【グレイス城】

Last-modified: 2022-09-29 (木) 04:10:23

DQ6

【夢の世界】【現実の世界】の両方に存在する【城】
【公式ガイドブック】での英語表記はCastle of Grace、DS版以降の英語版での地名はCastle Graceskull。後者は、同じく剣や魔法で戦うアメリカのコミック及びアニメシリーズ"Masters of the Universe"に登場する"Castle Grayskull"から来ているのだろう。
 
どちらの世界のものも完全に滅んでおり(これはDQ6で唯一)、【廃墟】が残るのみとなっている。
ここに伝説の武具の一つである【オルゴーのよろい】が隠されている。
この地ではかつて大魔王【デスタムーア】に対抗するため、大悪魔【ダークドレアム】を召喚する儀式が行われた。
これはほぼ【グレイス王】の独断によって行われることとなったのだが、国民の中には「その大悪魔が人間を襲わない保証などないではないか」と、王のやり方に異を唱える者も少なくなかった。
一方で、「運命に逆らえないなら生まれてきた意味がない」と、無謀ともいえるその試みに賛同する者もいた。
結局、王のやり方に異を唱える国民の不安が的中し、大悪魔の怒りを買った結果王国は滅ぼされてしまう。
良かれと思ってやったことが最悪の事態を招いてしまった悲惨な例である。
なお、この際に王や大臣、多くの兵士たちは燃やされて死亡してしまうが、ほとんどの一般人や【ゴーリキ】や一部兵士、王妃と姫は城から避難することに成功している。
 
まず訪れることになるのは現実の世界のグレイス城。
ここは高い山と湖で囲まれているため、訪問が可能になるのは【まほうのじゅうたん】が手に入ってから。
城の片隅にある井戸に入ると、滅んでおらず健在な状態のグレイス城へと抜けられる。
夢の世界にあるグレイス城を知らなければ、一見するとそちら側のグレイス城かと錯覚してしまいがちだが、実際はここは「過去」のグレイス城である。しかも、まさに現在進行形で上記の儀式が行われている場面に遭遇することになる。
ここでは過去のグレイス城で起こった惨劇を追体験するような形で見ることができ、イベントが終わるともといた廃墟のグレイス城へと戻ってくる。
イベント中は城外に徒歩で出ることはできず、イベントを見ずに井戸へ再び入った場合もやはり廃墟に戻ってくる。
このイベント中にオルゴーの鎧が地下に隠されるので、元の世界に戻った後で隠し階段を【おうごんのつるはし】で探り当てれば、鎧を手にすることができる。
なお、情報さえ知っていればこのイベントを見ずに隠し階段を見つけることも可能だが、リメイク版ではこの行動を取るとミレーユが超メタ発言をしてくれる。
また、リメイク版では上記の追体験イベント中に【ぶちすけ】を仲間に加えることができる。
ちなみに、上記のイベント中に【ぎしきのそなえもの】を手に入れることになるが、入手時点でイベントを進めるのをやめて井戸から元の世界へ戻ると、このアイテムはアイテム欄から消失している。
なお、過去のグレイス城において隠し階段にあたる地点をつるはしで掘ると宝箱が3つあるので忘れずいただいておこう。
 
このイベントとは別に、夢の世界のグレイス城に直接訪れることもできる。
その場合、高い山脈で周囲を完全に囲まれているため、【天馬】でないとたどり着くことができない。
ただ、そうして訪れたとしても特にイベントは無く、ただ廃墟のグレイス城に入れるだけである。
ここには、かつてこの場所で何があったのかを知る謎の老人がいる。
曰く、かつてこの城にいた者たちは悪魔を呼び出したことで神の怒りに触れ、無限地獄を彷徨っているとのこと。
上記の過去のグレイス城での出来事を、井戸に入れば何度でも繰り返し追体験できるのもそのためなのだろう。
ここに立っているとどこからともなく阿鼻叫喚が聞こえてくるのだという。
なお、老人は隠し階段がある位置に立っているがここから動かないため、こちらでは地下に足を踏み入れることはできない。
また、こちらのグレイス城にも井戸はあるが、こちらから入ると他の井戸と同様に現実の世界のグレイス城に出る。
井戸が過去へと繋がっているのは、実際に滅ぼされた現実世界のグレイス城だけとなっている。
 
ちなみに、夢の世界・現実の世界共に「滅ぼされた」状態になっているのは、このグレイス城だけ。
【ダーマ神殿】【カルベローナ】は現実世界のものはデスタムーアによって滅ぼされてしまっているが、ダーマ神殿は「人々の夢」として、カルベローナは住人が魂を飛ばしたことで、夢の世界で存在し続けている。その一方で、このグレイス城だけがどちらの世界でも滅んだ状態になっているのは、やはりダークドレアムによって滅ぼされたうえに神の怒りにまで触れてしまったことが関係しているのだろう。
その結果として、夢でも現実でもない世界で滅ぼされる瞬間を永遠に繰り返させられている様はまさに悪夢である。
老人が話す状況から、ダークドレアムが主人公達に屈服した後神に許された可能性もある。
 
しかし、グレイス王がこうした無謀ともいえる儀式をするに至った経緯にも逼迫したものがあったのは事実。
彼が儀式を行うことを決意したときには、既に大魔王デスタムーアの手によってダーマ神殿やカルベローナは滅ぼされてしまっており、勇者にまつわる伝説を知る者も次々と魔物に殺されてしまっているという事実があった。
伝説そのものの一角とも言えるオルゴーの鎧を擁する以上、遠からずこの城にも大魔王の手が及ぶであろうと予測していたのだ。
デスタムーアがいかに執念深く人間たちの反撃の芽を摘み取っていたかを裏付けるエピソードでもあり、グレイス王としては滅ぼされる前に悪魔の力を借りてでもこちらから打って出るほかになかったのである。
 
で、肝心の大魔王側であるが実際のところ伝説の装備そのものを確保しようとする動きは作中では特に確認できず、それどころかわざわざ人間に装備を全て集めるように仕向ける魔王までおり、そんな【デュラン】の判断を疑問視する魔物達も「装備を全て集めヘルクラウド城に乗り込まんとする人間」には警戒しても「装備の存在そのもの」には大して問題視している節は無かった。
結果的には王らの懸念は杞憂であり、ノーマークの鎧を守ろうとして自ら破滅したことになってしまったが、そんなデスタムーア側の考えを知る由もない彼らからしてみれば、この選択をしたのもやむを得ないと言えるだろう。
……よもや【ラミアスのつるぎ】と縁深い【マウントスノー】突如滅んだのを、大魔王の仕業と早とちりしたとかそういうオチではあるまい。
ただし、この儀式を行ったことで発生した惨禍のさなか、オルゴーの鎧の秘匿にだけはなんとか成功したことで、「オルゴーの鎧が大魔王の手に渡る」という「グレイス国が想定した最悪の事態」が避けられたという側面もある。それだけが唯一の救いか。
そうした事情と功績にも関わらず、神に凶悪な罰を与えられているのはなかなか理不尽ではある。
 
ちなみに、過去のグレイス城は前述の通り本来は夢の世界ではなく、夢でも現実でもない場所にあるわけだが、システム上の都合で、マップを確認すると夢の世界のそれであり、ルーラの行き先も夢の世界のリストとなる。
あるいは【ジーナ】の夢のように滅ぼされたグレイス城の犠牲者達が見ている「悪夢」なのか…。

DQMSL

みんなで冒険のクエストで、水曜日と木曜日に開催されている。
入手できる装備は【魔神のかなづち】【ふうじんの盾】
ボスは【ダークドレアム】