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Last-modified: 2008-10-13 (月) 22:13:53

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96 名前: その名はAKJ 第三章 1 [sage] 投稿日: 2008/09/02(火) 17:09:41 ID:KgOmjJf9
第3章 財務・総務責任者クラリーネ

―8月中旬 AKJ本部
クラリーネ「プリシラさん!!恋愛支援部の支出はあまりではなくて?どうやったら月に200万Gも使えるんですの!?」
プリシラ 「ごめんなさい、『戦渦に巻き込まれた私と、それを颯爽と助けるレイモンド兄さま』というシチュエーションを是非やりたかったのです。そのためには、まず戦争を起さないといけないので・・・」
クラリーネ「それにティニーさんも、120万G使っていますわね」
ティニー 「ええっと、お金に困っている兄妹がいて、借金を返さないと入会どころじゃないらしくて、その肩代わりを・・・(あと夏コミの出店代と印刷代)」
クラリーネ「お2人とも、いくらなんでも使いすぎですわよ」
ティニー 「そういうクラリーネさんだって、しっかりと50万G使っているじゃないですか」
クラリーネ「う・・・それは兄さまとデート費用と、ティト抹殺のための暗殺者報酬で・・・と、とにかく、もう少し自重してください」
プリシラ・ティニー 「はーい、わかりました」
クラリーネ 「わかればよろしいですわ」
ラケシス 「クラリーネ、エルト兄様とデートしたいから30万Gほど用意できないかしら?」
クラリーネ「会長ぉぉぉぉぉぉぉ」

クラリーネ「まったく、このままでは赤字ですわ。何とかしないといけませんわね」

―8月下旬 リグレ本社
エルク  「クレイン様、お茶が入りました」
クレイン 「すまない、父上の教え子である君にこんなことをさせてしまって」
エルク  「いえ、僕がリグレ家に受けた恩に比べればこの程度のこと」
クレイン 「そういってもらえると、嬉しいよ」
エルク  「クレイン様こそ、あまりご無理をなさらずに」
クレイン 「そうはいかない、2時間後の取締役会に決算報告をしなければならないからね。何か見落としがあったら父上の恥になる」
エルク  「クレイン様がここまでご熱心であれば、パント先生も鼻が高いでしょう」
クレイン 「!!こ、これは一体!?」
エルク  「いかがなさいましたか!?」
クレイン 「金額の計算が合わない、書類上にない支出が存在している」
エルク  「何ですって!?」
クレイン 「一昨日の時点では確かになかった。だからこの2日の間に誰かが会社の金を抜き取ったんだ」
エルク  「そ、それで、金額は」
クレイン 「・・・ざっと500万G」
エルク  「500万!!」
クレイン 「このことが取締役会でバレたら父上のお立場が・・・」

パント  「どうしたんだい、クレイン?」
ルイーズ 「浮かない顔をして、何かあったのですか?」
クレイン 「ち、父上と母上・・・実は・・・」
パント  「ふーん、使途不明金で会社の金に穴がねぇ・・・」
クレイン 「申し訳ありません。全ては私の責任によるもの、いかなる罰をも受けましょう」
パント  「で、具体的にはいくらぐらいなんだい?」
クレイン 「ご、500万G程で・・・」
パント  「なんだ、クレインはそれ位の額でこんなに落ち込んでいたのか、相変わらず心配性だなぁ・・・」
クレイン 「そ、それ位って500万Gですよ」
パント  「大丈夫、大丈夫、すぐに取り戻せるよ」
クレイン 「無理です。仮に取り戻せたとしても。これから始まる取締役会で、どのように申し開きをすればいいのですか?こちらの対応によっては、私だけでなく父上も責任をとらされることに・・・」
パント  「大丈夫、大丈夫、何とかなるから」
クレイン 「無理です!!」
ルイーズ 「心配しないで、クレイン。お母さんとお父さんに任せなさい」
97 名前: その名はAKJ 第4章 2 [sage] 投稿日: 2008/09/02(火) 17:12:43 ID:KgOmjJf9
―30分後
パント  「問題なかったよ、取締役達も許してくれた」
クレイン 「うそーーーん」
パント  「だから言ったじゃないか、心配することないって」
クレイン 「ち、父上、貴方はいったいどんな魔法を使われたのですか!?」
パント  「簡単なことだよ、ルイーズが『500万G程使ってしまったのですが問題ありませんね』ってニッコリ笑ったら取締役一同『問題ありません』って言ってくれたよ」
ルイーズ 「優しい方達でよかったわ。でも大丈夫かしら、皆さん顔が赤かったし、息も荒かったし、目も何処となく虚ろで、ご健康が心配だわ」
エルク  (つまり取締役全員『ルイーズ様ハァハァ』状態だったと)
クレイン (この場合、笑顔1つで500万をGなかったことにできる我が母の魅力に驚くべきか、それとも取締役全員人妻萌えの我が社の未来を憂うべきか・・・)
パント  「いやぁ、それにしてもルイーズの笑顔はいつ見ても最高だね。まさに『君の瞳はトールハンマー』」
ルイーズ 「まぁ、あなたったら」
クレイン (いけない、尊敬する両親の仲がいい姿を見て『ちょっとうざい』と思ってしまっては、息子としていけない)
パント  「そろそろ時間だね。ちょっと出かけてくるよ」
クレイン 「あ、あの、何処へお出かけになるのでしょうか?」
パント  「いやあ、シレジア社のレヴィン社長と約束があってね。ああ、多分明後日位まで帰らないから留守を頼むよ」
クレイン 「し、しかし父上、明日はアカネイアの社長達との会見が・・・」
ルイーズ 「まぁ、そんな小さなことを覚えていたなんて、クレインはしっかりものですね」
パント  「本当父として鼻が高いよ、もう私も引退かな。そういうことで、行ってくるね」
クレイン 「ちょ、父上、答えになっていません」
パント  「大丈夫、なんとかなるから。じゃぁ頼んだよ~」
ルイーズ 「お土産買ってきますわね」
クレイン 「待って下さーーーい」

―パント夫妻、イチャイチャしながら出かける
クレイン 「・・・エルク」
エルク  「は、いかがなさいましたか?」
クレイン 「誤解しないで欲しいんだけど、ぼくが世界で一番尊敬するのは両親なんだよ」
エルク  「それは、存じております」
クレイン 「父は素晴らしい人だよ。家柄、才能、容姿、何一つ欠ける事がないのに決して奢ることはない」
エルク  「十分に存じております、先生が拾ってくださらなければ、今頃私は生きておりません」
クレイン 「母も常に愛に溢れ、誰にでも優しい」
エルク  「それも十分に存じております、私も実の息子と同様に育てていただきました」
クレイン 「そんな両親を持ったぼくは幸せ者だよ。本当、尊敬に値する方々さ・・・でもね」
エルク  「でも?」
クレイン 「ぼくは少し、ほんの少しだけ思うんだ。『2人ともちょっと 自 由 す ぎ な い ?』って」
エルク  「そ、それは・・・」
クレイン 「いやね、ぼくの頭が固いってことはわかっているんだよ、それでもね500万Gの金をニッコリで済ませちゃうのはどうかと思うんだよね」
エルク  「いや、あの・・・」
クレイン 「500万ってさ、大金だよ?ヘクトル編ハードでも資産評価☆5つを5週してもまだお釣りがくるんだよ」

注:携帯ゲームソフト板の封印烈火聖魔総合スレによると、ヘクトルハードの資産評価☆5つのボーダーは約85万G。

エルク  「ま、まぁ、先生のご人徳ということで」
クレイン 「明日の会見ってものすごく重要なんだよ。マケドニアあたりに隙を見せたら、何されるかわからないんだよ?それ全部ぼくがフォローしてるんだよね」
エルク  「じゅ、十分存じて追ります」
クレイン 「父上にはエトルリア一の企業の長という自覚を持っていただきたいんだよ。それなのに父上のやることといったら魔道研究か母上とラブラブするか・・・」
エルク  「ま、まぁ、先生は元々魔道の研究が本職でいらっしゃいますし、それにご夫婦が仲がいいのは素晴らしいことだと・・・」
クレイン 「限度ってものがあるよ!!クラリーネはじゃじゃ馬だし、本当ぼくの苦労は絶えないよ・・・。最近やたら髪が抜けてきているのもそのせいだね」
エルク  「髪の毛については痛いほどわかります。私もある横暴シスターのせいで抜け毛がひどくて・・・」
クレイン 「ははは、今度一緒にかつらを探そうか」
エルク  「ご、ご冗談を・・・」
クレイン 「はぁ、そろそろ時間だね。出かけてくるよ」
エルク  「どちらへ?」
クレイン 「父上と一緒さ。シレジア社のセティとね、お互いの苦労を愚痴りあってくるよ」
エルク  「い、いってらっしゃいませ」
98 名前: その名はAKJ 第3章 3 [sage] 投稿日: 2008/09/02(火) 17:15:16 ID:KgOmjJf9
―AKJ本部
クラリーネ「臨時資金500万G、調達してきましたわ」
ティニー 「すごい、さすがクラリーネさん」
プリシラ 「これで積極的に活動が行えますね」
ラケシス 「お疲れだったわね、クラリーネ」
クラリーネ(ああ、申し訳ありません、クレイン兄さま。私のせいで、お苦しみになって・・・あ、でも苦しんでいるお兄様の姿も、憂いを帯びていて、す・て・き)
クラリーネ(はっ!いけないわ、クラリーネ。愛するお兄様が苦しんでいらっしゃるのに喜ぶなんて、妹失格ですわ)
クラリーネ(でも、あの影を帯びた表情は・・・いけない・・・だけど・・・あぁ・・・)
ティニー 「なんか、自分の体をかき抱いて色々独り言いっているみたいだけど・・・」
プリシラ 「きっと愛するお兄様のことをあれこれ考えているのでしょう、我々にとってごく日常的なことではないですか」
ラケシス 「そうね、わたしなんか、1日1回はエルト兄様と愛し合っている想像をしないと夜眠れないわ」

―AKJは会員から一切金銭を徴収しない。AKJの運営費用は主にノディオン、フリージ、リグレ、コンウォルといった名家からの『自発的支援』のもとに成り立っている。
 その財産管理を統括するのがAKJ役員の1人、クラリーネである。
 リグレ家・リグレ社で起こる使途不明金の流出は、クラリーネによる抜き取りなのだが、パント夫妻の人徳(?)によってさして実害は無いという。

第4章へ続く

おまけ

―夜、パント夫妻とレヴィンらの宴
レヴィン 「それでは乾杯」
一同   「かんぱーい」
パント  「レヴィン君、君はまた女性二人を連れてきているけど、そろそろ身を固めたほうがいいんじゃないのかい?」
ルイーズ 「そうですよ、いつまでも待たしては、女の子が可哀相よ」
シルヴィア「ほんっと、いい加減はっきりしてほしいわよね。ま、もちろんあたしを選ぶんだろうけど」
フュリー 「レヴィン様・・・わたしは信じていますよ」
レヴィン 「HAHAHA・・・2人とも冷静にね」
パント  「君も罪な男だな」
レヴィン 「そんなことよりも、明日から1週間俺達はカダインに遊びに行くんだが、良かったら一緒にどうだい?」
パント  「いいのかい?あそこは魔道の本場だから是非行ってみたかったんだよ」
ルイーズ 「楽しそうですね、私もご一緒します」
レヴィン 「明日大事な会議があった気がするけど、セティに任せればいいや。いやぁ、優秀な弟を持つと、兄は楽ができるなぁ・・・」
パント  「私たちもそろそろ引退かな。クレインも立派に育ってくれたし」
ルイーズ 「クラリーネも『素直ないい子』に育ってくれましたし。本当、立派な子供を持って私たちは幸せですね」
一同   「HAHAHAHAHAHA」

―同時刻「カリルの店」
クレイン 「酒がたりんぞぉぉぉ」
セティ  「そうだ、そうだ、もっともってこい!!」
クレイン 「しかし、あれだね、本当自由奔放な家族を持つと苦労するよね」
セティ  「全くだよ、兄上の好き勝手の後始末は全部私がやっているんだから・・・はは、飲まなければやっていられないね」
クレイン 「だから酒をもってこぉぉぉぉい」
セティ  「そうだ、早くしないとフォルセティぶっ放すぞぉぉぉ!!」
カリル  「ちょっと、ちょっと、お兄さん達飲み過ぎだって。せっかくのいい男がこんなに酔って台無しじゃないか。彼女が見たら泣くよ」
クレイン 「彼女?はっ!ティトのデートは全て何者かに潰されたさ!!今じゃティトは私に会ってもくれない、噂じゃアレンとかいう奴とラブラブだってさ、ちきしょーーー」
セティ  「ティニーがね、2ヶ月ぶりに私と会いたいっていうんだよ、私は喜んで会いに行ったさ。そうしたら彼女はなんていったと思う?」

ティニー 『今度の新刊はセティ×リーフでいきたいのでモデルになってください』

セティ  「だとよ、一晩かけてデートコース考えてきた私が馬鹿みたいじゃないか!!」
カリル  「・・・あーその、あたしがこんな事言うのもあれだけど、まぁ、元気だしなって」
クレイン 「どうせ私は真面目だけがとりえの男さ。ハードブーストつきでやっとウォルトとどっこいのヘタレさ。遊牧民のおかげで必要0のスナイパー(笑)さ」
セティ  「そうさ、ティニーはリーフLoveでアーサーにべったりなのさ、私なんて同人のネタにすぎないのさ」
クレイン・セティ「わかったら酒を持ってこーい!!」
カリル  「あー、ラルゴ。悪いけど酒追加。このお兄さん達、潰れるまでやめなさそう」

この場のセティはトラキア776仕様(レヴィンと血縁)ということでお願いします。

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