作品/【Final Fantasy XIII】

Last-modified: 2020-06-22 (月) 12:03:08
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双対する世界の真実に触れた時、人は定められし宿命と対峙する

概要

FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY XIIIの第一作目。
2009年12月17日にPS3のソフトとして発売された。価格は8800円(税抜)。
なお、海外版はXbox360とのマルチプラットフォーム展開で、2010年3月9日に発売されている。

  • 発売から5年が経過した2014年10月9日にPCダウンロード版が発売された。価格は1800円。
    全世界同時発売で、海外のゲームメーカーValveが運営するダウンロード販売サービス「Steam」で購入できる。
    なお、この発売日は北米時間での記載であって、日本での解禁は10日だった。

主題歌は「君がいるから」、挿入歌は「Eternal Love」。
いずれも菅原紗由理が担当する。


発売初週の売上本数は151万本を記録している。
日本国内のPS3用ソフト初のミリオンヒットを達成した。

物語

ドラクエ4と同じく、章立て(全13章)のオムニバス形式に物語が進む。
…が実際はゼノサーガep3や聖剣伝説4に近い内容で、イベントと探索が交互に繰り返されるアドベンチャーRPGとなっている。
しかし終盤は、範囲は狭いがある程度自由な探索や豊富なサブイベントを楽しめる。


物語の世界設定としてナンバリングではFF6・7以来、実に12年ぶりの「サイバーパンク路線」となっており近未来的な世界がとても新鮮に感じられる。
召喚獣もFF9以来となるオーディンが復活し、主人公専用に格上げされるなど、従来ファンでも楽しめる内容になっている。


ノンストップでストーリーが展開し、状況の変化がめまぐるしく続く。
追われる身であるため、従来のような街は無く、敵が徘徊している。
寄り道が少なく、後戻りも出来ない という展開が続くため、いつも以上に一本道な印象を受ける。


成長システムもストーリーの進行に合わせて上限が解放される仕様なので、
じっくりとキャラを育てながら進める性分の人には向かないかもしれない。


1つ1つの要素の完成度は高いが、今までになく一本道(かつ一方通行)であるため、
かなり好き嫌いが分かれるタイトルとなった。


女性が主人公ということもあってか、シリーズ史上類を見ないカカア天下パーティ。
とにかく女性陣が強く、イマイチ頼りない男性陣をリードしていく構図が多い。

  • 男性陣は控えめな少年、うだつのあがらない親父、リーダーシップのある青年だが嫁の姉が強いといった感じ。
    それに対し女性陣は優秀な軍人、姐御肌、活発な少女。
  • 女性キャラがカッコよく決めることが多い反面、情けない役回りやヘタレなシーンは男性キャラに集中している。
    女性を立てるために、意図的に男性キャラの扱いを下げているのかもしれない。
  • このような設定も時代の流れか。
    20世紀のFF(FF1~FF9)と21世紀初めに発売となったFF10までだと「メインの主人公は常に男性」「最終的に男が女をかっこよく救う」「女性は男性に守られてナンボ」
    「女性キャラは基本魔法重視タイプで、物理攻撃型はいない。要するに女性はか弱い」という概念がどこかしらあったからね。
    (9に至っては「おんなのこをかばう」なんてアビリティもあったし)。

アフロの中年黒人男」がプレイヤーキャラとして登場。
頭の中にチョコボの雛を飼っているという、今までのFF全体からみても珍しいキャラが話題を呼んだ。


8以来の「人間」オンリーのパーティーである。

  • ちなみに人間オンリーシリーズは1.2.3.4(TA除く)5.8.13(LRも)である。

リンドブルムやパラメキア、クジャタにアニマなど、歴代作品の用語が出てくるのはうれしかったな。

戦闘

前作や前々作のシームレスバトルやガンビットが廃止され、シリーズ初のシンボルエンカウントとオプティマが登場し、FF12を発展させたスピーディなバトルを堪能出来る。


全滅直前からやり直せるため、戦闘難易度は高めに設定してある。

  • 範囲攻撃があるのに戦闘フィールドを自由に移動できない点も、難易度の上昇に一役買っている。

システム的には、ナンバリングタイトル初のシンボルエンカウントを採用。
シンボル=バトル中の敵であり、何と戦うのか事前に分かることや、
周囲に配置された敵シンボルの数や種類から敵グループの正体が分かることなどに優れる。
戦闘することを前提とするなら対策が実に取りやすいと言える。
接触前にアイテムを使用することで強化状態で戦闘に入ることも可能。
また、背後を取れば奇襲が成功し、戦闘を有利にすることができ、
奇襲に加えて高評価を得れば、装備強化のための素材が手に入りやすくなる。


……のだが、欠点もすこぶる多く、そして目立つ。

  • 敵の動きが速い
  • 敵グループが道を塞いでいることが多々ある
  • 背後を取れば有利になるが敵の感知能力が高く判定がシビア
  • アイテム使用により背後を取りやすくなるが高価だったり個数が少ない
  • 地形に関係なく絶対に背後が取れない敵がいて、アイテムの効果が無い(それを見分ける手段もほぼ無い)
  • パッと見で前後が分かりづらい敵がいる(ボム型や地虫型など)
  • カメラの挙動に癖がありすぎて視点が変更しづらい(左スティックとの連動や地形による制限など)
  • バトルに入ると逃走という手段はなくリスタートがそれに該当するが、リスタート直後の配置の関係で絶対にエンカウントしてしまう場合がある

などなど、シンボルエンカウントの利点があまり活かされておらず、
選択の余地はほとんどない荒削りなシステムとなっている。
(接触判定を有利にするアイテムってシンボルエンカウント自体の否定に繋がっているのでは……?)


特にカメラの操作については接敵以外でも謎が多く、移動中カメラを一方向に維持するのが難しかったり、
遮蔽物の無い丸太の上を歩いてるのにカメラを回転させることができないなんてことも。
チョコボに乗ると常に右側か左側にカメラが寄せられるため、風景を楽しめなかったりと見せかけにこだわった結果機能性が大幅に損なわれている。

余談

発表当初のトレーラー(2006年頃)では敵を打ち上げて天井にぶつけてみたり、敵とつばぜり合いをしたり、
バク宙をしながら移動してみたり、ザ・ワールドをやってみたりと戦闘シーンがやたら派手なものになっていたが、
ゲームの演出として成立させるのが難しかったのか、まだまだ実現するには性能が足りなかったのか、
最初からプロモーションのためだけの映像だったのか、実際の製品での戦闘シーンではトレーラーは何処へやらただの棒立ち戦闘になてしまった。
演出が無駄に凝っている(不満点になりがちだが)のは少しでも再現しようとした努力の結果かもしれない。
ちなみに、かのPSにおける大ヒットゲームの監督も「PS3は夢のゲーム機だと思っていたが、PS3では理想通りのゲームは作れなかった」と発言している。

  • ↑どなたさま?
    • ゲーム業界で「監督」ったら…。
  • ちなみにトレーラーを先に作っておいてバトル担当の人に「こんな感じで」と丸投げしたようだ。
    酷い話もあったもんである。足りないのは機体性能ではなく現場でまともに指揮を執れる人間だろう。
  • よくあることさ…。
  • 問題点も多いとはいえ、丸投げでアレだけの物を作れるのならトレーラーの再現も不可能ではなかったのかもと考えると悔やまれる。

プレイ上の注意

PS3ソフトではあるが、ハードディスクにインストール出来ない仕様になっている。
にも関わらずロード時間がほとんどないのは、かなり前から行動を予測してロードを繰り返しているため。
つまり、本来あるはずのムービーや戦闘直前のロードがフィールド移動中に行われていると考えて良い。


その常にロードしっぱなしの仕様はドライブの貧弱な初期型PS3に負担が大きく、
ネット上で多数の故障報告がされている。
初期型でFF13をプレイする場合は適度な休憩を推奨します。


詳細はこちら参照。