グレイホーク世界の神々

Last-modified: 2022-05-04 (水) 02:06:55

このページはD&D5版でワールドofグレイホークを舞台にして遊ぶためのガイドの補足です。特にグレイホーク世界の神々について説明しています。

 

【ワールドofグレイホークの神々】
 ワールドofグレイホークには多くの神々がいます。
 ときに争い、ときに協力しながらこの世界を導いています。
 神々の属性とD&D5版における領域の例、司るものを紹介します。

 

 多くの世界で一般的な神々の一覧

神の名前(司るもの)属性領域シンボル
ハイローニアス(正義と騎士の神)秩序にして善戦争稲妻
モラディン(ドワーフと鍛冶の神)秩序にして善知識、鍛冶$槌と金床
ヤンダーラ(ハーフリングの女神)秩序にして善生命穀物の描かれた盾
バハムート(善い竜の神)秩序にして善生命、戦争竜頭のシルエット
アローナ(森と狩の女神)中立にして善生命、自然一角獣の角
“きらめく黄金の”ガール(ノームの神)中立にして善欺き金塊
ペイロア(太陽と治癒の神)中立にして善光、生命太陽
コアロン・ラレシアン(エルフの神)混沌にして善三日月
コード(力の神)混沌にして善嵐、戦争中央から広がる4つの槍と棍棒
ウィージャス(死と魔術の女神)秩序にして中立死、知識火球の前の赤い髑髏
聖カスバート(法と応報の神)秩序にして中立知識放射線の中心に描かれた円
ボカブ(魔術の神)真なる中立知識五芒星の中の目
ファラングン(道と旅の神)真なる中立知識、欺き地平線に交差する円
オーバドハイ(自然の神)真なる中立自然樫の葉とドングリ
オリダマラ(酒と賭博、盗賊の神)混沌にして中立欺き笑う仮面
ダラー・ソーン(ヤンダーラの裏女神、秘神)混沌にして中立欺き*コインの描かれた黒い盾
ヘクストア(専制の神)秩序にして悪戦争下に向けられた6本の矢
ティアマット(悪い竜の神)秩序にして悪欺き5つの爪と竜の頭
カートゥマルク(コボルトと採鉱の神)秩序にして悪戦争ノームの髑髏
ネルル(死の神)中立にして悪鎌と髑髏
ヴェクナ(秘密の神)中立にして悪知識目を掌に載せた手
グルームシュ(片目のオーク神)混沌にして悪嵐、戦争まばたきしない眼
エリスヌル(虐殺の神)混沌にして悪戦争血の滴
ロルス(ドラウと蜘蛛の神)混沌にして悪欺き蜘蛛
 

グレイホーク特有の神々の一覧

神の名前(司るもの)属性領域シンボル
ラオ(平和と静穏の神)秩序にして善知識白いハート型
トライセリオン(自由と応報の神)混沌にして善トリスケリオン(三脚巴紋)
リーア(旅と芸術の女神)混沌にして善知識*絵本
ワストリ(カエルの神)秩序にして中立戦争*灰色のヒキガエル
ザン・ヤイ(影と忍びの女神)真なる中立欺き*黒蓮の花
ズオケン(精神とモンクの神)真なる中立知識*撃ちつける拳
イスタス(運命と予言の女神)真なる中立知識糸車と3本の糸
ベイオリー(大地の女神)真なる中立自然緑の円板
ザギグ(ジョークと魔術の半神)混沌にして中立欺き*狂気のルーン
パイレミアス(毒と火、殺人の神)中立にして悪戦争蝙蝠羽が生えたデーモン顔
インキャブロス(疫病の神)中立にして悪紅い宝石の中の緑の目
キュス(ウジ虫の半神)中立にして悪死*眼窩が蟲で満ちた頭蓋骨
ベルター(洞窟の女神)混沌にして悪欺き大きく開かれた牙の並ぶ口
アイウーズ(苦痛の半神)混沌にして悪にやつく人の髑髏
タリズダン(破壊と狂気の神、秘神)中立にして悪欺き黒い螺旋

($追加ルールで加わった領域)
(*印の領域はこのページで仮につけました)

 

 

 多くの世界で一般的な神々

  • ハイローニアス(正義と騎士の神)
    • 呼び名:“無敵”
    • 属性:秩序にして善
    • 領域:戦争
    • シンボル:稲妻
    • 説明:武勇の神ハイローニアスは正義、勇武、騎士道を司ります。ハイローニアスの宿敵は兄弟神のヘクストアです。
       パラディンや善のファイター、モンクによく信仰されています。ハイローニアス信徒の探索行は古式ゆかしい騎士道にのっとものです。彼らは謎の黒騎士と馬上槍試合を行い、ドラゴンにさらわれた姫を助け出し、輝かしい善の軍勢を率いての勝利を目指します。
       
  • モラディン(ドワーフと鍛冶の神)
    • 呼び名:“魂の鍛冶”、“ドワーフの父”、“万物の父”、“創造主”
    • 属性:秩序にして善
    • 領域:知識、鍛冶$
    • シンボル:槌と金床
    • モラディンはドワーフの守護神であり、鍛冶、金属細工、建築、戦を司ります。ドワーフの神々の長であり、その神殿には他のドワーフの神々も併せて祀られています。
       モラディン信徒はドワーフの社会と伝統を守り、竜、巨人、ゴブリンといった宿敵から新しい鉱山を守備します。また、素晴らしい秘宝を作り上げることを目指します。
       
  • ヤンダーラ(ハーフリングの女神)
    • 呼び名:“祝せらられたるもの”、“育む女家長”
    • 属性:秩序にして善
    • 領域:生命
    • シンボル:穀物の描かれた盾
    • ヤンダーラはハーフリングの守護女神であり、調和と守護、幸福を司ります。グレイホーク世界のハーフリングは定住せずに隊商で旅暮らしをしていることが多く、ヤンダーラ神殿は隊商の集合場所や補給拠点になっています。神殿には他のハーフリングの神々も併せて祀られています。ヤンダーラへの祈りは控えめな言葉が多く、その儀式は楽しいものです。
       ヤンダーラ信徒はハーフリングの調和と安全を守り、探索では新しい土地を探索、隊商ルートを開拓します。
       
  • バハムート(善い竜の神)
    • 呼び名:“プラティナム・ドラゴン(白金竜)”
    • 属性:秩序にして善
    • 領域:生命、戦争
    • シンボル:竜頭のシルエット
    • 善竜たちが崇めるバハムートは守護と幸運、風を司ります。峻厳で悪を咎めますが、虐げられたものには情け深いです。悪への戦いに備え、他者に悪への対抗力を身に付ける手助けをします。寺院の多くはドラゴンのねぐらやその跡であり、クレリックの多くがドラゴンです。
       バハムート信徒は圧政の地や悪との戦いに赴き、時には激しく戦い、あるいは用心深く裏舞台で活動します。
       
  • アローナ(森と狩の女神)
    • 呼び名:“森のアローナ”
    • 属性:中立にして善
    • 領域:生命、自然
    • シンボル:一角獣の角
    • アローナは森に住み、森を好み、森と調和して生きる善なるものを見守る古い女神です。森と動植物、素早さと豊穣を司ります。人間のみならずエルフやノーム、ハーフリングにもなじみ深く、それぞれの種族の乙女の姿で描かれます。その寺院は森の中の小屋であり、森の中で苦難にあった時の助けになります。
       アローナの信徒は探索行で森林火災を消し止め、森を歪めたり危害を加えるものを討伐、アンデッドを殲滅します。
       
  • “きらめく黄金の”ガール(ノームの神)
    • 呼び名:“道化”、“無量の宝石”、“ひらめく機転”
    • 属性:中立にして善
    • 領域:欺き
    • シンボル:金塊
    • 「“きらめく黄金の”ガール(ここまでで名前です)」ノームの守護神でありユーモアと機智、宝石細工と芸術を司ります他の神々にいたずらを仕掛けることで名高いですが、相手がそれを笑って許すとは限りません。最大の被害者であるコボルト神のカートゥマルクとは不倶戴天の宿敵です。“きらめく黄金の”ガール神殿は目立たぬ作りで隠されているもの多い一方、儀式は幻と不思議がいっぱいの華やかな祭典となります。
       信徒はノームの共同体を守り、探索行で宿敵種族(コボルド、コブリン)と戦い、新しい宝石の坑道を発見、威張りかえった王様に罪のないいたずらを仕掛けます。
       
  • ペイロア(太陽と治癒の神)
    • 呼び名:“太陽の父”“輝くもの”
    • 属性:中立にして善
    • 領域:光、生命
    • シンボル:太陽、
    • ペイロアは善と光、力、治癒を司る強力な神です。金色の蓬髪と髭の頑健な老人として描かれます。多くの善なるものをつくり、求めるものを助け、すべての悪に敵対します。最も多くの人間に崇拝されており、寺院も多くて大きく、司祭はどの地でも歓迎されます。
       信徒は普段は穏やかで人々に助けや癒しを提供し、平和をもたらそうとします。しかし悪とはためらわずに戦います。特にアンデッドを滅ぼす使命を探索とする者が多いです。
       
  • コアロン・ラレシアン(エルフの神)
    • 呼び名:“エルフの創り主”、“全エルフの統治者”、“アルヴァンドールの王”
    • 属性:混沌にして善
    • 領域:光
    • シンボル:三日月
    • コアロンはエルフの創造主にして守護者です。多くのエルフが重要とみなす魔術と音楽、芸術と戦を司ります。エルフ都市の寺院は白く優美な作りであり、より小さな集落では樹上に作られます。オークの主神グルームシュの片目を奪ったのはコアロンであり、互いを宿敵としています。ロルスは彼のかつての妻であり、複雑な憎悪が渦巻いています。
       コアロンの信徒は探索行においてエルフを守り、悪や敵対種族を打ち倒します。また失われた秘宝や芸術を取り戻そうとします。
       
  • コード(力の神)
    • 呼び名:“けんか屋”
    • 属性:混沌にして善
    • 領域:嵐、戦争
    • シンボル:中央から広がる4つの槍と棍棒
    • 力の神コードは多くの戦士や蛮族、力自慢に信仰される荒々しい神です。力と喧騒、競技、嵐を司ります。コードの寺院は吹きさらしの小屋であることが多く、あるいは競技場に併設されています。コードの祈りはリズムを良くするだけの無意味な音節が多く、手拍子を伴います。人々は戦いや競技に挑むときにコードへの祈りを叫びます。
       コード信徒の探索行は力のほどを示せる偉業なら何でもありですが、手ごわい競争相手がいれば更に喜びます。
       
  • ウィージャス(死と魔術の女神)
    • 呼び名:“魔女神”、“紅玉の妖女”、“死の守り女神”
    • 属性:秩序にして中立
    • 領域:死、知識
    • シンボル:火球の前の赤い髑髏
    • ウィー・ジャスは死と魔術を、虚栄と法を司る冷厳な女神です。美しいガウンをまとい、ドクロとルビーを身に付けた美女として描かれます。ウィー・ジャスを崇めるのは魔術師(特に死霊術師)と葬儀関係者、法律家たちです。神官には女性が多く、彼女たちは論争を仲裁し、魔法に関して助言をし、葬儀を取り仕切ります。ウィー・ジャスは他の神々と距離をおいていますが、死を司る神々の中で唯一の悪でない神です。多くの町の墓地のそばに寺院や祠があります。ウィー・ジャス寺院はグレイホーク世界において女性が教育を受けるもっともメジャーな施設です。その修道院は全寮制の女子校のようです。ウィー・ジャスは本人合意の合法的な遺体のアンデッドは問題ないと考えますが、そうでないアンデッドと死者への冒涜を許しません。
       ウィー・ジャス信徒の探索行は荒れた墓所の再建や、死した賢者の知識や魔術を求めることなどです。
       
  • 聖カスバート(法と応報の神)
    • 呼び名:“こん棒の聖カスバート”
    • 属性:秩序にして中立
    • 領域:知識
    • シンボル:放射線の中心に描かれた円
    • 聖カスバートは法と秩序、力、罰、応報を司ります。法律関係者や警備兵に多くの信徒がいます。彼らは法律に従って調停し、犯罪者を裁き、従わない場合はこん棒で殴り倒します。聖カスバートはかつて定命の者だった(キリスト教の聖人)という言い伝えもあります。寺院は頑健な構造で様々な箴言が彫られています。神殿内では明確な指示系統が整えられ、その祈りの文句は法律文のようです。
       聖カスバート信徒の探索行は大きな過ちを正すことや暴虐の地に秩序をもたらすこと、大犯罪者を捕縛することなどです。
       
  • ボカブ(魔術の神)
    • 呼び名:“無頓着”、“すべての魔術の王”、“神々の大魔道師”
    • 属性:真なる中立
    • 領域:知識
    • シンボル:五芒星の中の目
    • ボカブは魔術と知識、洞察、バランスを司ります。多くの魔法の使い手に信仰されおり、ボカブの僧侶は秘術魔法も身に付けていることが多いです。ボカブは他の神々と関りを持とうとしませんが、破壊神タリズダンの動向には注意を払っています。ボカブの寺院は塔になっており、学校が併設されていることが多いです。ここでは魔法の鑑定や手助けが有料で提供されています。
       ボカブの探索行は新しい魔法や秘宝の作成、危地に陥った魔法使いへの救援、魔法を占有して歪めるものの討伐、失われた呪文の発掘などです。
       
  • ファラングン(道と旅の神)
    • 呼び名:“地平の住人”
    • 属性:真なる中立
    • 領域:知識、欺き
    • シンボル:地平線に交差する円
    • ファラングンは道と旅、遥か彼方と地平線を司ります。多くの旅人、バードや隊商がこの神を奉じています。ファラングンの寺院には大きなものはあまりないが、街道の辻や港にはファラングンを祀る社が良くあります。こういった社では足の速い馬や船、旅の助けになるものが提供されています。
       ファラングンの探索行は隊商を護衛し、未知の土地を探索し、世界を繋ぐ次元門を守ります。
       
  • オーバドハイ(自然の神)
    • 呼び名:“笛神”
    • 属性:真なる中立
    • 領域:自然
    • シンボル:樫の葉とドングリ|
    • オーバドハイは自然と森、荒野、動植物、狩人を司る古い神です。様々な種族のレンジャーやドルイドに信仰されています。人里から離れて、自然の一部となることを勧めます。考え方の違いから、アローナとは仲が悪いです。オーバドハイの寺院は人里離れた荒野の木立ちからなり、多くの野生動物などによってさりげなく守られています。
       オーバドハイの探索行は森の伐採を止める、湖沼を汚染から清める、自然災害を引き起こす工事を止めるなどです。
       
  • オリダマラ(酒と賭博、盗賊の神)
    • 呼び名:“笑うローグ”
    • 属性:混沌にして中立
    • 領域:欺き
    • シンボル:笑う仮面
    • 酒(特にワイン)と賭博、盗賊、音楽と享楽を司ります。管理と退屈を嫌い、混乱をもたらします。オリダマラの気まぐれないたずらの数々は秩序に神々に憤慨されています。盗賊や芸人、酔っ払いに信仰されています。寺院は少なく地下の盗賊の根城を兼ねています。一方で、多くの酒場や劇場に小さな祭壇が作られ、乾杯の言葉が向けられます。
       オリダマラの探索行は富める者から盗み、力あるものをまごつかせます。宝物を宮殿や仲の悪い寺院から盗み出し、仮面舞踏会のもめごとに首をつっこみ、大泥棒を監獄次元界から脱走させます。
       
  • ダラー・ソーン(ヤンダーラの裏女神、秘神)
    • 呼び名:“秘密の女王”
    • 属性:混沌にして中立
    • 領域:欺き*
    • シンボル:コインの描かれた黒い盾
    • ダラー・ソーンはヤンダーラの影の相です。ヤンダーラが他の様々な種族の長所を少しづつ盗みとってハーフリングを創造したとき、他の神々は怒ってヤンダーラを咎めました。ヤンダーラは善なる美徳のみを残して、影の部分をダラー・ソーンとして切り離しました。ダラー・ソーンはヤンダーラを影から補う表裏一体の存在です。ハーフリングが傷つけられたとき、ヤンダーラが保護し、ダラー・ソーンが復讐します。汚れ仕事と死後の守りがダラーソーンの受け持ちです。ダラー・ソーンの存在は他の種族に秘密にされています。ヤンダーラの寺院は同時にダラー・ソーンの寺院です。ハーフリングがヤンダーラへの祈りをささげているとき、もしかすると、それはダラーソーンへのものかもしれません。
       
  • ヘクストア(専制の神)
    • 呼び名:“悪の勇者”、“地獄の旗手”、“戦もたらすもの”
    • 属性:秩序にして悪
    • 領域:戦争
    • シンボル:下に向けられた6本の矢
    • ヘクスとは六腕に武器を備えた戦争と闘争、専制と破壊を司る神です。悪の戦士やモンクたちが信仰しています。ヘクストアはハイローニアスの兄弟神であり、ライバルです。寺院は要塞と武器工房を兼ねており、大きな戦や虐殺のあった地に建てられます。その訓えは法として語られます。
       ヘクストア信徒は弱者をゴミのように扱うのを当然とし、戦争による征服や権力者を服従させることを探索行とします。
       
  • ティアマット(悪い竜の神)
    • 呼び名:“万色竜”、“悪竜の女王”、“色彩竜の長”
    • 属性:秩序にして悪
    • 領域:欺き
    • シンボル:5つの爪と竜の頭
    • ティアマットは赤青緑黒白の五つの頭を持った竜神であり、色彩竜を支配します。悪竜と征服を司ります。善竜の神バハムートとを宿敵とし、コボルド神のカートゥマルクを従えています。多くの悪竜が信仰し、クレリックも竜がほとんどですが、コボルドなどの竜に関連した種族、人間などにも信者はいます。ティアマットの寺院は財宝と生贄を蓄えた大洞窟であり、竜が守っています。その教義は際限なく生贄と財宝をかき集め、儀式は大量の生贄を伴います。
       ティアマットの探索行は陰謀と暴力で国々を支配し、善竜の巣を荒らし、下方次元界の領土を広げて財宝を持ち換えることです。
       
  • カートゥマルク(コボルトと採鉱の神)
    • 呼び名:“とげ尻尾”、“角の妖術師”、“ノーム砕き”
    • 属性:秩序にして悪
    • 領域:戦争
    • シンボル:ノームの髑髏
    • コボルドの主神です。コボルド、罠、悪運を司ります。コボルドを守護し、防御陣地での戦い方や罠の作り方を教え、ウロコとシッポを称えます。カートゥマルクの寺院は地下に作られ、複雑な狭い通路と罠で満ちています。
       カートゥマルクの探索行はノームを苦しめたり、ドラゴンと仲良くなれるようにします。
       
  • ネルル(死の神)
    • 呼び名:“刈り取るもの”
    • 属性:中立にして悪
    • 領域:死
    • シンボル:鎌と髑髏
    • 死と亡者を司る神です。大鎌“ライフ・カッター”を携え、白骨化したの老人の姿で描かれます。ネルルの隠された寺院がいくつも存在し、多くの神官と死人使いが仕えています。彼らは“死”以外に祝うべきことなどないと考えている一方で、葬式は死者の立場や死に方によって無数のバリエーションを用意しています。
       
  • ヴェクナ(秘密の神)
    • 呼び名:“不具の王”、“その名を囁かれる者”
    • 属性:中立にして悪
    • 領域:知識
    • シンボル:目を掌に載せた手
    • ヴェクナは秘密と陰謀、魔術と狂気を司る神です。かつてはフラン人の死霊術師であり、強大なリッチ王としてキーオランドに魔法帝国を築きました。その後、副官カースの裏切りにあい、その目と手を残して消失していました。しかし近年、神の座を得てグレイホーク世界に復帰しました。ヴェクナは他の全ての神々の破滅を企み、アイウーズを特に憎んでいます。ヴェクナの寺院は常に隠されており、見つけることは難しい。これを知る者にとっては情報と呪文を取引できる有用な場所です。
       ヴェクナの信徒に課される探索は、秘密を牛耳って他神の大神官や国王の重臣を脅迫し、秘宝である「ヴェクナの手と目」を取り戻そうとします。
       
  • グルームシュ(片目のオーク神)
    • 呼び名:“一つ目”、“眠らざる者”
    • 属性:混沌にして悪
    • 領域:嵐、戦争
    • シンボル:まばたきしない眼
    • グルームシュはオークの主神であり、戦と強奪を司る。オーク達に目にする土地全てを奪い取るように命じます。グルームシュはエルフ神のコアロン・ラレシアンに左目をつぶされて片目にされました。このことからコアロンとエルフを激しく憎んでいます。グルームシュの寺院は軍事要塞を兼ねており、闘技場が併設されています。ここには司祭と同じほどに戦士たちがいます。オークの戦には右目を抉りぬいた片目の司祭が伴い、戦に祝福を授けます。グルームシュの祭りで最も有名なのは、戦場で殺した敵の首を食いに挿して並べる“棒祭り”です。
       グルームシュ司祭の探索行はオークを束ねて戦に導くことです。ゴブリン部族を軍に加わらせ、エルフの村を焼き、人間の国を略奪します。
       
  • エリスヌル(虐殺の神)
    • 呼び名:“数多”
    • 属性:混沌にして悪
    • 領域:戦争
    • シンボル:血の滴
    • エリスヌルは恐怖と虐殺、狂気を司ります。その姿は血まみれの姿に赤い衣とこん棒を身に付け、常に様々な種族に姿を変え続けています。エリスヌルは専制の神ヘクストアをライバルとしていますが、信者の数は多くありません。狂人や殺人鬼、蛮族たちです。面白半分に拷問と殺人を楽しみ、戦を起こし、虐殺を繰り返して生贄とします。祈りの文句は単純な韻で血なまぐさいものです。寺院は戦場に打ち立てて、戦後には放棄して立ち去りますが、後に呪いをばらまき続けます。
       エリスヌルの探索行は停戦をぶち壊し、群衆の狂気を呼び覚まし、大虐殺を行うことです。
       
  • ロルス(ドラウと蜘蛛の神)
    • 呼び名:“蜘蛛の女王”
    • 属性:混沌にして悪
    • 領域:欺き
    • シンボル:蜘蛛
    • ロルスは蜘蛛と暗闇、ドラウを司ります。かつてはエルフの主神コアロンの妻でしたが、エルフ神格を裏切ったことにより、クモの半身をもつドラウの女神となりました。ドラウとクモを支配し、地上とエルフを破滅させ、信者に過酷な試練を課すことを好みます。ロルスの寺院はドラウの地下都市の中にあり、周囲を支配している。その司祭は常に女性であり、互いに争う過酷な試験を課されます。
       ロルスの探索行は、広範囲な地下洞窟網を征服すること、地上エルフを殺戮すること、他のドラウやマインドフレイヤ―の居住地を襲撃して秘宝を奪うことなどです。
       

グレイホーク特有の神々

  • ラオ(平和と静穏の神)
    • 呼び名:“仲介者”、“静穏なるもの”
    • 属性:秩序にして善
    • 領域:知識
    • シンボル:白いハート型
    • ラオは平和と理性、静穏を司る神です。浅黒い肌にほっそりした姿の白髪の老人として描かれます。グレイホーク世界ではヴェルナで深く信仰されていますが、直接に顕現することはありません。クルークofラオ(ラオの曲杖)などのいくつかの秘宝を通じて、影響を及ぼします。アイウーズの仇敵ですが他の神々とは友好的で、ネルルとすら仲良しになったことがあります。
       ラオの寺院は図書館などの平穏と思索のための施設を伴います。神官は論理的で落ち着いた人物ですが、平和をもたらすための話し合いに危険な地へと赴きます。
       
  • トライセリオン(自由と応報の神)
    • 呼び名:“召喚者”
    • 属性:混沌にして善
    • 領域:戦
    • シンボル:トリスケリオン(三脚巴紋)
    • トライセリオンは自由と解放、応報を司ります。信徒は人々を圧政から解放するため、権力者の悪行への応報をもたらすため、身を隠して秘密裏に活動します。その寺院も偽装されせています。トライセリオンは信徒の個性を重要視しており、その教義や礼装、寺院の装飾などそれぞれに異なっています。それでもことをなすにあたっては協力します。領内にトライセリオンの社が一つでもある限り、領主は枕を高くして眠れない、と言われます。
       
  • リーア(旅と芸術の女神)
    • 呼び名:“詩歌の貴婦人”、“伝承の守り人”
    • 属性:混沌にして善
    • 領域:知識*
    • シンボル:絵本
    • リーアは芸術と詩歌を司り、絵本を手にした若い娘の姿で描かれます。信徒にはバードが多く、物語を好みます。リーアとその信徒は芸術や学問、伝承を重視する神々と協力し、圧政を行う神や知識を秘匿しようとする神と敵対します。神殿は小さなものですが、芸術家たちの後援者として大きな影響力を持ちます。
       
  • ワストリ(カエルの神)
    • 呼び名:“蛙飛びの預言者”、“ニセ人間を罰するもの”
    • 属性:秩序にして中立
    • 領域:戦争*
    • シンボル:灰色のヒキガエル
    • ワストリは人間の優越と両生類、偏狭、自己欺瞞を司る奇妙な神です。ヒキガエルじみた人型生物の姿で描かれます。人間の優越性を説き、ブリーワグなどは役立つが、他の多くの人型生物は役立たずだと語ります。そして排除のための聖戦を提唱します。また、両生類のすばらしさを語り、その保護のための探検隊を組織します。多くの人間の神には愛想が良いですが、ザギグは嫌っています(かつて捕えられたため)。寺院は沼地にあるカエル型の建物です。信者の多くはブリーワグですが、人間の僧侶もいます。その僧侶も階位が上がるにつれ、カエルじみた風貌に変わっていきます。
       
  • ザン・ヤイ(影と忍びの女神)
    • 呼び名:“完全なる貴婦人”
    • 属性:真なる中立
    • 領域:欺き
    • シンボル:黒蓮の花
    • ザン・ヤイは影と忍び、精神と調和を司る神です。万物を根源となる“普遍なる精神”の探索と、対称性があるものの“永遠の調和”、自身の内なる平和を説きます。急進的な存在や状況に密やかに介入し、バランスを保とうとします。一部の神々を除いて他の神々とは距離をとっていますが、パイレミアスとは殊更に険悪です。
       寺院は巧みに隠されて見つけるのは難しく、そこでの儀式は夕暮れ時に行われます。クレリックは完成に近づいた者の姿は見られることなく姿を消すと語ります。彼らは表に姿を見せることをこのみませんが、様々な真理の探索や問題の調停に積極的に活動します。
       
  • ズオケン(精神とモンクの神)
    • 呼び名:“貴婦人の召使”、“運命と降り注ぐ雹の主”
    • 属性:真なる中立
    • 領域:知識*
    • シンボル:撃ちつける拳
    • ズオケンは物理と精神の両面での体得を司るモンクの神です。かつてはザン・ヤイに仕えるモンクであり、鍛錬による技の完成によって半神となりました。信徒の多くはモンクとしての鍛錬をしています。修行のため、様々な探索行に修行として打ち込み、弱者を危害から守ります。他者を害する緋色団のモンクとはきわめて険悪な関係であり、出会うと闘争に発展します。
       
  • イスタス(運命と予言の女神)
    • 呼び名:“宿命の貴婦人”、“無色にしてすべての色を帯びるもの”
    • 属性:真なる中立
    • 領域:知識
    • シンボル:糸車と3本の糸
    • イスタスは運命と宿命、未来、予言、誠実さを司る女神です。定命の者も神々の運命の糸を手繰る強力な女神です。すべての神々から距離を置いています。イスタスの信徒は、おぞましい破滅や残虐から逃れた子供や、死病からの奇跡的な回復や、あっけなく死ぬ王などの数奇な運命の体験、あるいは目にしています。僧侶は透徹した態度をとるものが多いですが、自らの運命に報いるために情に厚いものもいます。彼らはしばしば人に請われて訪問し、予言や助言を授けます。
       
  • ベイオリー(大地の女神)
    • 呼び名:“オアースの母”
    • 属性:真なる中立
    • 領域:自然
    • シンボル:緑の円板
    • 地母神ベイオリーはオアース(グレイホーク世界の大地)と、自然、雨を司る強力な女神です。彼女はオアースの大地そのものが顕現した神格とみなされています。全世界の運命と繁栄以外に興味はなく、他の神々とも関りを持ちません。ベイオリーのクレリックは放浪し、自然の中で瞑想します。その動きは慎重ですが、世界が痛んでいるところを発見すると、その傷を癒すために果断な働きをします。
       
  • ザギグ(ジョークと魔術の半神)
    • 呼び名:“狂大魔導士”
    • 属性:混沌にして中立
    • 領域:欺き*
    • シンボル:狂気のルーン
    • ジョークと奇抜、秘術、気まぐれを司ります。かつては冒険者であり、グレイホーク市の市長でした。アイウーズやズオケン、ワストリを含む9柱の半神を魔法の罠に捕えることで、ボカブの協力を得て半神となりました。マーリンドなどの、かつて仲間だった半神たちとは友好的ですが、捕縛した神々には憎まれています。ザギグの神官は少なく、変人ぞろいです。珍しい魔法を求める探索に向うほか、人々の精神を活性化させるために行ったジョークの結果から逃れるために旅をします。
       
  • パイレミアス(毒と火、殺人の神)
    • 呼び名:“燃え盛る暗殺者”、“毒の魔鬼”、“燃え盛る暗殺者”
    • 属性:中立にして悪
    • 領域:戦争
    • シンボル:蝙蝠羽が生えたデーモン顔
    • パイレミアスは殺人と毒、火を司ります。かつては殺人と毒のみを司っていましたが、炎の女神を毒殺して、彼女の権能を奪いました。暗殺者の守護神であり、フィーンドと友好的です。パイレミアスの寺院は暗殺者の訓練機関であり、武器を作るための鍛冶場でもあります。寺院では暗殺者を雇うことができます。司祭は腕利きの暗殺者でもあり、内部抗争の暗殺によって地位の簒奪が頻繁に起こります。
       
  • キュス(ウジ虫の半神、カイウスと表記されることもあり)
    • 呼び名:“歩く妖蛆”、“蟲の時代の布告者”
    • 属性:中立にして悪
    • 領域:死*
    • シンボル:眼窩が蟲で満ちた頭蓋骨
    • キュスはウジ虫と亡者を司る半神です。ウジ虫が集合して人型になった姿をしています。かつてはオルクス信徒の死霊術師でしたが、古代種族スペルウィーバーの遺跡の力を用いて王となり、民を生贄に捧げた末に現在の存在となりました。キュスの生み出したウジ虫に殺されたものは、ウジ虫に操られて動く亡者“スポーンofキュス”として活動し始めます。
       
  • インキャブロス(疫病の神)
    • 呼び名:“黒の乗り手”、
    • 属性:中立にして悪
    • 領域:死
    • シンボル:紅い宝石の中の緑の目
    • インキャブロスは疫病と飢饉、災害を司ります。歪んだ肉体と病んだ顔を、緑とオレンジで縁取られた黒いローブに包み、夢馬に乗って夜空を駆けます。他の神々にすら恐れられる凶神であり、他の神々を憎みますが、ネルルに対してのみ無関心です。
       インキャブュロスを崇める結社は偏執狂の集団であり、共同体で見つかり次第に排除されます。病気を媒介させ、拷問を好みます。一部の信徒は病に感染して媒介しながらも自らは衰弱しない能力を持ち、大都市に住み着いて疫病を発生させます。インキャブロスの探索行は疫病を大規模な流行と、国々の荒廃、新天地への新たな疫病の感染、未知の土地での新しい病気の発見などです。
       
  • ベルター(洞窟の女神)
    • 呼び名:“闇の母”
    • 属性:混沌にして悪
    • 領域:欺き
    • シンボル:大きく開かれた牙の並ぶ口
    • ベルターは悪意と洞窟を司る女神です。その姿は老いさらばえた恐ろしい老婆の姿をしています。かつては鉱山と大地の女神としてドワーフやノーム、ゴブリンなどの多くの種族に崇められていました。しかし、彼らが自らの種族守護神を崇拝するようになって忘れられていきました。現在のベルター信徒は地底に住む怪物ばかりたちです。ベルターは自らを捨て去った種族とその神を恨み、復讐を望んでいます。ベルターの寺院は洞窟の奥にあり、信徒は際限なく財宝と生贄をかき集めて捧げます。司祭は最終的に我が身を捧げ、しばらく後に亡者としてよみがえります。
       
  • アイウーズ(苦痛の半神)
    • 呼び名:“悪しきもの”、“老いたもの”、“苦痛の王”
    • 属性:混沌にして悪|
    • 領域:死
    • シンボル:にやつく人の髑髏
    • 苦痛と欺瞞、抑圧、悪を司る半神です。デーモン・プリンスのグラズドと魔女王イグウィルヴの子で、邪悪な探索行の末に神位を得ました。アイウーズ帝国の王座に就き、その地の人々に信仰を強制します。彼は半神ですが、他の多くの神々と異なり本体がグレイホーク世界に存在しており、強い影響を発揮します。アイウーズには多くの神々と敵対しており、父グラズドとも険悪です。ザギグと聖カスバート、ヴェクナ、グレイホーク市を特に憎んでいます。デーモン・プリンス“キノコの女王”ザグトモイを妻としています。
       アイウーズは信徒に狂信と完全な服従しか認めず、彼らは残虐な行為によって他から抜きん出ようと競争します。クレリックはユニコーンやパラディンなどの貴重な生贄トロフィーや敵、悪の秘宝を求めて世界を旅します。
       
  • タリズダン(破壊と狂気の神、秘神)
    • 呼び名:“鎖に繋がれし神”
    • 属性:中立にして悪
    • 領域:欺き
    • シンボル:黒い螺旋
    • 暗黒と狂気、破壊を司るタリズダンは起源のわからない古い邪神です。それが望むのは、ただ宇宙を消滅させること。1,000年以上前にすべての神々の協力によって捕えられて封じられています。
       タリズダンの司祭は完全に発狂しており、タリズダンは封じられてさえ、彼らに力を与えています。タリズダンを奉じる元素邪霊団はヴェルナの元素邪霊寺院で強大化しましたが、各国の派遣軍との戦いに敗れて、各地に散りました。タリズダンとの戦いは、宇宙の存亡をかけた神話的な冒険となります。
       

(*印の領域はこのページで仮につけました)