【ハーゴンの呪い】

Last-modified: 2023-08-16 (水) 18:29:31

概要

DQ2でSFC以降のリメイク版で追加されたイベント。
【ベラヌール】【宿屋】に泊まると【サマルトリアの王子】【ハーゴン】【呪い】にかかって動けなくなり、一時的に【パーティ】を離脱してしまうというもの。
ただし、宿屋に泊まる時点で死亡者が一人もいないのが条件。
以降、サマルは宿屋で寝たきりになってしまうが、主人の厚意で宿代無しで預かってくれる。
ちなみにサマルに話しかけると、一時的に三人パーティに戻ることができ【アイテム】の受け渡し等が可能。
 
FC版の時点で一部のユーザーから散々いじめのような仕打ちを受けていたサマルだが、実際にいなくなってしまうと戦闘がかなり厳しくなる。
物理攻撃の要となる【ローレシアの王子】【呪文】に特化した【ムーンブルクの王女】と違い、サマルは他キャラの補助を前提とした性能なのでそういう待遇を受けがちなのだろうが、逆に言えば状況に応じて打撃か呪文の補助かを選択できるのはサマルしかいない。
なので、難易度が大幅に下げられたSFC版ですら二人になると「戦えなくはないが、戦術の幅が狭まる」という不自由さを感じることになる。
当然ながら、本来は3人に分散する攻撃を2人で受けることになるので1人あたりの被ダメージも増える。
本当に大切なものは、なくなってから初めて気づくものなのだ。
さらに言えばサマルにしか使えない呪文もある以上、明確に弱体化する面もある。
特に、リメイク版でパワーアップした【ベギラマ】【ザラキ】【スクルト】が無いのはきついし、王女が【トラマナ】を覚えなくなったので【バリアー】も防げない(【みずのはごろも】はバリアーのダメージに対応しない)。
FC版でも何度もお世話になった【ルーラ】も使えないので、ただでさえ少ない道具欄を出発前に【キメラのつばさ】で圧迫しておく必要があることを忘れると後で泣きを見ることになる。
ただ、本人は「さあ ぼくに かまわず 行ってくれっ!」なんて控えめな評価のようだが…。
 
解決手段は、サマルに【せかいじゅのは】を使うこと。
ちょうどベラヌールには【世界樹】の情報を教えてくれる人がいるので、真面目に情報収集していればなんとなく答えに辿り着くようにはなっている。
ただし、DQ3以降を知っている場合、世界樹の葉自体がイベントアイテムになったことがなく、蘇生以外の解呪や病気の治療に用いられた例も他のシリーズではほぼ存在しないという先入観や、リメイクで追加されたイベントなら、解決手段も新しい何かがあるのではないかという思い込み等で、ここで引っかかってしまうプレイヤーもそこそこ多い模様。
ベラヌールの宿屋という、普通にプレイすればまず確実に利用することになる場所で発生するのも厄介。
そもそも、せかいじゅのはを入手できる場所に関しての情報は、「ずっと東の海の小さな島」という、極めて曖昧なものしか得ることはできない。
「岩山に囲まれた砂地の島の中央に1マスだけある森」こそが世界樹であり、その【森】を調べる事で葉が入手できる事に気づかなかったプレイヤーが多数存在したことは想像に難くない。
 
結局謎が解けずにローレとムーンの二人だけで進めたり、リセットしてイベント前に戻り、ベラヌールの宿を利用せずに進めて強引にイベントを回避するプレイヤーもいたようだ。
もちろん、事前にせかいじゅのはを用意しておけばその場で解決できる。
そのまま冒険を進め、根元であるハーゴンと【シドー】を倒すことでも呪いは消え去る。
ちなみに、泊まるときに3人分の宿代を請求されるが、復帰した時のサマルのHP/MPは回復していないので注意。
スマホ版以降なら、ルーラが行先指定になった上消費MPが1になったため、ベラヌールの宿屋を利用する必要性がほぼ皆無になったためイベントを回避しやすくなった。
 
ハーゴンの軍団が、いつどのようにして呪いをかけたのか、なぜサマルなのかは不明のままだが、サマル自身が体の不調をすぐに呪いの仕業であると見抜いたのはさすが魔法戦士というべきか。
話によるとハーゴンは遠くからでも人を呪い殺す力を持っているらしいが、【ロンダルキア】の地ではないため、世界樹の葉で回復できる程度の呪いにしかならなかったとのこと。
ちなみに余談だが、4コママンガ劇場ではこれについて「ハーゴンはどんな奴なのか?」と3人が想像し、「ムーン→クリフト風のイケメン神官」「ローレ→デスピサロ(FC版)風の強そうなやつ」と来て、サマルが「『ハ~ゴ~ン』と鳴く不細工なドラゴン」を想像したので呪いを喰らった」という超展開ネタを【坂本太郎】が描いている。…やはりあなたも気になったか。
他には、ハーゴンは冒険に出た当初から呪いをかけていたが、のんびり屋なのでベラヌールでようやく効果が出たというネタなど、4コマでは幾度か取り上げられている
 
なお、リメイク版で追加されたイベントではあるが、構想自体はFC版の時点からあった模様。
Wii復刻版に収録されている設定資料に記述されている。
FC版で「死相が出ている」と不吉なことを告げる【神父】はその名残かも知れない。
「行動不能となった味方メンバーのために治療アイテムを調達する」という状況については、DQ4の【パデキアのねっこ】関連のイベントにおいても再現されている。

サマル不在でクリア

上述の通り二人で戦うのは厳しいのだが、それでも慎重に進めればできなくもない。
そしてサマルを復活させずに二人だけでクリアするのも可能である。
すると【エンディング】でサマルは無事に呪いから復活しているのでベラヌールに迎えに行くと、
「ぼくは 役たたず だったな。 くっすん……。ともかく 帰ろう…。」としょんぼりしつつ仲間に加わる。
また、ベラヌールのサマルをスルーしてエンディングを進めると【サマルトリア王】のセリフが変わる他、【ローレシア】に帰還した時点でサマルが追いかけてきて仲間に加わるという分岐がある。
クリア時に専用のセリフが用意されている辺り、二人だけでクリアするのも開発者の想定内ということだろう。
……【南東の島のほこら】【旅の扉】から戻るとサマルが復帰しないままエンディングになってしまうのは想定外かもしれないが。
【縛りプレイ】としては緩めなので、後述する世界樹の葉増殖や【サマルカンスト技】も含め一度普通にクリアして興味が湧いたら挑戦してみてもいいだろう。
 
なお、サマル不在で変わるのはエンディングのみ。
「ハーゴンの呪い」にも関わらず、二人だけでハーゴンの所まで辿り着いても彼のセリフは変わらない。
リメイクされることで【りゅうおう】【ローラ姫】を連れて行くと褒めてくれるようになったのに、大神官ハーゴンにはそういうユーモアはなかったようだ。

付随するバグ

リメイクで新たに追加されたイベントということもあるのか、これに関する想定外の現象がかなり多い。
以下のバグは全てSFC版のもの。GB版以降は修正されている。

世界樹の葉増殖

世界樹の葉は通常一枚しか持てないが、離脱したサマルのアイテム欄は【預かり所】とも違う扱いなので、世界樹の葉をサマルに使わないまま持たせることで、再び世界樹の葉を入手できるようになる。
最終的にはサマルのアイテム欄いっぱい=10枚まで増やせる。そして11枚目をサマル復活に使おう。
ベラヌールと世界樹を何度も往復するのはなかなか大変だが、それに見合う価値はある。
 
ちなみにこれで増殖した世界樹の葉を移動中に使うと、どれを使ったかに関わらず先頭のキャラから消費される。
戦闘中は問題なく、またこれで【フリーズ】などの深刻なバグは起きないのだがちょっと不気味。

サマルカンスト技

サマルを超強化する裏技。詳しくは【サマルカンスト技】を参照。
この裏技の要領でレベル19にてスクルトを覚えさせ、サマル単独で低レベルクリアすることも可能。

ローレシアでラーの鏡を使う

ムーンブルクの王女を仲間にするための【ラーのかがみ】が、なぜかローレシアで使えてしまうというバグ。
これもサマルが一時離脱することが原因になっていると考えられる。詳細は記事内を参照。

サマルワープ

サマル不在のままエンディングを進めるが、ローレシアに徒歩で入らず、ザハン近海にある旅の扉を使って直接城内に入ると、エンディング中のサマル合流ポイントである城の入り口付近をスルーできる。
そのまま二階に上がると、王の前に来た時点で王女が一瞬分裂した後、片方がいきなりサマルに変化するという小ネタ。こ…こいつ…城内に直接…!?
またエンディングでのこれまでの旅の振り返りが王子二人旅の箇所がサマルから王女に置換されたり、ムーンペタの犬がパーティーに入った瞬間サマルに変化したり、一部の場面で並び順がローレ・ムーン・サマルになるなどいくつか後遺症が見られる。
GB版以降ではサマルの出現ポイントが【階段】近くに変更されたのでこれらのバグは起きなくなった。