【バロック】

Last-modified: 2024-02-11 (日) 23:23:37

DQ7

過去の【リートルード】に登場する、気まぐれで偏屈な天才建築家。
名前の由来はおそらく、ヨーロッパの文化様式のひとつ『バロック』であろう。余談だが、彼の建築は名の由来のバロック建築というより、それよりもずっと後のアール・ヌーヴォー期の建築家、アントニオ・ガウディのものと、よく似ている。……というか、よく似ているどころか、明らかにこっちが建築様式の元ネタである。
ズレがあるのは、現実世界とあまりにもリンクさせすぎてはマズイとでも思ったのだろうか?
英語版での名前はPS版ではBaloch、3DS版ではPomposo。
 
基本的にはリートルードから離れたアトリエで作品を製作している。

人物像

天才と呼ばれる芸術家にありがちな、非常に気難しく偏屈な性格。 ガボ曰く「マリベルが男になったような人。」
自身を天才として疑わず、周りの人間を凡人と呼び捨てて憚らない。
名声はあるため助手を希望する者はそれなりにいるようだが、その性格のために助手が長続きしない。
バロックは弟子を必要とは考えていないが生活能力はほぼ皆無で食事なども作れないため実質的には召し使い同然に扱っている。
助手が出ていってしまった直後は食事に困るからと友人の【クリーニ】のところに身を寄せているらしい。
 
後述のように建築物に対する評価はさまざまなので、本当に本人が自称するような天才芸術家なのかはイマイチ不明。
しかし外観はともかく彼の作った建物やは数百年後もしっかり残っており、 からくりに関しても数百年後の時代から見ても素晴らしい出来栄えであるため、少なくとも技術者としては【ゼボット】並み、かつ建築家としてもものすごい天才なのは間違いない。
また、天才だからなのかリートルードから離れた場所で生活していたからなのかはわからないが、過去リートルードの異変に主人公たち以外で唯一感づいていた人物でもある。
もっとも異変中に1日経てば主人公に頼みごとをしていたことも忘れてしまうが。
 
【エミリア】という女性との間に【エイミ】という娘をもうけたが、自分が父親だということは明かしていなかった。というより、エミリアとエイミへの罪悪感もあって打ち明けられずにいた、というほうが正しいか。
娘が生まれていたことを知らなかったとはいえ「オレはアイツを捨てた男だ」という自責を感じており、リートルードから極力距離を置いているのもこれに由来する。
しかし、リートルードの異変解決後は弟子に逃げられ再び生活面に困ったので再びクリーニのところに身を寄せたが、ここでクリーニは「ウチも人手不足でバロックの世話ばかり焼いてるわけにもいかない」という大義名分のもと、バロックの世話をエイミに一任する。
これにより半ば強制的にエイミと共同生活を送る羽目になるが、色々な意味でエイミの扱いに困っている様子が窺える。
前述の通り偏屈かつアレな性格であるバロックだが、エイミが大ドジをやらかしても怒ることはなく、むしろ親切に気遣う素振りを見せる。
前評判を聞いていたエイミや元々のバロックの性格を知っているクリーニの助手が不思議に思う中、仕掛人のクリーニ本人には微笑ましいものを見るような目で見ている。
 
現代リートルードに行ってみると、教会の裏手に過去にはなかったバロック式の建造物が建っている。
今では【世界ランキング協会】の本部として使われているが、町人からは「山奥で暮らしていたバロックが、町で暮らすために作った」「あの家で人生の後半を自分の娘と暮らしたそうだ」という話が聞け、町中にはバロックとエイミ、そしてその母親について研究する学者がいるなど、後世には「バロックにはエイミという娘がいた」ことが周知の事実になっている。
また、バロックが町に暮らした頃から【バロックタワー】の制作にかかったようだが、バロックは完成を待たずにして亡くなってしまう。そして彼の死後に遺志を継いだエイミが、父の死後から20年もの時をかけてバロックタワーを完成させていることから、晩年までには父親の名乗りをしたことが推測される。
なお彼とその周囲の人物の関係は、【エミリアの手紙】を読むことなどで知ることができる。
 
なお、「バロックの残した宝がある」といわれるバロックタワーの最上階には、宝の他に2枚の絵画が飾られている。
『わが愛娘』というタイトルの絵画に描かれている女性はエイミによく似ており、 『青春の日』というタイトルの絵画にはバロックとクリーニらしき2人の青年とエミリアらしき若い娘が描かれていて、立て札に「宝はやるから絵のことは恥ずかしいので秘密にしてほしい」とシャイな伝言があったりと彼の意外な一面を見ることができる。

建築

彼の建築する建物はとても独特で、凄まじくカラフルなのが特徴。
また、柱や壁などがほぼ直線のみで構成された一般の建物と違い、微妙にあちこち波打っているかのように見える造形をしている。
ついでに、何を模したのかわからない、微妙にグロいオブジェが配置されていることがある。
 
評価は人によってさまざまで、リートルードの外から来た人物からは大抵「目がチカチカする」「この建物の中にいると落ち着かない」「なぜこれが評価を受けているのかわからない」といった感想を聞ける。
【マリベル】はバロック作の建築物を理解できないとのコメントを残し、リートルードから【ギュイオンヌ修道院】に来たときは「ここがおぞましいバロック建築に汚染されてなくてよかったわ」とまで言う。
主人公自身も過去【グリンフレーク】にある「バロック仕事集」を「おどろおどろしい建物のイラスト」と称し、現代の本棚にある「天才建築家バロック作品集(最新版)」を見たときには「目がチカチカしてきた」とのメッセージを出す。
 
一方で、現代リートルードで生まれ育った人たちにとってはバロック建築が当たり前の光景なので、普通の建物ではつまらないという認識らしい。そのため建物だけじゃなく住人のセンスもおかしいと評されることも。
いちおう観光客の中にもバロックの建築物にポジティブな評価を出す者がいるが、本心から評価していると思われるのは一部で、世間の評価に乗っかってそれらしいことを言っているだけの者も多い。
なお【ガボ】はこのバロックセンスをとても気に入ったようで、ことれあるごとにカッコイイと賞賛のコメントを残す。
現代リートルードで「やっぱりカッコいいなぁ、○○もそう思うだろ?」という問いかけに「いいえ」と答えた主人公に対して「目が悪いんじゃねえか?」とまで言う始末。
ちなみにこの暴言は、ネタや辛口系のコメントが軒並み削除されてしまったリメイク版でも健在である。
 
このように建築物の外観に関するセンスは賛否両論であるが、からくりの技術者としても才能があったようで、少なくともこちらは確かな評価が見て取れる。
特にリートルードにある時計塔は魔物が時間をループさせる呪いの触媒に利用するほどの出来栄えで、呪いの最中にこの時計を止めると時間ごと止まってしまう。 しかも数百年を経た現代でも変わらず動き続けているばかりか、時計塔のミニチュアを作ろうと画策して内部構造を見学しにきた男がいるものの、さっぱりわからんと匙を投げている。
ちなみにこの時計、現代でもレバーを動かして止めることができBGMも止まるが、現代ではさすがに時間まで止まるようなことはなく、機械室を出るとBGMも元に戻る。
 
また最後の作品というバロックタワーは、こちらはエイミが引き継いで完成を見たものであるため彼一人の作品ではないが、数百年の間頂上にたどり着いたものがいないという。まぁ謎解きだけならまだしも、モンスターまで出るので仕方ないか。モンスターがいつ頃住み着いたのかは不明。
 
なお、現代では「建築」と「土木」は完全に分化されているため、「建築家」である彼が「土木」に分類される橋を架けることに違和感を覚える方もいるだろうが、これらが分化されたのは日本では明治~大正にかけてであり、時代背景からして中世ととらえるのが妥当と考えられるこの世界ではまだ両者は未分化であり、彼が橋を架けることに矛盾はないと考えてよいであろう。

DQM2(PS版)

ひめのかぎ」という【ふしぎなかぎ】の世界の町の住民の台詞に名前のみ登場している。