆる情報がつめこまれており、企業にとってはPR活動やマーケティングになくてはならない情報源である。また日常生活の食料品の購入や病気や怪我、火事などの非常時や道に迷ったり、財布をなくした時などや旅行者の観光ガイドとして非常に役に立つ情報源である。

スイスの電話帳

スイスの電話帳-電話帳WIKI

フランス、イタリア、ドイツに囲まれた国、スイスは地域によって使われる言葉が違う。北部から中部一帯のほとんどの地域で国民の約65%がドイツ語。西部がフランス語で約10%、国境を接する南部の州で約10%がイタリア語、約1%がレト・ロマン語を使う。発行される電話帳もそれぞれの地域にあわせて異なった言語で編集されるようになった。スイス全土で10冊に分類される。言語は違うが、電話帳の作りは同じようなもので、発行会長の挨拶、電話帳分冊方法の説明、編集方法や索引の引き方、公共機関の番号案内一覧などは共通している。また、市外の観光案内や、劇場、コンサートホールなどの地図が座席表つきで紹介されている。国際都市ならではの、内容となっている。

イギリスの電話帳

イギリスの電話帳-電話帳WIKI

イギリスで電話サービスが始まったのは1878年。最初に電話帳が作られたのは、2年後の1880年。掲載された件数は248件だった。当時はオペレーターに呼び出してもらうだけなので、電話番号は載っていない。昔の電話帳からは、「愛の挨拶」や「威風堂々」で有名な作曲家のエルガーや、ミュージカル「キャッツ」の原作を書いたT・S・エリオットなど有名人の名前も出てくる。ちなみにエリオットの電話番号は、「パディントン8630」。

ハワイの電話帳

ハワイの電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>
表紙・裏表紙の絵は池に咲く睡蓮と緋鯉の群れや、色とりどりのランの花などが描かれて(MAUI,MOLOKAI,AND LANAI JUNE1994~1995)南国らしく鮮やかで美しい。規格はほとんどが正方形の変形A4版。内容はALOHA PAGESとして艶のある上質紙に観光地や名所旧跡などがガイドされている。次に島単位でホワイトページが全体の約三分の一とイエローページになっている。また、ハワイのオアフ島の電話帳はホワイトページとイエローページが分冊されており、ホワイトページだけでこのマウイ島などのものと同じ厚さの3cm、イエローページの厚さが約5cmある。第1表紙の他、第2表紙は緊急・非常の電話番号情報が、また第3表紙には電話帳の索引の仕方とパーソナルナンバーとして抜書帳となっている。観光地や各地イベント、ショッピング、ゴルフ場やフラの踊りなどカラーグラビアで40ページ、絵や写真、地図で美しい読み物になっており、最後はカラフルな12枚のオアフ全土を初め区分地図が付いている。本文の前の見出し語ではABCからZが鮮やかな朱色で書かれており、四欄構成で、小口の部分に約1cmの幅で縁取りされている。本文は2色刷りやブルーやグリーンをつかった広告が多い。職業などの見出し語の表示方法は、特定の職業(医者やレストランなど)ページの最上部に4cm幅の枠を設け、GUIDE to Physiciants& Surgeons,M..D.などとし、その職業にマッチしたイラストもあしらっている。1ページ広告の場合には、必ず内側に4cm位の一般掲載名の枠を設け、見開き2ページの場合左右に広告を配し、中央に各ページ4cmの一般掲載部分をとるようにしている。巻末に数ページにわたって電話広告のPRなどがサンプル広告入りで掲載されている。

グアムの電話帳

グアムの電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>
グアムの電話帳は縦が横より2・2cm短い変形A4版で厚さが約2cmので極めて扱いやすい。表紙はオレンジ色の地で中央に電話機の回転ダイヤル部分が大きく銀色でデザインされ、中央部にグアム全島が白抜きで描かれている。ダイヤルの各数字の周囲にいろいろの職業がイラストでシンプルに表示されている。またそのデザインには海、ヨット、太陽、ヤシの木、などが南国の情緒豊かに描かれている。本文に先立ち、緊急・非常の場合の通話方法、サバイバルガイドとして骨折した時、毒を飲んだ時など幅広いケースにおいて応急処置の仕方などをイラスト入りで詳しく数ページにわたって説明しているほか、各種の電話の利活用案内などもされている。業種分類表があり、イエローページ本文はほとんどショッピングガイドの三欄構成で広告も白黒であるが非常に多い。最後のページにはよくかける電話番号の抜書表が二ページついている。

シンガポールの電話帳

シンガポールの電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>
1985年版のシンガポールの電話帳は厚さが6cmのもの二冊からなり、最初の一冊が全て人名別で二冊目は前半分が人名別、後半がバイイングガイドとしてイエローページになっている。ニュールックホーンブックと銘打った英語版4冊、中国版1冊があり、英語版はレジデンシャルリスティング(住宅用電話一覧表)、ビジネスリスティング(企業一覧表)バイイングガイド(買い物案内)、コマーシャルインダストリアルガイドと分かれており、地下鉄ホームを忙しく歩きまわっているビジネスマンや、美しいホテル街の夜景が表紙になっている。他民族の共和国であるシンガポールは中国人が半数以上を占めているせいかチャイニーズホーンブックが特別に作られており、ホワイトページとイエローページが分厚く1冊にまとめられている。また、すばやく引くためのインデックスなどもあり、住所録として、バイイングガイドとして商業上・生活上・観光上不可欠な情報源であることがうかがえる。

タイの電話帳

タイの電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>タイの電話帳はホワイトページとイエローページが1冊になっており、規格はアメリカのそれより少し大きめ(22・3cm×30・3cm)で厚さはバンコクのもので5cm強もある。最も収録数の多い版だそうで、目次から利用案内などは全て英語で編集されている。また、英語版の他にタイ語で編集されたものもあり、電話帳のことを「電話を使う人の名前のリストの本」という。これは約3cmの厚さでそれ以外の表紙のデザインなどは文字がタイ語である意外は、英語版と同じであるが、変わっているのが電話帳という文字のすぐ下に4桁の数字と「年中期版」とある。タイでは、年号はすべて仏暦で表示される。第2表紙には、緊急、非常の電話番号および長距離通話の申し込み先、時報、天気予報、電話機の障害時の連絡先などのテレホンサービス・さらにその他の生活上の有益な電話番号として、水道局、バスターミナル、エアポート、鉄道、郵便局、電話狂句の電話番号情報が記載されている。タイの電話は国営でタイ電話公社が経営している。また、第3表紙には長距離移動電話のエリアコード一覧表が記載されている。

インドネシアの電話帳

インドネシアの電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>インドネシアの1988年のジャカルタの電話帳は表紙・裏表紙とも漆黒の地色に文字が黄色あるいは濃いブルーとカラフルである。本文最初の10ページには各種の案内が紙面の色を変えて(例えば、〒コード表はイエロー、各種の電話番号案内表はオレンジなど。)目次はインドネシア語に英語が対比されて2欄構成となっており、数ページにわたるインドネシア語と英語による電話帳の利用方法が詳しく説明されている。本文は4欄構成、広告は朱色を多様した2色刷り広告がある。

台湾の電話帳

台湾の電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>
台湾の電話帳は表紙にその国が誇りとする名所旧跡などの美しい写真や絵で飾られたものが多い。大きさは日本のものより横幅が少し大きめのほぼ正方形である。厚さは4・5cmと少々厚めである。その下にその下に黒字で中華民国と電話帳の発行年度と分類部と記載されている。第2表紙と次の2~3ページはゼネラルや国秦通信有限公司などの電話機メーカーの1頁広告が赤と黒の2色刷り広告で並んでおり、次いで朱色の活字で「救急電話」「服務電話」などの目次の後、ピンク色の紙に盗警、火警、救急、水電、生命線、などの救急電話の一覧表がある。服務電話として長途電話、国際電話、市内電話、国内電話、国際電信などの一覧表が並べられている。また、白黒ではあるが広告が多く、各ページとも二分の一が広告である。難しい漢字が使われており、4欄構成で紙の地色は白に近いイエローページとなっている。バイヤーズガイドの1ページには電話帳広告の重要性、、索引方法、ついで業種別索引表、郵便番号表が掲載されている。

香港の電話帳

香港の電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>
薄茶色の表紙に大きくクラシファド(職業分類別)と英語の濃い黄文字で書かれているのが香港のイエローページである。表紙には各種商品(商品名)が並んでいる。香港の電話帳は2年に1回発行されており、「商業電話簿」と「黄頁分類電話簿」がある。本文の内容は全て漢字で記載され、職業分類は「黄頁中文目録」として職業名が字画数別に、字数の少ないものから多い順に配列され、英語と漢字との対照表も掲載されていた。商業電話簿は初めにブルーページで約60ページにわたって各種利用案内があり、索引表はこれも画数別に編集されていた。最初のページに大きく緊急服務「九九九」とあり、その下に消防などの緊急連絡、また、香港電話有限公司や消費者委員会、時間及気温報告、などが特別に記載されている。表紙の裏はすべて国際通話についての広告になっている。

韓国の電話帳

韓国の電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>
韓国では50音別のことをインメョンブーといい、職業別をシゴッペョルという。インメョンブー電話帳は2年に1回、シゴッペョル電話帳は1年に1回発行されている。電話帳の規格は日本のそれと同じであり、厚さはソウル版が約4cmで最も分厚く斎州道版が0.8cmで1番薄い。表紙はグレーがかった黄色に上の方に韓国版で職業編、電話番号簿と書かれ、下部には左端に広告があり、その右側に発行年月日と電気通信公社ソウル支局とそのCIマークが記載されている。本文掲載名の配列は1ページ5欄構成で、活字は5ポイント大、1ページ約600件掲載されている。掲載されている電話番号情報のうち、活字を大きくすれば広告の効果が薄れるという理由から、電話番号のみ太字になっている。なお、電話帳の発行者は企画・編集をはじめ電話帳の出版に関する業務はすべて電気通信公社関連の財団法人逓成会が行っている。内容は白と黒の2色刷りがほとんどで、朱色を採用してある広告もあるが数えるほどしかない。面白いのは各ページの左右欄外の下の方に、縦に記載してある広告があり、これがほとんど朱色が使われている。また、全ての電話帳の背表紙下部に同じ会社(金星社)の広告が提出されている。

インドの電話帳

インドの電話帳-電話帳WIKI

<外観と内容>
横19.6cm、縦27.8cm2冊でワンセットになっているのがインドの電話帳である。首都ニューデリーの電話帳の厚さはA~Nの上巻が4.6cm、下巻が4.0cmのO~Zとなっている。表紙には国会議事堂の写真が掲載されている。内容はまず目次があり、次にこの電話帳の収録エリアとネットワーク図が1ページ、電話帳の引き方などの案内情報が10数ページにわたって掲載されている。上巻はすべてアルファベット順の人名別で3欄構成白黒のページになっている。特徴は、ほとんどのページの下部約3cmの幅で広告が掲載されていることである。写真や絵・イラスト入りであるがカラーではない。上下巻とも表紙の絵をはじめ装丁などは、まったく同じであり、表紙の上の方に小さくこの電話帳の収録内容を示すO~Z、そしてガバメントとイエローページという文字が記載されているのが唯一の区別である。本文に入る前の目次には、①インフォメーションページ②アルファベットページ③番号変更リスト④公的電話⑤ファックス番号⑥ガバメントページ(ブルー)⑦イエローページ、となる。電話番号は、2桁~3桁および4桁の計6ないし7桁で構成されている。