ガイドto「ワールドofグレイホーク、CY591」

Last-modified: 2022-05-25 (水) 19:04:41

このページはD&D5版でワールドofグレイホークを舞台にして遊ぶためのガイドです。

ワールドofグレイホークはD&Dの古くからあるゲーム舞台の一つです。オアースという世界のフラネス大陸の東側、自由都市グレイホークを中心としていることから、この名で呼ばれています。
 ゲームの作者、ゲイリー・ガイギャックスらが実際にゲームで遊びながら形作られた世界であり、ファンタジーRPGの冒険の舞台としてわかりやすい世界観を持っています。この世界を舞台に作られた設定やキャラクター、多くのプレイヤーが遊んだ結果は、版を重ねた現在もD&Dの様々なところに顔をのぞかせています。

 

【ワールドofグレイホークの世界地図】
この世界の様々な地域について説明します。これはグレイホーク世界の共通歴(CY) 591年時の様子です。
WofGH591_Map2.jpg

 
  • 自由都市グレイホーク:“フラネスの宝石”と呼ばれる最大の都市国家で、この世界の呼び名にもなっています。かつては小さな村でしたが交易で成長し、そして“狂大魔道士”ザギグ・イラジャーン市長の時代に数々の改革と意味不明な発明により強力な都市国家となりました。この都市の地下にはグレイホーク城の廃墟がダンジョンとして存在し、いまだに多くの財宝が眠っています。
     
  • アイウーズ帝国:邪悪な半神“悪しきもの”アイウーズを王とする悪の帝国です。無数の魔族を従えて侵略を繰り返しています。この世界における脅威の双璧の一つであり、戦記的な側面を持つ冒険で最大の敵となります。帝国には多くの邪悪が存在し、あるいは同盟を結んでいます。
    • “悪しきもの”、“老いたもの”、“苦痛の王”アイウーズ:帝国の王座に就く苦痛と欺瞞、抑圧、悪を司る半神です。デーモン・プリンスのグラズドと魔女王イグウィルヴの子で、邪悪な探索行の末に神位を得ました。彼は半神ですが、他の多くの神々と異なり本体がグレイホーク世界に存在しており、強い影響を発揮します。
    • ボーン・ハートとボーン・シャドウ:帝国の各地に地域支配者として派遣されるボーン・ハートと、秘密工作員として派遣されるボーン・シャドウは帝国の活動の中心を担っています。
    • “魔女王”イグウィルヴ:デーモン研究書“デモノミコン”の著者として知られる邪悪な女魔術師です。彼女とグラズドは愛憎のもつれた同盟関係を持ちます。モルデンカイネンやザギグのかつての仲間であり、帝国に関係したこと以外でも独自に活動します。
    • “暗黒のプリンス”グラズド:奈落で3つの階層を支配するデーモン・プリンスです。漆黒の肌と獣の蹄、6本指を持つ剣士の姿をしています。その欺きの力を用いて様々な陰謀を巡らします。
    • “キノコの女王”、“腐敗の貴婦人”ザグドモイ:奈落222層の支配権を“ウーズの王”ジュイブレクスと争うデーモン・プリンスで、アイウーズの伴侶です。偽装カルトを作ることを得意とし、身近な寺院がザグトモイに浸食されていることさえあります。
    • モラグ:帝国の南端に位置する廃墟で、かつては有角団(後述)の拠点がありました。帝国の侵攻を受けて滅びましたが、残党は周辺に潜伏しています。
       
  • 山賊王国:かつては山賊たちが群雄割拠する戦乱の地でしたが、現在はアイウーズ帝国の支配下にあります。山賊王たちはアイウーズに恭順したものもいれば、渓谷に隠れて反乱の機を伺うもの達もいます。この地には伝説に知られる数々の危険地域がひしめいています。
    • ペッシュの野:黎明の時代に“混沌の女王”率いる奈落の軍勢と、“アーカの風の侯爵”ら率いる秩序の軍勢の決戦の地です。戦いでは当時のプリンスofデーモンズ“狼蜘蛛の”ミスカらデーモンの大軍に秘宝“ロッドofセヴン・パーツ”が使用されました。平原の周囲に危険な地域が多いのはこの戦いの後遺症かもしれません。
    • 白羽山(ホワイト・プルーム・マウンテン):最大の活火山として知られる危険な山です。山には怪物が住み、内部に洞窟が伸びています。初期の同名シナリオの舞台として有名です。また、この山の近くに凶悪な死霊ドラゴンであるドラゴサが巣を構えており、周辺の危険さを悪化させています。
    • リフト峡谷:長さ300[km]、幅[50km]に渡る巨大な峡谷です。山賊達の一部が峡谷に逃げ込んで抵抗を続けていますが、峡谷に棲む凶悪な怪物に阻まれアイウーズ帝国も掃討できずにいます。。峡谷の深部には古フラン人の都市ヴェラロスが眠っていたという噂があります。
    • ワームホール:この地に古くからある廃城から無数の奇妙な蟲が湧き、周囲を埋め尽くしています。かつて有角団の、そしてアイウーズ帝国の侵攻を受けましたが。支配されずに放置されています。この地の主が誰なのか不明ですが、“歩く妖蛆(ワーム・ザット・ウォーク)”キュス(D&D5版ではカイウス)の噂は常に付きまといます。
       
  • ウルンスト伯国:湖に面した豊かな小国です。CY189年に発生した災害から起こった反乱の結果、現住エアディ部族と融合してウルンスト公国から分離しました。一時期、ニロンドに占領されたものの、ウルンスト公国を介した取引によって支配を脱し、独立を取り戻しています。領主のベリシカ女伯爵は、政治家として長い実績で領民のみならず敵対的な周辺国にさえ敬意を払われています。
     天然の要害の守りと巧みな外交政策により、これまで大きな損害を避けてきました。しかし山賊王国がアイウーズ帝国に組み込まれたことで危険と直面しています。また、周辺国からの難民がシュトラディカストに集まってきており、抗争の原因になりかねないと懸念されています。
     
  • ウルンスト公国:極めて誇り高く高慢なスエル人たちの国です。この国の指導者は長きにわたって他国の侵略を退けた一方で、長い陰謀と勢力争いの歴史を持ちます。広大なデラゴス洞窟のそばに、ムーア城と呼ばれる古城があり、太古の知識が隠されています。そこには古代スエルの秘法や、太古の魔女エルーヴィア、“サキュバス女王”マルカンテトの影響が噂されています。隣国のブライト砂漠の支配者たちがこの城を狙っていることを懸念されています。
     
  • ニロンド:古く豊かな国として知られていましたが、先代アークボルト国王の失政とアーリッサの侵攻、王位簒奪未遂などを通じて荒廃しました。現リンワード王は傷ついた国を建てなおすべく努めていますがテロ事件がいまだ起きるなど、難航しています。
     
  • アーリッサ連合王国:かつて大きな版図を誇った“大王国(グレート・キングダム)”の中心、“孔雀石の玉座”を擁する国です。大王国の初代王が初めて冠をかぶった時から共通歴(C.Y.)1年とされています。
    先代のアイヴィッド5世は大軍を組織して周辺国を侵略しました。大王は最終的に劣勢に追い込まれ、首都にいて包囲軍ごと魔法障壁で閉ざされて失われました。代わって位についたザヴナー大王は遷都し、精力的に様々な政策を打ち出しています。しかし、アーリッサに含まれる諸国の不満と不信感、政情不安は極限に達しています。いつそれが爆発してもおかしくありません。
     
  • サンディ:かつて連合王国の一部としてアーリッサに支配されていましたが、北西のルー森のエルフ、北東の光輪山脈のドワーフと協力した解放戦の末に独立しました。近年にアイヴィッド5世による侵攻を受け大きな被害を受けましたが、これもかろうじて退けました。サンディは建国して2年の若い国で、エルフの“南方の守護者”ヘイゼンデル1世のもとに結束していますが、周辺を敵対的な国に囲まれています。アーリッサはかつての領地の放棄を認めておらず、緋色団のスパイが入り込み、南の大湿原(ヴァスト・スワンプ)ではワストリ信仰のカエル人間のカルトが勢力を強めています。大湿原のどこかには悪名高いダンジョン“恐怖の墓所”があったといわれています。
     
  • 緋色団秘帝国:赤いローブを着たモンクに支配された神秘的な国です。熱帯雨林に包まれたティルヴァノット半島を中心として、西方のオマーン諸島(オルマン諸島)などの周囲の諸島地域を勢力圏としています。他国は立ち入れないため、内情は不明です。緋色団は強力な海軍を持ち、各国の港に派遣しています。その軍隊には南方の野蛮人の戦士やオークやゴブリンなどの種族が混じっています。彼らは東方の諸島連合や西方の青空海の海洋公や海賊王たちと敵対しています。西方のオルマン諸島はマヤ・アステカ風の文化を持っており、シナリオ「タモアチャンの秘密の神殿」の舞台になっています。
     
  • ブライト砂漠:蛮族と怪物たちが棲む非文明的なと思われていた地ですが、“裏切り者”レアリーロビラー卿が拠点としたことで、周囲を脅威にさらす国に一変しました。彼らはここで様々な遺跡を探し出し、戦力を増大させつつあります。
     
  • 新シールド・ランド:高潔な騎士の国ですが、数々の苦難に見舞われ続けています。現在は戦乱で多くのメンバーを失った聖盾騎士団(ナイトof the ホーリィ・シールディング)の補強に努めています。
    • 危険な秘宝、ハンド&アイofヴェクナの所有者が現れ、その魔力で国を支配しかけられました。
    • 山賊王と有角団の連合に侵攻され、国を荒廃させられました。
    • アイウーズ帝国から侵攻を受け、国土の殆どを失いました。
    • ファーヨンディの支援を受け、一部の国土を取り戻しました。そこで活躍したカタリーナ卿が現在の領主です。
       
  • オーク帝国ポマージ:オークの絶対君主タロッシュ陛下が支配するオークの帝国です。東南部の岩がちなドラッヘングラープ丘陵と西部の暗いサス森で、古くから多くの怪物が住む危険な地として知られています。かつてはキーオランドの一部でしたが、CY500年頃に発生した“憎悪戦争”の結果、オークとゴブリンの軍勢がなだれ込んで無法地帯となりました。以降、様々な部族と怪物が互いに争いあう地でしたが、タロッシュが統合して国としてまとめ上げました。主要な産業は鉱石と奴隷売買であり、多くの奴隷船が港をにぎわせています。この新たな国を脅威として周囲の国々は多大な警戒を払っています。シナリオ「秘密の工房」はドラッヘングラープ丘陵の廃墟が舞台です。
     
  • 妖精王国セレネ:妖精女王ヨランデが統治するフェイの国です。西の山に住むノームたちと同盟を組んでポマージと対立していますが、人間の国家からは孤立しています。女王は近年ますます孤立する政策を進めており、国内から不安視する声が出ています。
    • ルナ騎士団:正規の騎士団ではなく、国の孤立主義に異を唱える人々からなる義勇騎士団です。リーダーはメルフ・ブライトフレイム王子。メンバーは探索行に遠くの地へも向かいます。
       
  • シェルドマー峡谷:多くの山脈に囲まれた雄大な峡谷です。バクルーニー人との破壊魔法の打ち合いの末、秘法“色無き炎の雨”によって故郷を失った古代スエル人の生き残りのうち“最後の力魔道士”スレロティンに率いられた20の氏族が初めてたどり着いたフラネス東部がこの地域でした。以降、彼らは現住のフラン人との抗争をしつつ、後から移住してきた人種と共にこの地に定住しました。キーオランドが中心となり周辺への侵攻を行いましたが、領土拡張政策が限界に来たためいくつかの国に分裂しました。彼らは時々の情勢に応じて協力することもあれば牽制や侵攻をすることもあります。
    • キーオランド:渓谷の中央から南東を占める最大の国です。拡張政策から急激に内向的な政策に転じために孤立し、ポマージの台頭を許すなどの危機にさらされています。首都のニオル・ドラの南の“沈黙の塔”“キーオランドの物言わぬものたち(サイレント・ワンofキーオランド)”と呼ばれる神秘的な魔術師たちの拠点です。彼らは古代スエル帝国の秘法や秘密を守るために活動しているといわれています。
    • ビセル:渓谷の最北に位置しており、他の地域とつながる交通の要所です。それ故にアイウーズやその他の勢力からの攻撃を受ける機会が多いものの周辺国やドワーフらの協力を得て克服してきました。しかし、CY580年にエヴァードの弟子である死人使いニダルによる反乱、および北方のケトの侵攻を受けて首都を失いました。この地の行く末を巡り周辺国は権謀を張りめぐらせています。シナリオ「地底の城塞」はこの国の北西、ソーンウォード付近の丘陵地帯が舞台になっています。
    • グランマーチ:渓谷の北東に位置する国民皆兵の軍事国家です。かつてこの地に生前のヴェクナが築いた帝国があり、それが滅んだ後に設立された辺境騎士団が元になっています。グランマーチには渓谷全土で活動する“監視騎士団(ナイトofザ・ウォッチ)”の本拠地が存在ます。この騎士団は団員以外に秘密の独自の戒律に従って行動します。また偵察を主任務とする派遣騎士団を分団として持ちます。
    • ウレク三国:渓谷の東に位置しており、エルフの統治するウレク英公国、ドワーフの統治するウレク公国、人間の統治するウレク伯国が協力してそれぞれの国を運営しています。これらの国々は人間以外の多くの種族が暮らしています。ポマージの台頭により最も危険にさらされたのが最も南にあるウレク公国であり、彼らはその防衛に苦慮しています。
    • ヨウマンリー連盟:渓谷の南西に位置するこの国は、スエル帝国からの移民が最も初期に移住した地です。現住フラン人と平和裏に同化していた彼らは、CY-300年にスエル帝国の復活を目論むアスバーディーズ卿に支配されたもののこれを追放しています。以来、キーオランドと協力関係しつつ自治を通しています。近年、南西の古代スエル帝国跡の塵海を繋ぐ“スレロティンの抜け道”が発見されました。
    • ステリッチ:渓谷の西に位置するこの国はキーオランドの属国として建国されましたが後に自治を得ました。CY584年に山岳やってきた巨人の集団が国を蹂躙し、国民は周辺国に避難しました。周辺国から奪還軍が編成されCY586年に全土を奪還することに成功しましたが、首都では夜に怪奇現象が発生するようになりました。領主クワーチャード侯爵は闇に消え、夫人のエモンダウ女侯爵が代理しています。D&D3.5版時代の名シナリオ「赤い手は滅びの徴」のグレイホークにあてはめる舞台として、このステリッチがお勧めされていました。
       
  • ヴェルナ:平和の神ラオを国教とする宗教国家です。隣国のファーヨンディと協力して大きな悪と戦ってきました。その際には“クルークofラオ(ラオの曲杖)”と呼ばれる秘宝が大きな力を発揮しました。
    • 雄鹿騎士団(ナイトofハート)・ヴェルナ分団:地域の統治に合わせて3つに分かれた雄鹿騎士団の一つです。雄鹿騎士団は辺境地の防衛を担うことが多く、ファイターだけでなく多くのレンジャーも所属しています。ヴェルナ分団にはクレリックも所属しています。
    • 元素邪霊の寺院:ヴェルナ内のヴェルバボンク自治領に存在する廃墟です。破壊神タリズダン信者らが潜む拠点であり、世界全体の脅威です。この寺院を舞台にした長編シナリオが存在します。
       
  • ファーヨンディ王国:パラディンである老王ベルヴァー4世が治める広大で豊か、その善意で知られる国です。数年前、アイウーズ帝国の侵攻を受け、領土を含む大きな損害を受けました。同盟国と共に戦い、領地から駆逐しましたが、その戦禍はかつての占領地に色濃く残っています。
    • 雄鹿騎士団・ファーヨンディ分団:この分団は帝国との戦いで多くの戦死者をだし、質を下げずに人員を補充するのに苦労しています。この分団には多くのパラディンが所属しています。
    • クロックポートの町:この町はアイウーズ侵攻の際に陥落し、その後2年にわたってアイウーズの前線基地が築かれていました。ファーヨンディの聖戦によって解放されましたが、その狂乱に満ちた戦について兵士たちは口をつぐんでいます。現在の領主はカレンストリン女男爵が治めていますが、アイウーズ国境の防衛に留守がちです。
       
  • ヴェスヴィエ森林:この森には古くからエルフたちが住んでおり、現在は人間の開拓者たちも暮らしています。森辺縁エルフ部族は人間と友好的ですが、奥地のシルヴァン・エルフは敵対的です。ハイフォーク町や周辺国の街道にはハーフリングの経営する宿屋が点在してのんびりした雰囲気ですが、危機が迫ると一変し全員が武器を取って戦いの準備をし、強力な森林部隊やスリング部隊などを編成します。アイウーズ帝国とこの地域の国境は明確でなく、頻繁におこる小規模な戦闘が緊張を高まっています。
    • 雄鹿騎士団・高森(ハイ・フォーク)分団:エルフやハーフエルフを中心に構成されているこの騎士団はこの地域の希望の象徴であり、英雄です。
       
  • ペレンランド:西のヤティル山脈と北東のクアグ湖に囲まれた山岳民族からなる国です。ヴーアマンと呼ばれる8年任期の指導者が国内のそれぞれの部族長を指導しています。彼らは北方の遊牧民や南のケトとは幾度となく戦いを繰り返しています。CY480年に魔女イグウィルヴがヤティル山脈の“失われた洞窟”から軍を起こしてこの国を支配しました。“ペレンランドの魔女王”はペレンランドの民を率いて周辺国に多大な損害を与えましたがある時、突然に姿を消し、この隙にペレンランドの民は国を取り戻すことに成功しました。アイウーズ帝国が周辺国に対し侵攻を開始したとき、当時のヴーアマンは帝国に傭兵部隊を提供することで戦乱を避けたのですが、魔女王の爪痕に未だ苦しむペレンランド国民はそのことに大いに怒り、彼を解任しました。現在のヴーアマンであるカレニンにこの後始末は難しく、次のヴーアマン選挙まで混乱は収まりそうにありません。
     
  • ブラックムーア:この辺境の地について知られていることは多くありません。沼地には奇妙な生き物が生息し、様々な種族の族長や謎のカルト教団がそれぞれに周辺地を支配しています。この地のいたるところにある塚や環状列石から“オアース魔法”と呼ばれる謎の魔法が渦巻いています。それは、この地にあるといわれる“神々の都”と関係があるのかもしれません。かつて、一応はこの地を治めていたブラックムーア城とその城下町は、現在はオーク王“エッグofクート”とその配下、そして自動人形の群れが徘徊する廃墟と化しています。
     

それぞれの地域について、より具体的な情報が欲しいときなど、地域地図付きで紹介しておられるサイトなどもあります。
たとえば「Dead Poet Weblog」さんの「Greyhawk Walker's Guide 」。

 

ワールドofグレイホークはフラネスの外、天使や悪魔の住む異界にも繋がっています。それらの異界を含むワールドofグレイホークの宇宙観については別にページを設けました。
 ワールドofグレイホークの宇宙観『大いなる転輪』

 
 

【ワールドofグレイホークの人々と悪役たち】
有名な人物と悪役のうちには、特定地域を拠点としていない勢力が存在します。これらのなかには一見、拠点あるかのように見える勢力もありますが、かりそめのものです。彼らとは出会う可能性はどこにでもあり、拠点を破壊しても活動に大きな影響はありません。

 
  • 魔術師モルデンカイネン:禿頭で髭を生やした強力なウィザードです。彼は世界を破滅から遠ざけるため、「八者の円」のメンバーを率いて暗躍しています。邪悪に脅かされている現在のグレイホークでは頼りになる人物ですが、彼が重視しているのは力の均衡です。善の勢力が悪を打ち倒そうとするその時に、彼が味方であるとは限りません。その開発呪文は彼の人間不信とウィザード至上主義を体現したかのように、人手を借りずに身を守り、安全に身を隠し、敵魔術師を破滅させる呪文が揃っています。
     
  • 八者の円(サークルofエイト):モルデンカイネンによって創設されたウィザード結社で、世界の力の均衡を目標としています(彼自身はメンバーではありません)。かつてレアリーもその一人であり、その裏切りによってメンバーが殺害されて入れ替わりました。現在はメンバーを更新して活動しています。メンバー(元を含む)として以下の人物がいます。
    • “大魔道士”ビグビー:モルデンカイネンのかつての弟子です。手に拘り、30以上の手を象った呪文を作成しました。
    • オットー:ボカブの司祭でもあります。料理好きで賑やかな人物です。多数の騒々しい呪文を発明したことで悪名高いです。
    • ジャラージ・サラヴァラン:陽気で社交的な女性で、八者の円の窓口です。
    • “隠遁者”ドローミジ:老いた長身の魔術師です。時間の研究者である彼の作成した呪文は物を取り寄せて変質させるものです。
    • “追放者”ニストゥル:故郷テンを追われた魔術師です。光を操り、何かを隠蔽する呪文を作成しました。
    • オティルーク:故人。球形のものを偏愛し、球形の魔法の場を張る呪文を多く作成しました。
    • テンサー:離脱。青い服を身につけた正義の魔術師です。力場を操作する呪文と肉体強化の呪文を多く開発しました。
    • “裏切り者”レアリー:裏切って離脱。彼の開発したのは精神を捜査し、連携を助ける呪文です。
    • ウルンスト出身のウォーンズ・スターコート、ゼイフ出身のアルハマザード・ワイズ、エルフの魔術師セオダイン・エリアソン:入れ替わり後の新メンバーです。
       
  • 大王国防衛騎士団(ナイト・プロテクターof theグレート・キングダム):かつて大王国で卓越した名誉を得ていた強力な騎士団で、善神ハイローニアスと邪神ヘクストアを奉じるメンバーがそれぞれ存在していました。CY203に“プリンスofデーモンズ”デモゴルゴンによって聖騎士カーゴス卿が堕落し、13人の配下と共にデスナイトと化したことで騎士団は失墜しました。今では各地に散った20人ほどのメンバーが残るのみで、それぞれ身を隠すかあるいはかつての栄光を取り戻すべく活動しています。
     
  • 古教義(オールド・フェイス):ドルイドたちからなる古い集団です。主にドルイドの慣習に従って活動し、地母神ベイオリーに敬意を払います。失われた古代の闇の伝承も受け継いでおり、ときにはウル・フランと協力することもあります。彼らは森の奥に潜んでいますが、上位ドルイドの指示で外に探索に向かうこともあります。
    彼らの分派としてバードからなる古伝承(オールド・ロア)というグループも存在します。
     
  • 緋色団(スカーレット・ブラザーフッド):赤いローブを着たモンクからなる神秘的な集団です。各国にスパイを潜り込ませ、陰謀を張りめぐらせていますが、その目的は謎めいています。本拠地を持っていますが、本質は無国籍なスパイ組織にあります。
     
  • ウル・フラン:大陸に最も古くから居住するフラン人に伝わる死霊術の流派として恐れられています。邪悪でない者もおり、互いを信用していないことから、組織としてのまとまりはありませんが、一時的な協力関係を結んで災害を引き起こすことがあります。この流派は下記の悪名高い死霊術師を輩出しています。
    • ケラプティス:白羽山に潜む死霊術師で「パイロノミコン」著者。所持している多数の秘宝の研究から災害を引き起こします。
    • “黒の”エヴァード:情報屋として多くの人物と繋がりを持つ死霊術師で、かつてはモルデンカイネンの仲間でした。いくつもの触手を呼び出す呪文を開発しました。
    • ヴェクナ:秘密と不具の神に昇神したリッチです。悪の秘宝である目と手は様々な災害を引き起こしています。
    • アサーラック:“恐怖の墓所”の主であるリッチです。様々な次元界に拠点を築き、陰謀を推し進めています。
       
  • カンパニーofセヴン:かつてオアース全土にまたがって活躍していた冒険者の一団です。CY318に古フラン人の都市ヴェラロスを発見し、多くの秘宝をもたらしました。その後に彼らは袂を別ちましたが、その理由は分かりません。彼らはモルデンカイネンと協力することもありました。
    • “狂大魔道士”ザギグ・イラジャーン:かってグレイホーク市長でもあった狂気の魔術師です。秘術“ザギグズ・トラップ”によって9柱の神格をグレーホーク地下に捕えることで魔術と狂気、ジョークを司る神格となりました。
    • “何でも屋の”キオートム:狩猟から錬金術、伝承知識に至るまでのすべてをこなす何でも屋です。
    • “白の聖騎士”マーリンド:ハイローニアスに仕える聖騎士で、得意武器は二丁拳銃。
    • ノルザーズ:盗賊出身で、強力な欺きの魔術を使う幻術師です。
    • クアアル:フラン人のレンジャーで便利な魔法を見つけ出し、様々な乗騎を乗りこなしました。
    • ヒューワード:強力な呪文と素晴らしい歌の両方を使いこなすバードです。
    • ターシャ:長老魔女バーバヤーガの養女で、ザギグの弟子。ブラックな笑いのセンスを持つ若い女魔術師です。ザギグの書いた“ブックofジックス”を盗んで姿をくらましました。その後に別の名でグレイホーク世界に再び現れるようになります。
       
  • 試練の民:女神セイハーニンの導きで“月の門”をくぐったエルフの神秘主義者たちです。別世界で体験した記憶で結びつけられた彼らは忘れられた魔法や古代帝国、その破滅について深い知識を持ち、それを慎重に守ります。クレリックや予言者、詩人や学者あるいは浮浪者として社会の様々ところに潜んでいます。彼らの真の目的は不明ですが、エルフに関わることの背後で密やか活動しており、思わぬところで関わってきます。
     
  • 有角団(ホーンド・ソサエティ):盗賊組織や悪の魔術師、邪神に仕える司祭からなる古い組織です。内部に様々な派閥があり、邪神ネルルの関与も疑われています。有角団は13人の“名状し難き祭司”に統率されているといわれています。かつて拠点がモラグにありましたが、アイウーズに滅ぼされて以来、潜伏して世界中に散らばりました。
     
  • 破壊神タリズダンと元素邪霊団:暗黒と狂気、破壊を司るタリズダンは起源のわからない古い邪神です。それが望むのは、ただ宇宙を消滅させること。1,000年以上前にすべての神々の協力によって捕えられて封じられています。
    その司祭は完全に発狂しており、タリズダンは封じられてさえ、彼らに力を与えています。タリズダンを奉じる元素邪霊団はヴェルナの元素邪霊寺院で強大化しましたが、各国の派遣軍との戦いに敗れて、各地に散りました。タリズダンとの戦いは、宇宙の存亡をかけた神話的な冒険となります。
     
     

【ワールドofグレイホークの神々】
 ワールドofグレイホークには多くの神々がいます。
 ときに争い、ときに協力しながらこの世界を導いています。
 神々の属性とD&D5版における領域の例、司るものを紹介します。
(それぞの神の特徴については、別にページを設けました。「グレイホーク世界の神々」

 

 多くの世界で一般的な神々の一覧

神の名前(司るもの)属性領域シンボル
ハイローニアス(正義と騎士の神)秩序にして善戦争稲妻
モラディン(ドワーフと鍛冶の神)秩序にして善知識、鍛冶$槌と金床
ヤンダーラ(ハーフリングの女神)秩序にして善生命穀物の描かれた盾
バハムート(善い竜の神)秩序にして善生命、戦争竜頭のシルエット
アローナ(森と狩の女神)中立にして善生命、自然一角獣の角
“きらめく黄金の”ガール(ノームの神)中立にして善欺き金塊
ペイロア(太陽と治癒の神)中立にして善光、生命太陽
コアロン・ラレシアン(エルフの神)混沌にして善三日月
コード(力の神)混沌にして善嵐、戦争中央から広がる4つの槍と棍棒
ウィージャス(死と魔術の女神)秩序にして中立死、知識火球の前の赤い髑髏
聖カスバート(法と応報の神)秩序にして中立知識放射線の中心に描かれた円
ボカブ(魔術の神)真なる中立知識五芒星の中の目
ファラングン(道と旅の神)真なる中立知識、欺き地平線に交差する円
オーバドハイ(自然の神)真なる中立自然樫の葉とドングリ
オリダマラ(酒と賭博、盗賊の神)混沌にして中立欺き笑う仮面
ダラー・ソーン(ヤンダーラの裏女神、秘神)混沌にして中立欺き*コインの描かれた黒い盾
ヘクストア(専制の神)秩序にして悪戦争下に向けられた6本の矢
ティアマット(悪い竜の神)秩序にして悪欺き5つの爪と竜の頭
カートゥマルク(コボルトと採鉱の神)秩序にして悪戦争ノームの髑髏
ネルル(死の神)中立にして悪鎌と髑髏
ヴェクナ(秘密の神)中立にして悪知識目を掌に載せた手
グルームシュ(片目のオーク神)混沌にして悪嵐、戦争まばたきしない眼
エリスヌル(虐殺の神)混沌にして悪戦争血の滴
ロルス(ドラウと蜘蛛の神)混沌にして悪欺き蜘蛛
 

グレイホーク特有の神々の一覧

神の名前(司るもの)属性領域シンボル
ラオ(平和と静穏の神)秩序にして善知識白いハート型
トライセリオン(自由と応報の神)混沌にして善トリスケリオン(三脚巴紋)
リーア(旅と芸術の女神)混沌にして善知識*絵本
ワストリ(カエルの神)秩序にして中立戦争*灰色のヒキガエル
ザン・ヤイ(影と忍びの女神)真なる中立欺き*黒蓮の花
ズオケン(精神とモンクの神)真なる中立知識*撃ちつける拳
イスタス(運命と予言の女神)真なる中立知識糸車と3本の糸
ベイオリー(大地の女神)真なる中立自然緑の円板
ザギグ(ジョークと魔術の半神)混沌にして中立欺き*狂気のルーン
パイレミアス(毒と火、殺人の神)中立にして悪戦争蝙蝠羽が生えたデーモン顔
インキャブロス(疫病の神)中立にして悪紅い宝石の中の緑の目
キュス(ウジ虫の半神)中立にして悪死*眼窩が蟲で満ちた頭蓋骨
ベルター(洞窟の女神)混沌にして悪欺き大きく開かれた牙の並ぶ口
アイウーズ(苦痛の半神)混沌にして悪にやつく人の髑髏
タリズダン(破壊と狂気の神、秘神)中立にして悪欺き黒い螺旋

($追加ルールで加わった領域)
(*印の領域はこのページで仮につけました)

 
 

【ワールドofグレイホークの暦】
グレイホーク世界の人々は季節と毎週の暦に基づいて生活しています。この世界では1年は336日。1週間は7日で、4週間で1か月となります。3か月に一度、季節の切れ目の第1週の7日間は祭りとなっています。

 

フラネスの1週間

曜日星曜日日曜日月曜日神曜日水曜日土曜日休息日
第1週1234567
第2週891011121314
第3週15161718192021
第4週22232425262728
仕事労働労働労働礼拝労働労働休息日
 

フラネスの12か月

 共通語(英語)エルフ語遊牧民季節祭り
1探火月(Fireseek)金剛月虎月貧困祭
2準備月(Readying)黄柳月熊月-
3残寒月(Coldeven)雪花月獅子月-
4植苗月(Planting)開花月蛙月初夏成長祭
5群羊月(Flocktime)紫菫月亀月初夏-
6幸日月(Wealsun)漿果月狐月初夏-
7収穫月(Reaping)金畑月蛇月盛夏豊穣祭
8善良月(Goodmonth)日花月猪月盛夏-
9刈取月(Harvester)果落月栗鼠月盛夏-
10修壁月(Patchwall)明葉月兎月醸造祭
11冬備月(Ready'reat)鳴氷月鷹月-
12日衰月(Sunsebb)薄雪月狼月-
 
 

【アイウーズ帝国の周辺地】
実際に冒険を行えるマップとして、アイウーズ帝国周辺の詳細地図を掲載します。
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マップのPDFファイル