【こんなのって ないよーー!!】

Last-modified: 2019-06-08 (土) 10:56:17

DQ5(リメイク版)

【エビルマウンテン】での【ゲマ】戦後、祖母【マーサ】が天に召されたことについての【男の子】の台詞。
正確には「……うわーん!やっと会えたのに……。こんなのって ないよーー!!」である。
勇者と言えどもまだ10歳かそこらの子供であり、こうなってしまうのも無理からぬこと。
父と共に探し求め、託され、長い苦難を乗り越えた末、ようやく会えた自分の母親がたった一度会っただけで死なれてしまった主人公は、もはや悲しみ等という言葉では言い表せない感情に打ちのめされている事は想像に難くない。
この後に【女の子】に話し掛けると「えぐえぐ……ひっく……ひっく……」と泣きじゃくっている。
 
しかしこの場面、何ともフォローしがたい大ポカがある。
皆悲しんでいる割に、すでに【メラゾーマ】のダメージで満身創痍のマーサに駆け寄る素振りも見せず、ちょっと離れた位置からマーサが絶命に至るまで棒立ちで眺めているのである。
SFC版では、直前にゲマは登場せず、もちろんメラゾーマを喰らうこともなく稲妻に打たれるまではピンピンしていたのでそこまで違和感のあるシーンではなかったのだが…。
これでは母親(祖母)を見殺しにした薄情者と言われても反論できまい。
 
さらにSFC版のときと違って、マーサが稲妻で打たれて倒れるシーンにフラついてゆっくり倒れる気合の入ったアクションがつけられたのだが……これも直前にゲマのメラゾーマを食らったときと全く同じ動作。
なので嫌でも生じる既視感によってインパクトや緊張感がかなり薄まってしまい、逆にシュールな芸に見えてしまう。
DQ5を代表する山場のシーンの1つなだけに、イベントを追加するならするで、もう少し演出を考えて欲しかったところ。「こんなのって ないよーー!!」なのが演出そのものへの皮肉になってしまうとはなんと悲しいことだろう……