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Last-modified: 2008-10-13 (月) 22:46:29

続き12-145

168 名前: Let's肝試し! (14) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:28:51 ID:4KeLCqbC
――――――肝試し(シグルド&セリカ&エリンシア)―――――――
―1F―
シグルド「ほう…これは…」
エリンシア「なんと言いますか…」
セリカ「本格的ねぇ…」
辺りの様子を見回すと不気味としか言えない空間が広がっていることに
肝試しには最適な場所であると三人は感嘆する
エリンシア「ずっと前ルキノやジョフレと一緒に肝試しと称して
      暗い所を探検して遊んだのを思い出しますわ」
シグルド「私もアルヴィスはもちろんアーダンや色んな奴とこういうところで肝試ししたものだ…」
セリカ「はいはい、過去にトリップしない…とりあえず行きましょう?」
エリンシア「あ、そうね、行きましょうか、何があるか楽しみですわ」
シグルド「うむ、まあ私たちが悲鳴をあげたりなどはないと思うがな」
セリカ「ホントに~? シグルド兄さんその台詞忘れないでよ」
シグルド「フ…やけに挑戦的だな…そういう事を言う奴に限って一番怖がったりするものだぞ?」
セリカ「フフン、そんなことないわよ」
エリンシア(ふふ…仲がよろしいですわね、二人とも)
お互いに視線をぶつけ合い漫画的描写では火花が散りそうな様子の二人が
仲がよさそうに見えるかはともかく、先ほどの三人とは違いこういった類は平気のようだ
恐れずに堂々と進んでいく…
シグルド「ん…? なんだこれは」
しばらく歩くとわざとらしく垂らしてある白い糸が目の前に現れる
つい先ほどアイクが引っ張った金ダライの罠である、リーフ達が再び仕掛けたのだ
エリンシア「なんなんでしょう…いかにも罠って感じですけど…」
セリカ「まあ、いいじゃない、あえてのってあげましょうよ、えい!」
グイッと、それはもう迷いなく強く糸を引く
ガンッ!! ガランガラン…
シグルド「……」
セリカ「……」
エリンシア「……」
先ほどと同じように金ダライが落ち、耳を叩くような音が響き渡る、だが…
セリカ「ぷ…くく…」
シグルド「笑うなぁ!!? 一応お前が原因なんだぞ!!」
いくら金ダライが落ちる罠で共通しているとは言え落下地点まで同じとは限らない
金ダライは見事にシグルドの頭上に落下したのだった
ズキズキとやや痛む頭を押さえ、シグルドはセリカに詰め寄った
169 名前: Let's肝試し! (15) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:29:36 ID:4KeLCqbC
リーフ「計画通り」
ロイ「行動読みすぎだよ、リーフ兄さん…すごいけどさ」
マルス「案外家族を一番見ているのかもね…」
そう、リーフはあえて誰か乗って引いてくれるだろうと最初からふんでいたのだ
それだと音で驚かせることはできない、ならば直接ダメージを与えてみようという魂胆だったのだ
付け足すと先ほどのレクスオーラのダメージを傷薬で回復しながらの会話である
リーフ「いやー僕は自分自身の才能が怖い!」
ロイ(敵に回したくないや、この人)

セリカ「あははは、ゴメンゴメン、でもおかしくて…ふ…ふふ…!」
シグルド「ああ…もういい…こんなことで腹を立てても仕方ないしな…気を取り直していくとしよう」
エリンシア「(そういえばジョフレにも同じ罠を仕掛けてルキノと遊んだような…
      あの時は確か…)まあ、まあシグルド兄様、
      鋼の弓たくさんじゃないだけよかったではありませんか」
シグルド「…鋼の…?」
セリカ「…弓…って何で?」
エリンシア「あ、いいえ、なんでもありませんわ、さ…さあ、行きましょうー」
どこか狼狽した様子でエリンシアは先へ進み始めた
シグルド「鋼の弓が大量に頭上に来たりしたら」
セリカ「確実にタダでは済まないわよね」
シグルド「…想像したら…ゾッとするな」
セリカ「私もあまり考えたくない…」
背中にいやな汗を掻くのを感じ別の意味で冷えながらもエリンシアの後を追い、ひとまず二階を目指す
シグルド「ん…と、こっちか」
セリカ「それにしても本当にこれでもかというほどあるわね、案内表示」
道の分かれ道にはほぼ確実と言っていいほど案内表示が掛けてあるのだ
右に行くと仮眠室、左にいくと書類庫、階段は~の方向に~メートルとか…
シグルド「迷う方がおかしいな」
エリンシア「マルスちゃんから聞いてはいましたけど想像以上ですわね」
セリカ「あった、ここが階段みたいね」
シグルド「二人とも足下に気をつけて上るんだぞ」
セリカ「兄さんこそ気をつけてよ」
シグルド「わかっている」
なにぶん、視界が悪く、足元は見えない、三人は用心しながら2Fへの階段を上った
―2F―
セリカ「相変わらず視界が悪いわね」
エリンシア「足下がよく見えませんわ…」
シグルド「任せろ、こんなこともあろうかと…これを持ってきた」
シグルドの右手にはティルフィングが
セリカ「なんで持ってきてるのよ、というかそれでどうするのよ」
シグルド「こうするんだ」
ガッ、ガッと自分の進む先の足元をティルフィングで確かめながら進み始めた
セリカ「ちょ、なんてことに使ってんのよ…シグルド兄さん」
シグルド「何を言う、これはとても安全な方法だぞ、足元に何かあってもこれですぐにわかる」
セリカ「そうじゃなくて…なぜよりによってティルフィング…
    ああ、もういいわ、安全なのは確かよね…」
エリンシア(専用武器も型なしですわね)
用途はともかく効果は本物だ、足元の危険性はこれでだいぶ薄れる、自信満々にシグルドは進み
その横左右をエリンシアとセリカが進むという隊列で3Fを目指す
170 名前: Let's肝試し! (16) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:32:26 ID:4KeLCqbC
リーフ「うーん…ああなっちゃうと罠が仕掛けられないよ…」
ロイ「そうだね…足下に罠の可動スイッチを置くようなタイプは通じないね」
マルス「なら僕に考えがある、これを使おう、二人とも手伝ってくれ」
マルスの手にはあるものが握られていた
ロイ「なるほど、その手があったね」
リーフ「いいね、これ、早く取り付けに行こう」
こちらも罠に自信満々のようだ…さてどんな罠なのだろうか?

シグルド「おっと…糸が張ってあるな、罠だ」
セリカ「なるほどね…効果については認めるわ」
見た目はアレだけど…とセリカは心の中で付け足しておく
エリンシア「この分だとしばらくは何も起きなさそうですわね…」
至って平和である、この分だと何事も起こらず3Fにたどり着いてしまうが…
シグルド「おっと、またか…」
セリカ「あーもう、もうちょっと凝った罠仕掛けなさいよ…つまらないじゃない」
エリンシア「確かにちょっと退屈ですわね…」
もはや緊張が緩みつつある三人、張ってある糸を跨ぎ、再び先に進もうとしたその時だった

ファサッ…
シグルド「うわああぁーーーーーー!!!?」
セリカ「キャーーーーーーー!!?」
エリンシア「な、なんですか!?」
セリカ「ちょっと兄さん!! いきなり大きな声出さないで!! 心臓に悪いじゃない!!!」
シグルド「な、何かが私の顔に触れたんだ!!」
セリカ「何かって何よ!! 暗くて見えないわよ!!!」
エリンシア「ちょ、ちょっと待ってください、今明かりを入れますから…」
エリンシアはすぐそこにあった少し光が漏れている窓のカーテンを開け、光を取り入れる、
そこには…
シグルド「…へ?」
セリカ「これって…」
エリンシア「ただの糸…ですわね」
そう、天井から数本の黒い糸が垂れ下がっていたのだ、その高さが
丁度シグルドの身長に合うように取り付けてあったのだ
セリカやエリンシアの身長では普通には届かないようになっている

マルス「大成功」
ロイ「『シグルド兄さんキラー』の効果あったね」
リーフ「足下に注意がいき過ぎてるから、なおさら頭上に仕掛ける罠の効果も上がってるよね」
これは対シグルド用に開発した逸品でもある、家族のデータは揃ってるので
特定の一人を狙う罠の作成もたやすいものだったのだ
今回利用したのは身長差である
マルス「まさかこんな早い段階で出すことになるとは思わなかったけど…」
ロイ「本来なら次ぐらいの階で仕掛けたかったね、自信あったのに」
リーフ「まあ、効果は抜群だったし、いいんじゃない?
    次はこれ以上の罠で迎えようよ」
ロイ「そうだね」
もはやシグルド達は3Fの目の前まで来てしまっているので2Fでの作業を終え、
隠し階段から3Fに先回りする三人だった
171 名前: Let's肝試し! (17) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:33:37 ID:4KeLCqbC
セリカ「あーもう…心臓に悪すぎよ…」
シグルド「す…すまん…」
セリカ「他人に悲鳴あげるなよって言っておいてこれだもの…情けない」
シグルド「う…」
エリンシア「セリカちゃん…」
エリンシアは小声でセリカに耳打ちをする
エリンシア「ちょっと言いすぎじゃない…?」
え…、とセリカは視線をシグルドに向けると壁に両手をつき、
どんよりとしたオーラを背負ったシグルドが…
セリカ「(あ…本当だ…)シ、シグルド兄さんごめんね、言い過ぎたわ…」
シグルド「いや…かまわん、お前が正しい…情けないな私は…」
セリカ(あ~…なんか深みにはまっていってる~…)
エリンシア「ま、まあ気を取り直して行きましょう? シグルド兄様?」
シグルド「ああ…」
セリカ「…誰だってあれは悲鳴あげるわよ、兄さん」
シグルド(…?)
セリカ「私だって急に自分の顔に何かが掛かったりしたら驚くもの、
    もし狙いが私だったら、さっきのシグルド兄さんみたいに一人で悲鳴あげてるわよ」
シグルド(セリカ…)
赤くなっている顔を見られないようにそっぽを向きながらセリカは言葉をつなげる
セリカ「今回はそれが兄さんだっただけ、さっきいったように
    私が一人で恥をかいた可能性だってあるんだから、いつまでも落ち込んでないでよ…」
二人からは見えていないがセリカの顔はもう真っ赤である、
気恥ずかしさからそっぽを向きながらのぶっきらぼうな励ましになってしまったが
シグルドには十分すぎたようだ
シグルド「う…うぅ…」
セリカ「ちょ、何泣いてるのよ…兄さん」
シグルド「うおぉーセリカぁぁー!」
シグルドは感涙しながらガバッという擬音がつきそうな感じでセリカを抱きしめた
セリカ「ちょ…落ち着いてよ、兄さん…この歳で恥ずかしいじゃない///」
シグルド「すまない! 私が馬鹿だったぁー! うおぉぉん!」
セリカ「あー、落ち着いてったら!!///」
エリンシア「ふふ、微笑ましいですわね…何だかんだで二人とも仲がいいものね」
暖かな家族愛を目の当たりにし、ニコニコと微笑ましい笑みを投げかけるエリンシアを視界に納め
セリカは真っ赤になりながらシグルドが落ち着くのを待つしかできなかった
セリカ(あーもう、あんなこと言うんじゃなかったわ…///)
自分の発言を少し後悔したセリカだった
―3F―
シグルド「すまない…騒がせた…」
セリカ「も、もういいって…お願いだから思い出させないで…」
エリンシア(微笑ましいですわ…カメラ持ってくればよかったですわね)
心温まる家族愛をつい真下の階で繰り広げ、落ち着いたところで3Fへ到着した
シグルド「ティルフィングは封印しておく…頭上の注意が散漫になりがちだからな…」
セリカ「まあ、それが無難じゃない?」
エリンシア「一応半分の階層まできたのですね…」
セリカ「とりあえず進みましょう」
例のよって案内表示板を確認しながら確実に歩みを進めていく
ここでちょっと外の様子へトリップしよう
172 名前: Let's肝試し! (18) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:35:01 ID:4KeLCqbC
―――――外―――――
エフラム「シグルド兄上の悲鳴が聞こえたぞ」
エリウッド「セリカのも聞こえたね、何が起きたんだろう」
リン「あの二人はこういうの大丈夫そうだったけど…マルス達が頑張っているのかしら」
セリス「シグルド兄さんとセリカを脅かすなんてすごいねー」
ミカヤ「た、確かにね…」
だいぶ時間が経ち、時刻は昼ちょっと過ぎ、日差しが厳しくなり
一同は涼しい木陰へと移動していた
アルム「それにしても木陰ってこんなに涼しかったんだ」
ヘクトル「本当だな、これからちょくちょく利用しに来るかなー」
アイク「ふぅ、さて訓練でもするか」
この人はどこにいようがやることは変わらないようである…
エイリーク「アイク兄上は相変わらずですね…」
アイク「腕が鈍る、鍛錬はかかせん、さて…と…ん?」
ミカヤ「どうかしたの、アイク?」
アイク「ラグネルが…ない」
セリス「え、さっき肝試ししたとき持ってたじゃない」
ヘクトル「マジかよ、廃ビルの中に落したんじゃねーか?」
リン「そういえば出てきたとき持っていなかったような…」
アイク「仕方ない、ちょっといってくる」
ミカヤ「あ、アイク? 今はシグルド達が…ってもういない…」
リン「早…」
――――――side アイク―――――
アイク「俺としたことが…自分の武器を落とすとはな…情けない」
心当たりはあった、おそらくミカヤのレクスオーラの直撃を受け、
のびてしまった時だろう、あのときの場所に置いてきてしまったのだとアイクは考えていた
アイク「早いところ訓練をしたい…さっさと取って来よう」
さっきの今だ、階段への道はある程度覚えている
迷いなく歩みを進めていく
アイク(そういえば…結局強そうな奴に会えなかったな…残念だ
    こういうところにこそ居るとふんだんだが…)
まだいっていた…
―――――side シグルド&エリンシア&セリカ―――――
シグルド「ここの階層はやけに複雑だな」
エリンシア「そうですわね…分かれ道がやけに多いですわ」
セリカ「案内表示なかったら確実に迷うわね、ここ」

リーフ「さて、次はどうしよう…」
マルス「うーん…ティルフィング安全棒は消えたけど…地味な罠はなぁ…」
ロイ「あ、じゃあ僕の作ったの試してもいいかな?」
マルス「うん、いいよ、ネタもないし、興味もある」
リーフ「僕も、どんな罠?」
ロイ「んーまあ仕掛けてのお楽しみってことで」
先回りし、手早く罠をしかける…
173 名前: Let's肝試し! (19) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:36:38 ID:4KeLCqbC
シグルド「あ、ようやく4Fに近付いてきたようだ」
セリカ「ホントだ、もう少しね」
エリンシア「がんばりましょう」
意気込んでエリンシアが強く一歩を踏み出す、そのときだった
プシュー…
シグルド「!? なんだ?」
セリカ「何この甘い匂い…なんか頭がぼんやりする」
エリンシア「ご、ごめんなさい、何か踏んでしまったようですわ…」
シグルド「ちょっと窓を開けよう」
さっきと同じように近くの窓のカーテンを開け、窓を開け、二人の方を見る―――
シグルド&セリカ&エリンシア「「「うわーーー!?(きゃーーーー!?)」」」
シグルド「な、なんで魔物が!?」
シグルドの目の前にはバールとビグルが
セリカ「その声…見かけはガーゴイルだけどシグルド兄さん!?」
シグルド「ビグルが…セリカなのか? どうなっている…」
エリンシア「ということは私がバールに見えているのですね…
      私もお二人がビグルとガーゴイルに…」
シグルド「幻覚だと…?」

――(注釈:魔物の姿形がわからない方のために簡単な説明)――
ガーゴイル:翼の生えた悪魔、槍を用いて襲ってくる、=シグルド
  ビグル:大きな一つ目の魔物、その眼には邪悪な力があふれている、=セリカ
  バール:大きな蜘蛛のモンスター、その爪には毒がある、=エリンシア
――(元は聖魔より引用しております)―――

ロイ「あ、ガスを吸い込まないでね、僕らもああなっちゃうから」
マルス「なるほど幻覚ガスだね」
リーフ「面白いものもってきたねーこれは楽しい」
効果としては人、物が別の物に見えるというただそれだけのものだ
人には全くの無害なのでよくお遊びで使われることがある
ロイ「効果時間はそこまで長くないけど、結構ドッキリすると思って」
リーフ「いやぁ、お主も悪よのぉ」
ロイ「いえいえ、兄さんほどでは…って何言わせるのさ」
しかしこれが思わぬ事態を呼ぶ

ガンガンガン…
アイク「ふぅ、ようやく3Fについた…ラグネルは向こうか…」
今アイクが向かっているのはシグルドたちのいる方向である
これが何を意味するかおわかりだろうか…
アイク「お、あったあった…」
廊下の隅には確かに黄金の刀身を持つ神剣ラグネルがあった、
無事に見つけられたことに安堵し、ラグネルへ近づこうとしたその時
アイク「ん…なんだ? この甘い匂いは…眩暈がしそうだ」
ちょっとクラッとして片膝をつくがすぐに回復したようだ
174 名前: Let's肝試し! (20) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:38:47 ID:4KeLCqbC
アイク(なんだったんだ…もう何も感じない)
立ち上がり、ラグネルの方を見る、そこには信じられない光景が…
アイク(な…んだと?)
確かにそこにはラグネルがあったはずだ…しかしそこにあったのは
黄金色に輝く骨だった、とりあえず拾い上げてみる
アイク(間違いない、ラグネルだ…どうなっている―――!)
そのとき何者かの気配を感じたアイク
アイク(なにか…居る、もしかしたら俺の探してた強い奴か!?)
なにをどうすればそうなるんだと問いたいが生憎ツッコミ不在である
アイク(ラグネルが使えればいい、今行くぞ…俺と戦え!)
ダッシュで気配の方へ一目散に向かう―――

シグルド「…何か聞こえないか?」
エリンシア「…そして何か近づいています」
セリカ「なんだろ…この嫌な予感…」
ダダダダダッ
シグルド「間違いない! なにか来るぞ!」
セリカ「ついに直々に脅かしに来たのかしら…?」
エリンシア「でもそれにしては気配を殺さなさすぎですわ…」
ダダダダダ、ザッ!
シグルド&セリカ&エリンシア「「「………」」」
三人の目の前にはスケルトンが一匹…
――――(また一応注釈)――――
スケルトン:ゲームでは定番中の定番、全身骨の魔物
      聖魔では剣や槍、はたまた弓を扱う意外と器用な魔物
      正体は…言わずともわかるだろう
――――(しつこくてごめんなさい(平伏))―――
アイク(バール、ガーゴイル、ビグル…か…少し期待外れだが)
ラグネル(骨)を構える…
アイク(こんな変な場所にいるんだ、隠れた力を持った特殊な存在かもしれん…!)
シグルド「誰だ、マルスか? リーフか? それともロ」
ロイかとつなげようと瞬間、シグルドのすぐ横を衝撃波が通り過ぎた
シュバァ!! ズガーーン!!
セリカ「…え…??」
エリンシア「…(絶句)」
シグルド「お、おい…冗談が過ぎる…ぞ」
スケルトン(アイク)は無言で黄金の骨(ラグネル)を突きつけてきた…
セリカ「兄さん、どうやら冗談じゃないみたいよ…」
エリンシア「ど、どうしましょう…」
アイク(どうした…? なぜかかってこない)
威嚇のための衝撃波を打ったがかかってくる気配がない
アイク(来ないのなら…こちらから行くまでだ!!)
アイクは床を蹴って走り出した
シグルド(何か知らんがまずい…!!! だが長兄として…家族を守らねば…)
アイク「はぁ!!」
シグルド「くっ…!」
ガキン!!という金属の衝突音が辺りに響く
シグルド(まさかここでティルフィングを使うとはな…!)
175 名前: Let's肝試し! (21) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:40:23 ID:4KeLCqbC
アイク(何、このガーゴイル、剣を使うのか!?)
どうやらティルフィングは普通に剣に見えるようだ、姿形は多少変わってるが…
アイク(新種か…面白い…!)
ギギ…と金属が擦れる音と共にシグルドが押される
シグルド(なんて力だ…! 力では負けるか…というか骨に負ける剣って…)
シグルドは力を込め、骨(くどいようだがラグネル)をはじき返す
シグルド「セリカ、エリンシア、お前達は物陰に隠れていろ!」
アイク(セリカにエリンシアだと…?)
自分の家族の名前が出てきたことによってやや動揺する…が
アイク(そうか、最近の魔物は喋る上に名前までつけあうのか)
恐ろしい解釈をしていた、この分では幻覚ガスの効果が切れるまで気づかないだろう
エリンシア「とりあえず、隠れましょう、セリカちゃん」
セリカ「う、うん…」
二人は物陰に隠れる
シグルド「1VS1だ、家族に手は出させん!」
アイク「いいだろう…望むところだ(魔物に種族違いの家族があるのか…)」

一方、別の物陰
マルス「ちょ、なんでアイク兄さんがいるのさ!」
リーフ「そして何この修羅場」
ロイ「本日二度目の予想GUYだよ!!」
マルス「ロイ、あとどのぐらいで効果は切れるんだい?」
ロイ「あと10分ほど…」
リーフ「この建物…残ってられるかなぁ…?」

アイク「行くぞ…」
シグルド「…」
にらみ合う二人…お互いに正体には気づいていない…シグルドはアイクに勝てるのだろうか?
アイク「ぬぅん!!」
ラグネルを紙一重でかわす
シグルド「はっ!」
的確な反撃の一撃…のはずだったしかし
キンッ!
相手に受け止められる
シグルド「何…!?」
アイク「甘い!!」
切り返され、腹部に強烈な一撃を浴びせられ、シグルドは壁に叩きつけられる
シグルド「ぐっ…(強い…しかし、どこかでみたような技だ…)」
果敢に向かってくるアイク(スケルトン)、
シグルドはとりあえず立ち上がり相手の攻撃を見切り反撃の機会を伺う
アイク「喰らえ!」
シグルド(!、足元を狙う攻撃だ、ならば!!)
シグルドは床を蹴り空に舞い、攻撃をかわし、武器を振り下ろす
シグルド「もらった!」
アイク「させるか!! 天空!!」
176 名前: Let's肝試し! (22) [sage] 投稿日: 2008/07/25(金) 00:41:25 ID:4KeLCqbC
天空…この一言にシグルドはもちろん物陰に隠れていたセリカとエリンシアも正体に気づいた
シグルド&セリカ&エリンシア(((ア、アイク!!?)))
ドガァ!!
シグルド「ぐ…は…アイク!!、やめてくれ! 私だ!」
もろに天空の一撃を受け床に叩きつけられながらも目の前の家族に声をかける―――が
アイク「なぜ、俺の名を知っている…だがそんなことは関係ない、
    あんたは俺の宿敵、それだけだ」
シグルド(勝手に宿敵にするなぁー!?)
セリカ「シグルド兄さん! とにかく逃げましょう! 勝ち目なんてないわ!!」
エリンシア「おそらくアイクもさっきのガスを吸ったんだと思います、
      逃げて効果が切れるのを待ちましょう!」
シグルド「情けないが…それしかないか…!!」
全員アイクの恐ろしさ、強さを知っている、一家最強どころか
この世界では化け物並の戦闘能力を誇る存在、それがアイクなのだ
常識的に考えて勝てるはずがない
アイク「む…逃がすか!!」
骨(本当にくどいがラグネル)で衝撃波を放つ
セリカ「きゃーーー!! ちょっと!! シャレにならないわよ!!」
エリンシア「というかなぜここにアイクが…!!」
シグルド「理由を考えていても仕方がない、とにかく逃げるんだ!」
シュバァ!!(ラグネルの衝撃波)
三人「「「ぎゃーーーーー!!!」」」
今廃ビル内にて(三人が)命がけの鬼ごっこが始まった

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