【高屋敷英夫】

Last-modified: 2018-10-02 (火) 19:48:33

概要

【小説ドラゴンクエスト】DQ1~3の作者で、本業は小説家ではなく脚本家。
様々なアニメ作品の脚本、演出を手掛けてきた人物である。
 
3作とも、

  • が敵に斬りかかる際の掛け声は大体「たーっ」
  • 「ピカピカー」という効果音がやたらと登場
  • 登場する食べ物の設定が妙に細かい
  • 登場する城や町などの人口も詳細に書かれている
  • ダッシュ(―――)を多用する。
  • 初めて聞く単語は大抵オウム返しで聞き返す(例:モブ「○○というアイテムが……」 主人公「○○!?」)
  • 伝説の武具を装備した時は「吸い付くような感じが」した後で「ぶるぶるっ」と震える。
  • 敵の炎に焼かれたキャラは「海老のように」跳ねる
  • オリジナルキャラ大活躍
  • ラストバトルで主人公が負けそうになり、走馬灯を見た上で逆転勝利

…という共通点があるが、意図的に被せたのか単に引き出しが少ないだけなのかは不明。
少なくとも食べ物については、脚本を務めた多数のアニメ作品でもみられるので彼の芸風であろう。

また3作ともヒロが「亜麻色の髪をした、はっと目を見張るほど美しい娘」と表現されている。
これは【すぎやまこういち】がDQシリーズ以前に作曲した「亜麻色の髪の乙女」に因んでいる可能性もあるが、特に言及は無し。
 
しかし

  • キャラクター関係の設定の練りこみや整合性が所々乱雑
  • 原作の固有名詞との表記ブレなどが非常に多い
  • オリジナルキャラクターが矢鱈と原作キャラクターなどを押し退けて活躍しまくる(俗に言うメアリー・スー)
  • 思わせぶりに出た設定や記述などが投げっぱなしで終わる

…など、好き嫌い以前の粗や不備も少なくなく、作品としての完成度はお世辞にも高いとは言い難い。
同じ物書き稼業でも脚本家的な書き方が染み付いてしまっているのか、高屋敷のDQノベライズは「小説というより脚本」と評されることも多い。
 
またハードカバー版DQ1のあとがきには「ゲームがまったく××(好きな言葉を当てはめて罵倒してくださって結構です)」、DQ3のあとがきには「ゲームはあまり得意ではない」と自虐気味な記述が。
この点はFCの【ロトシリーズ】を全てプレイした上で「ルビス伝説」「小説【天空シリーズ】」を執筆した【久美沙織】とは対照的ながら、皮肉にもクセがある作家なのは共通項(ただし久美作品はクセこそあれど流麗な文体ゆえに完成度自体は高い。そして高屋敷と違って本職の小説家である)。

小説ドラゴンクエストI

全1巻。【ガルチラ】【魔界童子】といったオリジナルキャラクターも登場する。
とはいえ原作時点でキャラが少ないのだからオリキャラが追加されるのは必然とも言え、そもそも彼らもDQ2・DQ3のオリキャラに比べれば大人しいものだった。

小説ドラゴンクエストII

全2巻。【ガルド】【盲目の魔女】といったオリジナルキャラクターが登場する。
あとがきによると締め切りを勘違いしており、スケジュールに苦労したという。
そのためかどうかは不明だが、上巻では妙に改行が多い。
そして、このあたりからオリキャラの悪目立ちが顕著になってゆく。

小説ドラゴンクエストIII

全2巻。各職業の仲間達が夫々メインキャラクターとして登場しており、【チコ】という完全オリジナルキャラクターも登場する。
ただし、職業キャラクターについては【遊び人】【賢者】は仲間にならないサブキャラ扱い。
しかも8人とも名前が「濁点を含めて4文字以内」で、実際にゲームに付けることが出来る(無論ひらがなになるが)。
 
なお【アルミラージ】が「アルミラージュ」、【バコタ】が「バゴダ」、【サラマンダー】が「サラマンダ」、【○○○○バーク】が「バーグ」と表記されている。
小説内ではこれらの表記で統一されているため、誤植ではないようだが、意図的な変更なのか単なる作者の勘違いなのかは不明。
 
また既存・オリキャラ共に設定が前2作以上にこんがらがっている上、主人公の設定描写の浅さなどもあって作品としての完成度は前2作と比べると劣っていると言わざるを得ない。