DAC2019シナリオ『リバースofファラオ』用に検討の地域背景2つ「ファラオの使い」および「はぐれアイマスカー」です。これらの背景は選択肢の一つであり、特に取得を勧めるものではありません。
背景:「ファラオの使い(Emissary of Pharaoh)」
ムルホランドにはかって古代アイマスカー帝国と呼ばれる魔法国家があり、様々な世界から奴隷をさらって酷使していました。地球のエジプトから浚われた人々を助けるため、エジプトの神々が力を授けた超人ファラオを誕生させ、その主導によって人々は解放されました。
ムルホランドには今もエジプト人の子孫が暮らしています。ムルホランドでは神権政治が行われており、幾人かのファラオが協同してムルホランドを統治しています。それぞれの神殿が行政に関わっていますが、仲の悪い神々の神殿との駆け引きが影響することもあります。
あなたは神々やファラオに仕える神官や官僚、あるいは密偵かもしれません。
・技能習熟:<宗教学>または<動物使い>、任意の技能1つ(左記を合わせて2つに習熟)
・道具習熟:楽器1つまたはゲーム道具1つ、乗り物(陸) (左記を合わせて2つに習熟)
・装備:聖印、祈祷書かマニ車、お香5本、法衣、普通の服1着、楽器かゲーム道具1つ、ベルトポーチ(10gp入り)
特徴:信仰を同じくするものの保護
所属する神殿で宿泊し、あるいは呪文をかけてもらうことができます。
同行する仲間たちもこれらの援助を受けることが可能です。
信仰している神
君がどの神を信仰し、ファラオに仕えているかを決定するには、次の表でd12をロールするか、表から自由に選択すること(*12は振り直し)。
1d12 | 神の名前(司るもの) | 属性 | 領域 | シンボル |
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1 | ラー・ホルアハティ(太陽神、神々の長) | 秩序にして善 | 生命、光 | 太陽を取り巻く蛇 |
2 | オシリス(自然と地下世界の神) | 秩序にして善 | 自然、生命 | 羊飼いの杖と殻ざお |
3 | イシス(豊穣と魔術の女神) | 中立にして善 | 生命、知識 | アンクと星 |
4 | イムホテプ(工芸と医術の神) | 中立にして善 | 知識 | 階段状ピラミッド |
5 | ハトフル(愛と音楽と母性の女神) | 中立にして善 | 生命、光 | 角もつ牝牛の頭の後ろに満月 |
6 | ネフティス(死と嘆きの女神) | 混沌にして善 | 死 | 満月の周囲に多数の角 |
7 | バステト(猫と復讐の女神) | 混沌にして善 | 戦 | 猫 |
8 | アヌビス(裁きと死の神) | 秩序にして中立 | 死 | 黒いジャッカル |
9 | プタハ(工芸と知識と秘密の女神) | 秩序にして中立 | 知識 | 雄牛 |
10 | トト(知恵と知識の神) | 真なる中立 | 知識 | 朱鷺(トキ) |
11 | ベス(運と音楽の神) | 混沌にして中立 | 欺き | 歪んだ神の似姿 |
- | セベク(水とワニの神) | 秩序にして悪 | 嵐、自然 | 角と羽の生えたワニの頭 |
- | アポピス(悪と火と蛇の神) | 中立にして悪 | 欺き | 燃える蛇 |
- | セト(闇と砂嵐の神) | 混沌にして悪 | 欺き、嵐、死 | とぐろ巻くコブラ |
1d8 | 人格的特徴 |
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1 | エジプト壁画のような動きや歩き方をする(ムルホランド以外ではとても目立つ)。 |
2 | 信仰する神を象徴する動物に強い愛着を持つ。 |
3 | あらゆる物事に神のお告げを見る。その啓示を他の者たちに伝えて人々を導こうとする。 |
4 | 神の理想を実現するために油断なく警戒し、理想に近づけるために行動する。 |
5 | 神の導きを信じ、何事にも楽天的な態度である。 |
6 | しばしば神の教えと神々の由来である異世界に思いを馳せ、夢想的になる。 |
7 | 神殿と行政の上流の暮らしを享受して他の生活に慣れておらず、粗野な生活を不快に感じる。 |
8 | ほとんどすべての状況で、聖なる文言や、ことわざ、ファラオや聖獣に関する言葉を引用(あるいは誤引用)する。 |
1d6 | 尊ぶもの |
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1 | 慈善。人々と世界を助け、良きものとするために、力を尽くす(善)。 |
2 | 伝統。信仰と法典の伝統は変わることなく保たれ、続いていかねばならない。 |
3 | 変化。神はこの世に変化をもたらそうとしており、我々はそれを手助けせねばならない(混沌)。 |
4 | 協力。対立している者でも、協力してものごとを成し遂げられると考えている(中立)。 |
5 | 支配。信仰するファラオにすべてが支配されるべきであり、自分はそのための力を得る(悪)。 |
6 | 信仰。神が自身を導くことを信じている。懸命に働いたなら、物事が良くなると信じている(属性問わず)。 |
1d6 | 関わり深いもの |
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1 | 敵対的な神殿の恨みを買っており、様々な妨害を受ける。 |
2 | 失われた聖遺物や祈祷書の探索に探し出そうと手がかりを求めている。 |
3 | 異端とされた、あるいは対立する神殿に狙われる聖なるものの探しだし、あるいは守っている。 |
4 | 自分を育ててくれた司祭に大きな恩がある。 |
5 | 信仰する神が司る職能の人々と共に生活し、多くの友人がいる。 |
6 | 信仰する神が象徴する動物によくなじんでおり、それらと仲良くなりやすい。 |
1d6 | 弱味 |
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1 | 神を象徴する動物を大切に扱うあまり、常軌を逸することがある。 |
2 | さまざまな物事の背後に敵対的な神殿の陰謀の証拠を妄想により発見する。 |
3 | 信仰心ゆえに同じ神を信仰するものを、盲信しがちである。 |
4 | ふと気が付くと、神を象徴する動物の行動を真似ている。 |
5 | 神の加護を受けていると信じ、失敗の可能性を考えない。 |
6 | 自分こそが真のファラオでないかと考え、それがときどき口にでる。 |
背景:「はぐれアイマスカー(Lone Imaskari)」
古代アイマスカー帝国は、はるか昔にムルホランド周辺を支配していた魔法帝国です。過酷な奴隷制を敷き、周辺や他世界からさらった人々を奴隷として酷使しました。地球のエジプトなどから人々をさらったことで、エジプトの神々を敵に廻しました。エジプトの民に神の力を身に授かったファラオが現れ、彼らが率いる反乱によって古代アイマスカー帝国は滅びました。
アイマスカー人は地下に逃れて「地下アイマスカー帝国(Deep Imaskar)」を存続しました。高度な魔法と過酷な奴隷制が敷かれる社会を築きました。アイマスカーの人々は地底生活に適応し、青白い肌と闇を見通す能力、光に過敏な体質となりました。
1385DRに発生した呪文崩壊によって、ムルホランドからファラオが失われたとき、アイマスカーが地上に侵攻しました。混乱中のムルホランドを制圧した彼らは「地上アイマスカー帝国(High Imaskar)」を設立しました。かつて奴隷の反乱が原因で国を失ったことを踏まえ、彼らは奴隷を廃止し、魔法で補助された理想国家を築こうとしました。
しかし、掲げた理想と実際の政策の乖離、地底で存続する「地下アイマスカー帝国」とのしがらみ、指導者である女帝ウスシが次第に狂気に陥ったことから理想は崩れ、内紛が頻発しました。そして1487DRの「第二次大分割」によって復活したファラオと人々によって追われ、紫塵原へと逃れ落ちました。
現在のアイマスカーの人々は紫塵原の地上アイマスカー帝国で暮らす人々、地底で暮らす人々、戦争難民や、脱走奴隷としてほうぼうに別れて暮らしいる人々がいます。
地下アイマスカーの邪悪と因習から逃れた(あるいは逃れようとする)人物はプレイヤーキャラクターとしても遊ぶことができます。アイマスカー人はこれまでの歴史から警戒されがちであり、またアイマスカーの秘密結社も社会に潜んでいます。はぐれアイマスカー人のキャラクターはそれぞれに異なった考え方で現在の世界とに向き合っています。
・技能習熟:<魔法学>または<歴史>、任意の技能1つ(左記を合わせて2つに習熟)
・道具習熟:職人道具のうち一つ
・言語習熟:地下共通語
・装備:かつての身分証か刺青、遮光マスク、習熟した道具、貴族の服か普通の服1着、ベルトポーチ(10gp入り)
特徴:地底への順応
・暗視60ftを得ます。
・日光過敏:自分自身や、見ようとしているもの、攻撃しようとするものが直射日光化にあるとき、攻撃ロールや知覚判定に不利を得ます。
専用の「遮光マスク」を装着することで過敏の不利を打ち消せますが、装着していると警戒されます。
1d8 | 人格的特徴 |
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1 | 君は地下アイマスカーでの過酷な奴隷生活から解放された。自由な生活を楽しみ、束縛を嫌う。 |
2 | 暗いところにいると落ち着き、つい暗がりと隅っこに潜り込む。 |
3 | 人々の融和と自由、公正さの理想を熱心に語り、そのための行動を惜しまない。 |
4 | ときどき周囲の人々を自分に仕える従者のように扱ってしまうことがある。 |
5 | 自分が人々にとって無害で有益な人間であることをアピールし、それを行動で証明しようとする。 |
6 | しばしばアイマスカーに伝わる地底生活由来の奇妙なことわざを引用し、周囲を困惑させる。 |
7 | 周囲にいる者が自分への敵意を隠していないかを常に警戒し、なかなか信用しない。 |
8 | 地上の様々なものを珍しがり、多くの人にとって何でもないことに好奇心を示す。 |
1d6 | 尊ぶもの |
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1 | 理想。地上アイマスカーが掲げた数々の理想は自身の信念でもある。実現のため力を尽くす(善)。 |
2 | 公正。適切な法を作り、法が順守されることで、人々は安心して暮らせる。それを乱すものを見逃すべきでない(秩序)。 |
3 | 解放。自由に生きれることは無上の喜びであり、再び拘束するようなことは許さない(混沌)。 |
4 | 中庸。極端な考えは多くの悲劇を生む。ほどほどのバランスをとって行動するのが良い(中立)。 |
5 | 支配。あらゆる社会は誰かが他者を支配し、隷属させることで成立している(悪)。 |
6 | 名声。疑いの目を晴らし、生き場所を見つけ、何かを成し遂げるため、すべてに実績と名声が必要だ(属性を問わず) |
1d6 | 関わり深いもの |
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1 | アイマスカー組織から抜けた君には、組織に追われている。彼らからの妨害や暗殺の危機にさらされている。 |
2 | かってアイマスカーの残虐や陰謀によって傷を負い、大切なものを失った。君はそれを行った仇敵を探し求めている。 |
3 | アイマスカーでの過酷な生活や内戦の混乱で助けてくれた従者(あるいは恩人)がいる。彼との絆は君にとって大切なものだ。 |
4 | 君は古代アイマスカー帝国の危険な秘宝(あるいは秘術)の手がかりを持っている。これを狙う者から守り通さねばならない。 |
5 | 住むべき故郷を失い、放浪するアイマスカーの人々との断ち切れぬ繋がりがある。彼らの安住の地を求めている。 |
6 | 君は今もアイマスカーの結社に繋がりがある。組織には地下帝国の密偵や、理想の再建を目指すものなど様々なのがある。 |
1d6 | 弱味 |
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1 | ときどき地下アイマスカーから引きずる残虐な価値観で発言し、周囲にドン引きされる。 |
2 | 周囲の人々が追っ手ではないかと疑い、妄想で証拠を見つけることがある。 |
3 | 光に対して特に過敏な体質であるため、太陽を恐怖し、強い光を浴びると絶叫を挙げる。 |
4 | 興味を引いたものや、為すべき正義に集中するあまり、潜んでいる危険を見落としがちとなる。 |
5 | 自動で動く扉や階段、高所からの安全落下エリアなど、便利魔法で補助された生活に慣れ、うっかり行動をする。 |
6 | 些細なことで侮辱されたと感じ、怒りを発する。理由の中には地上人には理解できない風習もある。 |