セリフ/【おまえは何を手に入れた?】

Last-modified: 2024-04-05 (金) 07:15:41

FFT

「…ラムザ
お前は何を手に入れた?
オレは…

かつて自分が持たざる者である事を痛感させられたディリータが、今際の際に問いかけたセリフ。
英雄王と呼ばれるまでに登りつめたディリータは当時渇望した力を十分すぎるほど手に入れたはずだが、
結局、彼は本当に欲しかったものを手に入れられたのだろうか?
問いかけられるラムザもまた、決して満たされた人生を得られたとは断言し難い。
 
FFT最後のセリフにして、獅子戦争表の主役ディリータと、
裏の主役ラムザの生き様を振り返らせる趣深いセリフである。

  • ラムザに問い掛けているようでいて、自問自答(答えはなかったが)であるようにも思える。
    を映したはずのを結局何一つ救えていなかったこと。築きかけていた信用を、その意図のない何気ない一言で粉微塵に打ち壊していたこと。決死の問い掛けを、勝手に絶望し、刃を以って返したこと。など、果てしない虚脱感を覚える。
    「オレは…」の続きが気になるのだが、「王位と権力を手に入れただろ」と無情に返すことを浅薄に思う。
    • 「自分はこれを手に入れた」と自分に誇れる者が何一つ無かった(無くなった)からこそ、続く言葉が出なかったのではなかろうか。

これぞ松野節。この後味の決してよくないEDこそ松野節の極み。

  • しかしディリータは、刺された後死んでいなかったという事実が発覚した。
    • だからこそ、余計に重い意味を持ったセリフになった気がする。
    • 後に、松野氏は「エンディングではラムザとディリータ、二人の結末の対比を行っています」と言っている。
      「権力・武力などかつて渇望していたものを全て手に入れたが、最も欲しいものを失ったディリータ」
      「身分・家族・安住の地…全てを捨てて裸一貫になったけど、大事なもの(仲間・信念・アルマ)を取り返したラムザ」

真面目に、冗談抜きで、ラムザ君の場合その答えは「アルマ」だと思う。
それで良いのかラムザ君。

  • いいですとも!つーか本望でしょ。

意中の女を幸せにしたい一心で力を振るい、一国の王と呼べる地位にまで上り詰めた覇道の男。
だがその非道を極めたやり方を女には拒絶され、ついには彼女の命まで失わせる結果となってしまう。
後には最愛の女に捧げるはずだった、富と権力が空しく手元に残るだけだった……
と書くと、某世紀末拳法漫画の最初の強敵(とも)に似てなくもない。

  • 一方、ラムザは異端認定されて社会的に抹殺されたものの、仲間と一緒にゼラモニアの抵抗運動に参加して自分の道を歩んでいるらしい。
    富や権力、言い変えれば大局を動かす力とは無縁だろうが、はたしてディリータとラムザ、どっちが「幸せ」なのやら……
    • ディリータは決してオヴェリアのためだけに戦ったわけではなく、特に獅子戦争を起こした当時は出世欲の塊だったはず。
      持たざる者だった彼はついに権力のすべてを手に入れたが、その直後に最愛の女性を自らの手で亡くしてしまった。
      そんな彼は「何を手に入れた?」のか。
      「オレは…」の続きが非常に気になるところ。

章題にもなっているQueenの「愛にすべてを」の歌詞が、ディリータの心情になっている。