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Last-modified: 2008-10-13 (月) 22:13:10

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632 名前: その名はAKJ 第2章 1 [sage] 投稿日: 2008/08/26(火) 02:52:57 ID:+RAyFX06

第2章 人事・情報責任者 ティニー

―9月5日午後 マケドニア社 社長室
ミネルバ 「社長、どうか思い直してください。現時点でアカネイア市場に進出するのは無謀です」
ミシェイル「昨日もいったとおりだ、俺の決意は変わらん」
ミネルバ 「今事を荒立てれば、他の企業が絶対に黙ってはいません。さらには謎の相場師『スターロード・M』も動くでしょう。その結果わが社に多くの損失がでるのは目に見えています」
ミシェイル「これは単純な利益獲得が目的ではない」
ミネルバ 「しかし、兄上」
ミシェイル「ここでは社長と呼べと言ったはずだ」
ミネルバ 「く・・・」
ミシェイル「わかってくれ、わが社は常に後手をとっている。このままではいずれ他社に吸収されるのは明白だ。ゆえに、危険があろうとも前に進まねばならんのだ」
ミネルバ 「・・・わかりました。失礼します」
ミシェイル「ミネルバ」
ミネルバ 「はい」
ミシェイル「すまない、お前には苦労をかける」
ミネルバ 「ミシェイル・・・」

―そんなやりとりを外から見る人影が1つ
ティニー 「わたしの目に狂いはなかったわ、一見対立しているようだけどあれは表向き。間違いなくミネルバさんはブラコンよ」
ティニー 「傾きかけた老舗企業を支え、それぞれの立場から対立せざるを得ない兄妹。しかし、心の底では深く愛し合っている2人・・・うん、ぜひともわがAKJに欲しい人材ね」
ティニー 「うまくいけばマケドニアの飛行部隊も引き込めるし、冬コミのネタにも使えるわ。なんとしてでも入会させなきゃ」

―夜 ミネルバ私室
マリア  「ミネルバ姉様」
ミネルバ 「マリア・・・」
マリア  「今日もミシェイル兄様は家に帰ってこなかったね」
ミネルバ 「仕方ないだろう、兄上は今が一番忙しいのだ」
マリア  「それに兄様が帰ってきても、最近は姉様と言い合いばかりしています・・・」
ミネルバ 「それも仕方がない、わたしも兄上も立場というものがあるからな」
マリア  「姉様は兄様が嫌いなの?」
ミネルバ 「・・・そんなことはあるはずがないだろう」
マリア  「それだったらもっと兄様と仲良くして。2人が言い合っているのを見るのはとても辛いの」
ミネルバ 「マリア・・・すまない」
633 名前: その名はAKJ 第2章 2 [sage] 投稿日: 2008/08/26(火) 02:57:33 ID:+RAyFX06
ティニー 「そんなお2人にとてもいいお話がございます」
ミネルバ 「わ!?い、いきなりなんだ、どうやってこの家に入った!?」
ティニー 「失礼しました、わたしはティニーと申します」
ミネルバ 「ティニー?というと、フリージ家の?」
ティニー 「はい、以後お見知りおきを」
ミネルバ 「あ、ああ・・・」
マリア  「マリアです、よろしくお願いします」
ティニー 「こちらこそ、マリアさん」
ミネルバ 「そ、それで今、いい話といっていたが」
ティニー 「はい、本日はお2人にAKJ入会のお誘いをと思いまして」
ミネルバ 「AKJ?聞いたことがないが、なにかの会か?」
ティニー 「AKJは正式名称『兄が嫌いな女子なんていません同盟』、その名の通り兄を愛する妹で構成された、淑女の集まりですわ」
ミネルバ 「は、はぁ・・・」
ティニー 「お2人はミシェイルさんを愛していらっしゃるのに、立場が邪魔をしてなかなか通じ合うことができません。そんなお2人とミシェイル様の仲を応援するのが、我がAKJなのです」
マリア  「じゃ、じゃあ、そのAKJに入ればミシェイル兄様と仲良く暮らせるのですか!?」
ティニー 「はい、我がAKJはいかなる協力も惜しみません」
マリア  「すごい、姉様入りましょう」
ミネルバ 「そんな安易に決めてはならない。大体、わたしは別に兄上のことなど・・・」
マリア  「姉様、やっぱり兄様のこと嫌いなの?」
ミネルバ 「いや、嫌いというわけではないのだが・・・あくまで兄であってだな・・・」
ティニー 「嘘はいけませんよ。日頃対立しているのはあくまで表面上のこと。本当はあなた達兄妹が深く愛し合っているのは、日頃のあなたを見ればわかります」
ミネルバ 「な・・・そんなことは・・・///」
ティニー 「隠してもダメです、午後のミシェイルさんとのお話、最初は「社長」って呼んでいたのに感情が高まってくると『兄上』→『ミシェイル』って呼び方が変化していたの、わたし聞いてましたから」
ミネルバ 「いや、それはだな・・・///」
ティニー 「本編でも普段は『兄上』なのに、別れ際だけ『ミシェイル』になるんですよね」
ミネルバ 「だから、その、あの////」
ティニー 「ぶっちゃけた話、紋章の謎でミシェイルさんに助けられた時は、ときめいちゃったりしたんじゃないですか?」
ミネルバ 「///・・・メ、メタ、は、発言は、き、禁止のはずでは・・・///」
マリア  「嬉しい、姉様も兄様のこと、大好きだったのね」
ミネルバ 「/////////」
ティニー (赤くなってる、赤くなってる・・・FE界の妹に刻み込まれたブラコンの遺伝子には逆らえないわ。ミシェイルさんも例外じゃなかったようね)
ミネルバ 「し、しかし、我々は仕事の立場上対立せざるを得ない。それに、わたしも兄上も忙しく、とても親交を深める余裕など・・・」
ティニー 「それはつまり、マケドニアの進出が成功すれば、お互い仕事に余裕もできて仲良くできるのでしょう?」
ミネルバ 「ま、まぁ、そうと言えなくもないが・・・」
ティニー 「その辺も含めて我々は協力が可能です、たとえばこんなのはどうでしょうか?」
634 名前: その名はAKJ 第2章 3 [sage] 投稿日: 2008/08/26(火) 03:00:49 ID:+RAyFX06
―ティニーが取り出した一枚の写真。
 それにはニーナのポスターと等身大フィギュアに囲まれ、ニーナの抱き枕を抱きしめてハァハァしている中年男性の姿が映っていた。

ミネルバ 「これはハーディン!?」
ティニー 「アカネイアの企業を束ねるハーディン社長のこんな姿が公表されれば、マケドニアの市場進出はかなり楽になりますよね」
ミネルバ 「し、しかし、我がマケドニア社が正々堂々とした経営が社是だ、このような卑怯な方法など・・・」
ティ二ー 「不正を暴くのは卑怯ではありません、むしろ企業として行うべき正義です」
ミネルバ 「こ、これは『不正』なのか?ま、まぁ確かに人として間違っている気はするが・・・」
ティニー 「あと、こちらにあるのはグラのジオル社長が行っている贈賄と粉飾決算の証拠となる裏帳簿・・・こっちは紛れもない不正ですよ」
ミネルバ 「そんな物まで・・・」
ティニー 「ハーディンとグラ、この2つが倒れればマケドニアは勝ったも同然ですよね」
ミネルバ 「い、一体AKJとは何だ?そこまでして何が目的なんだ?」
ティニー 「最初に言ったとおり、わたし達はただ愛し合う兄妹を応援したいだけですよ」
マリア  「姉様、わたし、難しいことはわからないけど、昔みたいにみんなで仲良く暮らしたいです」
ミネルバ 「・・・わたしが入会すれば、写真と帳簿をもらえるのだな?」
ティニー 「ええ、3人が仲良くなるためでしたらどんな支援も惜しみません」
ミネルバ 「・・・わかった、入会しよう」
マリア  「姉様、ありがとう」
ティニー 「それでは、お2人ともこの契約書にサインしてください」
マリア  「はい」
ミネルバ 「サインすればいいのだな」
マリア  「これで昔みたいに兄様と姉様とわたし、みんなで仲良く暮らせるのね」
ミネルバ 「あ、ああ、そうだな」
ティニー (ブラコン、ゲットだぜ!!)

―9月6日 早朝の兄弟家 玄関
エリンシア「アイク、準備はできましたか」
アイク  「ああ」
エリンシア「それにしても、日曜日まで仕事に行かなくても・・・」
アイク  「仕方が無い、また竜王家が壊れたらしい。経営に余裕の無いうちとしては、断るわけにはいかん」
エリンシア「でも昨日も夜遅くまででしたし、少しは休まないと貴方の体が心配です」
アイク  「心配するな、この程度、重労働のうちには入らない」
エリンシア「ふふふ、貴方にとってはそうかもしれませんわね」
アイク  「家族を守るために俺は倒れるわけにはいかん。特にエリンシア、お前のためにはな」
エリンシア「/////、い、いきなり何を言い出すのですか!!」
アイク  「では、いってくるぞ」
エリンシア「あ、アイク」
アイク  「なんだ?」
エリンシア「襟が乱れています、ちゃんとしてください(襟を直す)」
アイク  「あ、ああ、すまない、今度こそいってくる」
エリンシア「いってらっしゃい」

―そんなやりとりを外から見る人影が1つ
ティニー 「兄弟家のエリンシアさん、家族皆に優しい彼女だけど、やっぱりアイクさんにだけは特別な想いを抱いているわね、これはAKJに入会してもらわないと」

ティニー 「おはようございます」
エリンシア「あら、ティニーさん、おはよう。リーフちゃん、今起すわね」
ティニー 「いえ、今日はリーフ様ではなくて、エリンシアさんにお話があるのです」
エリンシア「あら、私に?」
ティニー 「はい、それで、2人でお話したいのですが・・・場所を移してよろしいですか」
エリンシア「ええ、いいわよ」
635 名前: その名はAKJ 第2章 4 [sage] 投稿日: 2008/08/26(火) 03:01:53 ID:+RAyFX06
―家から少し離れた公園
エリンシア「私にお話って、何かしら?」
ティニー 「はい、単刀直入に伺います、エリンシアさんは意中の男性はいらっしゃいますか?」
エリンシア「え!!その、今は家族のことでいっぱいで、い、いや、そういう方は特には・・・」
ティニー 「それは家族の中に気になる方がいる、ということですか?」
エリンシア「いや、そういうことではなくて、家族の世話とかで忙しくて」
ティニー 「そうですか、わたしはてっきりアイクさんのことが気になるのかと」
エリンシア「////ア、アイクが!!」
ティニー (赤くなってる、これは脈ありね)
エリンシア「な、なんでアイクのことが出てくるの!!か、彼は私の家族で、あの、その・・・」
ティニー 「シグルドさんは『シグルドお兄様』、他の方は「○○ちゃん」それなのに、アイクさんだけは『アイク』ですよね。それってやっぱり特別なことなのではないですか」
エリンシア「そ、それはたまたま歳が近いだけで、深い意味は・・・」
ティニー 「でも、エリンシアさん、顔赤くなっていますよ」
エリンシア「/////////」
ティニー 「お話というのは、そんなエリンシアさんに我が『AKJ』にご入会いただきたいのです」
エリンシア「AKJ、それってたしか・・・」
ティニー 「はい、兄を愛してやまない淑女の集まり、エリンシアさんにぴったりの会です」
エリンシア「セリカちゃんが言っていたアレね」
ティニー 「はい、セリカさん、エイリークさんは既に会員となっていただいています」
エリンシア「あなたもそこの会員なの?」
ティニー 「ええ」
エリンシア「ということは、あなたも・・・?」
ティニー 「はい、わたし、アーサーにいさまのこと大好きです」
エリンシア「で、でも、あなたはたしかリーフちゃんと・・・」
ティニー 「エリンシアさん」
エリンシア「はい」
ティニー 「『別腹』です」
エリンシア「べ、別腹?」
ティニー 「女の子にとって甘いものは別腹ですよね?それと一緒で愛情も別腹なんです」
エリンシア「え、それって、まずいことなのでは・・・?」
ティニー 「家族である兄さまのことが大好き、でもちゃんと他の男の子も好き、ってごく普通のことだと思いますけど」
エリンシア「う、うん、確かにそう言えばおかしいことではないわね」
ティニー 「そうですよね、ですからエリンシアさんも気軽に入会しちゃっていいんです」
エリンシア「でも・・・」
ティニー 「会費は一切無料ですし、特別な義務も負担もないのでお手軽に考えてもらえればいいんですよ」
エリンシア「そういわれても・・・」
ティニー 「それと、今入会していただければ、特典として洗剤セットを進呈しますけど」
エリンシア「う、ちょうど切れていて今朝のお洗濯が困っていたなの・・・」
ティニー 「さらに、油セットもつけましょう。大人気の健康エ○ナ、これでご家族の健康も安心ですわ」
エリンシア「う、それもちょうど切れていて、今日買ってこようと思っていたところ・・・」
ティニー 「さらにさらに、『烈火の三筋』(注)のデビュー写真集もいかがですか?いまや絶版となっているファン垂涎の一冊ですよ」
エリンシア「そ、それは幻の!!ええっと、この契約書にサインをすればよろしいのかしら」
ティニー (計画通り。なんか昨日からモノで釣ってるような気がするけど、入会させれば無問題)

注 「烈火の三筋」とはワレス、バアトル、ドルカスによる人気マッスル・ユニット名。エリンシアはファンクラブ会員。
636 名前: その名はAKJ 第2章 5 [sage] 投稿日: 2008/08/26(火) 03:06:51 ID:+RAyFX06
―エリンシアが、契約書にサインをしようとしたその時である
???? 「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」
ティニー 「一体、なに!?」

―ティニーとエリンシアが振り向くと、そこには血の涙を流し、勇者の槍を握り締めたエリート(笑)が立っていた。
エリンシア「ジョ、ジョフレ・・・」
ジョフレ 「姫を、エリンシア様をそのような団体に入れるわけにはいかない!!」
ティニー 「邪魔をするのですか?」
ジョフレ 「ただでさえこのスレで私の影は薄いんだ。そんな状況でアイク×エリンシアのフラグが立ってしまったら、エリンシア様の婿候補としての私の立場は完全に失われてしまう!!」
ティニー 「いや、すでに手遅れな気も・・・」
ジョフレ 「故にエリンシア様の入会だけは断固阻止せねばならん。テリウスの、涙目は、緑風だけで、十分なんだぁぁぁぁぁぁ!!!」
ティニー 「邪魔するのなら容赦しないわ」
ジョフレ 「うぉぉぉぉぉぉぉぉ」

―ジョフレとティニーが火花を交えた瞬間、何者かがジョフレの背中を切りつけた
ジョフレ 「ぐはぁぁぁぁ・・・」
???? 「まったく」
ティニー 「今度はなに!?」
エリンシア「ル、ルキノ・・・」
ルキノ  「エリンシア様、うちの馬鹿弟がご迷惑をおかけしました」
エリンシア「いえ、別に、そういうことは・・・」
ルキノ  「さぁ帰るわよ、ジョフレ。あなたの甘ったれた根性、叩きなおしてあげるわ(ジョフレを引っ張っていく)」
ジョフレ 「姉さん、離してくれ!!エリンシア様の婿候補という立場だけが、私の唯一の拠り所なんだ」
ルキノ  「黙りなさい、そんな器の小さいことばかりいっているから、いつまでたっても『じょふれしょーぐん、なみだめ』などと嘲笑されるのよ!!」
ジョフレ 「でも、このままでは私は緑風と同列になってしまう」
ルキノ  「既 に 同 列 だ っ て 事 に 気 づ き な さ い!」
ジョフレ 「そんなぁぁぁぁ、姫ぇぇぇぇぇぇ・・・」

サザ   「はっくしょん」
しっこく 「風邪か?乙女には感染すのではないぞ」

ティニー 「・・・」
エリンシア「・・・」
ティニー 「あ、あの、それで入会なんですが・・・」
エリンシア「ええっと、申し訳ないのですけど、今回はお断りします」
ティニー 「え、そんな・・・」
エリンシア「やっぱりアイク1人を特別視するわけにはいきません、それに・・・」
ティニー 「それに?」
エリンシア「アイクは私の弟ですのよ(注)」
ティニー 「はい?」
エリンシア「どうやら作者が直前まで勘違いしていたようですね」
ティニー 「あの、馬鹿作者、そんな基本的なことを」
エリンシア「というわけで、申し訳ないのですが」
ティニー 「わかりました、失礼します」

注:5を投稿する直前まで、作者はアイク>エリンシアだと思い込んでいましたが、たった今テンプレを見てエリ>アイクという事実に気づきました。
 既に4まで投稿してしまい、ネタ変更する暇もなかったので急遽このような台詞を挿入します。
 不自然になってしまい、申し訳ありません。

ティニー 「エリート(笑)と馬鹿作者のせいで失敗したわ・・・落ち込んでいても仕方ない、そろそろ役員会議だからノディオン家に急がないと。あ、その前に冬コミの申し込みしておかなくちゃ」

―AKJ役員の1人、おもに会員の勧誘と情報収集を司る者、ティニー。
 アーサーにいさま大好きな彼女だが、ミランダ達と共にリーフを振り回しているのもまた事実である。
 エリンシアに言ったとおり愛情は別腹なのか、それとも本命はどちらか1人なのか、あるいはすべてが同人のネタ作りのためでしかないのか、彼女の心中を知る者はいない。

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