小説 CODE:F

Last-modified: 2017-12-30 (土) 09:50:21
シリーズ別

CODE:F
CODE:F series2
CODE:F series3
CODE:F seriesZERO
CODE:F series3.5
CODE:F series4

本編

CODE:F 1話「最速じゃなくて。」

ブォンブォン ギュォァアアアアアア!!!!
宮城県の田代峠
怪奇ゾーンとしても有名な峠。だが、走り屋と呼べるものは全くいない。たった一人を除けば。

ミキト)田代じゃやっぱ全開で踏めない。
道幅だって狭いし、ダートコースでもあるからタイヤへの負荷は大きいし…
プシュァアアア!! ゴォオオン!!

ミキト)何より……怖いな…UFOが墜落したって噂の峠なんていられねぇよ…
そうだ、いっその事引っ越してみようかな? なら、社長がいる所が良いよね

ミキト)とりあえず高速乗って、近くの峠に入ったから…
GRtune本社までもう少しかな…
電話でもするか。

プルルルルルル…ガチャ
旭)はい、もしもしGRtu…あ、あら?w
ミキト)社長ォ、お久しぶりですねーw
旭)どうした?急に。
ミキト)いやぁ、本格的に車に乗り出すと、それに合った環境も必要でしょう?3年ぐらい、横浜行こうかな~みたいな。
旭)…分かった。んじゃ、とりあえず湾岸に入れ。そっからC1、湾岸、グルグル回ってろ。
ミキト)まぁた、メンドクサイ事を…

ミキト)真夜中とは言え、交通量は多いな…
もう少しで会えるかな?
ブォオオオオオ…

湾岸線に入った未生斗、しばらくして、目の前にRが現れる。
ミキト)RB26…? 32か…間違いない、あのテールを見りゃすぐ分かる。でも、GRtuneのデモカーは35Rだし、社長の車は、確か黄色いFDだったハズ。あ、それ今の俺のFDだっけな。黒に塗装して社長から譲り受けたのが俺のFDだから…あの32は新しい社長の車か…!?

ブォオオオンッ!!!
ミキト)うっわ…速ぇ…
ポルシェのドライバー)なんだあの二台!? 速すぎる!このポルシェがこんな簡単にパスされるだなんて!!

ブォオオオオン!!! ブォオオンブォンブォン!!ブシュァアアアアアア!! チッカチッカ…ギュン!
?)意外と速くなったのなぁ。
超高速でレーンチェンジをし、一般車をかわしていくR32とFD。
しばらくすると・・・

チカ チカ チカ チカ チカッ
Rがスローダウンし、ウィンカーを出す。何かしらの合図である。
ミキト)ついてこいって事? でも社長とはまだ合流出来てないし…あ!
RのリアウィンドにはGRtuneと言うステッカーが貼られていた。
未生斗はゆっくりとそのRについていく…

1話 完

CODE:F 2話「バカ」

未生斗は前のR32についていく。
そして・・・
ガチャッ ゴトッ バンッ!
ミキト)やっぱり♪ GRtune横浜店、ここだ!
ガチャッ ゴトッ バタムッ
旭)よっ!意外と速く来たモンだな。んで、本格的に車に…なんだかんだってのは?
ミキト)いや。なんか。車、いじりてぇなーって。
旭)それだけか? お前は、前にもここで働いてた。ある事情で宮城に帰って、たった2年でまた来やがって。
2年前、俺は31歳だった。お前はその頃、まだ19。あの時、「何を目指しているのか」と聞いた。お前は「走りたいだけなんです。なんにも考えちゃいないんです。ただ、何を見ながら、何を見ようとしながら僕は走るのかが分からないんです。求めているのは最速じゃなくて。なんで走ってるのかです。」
ミキト)…中二くせぇ。
旭)小説も漫画もアニメも中二全開だろぉが。それはどーでもいい、お前は2年前と変わらず、バカだな。ま、今はうっとうしいからちょっと、近くの峠でも走って来い、ほら早く行け~
ミキト)相変わらず冷てぇ…

ここは、神奈川県 横浜市 青葉区 緑山峠。
昔から、事故死者の霊が出ると噂されている有名な心霊スポットの峠。
アップダウンはないが、コースは蛇行で、走り屋からの人気もある。
それが、緑山峠だ。というかこの小説、さっきから都市伝説多めな峠しか出ていない気がしている作者だ。

ブォオオオオオン…ガタガタ
ミキト)今でも、俺はバカですよ…何を求めて走っているか、分からないから来たんですよ…
ブォンブォオオオン!!!!
ミキト)ん?ランエボか? 見たところ、エボ5かな…テールはどことなくエボ4か6みたいな感じだし。
その白いランエボには、リアウィンドに、「SM Racing」と書かれていた。
ミキト)SM Racingって、あの谷田部トライとかしてる有名なチームだったよな。面白いかも…
そしてバンパーをコツンと当てる。パッシングをし、バトルが始まる…
エボ5のドライバーは、SM R(略)のベテランドライバーの横井 真人(ヨコイ マサト)。

横井)FDィ? 俺もナめられたモンだな。ずいぶんとおちょくってくれんじゃねぇか。
ブォオオオオオン!!!!
ミキト)んじゃ、いくかァ…♪
ギュァアアアアアア!!!!ブォォン!!!
パァンッ パパァアンッ!! バヒューッ!
ミキト)アフターファイヤー… こんな目の前で見せられるとハラハラするよ…さすがハイパワーターボ車…♪
横井)ついてくるねぇー。コイツ、めっちゃムカつくんだけど。
ブォオオオオン!!! パァアン!!
そして・・・
エボのバックミラーからFDが消える。ほんの一瞬、目を離した隙に消えていた。
ギュォオオオ!!
ヘアピンを抜け、向かうは、ストレート_______
ズッ…ギャァアアアアア!!!!
横井)FDが消え…なっ!?外からァアア!?!?
ミキト)ランエボにこんなとこで勝てる訳がないんだ。でも、コーナーで横一列に並ぶ事で、低速コーナーが生まれる。

ミキト)コッチは、立ち上がりの加速重視のコーナリングをして、自然に外側のラインにケツを出す。並んでから、頭半分前にとってたコッチが勝ちってな訳だよ。
横井)このエボのパワーで負ける訳が…ちょ!、あっ!!
グゴッ!
横井、痛恨のシフトミス…!!!
FDがどんどん離れていく…かすかに見えたのは、GRtuneのステッカーだった。
2時間後…
ピロロロロロ! ガチャ
旭)はい、もしもしこちらGRtuneでs…
正志)おい、あんたGRtuneってトコの社長だな?俺は、SM Racingの佐々木 正志(ササキ マサシ)ってモンだ!SM Rの社長だよ!! 2時間前の4時過ぎ、緑山の峠で、ウチのドライバーが、アンタラんトコの黒いFDに煽られてなァ!!ずいぶんとナめてくれるじゃねぇか!
旭)はぁ。少し待って下さいな。ったく、朝っぱらから…うるせぇな
…おい未生斗ォオオオオオ!!!
ミキト)はい?聞いてましたよー
旭)聞いてましたよーじゃねぇんだよ

「  ミキト) ooO(そういやァ、並んだ時、俺を 凄い顔で睨んでたなぁ…) ブォオオン!! パァアン!!
横井)ぐぬぅ…!!         」

旭)おい、SM Rの社長さんよぉ、ケリをつけたいって言うなら良いぞ。今夜、10時にまた緑山の峠でな! ガチャ!!
旭)おい、山崎ー!未生斗ー!
山崎、ミキト)はい?

山崎 高貴(ヤマザキ コウキ)。 21歳。デモカー製作担当である。

旭)今夜、10時に、緑山峠で、SM Rんトコとバトルだ。アッチはカンカンに怒ってやがる。行きは、山崎の34Rに乗せてくれ。
山崎、ミキト)はい

PM 9:55
ブォオオオン…キキィ!
横井)社長、着きましたよ。必ず勝ちます。

2話 完

CODE:F 3話「何も分からない…」

PM9:57  ブォオオンッ!!
横井のエボ5が先に出る。しばらく流していると・・・  プシュァアアア!!ブォオン!
未生斗の黒いFD、旭と山崎が搭乗している青いR34が現れる。
エボサイド
横井)バトル開始だ…!!!
正志)全開で踏んでいけ!!
ブォオオオン!!パァンパパァアン!!
一方、FDサイド
ミキト)ん…この全開区間でおいていかれたら終わる…!! そして5速へ!!!
グゴッ!! ブォオオオン!!
一方、R34サイド
山崎)結構ガンガン踏んでいきますね…あの2台。
旭)あぁ。俺達は単なる観客だ。お前はついていくだけで良いよ。

推奨BGM『DaveRodgers/IntoTheSunrise』
山崎)速いッ!!ついていけねぇ!!
旭)大丈夫。あのエボはすぐに落ちるよ。
山崎)え?

ブォオオオオンブォンブォン…
横井)コイツ、やっぱ速ぇ!!
ミキト)さすが、プロって言うか…ブレーキのリリースポイントはピカイチだ、けど、俺にも真似はできるし、アイツ以上だったり…なんてね。もっと目の前に弱点がある。それが、前に一回やりあった時の気付いたコーナリング!! ヘアピンで、もの凄いフルブレーキングのあと、なぜだかイン側にスペースが出来る。もしや、この峠に慣れていない…?地元の癖してアホかって… 高速でレーンチェンジを行い、首都高を走る事を目的として造られたSM Racingチューニングカーと峠のGRtuneドリフト族のマシンは性能が違う。と言う事は… いけるかも知れない…!!!

ミキト)ここじゃぁあああああい!!!!
ブォオオオオオオ!!!!
FDはエボよりも遅れてブレーキングをする…
横井)オーバースピードだろぅが!!

とんでもない速度で滑走するFD!エボ5をパス!
ミキト)耐えろ…耐えるんだ…!!!
山崎)ちょ!!!未生斗君!!!
旭)!!

ミキト)アウトいっぱいから、ガードレールでラインを修正してGO!!!!
ズァアアア!!_____
横井)曲がった!?
正志)なっ…!?
ブォオオオオオンッ!!!!
旭)ベタ踏みする事だけが全てじゃないのは、湾岸でも峠でも同じ。
横井)ダメだ…踏めねぇヨ…
ブォォオオオオ………
失速していくエボ。横井は無意味で勝ち目のない戦いを避けたのだ。
旭)ホラな?アイツらにとって、FDを墜とす事だけが全てではない筈。
勝つ気で来ていても、どこかで思うんだ、「なんの意味があるのか」ってな。それを一番感じているのは、未生斗だろうな。
ミキト)勝ったのに。何も分からない…何も分からなかった。何も分かれなかった… まだ求めている物が見付からない。……………そりゃそうか

3話 完

CODE:F 4話「忘れちまえー」

作者)今、湾岸にさぁ、35を煽ってブチ抜いた赤いGDBがいるらしいんだケド、ソイツについての説明をこれからしようと思うのよ、だからさ、別にそこまで面白い回でもないと思((

鏑木 リクヤ(カブラギ リクヤ) 25歳
FF使いだった。19からシビックに乗り4年の時をEKと過ごしていたある日、黄色いFDと戦いEgをブローさせてしまう。
そのFDは、まさに今、未生斗が乗っているのと同じ物だ。でも、未生斗はまだ車を運転出来ないしボディカラーもも違う。乗っていたのは旭だ。リクヤは、誰のFDに負けたのかも分からなかったが、FDにはFDを…と、約1年間、赤いFDに乗っていた。舞台はそこからにしよう。
今のリクヤの歳は25。1年前の24歳からだ。

C1内回りにて
リクヤ)んー。ロータリーっつーか、FRっつーか。俺は、FF慣れしてるからな。
FDを使いこなせそうにねぇ。いや…俺はFFが恋しいだけだ。使えるかじゃねぇ。使うんだ。FFを忘れりゃいいんだよなぁ
ブォオオオ…グラ…
リクヤ)ふぅ…俺のFDはシングルタービンだからなァ…心の乱れは走りの乱れの原因。それによってプチッと切れる集中力の糸。落ちたブースト圧がまた立ち上がるまでのタイムラグ…

リクヤ)この1年間、FD乗ってたけど、合わないかもな。
FFもFRも、何もかも忘れてしまえ。絶対的な速さは存在しない。だからこそ、最速に近づける車を探す。
あ、4WD…。FFやFRで最速目指すよりも、こっちの方が断然いいな…

帰宅後、リクヤはパソコンとずっと向き合っていた。
リクヤがパソコンで最初に見たのは、やはりランエボ。次にGTOや、セリカも見ていた。スカイラインも、もちろん確認していた。

リクヤ)俺が納得のいく4WDとはなんだろうか…
リクヤがイスにもたれかかった瞬間、イスごと、後ろに引っくり返る…
ガターンッ!! 「カチッ」
リクヤ)痛ってぇええ!!!!w
んぁ? ………!!!!!
G、GDB…!!!!インプレッサだ…!!!
【翌朝】
亮)兄貴ぃ…金もねぇのにまた車を…

鏑木 亮。リクヤとは別で暮らしている弟。すべてが明らかになるのはまだ先だ。

リクヤ)あぁw無謀な挑戦はしたって意味が無いんだと気付いた今日この頃ぉ!シビックや、FDで最速を目指そうなんて考えは忘れる。だけど、FFに乗ってた頃の、いつの日も最速を目指し、毎日車の事ばかり考えていたあの頃は絶対に忘れないし、忘れられないヨ。
亮)しゃーねぇ…兄貴の銀行の口座に200万ぶちこんどく。好きにしな。あと、もう少しいい仕事しろ。
リクヤ)あ、うん()

半年後
インプのチューンはGRtuneでやるか。基本的なチューニングから行ってくれるのはどこも同じだが、GRtuneは、「step3からのチューニングが異常だ」と言われているからなァ。面白ェじゃんよ
これから俺の分身となるインプを、モンスターにしてやるさ…!

未生斗)いや、主人公 俺なんだよ

4話 完

CODE:F 5話「狙われたカラス」

リクヤの赤いGDBFは、湾岸では紅い閃光と呼ばれるほどの速さを誇るバケモノと化していた。
そんな中、ミキトのFDは、数多くのライバルからマークされるようになっていた。
未生斗がいるGRtuneでは…
旭)「Z33用のミッションをFDに入れて6速MTにしたい」と?。GReddyのブーストも入れたいだなんて、何のつもりだ。まず、その知識はどっから覚えた?
ミキト)いや、スタート時の加速が欲しくて…前にバトルしたランエボ、加速性能が凄くて。この知識は、雑誌とかで覚えましたね。
旭)それだけでwまぁ、面白そうだし、やる価値はあっかなぁ。どちらにせよ、Z33のミッションを載せても、PPFっつー補強部品とかの問題もあって、不安は多少残るぞ。今回はストリートチューンか。
ついでに、280psくらいのタービン入れれば、350~400馬力くらいはいくだろう。

旭)あと、ついでに言っておきたい。湾岸エリアには、2匹のカラスと呼ばれるFDがいるんだ。お前は気づいてないだろうが、3匹目のカラスと呼ばれるFDは、お前だぞ。2匹のカラスのFDは、RE雨宮のコンプリートカー仕様のエアロで武装している。青いカラス「GReddy5 FD3S」。緑のカラスだっている。「GReddy9 FD3S ストリートμ」、気づいたか、お前のFDもRE雨宮のコンプリートカー、GReddy3 FD3Sだ。2匹のカラスは、おそらくお前を狙っている。いい機会だな。
ミキト)…!!
旭)今年は荒れるね…

ブォオオッフ!!!!
首都高速神奈川1号横羽線
リクヤ)横羽ってこんなに狭かったっけ…!! 確かに、設計は古いし、二車線だからめちゃくちゃ狭いハズだわな…悪魔のZは横羽を得意としていた…!!
いつか、会える…その前に、FDをやらなきゃ。

黒いカラスを狙っていたのは、青いカラスや、緑のカラスだけではなく、紅いインプも狙っていたのだ!!

一方 GRtune
ガチャ…カチャ…
旭)13B T…久しぶりに触ったぜ…俺を覚えているか?今、お前は未生斗の分身だ!俺はまたREに手を出しちまった!! 後戻りは出来ないぜ!!
いずれ来る。青と緑のカラス、GReddy5、9のFD3Sがな。
お前は、GReddy3 FD3S~黒いカラス~として伝説を作るんだよ…!!!

数日後の湾岸線にて
ミキト)油圧、水圧、全てにおいて問題はない。よし!行くか…
ブォオオン!!!
カチッ 「ピーッ HIGH BOOST」
ブォオオオ!! バシューーーッ!! ブォオオンブォオオン!!!
ミキト)6速は…入る!!  グゴッ
グッ…ヴィイイン!!!
ミキト)次、C1入り! ん?あの紅い車は何だ…俺はあんな車を抜いた覚えはない…追い付いた?違う、さっきからいた!!一定のペースを保ち、俺についてきていた…!!!!
ミキト)っ…!! インプッ!!

ブォオオン! パァアン!!
リクヤ)今日はやる気ないぜぇ。安心しな。

5話 完

CODE:F 6話「カラス達」

ブォオオオン!!
木崎 青斗(キザキ アオト)25歳
Racing teamRE Sのトップレーサー。
ミキトのGRtuneFD3Sが6速に換装された事を知り、RE Sも動き出したのだ。
そう、彼のFD3Sもまた6速ミッション。FD3S GReddy5 青いカラスである。RE雨宮のコンプリートカーの名称、GReedyとして、ミキトのFD、アオトのFD、そしてもう一人、緑のカラスのFDは作られた。後に、青と緑のFDはRE Sへ。GReddy3のFDはGRtuneに運ばれる。GReddy3のFD3Sは、元はガチャピンカラーで黄緑なのだが、GRtuneではアサヒの趣味で黄色にされ、ミキトの趣味で黒に塗装されたのである。
さて、緑のカラスの正体とは…

木崎 緑(キザキ ミドリ)FD3S GReddy9
24歳 女性。彼女もまた、RE Sのレーサーで、アオトの妹である。兄妹だ。兄のアオトはメガネをかけており、秀才かつイケメンなのだから、彼女もまた美女である。
ミドリのFDもまた、6速に換装されている。FDに6速ミッションつけたがるのがカラスたちの習性なのだろうか()
アオトが23歳、ミドリが21歳の時に入ったのがこのRE Sだ。

AM 4:00 湾岸線
ミドリ)夜が明けてきた…そろそろ帰ろうかな…
ブォオオン! グォオオオ!!…
ミドリ)後ろから1台来てる…? あっ、インプレッサ…
リクヤ)ん…?前の車、FDだな…!!でもGRtuneんトコじゃねぇ…RE雨宮か…?違う、雨宮の車使ってるチーム!?
って事は、RE Sかッ!!

ミドリ)そのすぐ前ってもしや…!! FD3S!!!
ミキト)ん…後ろ…FD…緑のカラスか…!?
む、無線機繋がねぇと!! ピーッズズッ 社長!!緑のカラスがいる!!
旭)そこに、紅いインプはいるか!!
ミキト)分かりませんけど、赤い車があります!
旭)インプだ!今日はインプと走ってみぃ!!
プツンッ
ミキト)なっ…!!! ブォオオオン!!
インプが出やがった!!逃がすかよ!!ヴィイン…ブォオオン!

ミキトのFDがミドリのFDの後ろに下がり、リクヤのインプの前に来る
リクヤ)コイツも、やっぱ速い…!!
ミドリ)FDのお兄さん頼んだよぉおおお!?!?早く帰んなきゃあ!!
ブォオオブォオオオン!!…
リクヤ)黒いカラス…そのドライブ、見せてもらうぜッ!!
ミキト)社長はどうして紅いインプがいる事を…は! まさか…!!GRtuneの駐車場に停まってたインプはあれと同じ色だった!! って事は、少し期待出来そうだけど…

ミキト)GRtuneでのチューニンクステップは、step2辺りかな…?
って事は、次でstep3のチューニングに入る…社長からそんなことを聞いてた…!
とりあえず、走るか… ブフォオオ!! ブォオオン!!
リクヤ)っ…!!やっぱし速いな…んじゃいくか! ブースト1.3!!
ブォオオンパァアアン!!
カチッ ビィーッ <BOOST>
グワンッ! ブォオオオン!!
リクヤ)FDと並んだッ!!
ミキト)!? このインプ、ものすごく安定してる!! この高速域なのにも関わらず、フロントタイヤには荷重がかかってる!!
しゃあねぇ…行くぜ…400馬力のモンスターFD!!
カチッ 「ピーッ」
ブォオオオンッ!!!
ミキト)三車線の湾岸、道幅は充分広い…!!! インプをブっチギる!! 290kmオーバー!!今の俺…ものすっごく無理してる!!でも行く!!
ブォオオオオオオンッ!!!

リクヤ)なっ…!?おいてかれた…清々しいよ…今日からstep3のチューンに入る…よし、GRtuneに行くか…
ミキト)ほっ…ちとやり過ぎか…
あ、社長に知らせないと…GRtuneに戻ろ…

6話 完

CODE:F 7話「動き出す」

RE Sガレージにて
ミドリ)やっぱり、全体的にパワーが足りないよねぇ…
アオト)あぁ。俺達のFDはどちらも340ps。RX-7の中じゃ充分な方だが、GReddy3のFDは400馬力いくようだな。
ミドリ)コーナリング特性、トップスピードはもっとチューンしないと。少なくともあのFDと並んで走れない。

一方GRtune
ブォオン…キキィ! ガタッ
ミキト)なっ…社長ォ、そのインプ…
旭)あぁ。持ち主が奥の部屋にいる。話してこいよ。
リクヤ)どーもっ
ミキト)ど、どうも…
リクヤ)鏑木 リクヤだ。宜しく
ミキト)楠田 未生斗です。宜しくお願いします。

ミキト)25歳なんですか 意外に若いんですね…
リクヤ)オイオイwなんだよそりゃwお前の方が若いだろォ?w 21であんなバカッ速い走りしてっと寿命縮んでんじゃねぇのォ?w
ミキト)アッハハw リクヤさんもそうじゃないですかw
リクヤ)あいにく、俺ァ最近走り始めたばかりでなァwまだ縮んでねぇヨw んま、お前のFDに魅せられちまった以上、後戻りは出来ないし、これからも付き合いは長くなりそうだねぇ?
ミキト)そうですね… あのインプって、これからstep3のチューンに入りますよね?
リクヤ)今がその途中なんだ。聞くところによると、step3以降のチューニングがとにかく異常で、500馬力オーバーのスープラ作ったって伝説聞いた事あるぜ。
ミキト) (社長そんな事してたのかヨ…)

ガチャッガチャ…
旭)ふぅ…今時のインプなんて触った事もねぇや…

ミキト)どんなインプに…仕上げるんですか?
リクヤ)デカい タービンにして、ボディも強化、ミッションも耐えれるようにして………ざっと500馬力かな
お前のFDやRE SのFDとやるためだけにブロー覚悟でやる…!!
ミキト)なっ…!? 500…!?
リクヤ)社長は、「金をとらないかわりに、死ぬ気で走れ。」と言った。こんな事があるんだな。
ミキト)GDBが搭載するEJ20って、確か中 高速回転域の伸びが抜群に優れていますよね。
リクヤ)あぁ。低速域でのトルクは犠牲になるがな。水平対向Egであのパワー。まさに名機。馬力は、ノーマルで280ぐらいだ。
ミキト)じゃあ500馬力って言ったら、マジで400万円くらいいきますよね!?
リクヤ)お前んトコの社長はとことん凄ぇや…
ミキト) (その思いきりの良さと言い、一番凄いのはこの人だな…)

RE Sガレージ内
ミドリ)上がったようね。
小倉)あ、緑さん。FDは仕上がりました。
坂下)300kmオーバーでも踏んでいけます。一回、パワー特性を落として280psのタービンを入れた事で、420馬力のFDが出来上がりました。
ですが、作るにあたって、ミッションを6速にしてあるため、付属のパーツをつけるのが色々と大変でしたね。
西田)専属メカニックとしてできる限りの事は尽くしましたが、ブロー覚悟のラストバトルになるかも知れません。
ミドリ)えぇ。分かったわ。兄貴のFDは?
小倉)まだです。そろそろ仕上がりますよ。
そして、数分後 横羽線
プシュアンアアア!! ブォオオオン!!
ミドリ)ブーストは、1.5…最高よ…これ以上何もいらないから…欲しいのは、勝利…!!! いつか会える。いつかやる。いつか墜とす。

7話 完

CODE:F 8話「Flash」

首都高速都心環状線(C1)
ミキトのFDの隣には旭が乗っていた。
旭)それで、バトルの日のルートは?
ミキト)首都高一周はやめた。
旭)なぁんで?
ミキト)どーしても、C1入りたくて…
旭)一周してから、11号入れば良いじゃんよ!んま、長いし無理あるわな…
ミキト)だから、湾岸東行きから、11号台場線、次に1号羽田線に入ってC1内回り。
旭)スピードの乗る外回りと違ってツイスティなコーナーがあるからな…
ミキト)汐留のS字が最大の見せ場だよ。
ブォオオン!!ッッ ブォオオオン・・・

ギュァアアア!! そして、11号台場線
旭)今日は飛ばすなァ。でも誰かが来るの待ってるだろ
ミキト)はい。誰も来ないもんですね。
旭)そりゃそうだ。バトルに向けてどこもチューンしたりしてんだからな。
あ、芝浦PAにでも入ろうか。
ミキト)やですよ…あんな走り屋の集会所みたいなトコ…
旭)お前も立派な走り屋だろうが。
ミキト)じゃ、僕、車にいますから。
5分後
旭)ほら、コーヒーだ。
ミキト)あ、どもですっ。帰り、家まで送りますよ
旭)お、ありがとな。
ブォオオン…キィッ
旭)んじゃな。
ミキト)おやすみなさい。

首都高速1号横羽線
ブォオオン!!ブォオフッ!
リクヤ)横羽…ここで走りたいのは山々だが、俺はただアイツらについていきたいだけなのかも知れない。
なら俺はどこだって走るサ…
ブォオオオオッ!! パシューーッ・・・
インプレッサGDB-F 通称 【紅い閃光】

首都高速都心環状線(C1内回り)
ヴィインッゥィイイイイン!!!ブォオオン!
無線機:プツンッ ピーゴロ ガチャッ
ミドリ)相手、FDだけじゃないかもしれない。
アオト)ん…?
ミドリ)紅い閃光…GDBインプ!
アオト)俺達が狙うのは黒いカラスだ。俺達の敵じゃない。目の前に立ちはだかってくると言うのなら、また別の話だけどサ…

8話 完

CODE:F 9話「先の領域」

アオト)俺が、お前のFDを見てやるよ。
ミドリ)兄貴がセッティングを?まぁ、いいけど…
緑が運転する横には、pcを持った青斗がいた。
ブォオオン!!ヴゥゥ…グゥッ! ブォオオン!!
アオト)5速で8000も回るのかァ…こりゃ身が持たねぇぜ、すぐに逝くな。
ミドリ)レブる…!!
アオト)重要なのは、トルク特性だぜ。
カチャカチャッ…
あのタイサンGT-Rは、最大トルク発生時が、40kg/6000rpmかそんぐらいだった。黒いカラスは、おそらく9000以上は回る。じゃあ、そこまでの領域に行けるのか。重要なのはそこなんじゃないかな。
ブォオオン!! パヒューッ!

アオト)ok。んじゃ、大井JCTでUターンして、1号羽田線上りからC1に入ろう。
ミドリ)あいよ。
ブォオオオン!! 

ミキト)はぁ…俺は結局、なにを目指してるんだろうか。このまま先の領域に踏み込んでいいのだろうか…

短めな9話 完

CODE:F 10話「生き返る。」

ミキト)あの…社長…500馬力オーバーのスープラがあるってのは…
旭)あぁ。ある。まだある。死んでない。正確には600馬力オーバーだ。
ミキト)…

旭がGRtuneのガレージの奥の扉を開けた。その先にはシートを被ったアイツがいた。そう。GF-JZA80スープラだ。
旭)97年に、このスープラRZが積む2JZは、vvtiになったろ。俺はボルトオンターボにでもしようかと思ったが、トラブルの元になるし、ホンダのVTECのような感動なんてねぇ。だから、2JZ-GEを、2JZ-GTEに載せ変えたんだよ。ビッグシングルタービンなんてありきたりなモンをつけてサ。REASってゆー、Relative Absorber System,「リアス 相互連携アブソーバーシステム」とか言うサス、足回りが入ってて、ゲトラグ社製のミッションは最大800馬力まで耐えれる優れ物だ。2JZはRB26とも互角に張り合うんだから、800馬力だってやろうと思えばいけるが600馬力にしたのには意味があるんだ。これ以上は、乗る側も、イジル俺も、後戻りできなくなりそうでよ。

旭)パワーだけあったってなんの意味もねぇ。その有り余るパワーを最大限に活かせねぇなら乗る資格はない。俺は、そう考えた。そして何より、あえて600馬力にすることで中回転域での良さを伸ばそうと。
昔話になるけど、もっと昔じゃ、GZなんてのが最上級グレードとしてあったが、不人気で消滅した。w
ミキト)なんか、RZってデカくないすか?
旭)そりゃタイヤかな…RZ-Sは16インチだが、RZは17インチのタイヤ履いてたしなぁ。セルシオでもまだ16インチだぜ…
ミキト)3.0ツインターボ 6MTで2JZ600馬力のスープラ、復活はありますかね?
旭)あぁ、あるよ。まだコイツは未完成だ。最高速はまだ伸ばせる。加速性能だってな。
その前に、GDBとやれ。次にこのスープラだ。
ミキト)乗り手がいるんですか…!?
旭)あぁ…いるサ…

???)バイトに明け暮れる日々で体がもう拒絶反応起こしそうだわ!
でも、これでいけるわな…あのスープラ…
彼は、横山 恭介(ヨコヤマ キョウスケ)。19歳である。まだ高校生だ。放課後は毎日バイトに明け暮れている。金を稼いでスープラを買うために。それも、GRtuneのスープラである。
旭が過去に作ったスープラを乗る者がいたのだ。横山 浩介(ヨコヤマ コウスケ)。
36歳で亡くなった。このスープラで。事故だったのだ。恭介は12歳だった。車にも興味はあったが、父が亡くなった事への悲しみはとても深く、反抗的になり、母親の良子を困らせていた。
現在、恭介の母 良子は、43歳。7年前の、出来事はトラウマ。だが、決して恭介に「走るな」とは言わなかった。浩介の望んだ事だからだ。止まっていた時間はまた動き出す。スープラが生き返る。

それは1ヶ月前の出来事だ。
恭介は、GRtuneの外の窓から中のスープラを除いていた。
旭)ン?君は車が好きなのか?
恭介)怪しいモンじゃあないっすよ!
旭)なっ…!?(浩介さんと、顔が似ている…浩介さんにも子供がいたはず。確かあのときは6年生ぐらいだったかな…だとすれば。)
恭介)疑ってます!?
旭)君は、もしや浩介さんの息子か?
恭介)え?あ、はい! 親父の知り合いっすか!!
そして・・・
旭)このスープラを売ってくれと?
恭介)乗る覚悟はあるっす。死ぬ勇気もあります。
旭) (なっ…コイツ…面白ェ…)
よし分ァった。95万。
恭介)今のATで98万のシルビアより安い…!!!
旭)いやそこかヨっ いいか。コイツに乗る覚悟じゃなく、コイツで死ぬ覚悟があるかだ。恐怖心は常にあった方がいい。死なないと思うな。コイツに乗ってる以上、お前がもしも死ぬという事は、コイツに裏切られるか、お前が裏切るかのどちらかに1つ。コイツは、親父だと思って乗れ。そして踏め。それがコイツの…浩介さんの望みだから…!!
恭介)はい…!!

旭)これが少し前の出来事ヨ
ミキト)いずれ、俺の敵になる。と?
旭)そうだなw
ミキト)コイツのチューン、俺にもやらせて下さい。使いきりでもなんでもいいんです。社長と一緒に、俺のFDを越える物を作らせて下さい!
旭)それ相応の理由があるとみた。何故だ。
ミキト)一緒に走ってて嫌な相手なんていませんよ。どんなに悪質な手を使ったって受け止めるしかないでしょう。それを今乗り越えるべき壁と見るか、悪い物と見るかなんです。俺は、俺より速い相手と走りたいんです。今乗り越えるべき壁がそうだと感じているんです。求めている何かを、色んな視点から見付だそうと思っています。

旭)それじゃあ、真の2JZを引き出す。800馬力いってみるか?
ミキト)そこに踏み切るんですか…!!
旭)昔の考えは捨てる。800馬力に耐えるボディを作る。
最大トルクは50を越えるか。
ミキト)元が46ですからね。
やりましょう。モンスタースープラ計画。
旭)GDBとのバトルにも備えておけよ。
ミキト)はい!

一方横羽線
リクヤ)step1、2で排気系のstiゲノムマフラーが入った、冷却系はGDB用のエアインテーク。ブローオフバルブも。
足回りはトキコのダンパー、湾岸製のスプリングにした。step3ではボディ補強と、VARISのエアロで武装され、空力的にもそうだが、高速域でリアを地面に押し付ける力を生むGTウィングが追加された。フロントへの重量配分も重要になってくる。step4でEgをやり始め、最高速にも手をつける と…かなりハードだぜ…
俺がこのマシンについていけるかが問題だな…
ブォオオオン!!プシュァア! ゴァアア!

10話 完

CODE:F 11話「monster」

ジジジジッ!!ビチーッ!! ガチャンッ!!
ミキト)スポット溶接やら何やら色々と難しいもんだな…
旭)よし、これでボディの補強は完了だ。とりま、組み直してから、スープラを恭介んトコに持ってく。名義を変えねぇといけねぇしな。委任状や印鑑証明に譲渡証明書。取得税はおそらくねぇ。ナンバー代もだな。よし、いくか。推定で700馬力。恭介の物になってからが本当の仕上げだ。
ブォオッブォンブォンブォンブォオオオン!!ブォオン…
ミキト)ふぅ…疲れるぜ…ん?ロータリーのすべて?なんだろ、この本…
ミキトは机の上に置いてあった本を手に取った。
ミキト)ロータリー車は、ハイパワーマシンってか…なのに弱い。2ローターで400馬力の俺のFDに対して、あのスープラ、いや2JZ って凄ぇんだな…
RB26と張り合うんだし。そういうのってよく分からねぇよ…

AM8:00 ここは近くの峠の駐車場である。
旭)よ!元気してたかァ?恭介ェ
恭介)うぃっす!もちです!この日を楽しみにしてましたよォ!!これがそのスープラ…!!
旭)今は推定で700馬力だ。お前がこの車のちゃんとした持ち主になってからが仕上げだ。名変しなきゃいけねぇからヨ、書類は渡しとく。お前が責任持ってちゃんとやってこい。
恭介)はい…あ、あざます!
ガタッ ブォオオン!!ブォオン!! ブォオオン…プシュァアア…
旭)やれやれ…んじゃ帰っか…近くまで行って、タクシー拾うかナ。
浩介サン…恭介はもう立派な首都高ランナーになりますよ…

首都高速都心環状線(C1)
恭介)すげぇ…このスープラ…どんどん前に進んでいく…!! FRのモンスターマシン…!!すげぇすげぇすげぇ!!
最高だよ親父!!親父はこんな車に乗ってたのか!!俺、いつ死んでも悔いはねぇよ!!ただ、FDをやらなきゃ…!!

リクヤ)GDB-F。GDBのEとは違い、前後トルク配分が前よりになっているため、リアはとても滑りにくい。だが、GTウィングを着けた事でまた違ったフィーリングが生まれる…!!押し付けられる!!タイヤで、体で分かる、路面との接地感が掴めている…!!
ん?なんだ、反対側の黒いスープラは…
ブォオオン!! 二台がすれ違う。互いに感じたのは首都高ランナーとしてのオーラだ。紅い閃光と闇の魔物(ダークモンスター)。
黒いカラスや、青いカラス、緑のカラス。決戦の時はすぐ近い…!!

11話 完

CODE:F 12話 前編「road前編」

旭)仕上がった…最大トルクは70km-g以上、800馬力オーバーで、10000rpmも伊達じゃねぇ…300km/hはいくゾ…更に最大ブースト1.5!!ゲトラグの耐久性に優れたミッションは800馬力を受け止める…C1を走るのにこんなマシンじゃ踏めないなんてそんなセオリーもクソもねぇ…!!
スタビリティの欠片もねぇ…!!一回きりでもいい…アイツに本気で走ってもらうために…

恭介)…!!これで、走れるんスか…?俺は、これに乗れるんスか…?
旭)お前は、コイツに乗るんだよ…お前の親父だよ このスープラは…
あのFDと思う存分に走ってこい…自分が持てる全てを尽くせ…C1を楽しめヨ
恭介)はい…!!
旭)セオリーを無視してパワーが関係ないC1で、このモンスターに乗るんだ。外回りでな。銀座のシケインエリアを2速から。狭いエリアでフルブーストはかからない。そして汐留間、汐留S字じゃあ速度は乗るが、ここで仕掛けられたらマジで死ぬかもだ。ミキトはそういう奴だ。それと同時にお前も浩介サンやミキトのように無茶をしそうだが、死への覚悟を持った行動なんだ。公道を300kmで走る事への罪の意識。他車を巻き込まずにレーンチェンジを行い、決して死なないとは言えない世界、誰も認めちゃあくれない世界にいられる環境や、その環境を得るために失える物のデカさ。全てをお前たちは背負っている。
恭介)C1じゃパワーは関係ない…このスープラで、あのFDに勝たなきゃ!!
旭)比較的にコースがクリアな水曜日に深夜1時、GRtune前で待ち合わせだ。

一方 未生斗 自宅
ミキト)400馬力で最大トルク50越えのハイパワーチューンドREを持ってしても、今回は勝てそうにないなァ…あのスープラ。自分が仕上げたのに。でも楽しそうだヨ。
プルルルル!!ガチャッ
ミキト)はい、もしもし楠田ですゥ。あ、社長?はい。水曜日、GRtune前に深夜1時…OKです。
旭)あ、それと、今回はお前も勝てそうににないかもだぞ。あるとすれば、結果で勝ち、勝負で負けるような事かな…全てはアイツがスープラを乗りこなせるかどうか。それ次第だ。ピッ
ミキト)…………ヤベェな。

水曜日 深夜1時 GRtune
恭介)横山…恭介ッス。宜しくです。
ミキト)楠田 未生斗です。宜しく。
旭)それじゃあ、ルートとしては、C1外回りだ。勝負所といっちゃあ銀座シケインエリアだろうな。(宝町~汐留間)。ここじゃあ軽いマシンが有利とされているからな。軽量化がされているFDはスープラよりも有利だ。純正でもスープラは重いからナ。んじゃ始めようか。
ブォオオオン!!ブォオオン…

首都高速都心環状線 外回り 新富町オービス前
ミキト)路面はクリアですね…
旭)そうだな。
ミキトのFDには、共に旭も乗車している。
恭介)親父…俺、やるよ…
ブォオオオン!! プシュァアアア!!

12話 前編 完

CODE:F 12話 後編 13話 14話 road(後編)/愛を/夢を

12話 「road(後編)」
ブォオオオオン!!!ッッ ブォオンブォオオン!!
ギュン!! ゴァアアア ヴァラァアア!! ヴィイイイン!!
旭)コイツらは今、死ぬ気で走る。走りながら会話をする。
恭介)よし、いい感じにノれてる…4速で230km…計算では5速で9000回して300km、6速以上で更なる領域に入る…ファイナルギアは10000回転以上、300kmオーバー…!! 800馬力が物を言うぜ…ブースト1.5…コイツさえ使えば、850psもいくって事か…
プシュァアアア!! ギュオン!!

推奨BGM『Rich Hard/Blue』

ミキト)ダメだ…速すぎる…!!ついていくので精一杯だヨ…!!
ゴァアアアアア!!!
旭)(さすがだミキト。お前がこんなに驚くのも分かる。しかし、基本的な首都高の走り方は出来てる。すごいモンだな。)
ミキト)楽しめてるヨッ!!
恭介)_!! ついてきてる…!!ただモンじゃねぇのは分かってるよ…黒いカラス…!!

ミキト)ストレート区間で離される…!!
恭介)ここである程度距離を離してもコーナーではやっぱりあっちのFDが上…!!
旭) 環状線の外回りっつーのは、内回りとは性格が変わるんだ。ツイスティなコーナーが多く存在する内回りに対して、外回りでは、速度が乗るストレートが多い。
(そんな銀座シケインエリアとよばれるポイントの、宝町から汐留間。ここが勝負所になるか。ミキトが仕掛けるとすれば…)
ミキト)昔の自分かヨ…でも違う…この子とは何もかもが違う…
恭介)親父…俺ァ、これ程楽しい事ァ今まで無かった…親父が死んで、俺がおかしくなって、母ちゃん困らせてサ…それなのに走る事を許してくれたのヨ…親父が望んだ事だからって…

ミキト)前に1台…
恭介)狭いッ!!
グワァン! プシュァアア!!
白い乗用車を2台はパス。狭い区間でも速度やフィーリングは潰さない。だが決して無理はしなかった。
恭介)次の区間を抜けたら、汐留のS字…!!
ミキト)まだだ…もうちょいッ…!!
ブォオオン!!ヴィィイインッ!!
旭)コイツらは、マジだ…!!

12話 完
____

13話「愛を」

プシュァアアア!!

推奨BGM『Les/Tearful Eyes』

ミキト)まだだ…もうちょい…ッ!
恭介)この道幅、赤い路面…S字…!!
なっ…!?アウト!?
ヴィイイインッ!! ガシュウ!!
旭)ちょ…この速度で進入すんのかヨ…ッ!!
グウゥ… プァアアア!! ギュン!
ミキト)____!!!
ヴァウウウッ!! パヒューッ…
恭介)ゔっ…!! ブースト1.5…!!
立ち上がりのフル加速…!!ブロー覚悟だよ…ブーストボタン押しっぱなしでねッ!!
グゥ…ガァアア!!
ミキト)ブーストが…かからん…でもやるしか…!! コッチだって、GReddyの1.3から1.5にしたんだよッ…!!走り続ける…俺は降りない…走り…続ける…か…
ピーッ 「HIGH BOOST」
ブォオオオン!! ギュォォオオ!!

ミキト、恭介)踏め…っ!!
グワァアアアッッ!! ブォオオオオン!!プシュゥウウ…
ミキト)巳奈…「走り続けて」か…走ってるヨ…
ブォオオオオン!!

山岡 巳奈(ヤマオカ ミナ)。ミキトの恋人である。車が好きで、ミキトの横に乗り峠に出る事もあった。大学生だった。
だがある日、トラックに轢かれ、その命を落とした。
死ぬ間際に彼女が放った言葉は「走り続けてね」。だが、ミキトが走る理由はこれだけではないのだ。ではなぜ走るのか?他に、理由はあるハズだが、それは彼もまた知らない。

ブォッブォオオン!!!
恭介)フルブーストが…息苦しいゾ!?なんだコレ…
プシュアアアアッ!! ガァアアォオオ
恭介)…!!カハァッ!!
ブォオオ…
恭介)なんで…俺は…アクセルを抜いた…
旭)恭介は降りたようだ。
どんなにその車で死ぬ覚悟があったって、恭介の親父、浩介サンは、恭介が死ぬ事を許さなかった。ただそれだけだ。

恭介)ファイナルギアは使わず終いか…295km/h…確かに250を過ぎた辺りから、ケツがスライドして、乱れ始めてた。警告かな…アクセルを抜いたのは親父ね…
ミキト)…敗北感だけが残った…
旭)言ったろ。「結果で勝つことが出来ても、勝負には負ける。」と。
ミキト) (巳奈は、俺を見守ってた…んだよな…叶えられなかった夢があったはずなのに、俺はこうやって走ってる…なのに走る理由すら分かれねぇなんて…)
旭)帰るゾ。アイツは、これから普通に高校生として生きていく。だが、あのスープラが死ぬ事はねぇだろう。
ブォオオオン…ガォォオオ…
恭介)もう、走るのを辞めるなんて出来ねぇヨ…けどしゃあねぇ、明日から学校行くか…
ブォオン………

13話 完
____

14話 「夢を」

スープラとのバトルを終えて__
旭)なァ、GDBとのバトルはどこで…?
ミキト)GDBとはC1内回り…あのFD 2台とは、湾岸東行きから11号台場線、1号羽田線からC1内回り。
旭)GDBは、ブロー覚悟のチューンで走れる時間も少ないから、とかってw
ミキト)そんなトコだねw
旭)あのインプ、500馬力の予定だったケド、550馬力にして、6速9000回転、ちょうど300kmになるようにしてある。フルブーストはかかっけど…危ねぇヨ…
ミキト)それなりの準備は出来てるっつの…いつか、俺のFDも頼むよ。
旭)本気でRとヤル時が来たら考えてやるよッww
ミキト)うんw

リクヤ)ふぅ…仕上がった…俺のインプ…550馬力になったんだナ…
タコメーター上では、11000くらいまで回るみたいだけど、フルブーストかけて、ほんの一瞬ってトコか…バトルの日…決めとくか…
プルルルルッ ガチャ
ミキト)はい もしもし楠田です。あぁ、どーも、鏑木サン。バトルの日ですか。
では、週明けの月曜にC1内回りって事で…
リクヤ)OKッ 待ち合わせは…走ってりゃ会えるわナw 合流で!
ミキト)了解です。それでは。
ピッ
ミキト)ふぅーっ…スープラとのバトル…感触がまだ抜けねぇッ…こんな気持ちで…次の月曜…
旭)俺は行かねぇよ。やめとくわ。
ミキト)どーして…?
旭)なんとなくだ。とりあえず、言っておくが、走り屋である以上、二次災害を起こしてはいけない。あのインプは必ずどっかでブローする。そのインプをどうするかはお前次第だがなァ、賢明に動いてくれよ。
ミキト)はい…

そして月曜日
ミキト)C1二週目…そろそろかなっ…
ヴィイイイッ!! グゥ ギュァアアッ!
ミキト)来たッ!!インプレッサ…!!
リクヤ)最っ高だわ…この日を何度待ち望んだ事か…FDと並んだッ!!
バトル開始!!  ブォオオオッ!!
ミキト)早速 前に出た…!?
リクヤ)このリアのトラクションの抜け方…パワーの逃がし方…俺は今、多分めっちゃ速いと思うわ…!!
ミキト)全てにおいて、あのインプが上じゃないか…ッ!! 俺ァ、こんなのを相手にしてんのかヨ!!
リクヤ)コーナーでも踏んでいける!!
コンマ一秒を拾って、更なる領域へ…チューニングと言うドラッグからはもう逃げられねぇ…中毒性パねぇよ。
でも…この走りは…いつか消える。それを持って、俺は走りからは離れよう。 

14話 完

CODE:F 15話「紅い閃光よ 永遠に」

推奨BGM『Manuel/Wanna Be My Geisha』

ミキト)ふぅ…インプの調子は絶好調みたいだけど、多分もうすぐ崩れる…
リクヤ)あまりにもノれすぎてる…様子がおかしい…? こんだけ速いペースで走れるケド、気付いてたんだ…クラッチを庇うように走ってた…ミッションが…このハイペースに耐えれてないッ!?
クラッチ自体、乱暴に扱ってた訳じゃあナイけど、多分、劣化のせいで意識していなくても、自然とクラッチを蹴るような走り方をしていたんだ…ミッションが危ねぇ…体は反応してくれてた…庇(かば)うようにしていたけどこれじゃあ本気でいけない!!でも、マジなトコ行くと即終わる…!!
でも、やるしか…ねぇッ!!
ブォオオッ グラッ グフッ
ミキト)あの走り方、絶対ヤバいっしょォ…シフトのチェンジが鈍いゾォ…?
でもすぐ分かった…クラッチを労(いたわ)った走り方してる…このコーナーが多い内回りじゃキツすぎやしねぇか…!?コースの選択をミスっちまったかナ…
リクヤ)コース選択間違えたとか思ってねぇだろうな…? 俺ァ、そんなの気にしちゃあいねぇし、心配される筋合いはないぜ…ッ!! 覚悟を決めて挑んでんだからなッ!!

リクヤ)半分…いや、それ以下…マジ走りだ。頼む、耐えてくれよ…インプ…!! 30秒だ…フルブーストかけて300km/h以上で勝つッ!!
おそらく、600馬力を越える…本来なら9000回れば上出来、だけど、コイツに勝つだけじゃなく自分にも勝つんだ…そうでなきゃ、意味はねぇ。10000回転までぶん回すッ!!
ブォォオオオオッ ヴァウ ワァアアッ グゥ
ヴォオッ!!
ミキト)この人は…ッ 俺も行くしかねぇって…!! ヴィイイインッ!! ガウッ
リクヤ)速ぇ…そしてついてきやがる…!
ミキト)…!! ピーッ「HIGH BOOST」
パヒューッ! グフッ
リクヤ)っ! ピィッ カチッ パシュゥッ
ヴァラァアアッ!! ブォオオンッ!
ミキト)狭いケド…真っ向勝負だッ!!絶対的に不利なストレートで、FRvs4WDのバトルをよォ!!
リクヤ)これはもう理屈を越えているんだ…

リクヤ)くぅっ…!!
ミキト)前に出た…!!けど…っ!!
リクヤ)!?305km…!?それでも前に出んのか!?あのFD…速すぎる!!
たのむ、耐えてくれ!!
6速、9500から…10000回転へッ!!
ブォオオオッ…ヴァッ!!! グァアアアアッ!! バラバラバラバラ…
リクヤ)ヤった…ミッションが逝った…このフィールが消えていく__
ミキト)…!? やったか…インプ…
「旭)賢明に動けよ」
ミキト)分かってますヨッ… ブォオオオ…
FDがGDBの前に出る。ウィンカーを点滅し、ついてこいと命じる。
リクヤ)汐留のS字近くだ…ok。ついてくよ…自走で出れるすぐ周辺の出口は…
ミキト)芝公園。ここで出れば大丈夫だろっ。
ヴァラァアアアッ…グラグラグラバラバラ…
ミキト)よし…ちゃんと出れたか…一周すら出来なかったよね…

そして…
リクヤ)派手にやっちゃったなァ…
ミキト)ミッションブロー…?そうだよね…クラッチ労ってたしね…トランスミッションがぶち破れたとあっちゃあね…
リクヤ)これをもって走る事からは降りるヨ…
ミキト)え…?
リクヤ)むしろチューナーと言うのもいいかもな…w
ミキト)そうですかッ……
ブォオオン…キィ ガタッ
ミキト)んぁ、社長…やっぱそうですよね…
旭)あぁ。汐留んトコからがヤバい匂いがしてな。やっぱり白煙が舞ってたよ。こうなることは予測してた。リクヤも、自走で出れたようだな。
リクヤ)えぇ。ミキト君の誘導もありましてね。
旭)賢明だ。よし、インプ、後ろにのっけるぞ。
ミキト)わざわざレッカー車借りてきたんすね。
旭)GRtuneじゃここまで責任は負わねぇから用意してねぇんだがナ。仕方ねぇサ。しっかし、このインプ、ボディもヨレて、売っても金にはならねぇぞ。
リクヤ)廃車ですかね…
旭)お前に出来んのか?w
リクヤ)出来るわけないじゃないですかw
ミキト)そこまで覚悟を決めるって事だったんですよね…w
リクヤ)あぁ。俺はそれが出来ない。でも仕方ねぇよ。
旭)そうだナ…紅い閃光はこうやって消えるんだ。敗けを知ることもなく、勝ちを知ることもなく。
なぁ、未生斗。お前は、コイツと走って何か見付かったか?
ミキト)求めているものではないです。ただ、どの走り屋だって覚悟を決める…と。背負っている物のデカさ、失う物のデカさは人それぞれ違う…と。
旭)それが分かればいい。
リクヤ)覚悟を決めるっちゅうのはこう言う事ヨ…じゃあな。インプ。俺を楽しませてくれてありがとう。この半年は夢のようだったヨ…

紅い閃光よ 永遠に_____。

ブォオオン…パァアンッ…
アオト)もうすぐ俺達の…
ミドリ)出番ね。

15話 完

CODE:F 16話「決戦 REバトル#1」

ミドリ)ん?あ…隣…もー、GReddy3エアロで黒のFDって…他にいるわけないじゃーんッ!wこの子黒いカラスゥ?
ミキト)隣のFD…多分、女性だから緑のカラス…一人で喋ってる…?なんかヤバくね?…w
ミドリ)あ、そーだ。

緑のFDは黒のFDの前に出る。ミドリはミキトを誘導する。そして入ったのは辰巳PAだ。

ミキト)あっ、えっと、楠田 未生斗です…
ミドリ)木崎 緑よ。そっち、ずいぶん若いわね?
ミキト)21…
ミドリ)私より3つしたァ?そっか…あ、兄貴呼ぶから待ってねっ
緑は電話で青斗を呼び出す。しばらくして到着したGReddy5の青いFDのガルウィグドアを開けて出てきた青斗はミキトと軽く、挨拶と紹介を済ませ、バトルの話に入った。
ミキト)湾岸東行きから11号台場線、羽田から環状です。お二人とバトルするつもりなので、長めのコースにしました。
ミドリ)流れ的には良さそうね。
アオト)C1か…良いね。よし、OKだ。

ミキト)まぁここ辰巳第一なんで一回、湾岸まで戻りますか…w

数分後…
ミドリ)兄貴、電話は切らないでね。ドリンクホルダーのところにでもスマホ置いときな。
アオト)あぁ。最初はソッチが出てくれ。
ミドリ)OKッ、それじゃあ…バトル開始!!
ヴィイイイッ!! パヒューッ グワァア
ミキト)…!?いきなり前に出るか!?
アオト)緑。お前はここで新たな体験をするだけだ。首都高は勝ち負けじゃあないゼ。
ミドリ)…うん…
ブォオオオンッ!!
ミキト)フルブーストがかかる…FDは軽いから、加速体勢に入るとフロントの設置感は掴みにくくなるっ…相手もFD…条件は同じ…今までは車と乗り手がコンビのバトルだったけど今回は違う。乗り手同士のバトル、車同士のバトルだ…!!

推奨BGM『Fastway & Christine/Number One』

ミドリ)ナハハ…さすがね。ついてくる!!
ミキト)こっからは緩めの右…舵はとてもじゃないけど効かない!コーナーアプローチ後に、早めに向きを変えて加速体勢に入るッ…立ち上がりで差ァ詰めてなんぼォ!!コンマ一秒を拾う…!!
ミドリ)プレッシャー、パなァ…コイツ、じわじわ来るから怖ぇのなんのォ…ストレートには自信あるわヨッ!
アオト)黒いカラス、なんとなくではあるが走り方が分かった気がする。だが油断は禁物だな。次に備えておこう。
ヴァアアアアッ プシーッ グゥ
ミドリ)フロントに荷重が掛かってる…いい感じにアクセル開けてコーナーも曲がれてるッ
ミキト)上手いナ。この人達、FDを分かってる。俺以上に乗れてる…凄ぇや…
ミドリ)そろそろケリをつけるわ。6速10000回転以上で310km/h。ギブアップなら今のうちよ!
ミキト)こちとらEgには相当負担を掛けるかもだけど、ここは一発、決めるか…
5速9000で300kmだ。これでやるしか。
ブォオオオッ

ミキト)まさかとは思うけど、このFD、多分11000回れば450~500馬力くらいは出るかもだ…Z33の流用ミッションでトップは6速、320kmが出る…!? トルクはある…! 抵抗が高ぇ6速でも、11000回るんだから上出来ッ!
ミドリ)いつの間にかもう羽田線入りしてたのね…台場線はとっくに過ぎてた…
ミキト)いつもよりペースが早すぎるッ…!!
ミドリ)あっ!油圧が低下してる…排気温も上昇…苦しい…これ以上回しても回転は上昇するし、鈍リもないけど、無理をしたって意味はない…
ミキト)づぁああああっっ!!
グォオオオッ…
ミキトのFDはミドリのFDをパスし、前に出る。それと同時にミドリのFDは失速していく…
ミドリ)ゴメッ…兄貴、あとお願い…
アオト)羽田の中間地点から、残りはC1内回り。よく耐えたな。緑。
アオト)…、290km以上出ている。
おそらくミキト君は5速の伸びだけで、310kmを出していた緑を抜いた。
その時のFDが、約305kmってトコか。(ミキトFD)
正確には、緑が「これ以上は無理」と判断し減速するであろうポイントを見計らって、彼は6速を使わずラクに前に出たと言う感じかナ。動きは速いが、あぁ見えて頭脳派なんだな。RE Sの意志を継ぐ。俺が320kmを越える。そしてアイツも潰すッ!!

16話 完

CODE:F 17、最終話「決戦 REバトル#2」

ミキト)次…ヤバいゾこりゃっ…
アオト)450馬力で大容量のタービン付けてるケド、ただの中身がイカついだけのFDだと思ってもらっちゃァ、困りますね。
ミドリ)兄貴は…並大抵の走り屋じゃあないッ!!
ミキト)残りは、羽田~C1内回り…
ストレートでも、コーナーならなおさら、このFDにはついていけっこナイ!!
ファアッ ガッフォオオオッ ヴァアアア
アオト)…。290km、少しずつ上げてく。

アオト)ほう。シングルタービンか。高回転型ユニットのEgならば低速を犠牲にして最高速を求めるというわけだな。
ただし、ブーストの落ち込みによるターボラグがデカいと言うのは、致命的ですね。
コッチは、シーケンシャルツインターボです。低速域でもトルクが確保出来ます。
ミキト)速ェッ…!!走りの乱れじゃねぇが、ブーストが落ちてきてる…フルブーストは…ダメだろォ…エンジンへの負荷を考慮してしまえば、これまで無茶してきたからそろそろ逝く…あのインプのように…
アオト)ギアの守備範囲や回転域が広いこの6速のFDじゃ辛いか…ですが僕は退きませんよ。
グァアアアアッ!! ヴィン ドギャンッ!
ミキト)アッチのFD…やたら高速域でも回るのか…俺も小さいタービン2つ着けよっかナ…シーケンシャルよか普通のツインターボの方がいい気もする…
んなのはどーでもいいっ。今はコイツをどうにかするッ!!
ヴァアア

C1入り
ミキト)5速っ、8000回転から、約9000まで回せば300kmは越える。400馬力かナ…
フオッ… ヴィイイインッ!! プシューッ
アオト)銀座シケイン、2速・3速主体(メイン)でッ。
ミドリ)もう私はついてけないわ…速すぎよ…
ミキト)マジで何なんだコイツは…!?
…どわァっちょ!!! マシンの寿命が…ブーストさっきから落ち込み過ぎだって…今まで一番速い…仕方ない。耐えてくれよ、FD。
ブォオオオッ… グッゴ
ミキト)6速…!!10000回転以上回すからマジで!ブロー?いや、死ぬ気で行ってる…!!
プシュァアアアッ!!

推奨BGM『Ace/Futureland』

ブォオオオッ!!
アオト)並んだ!?相変わらず君は派手だナ…
ミキト)309km…310km…このまま315~320kmをマークッ!!Egへの負担は大きい!!排気温は上昇してるけど、回る!水温計もヤバいぜFD!
こっから、無理矢理だけど…ターボに圧力掛けっぞぉおおお!!応えろFD!!会話だ!信じろ!俺を、信頼を…faith!!どちらが裏切るかじゃねぇ…お前が何も話さず応えナイ時は俺に問題がある…最後の一伸びってヤツを…
フルブーストっ…!!!
ピーーッ! プシュァアアアッ!! ブァアアアッ!!
アオト)なんて奴だ…エンジンに強力な負担が掛かる事を承知の上で…
ミキト)316km…そして、11000回転!! 320km/hジャストぉおおおっ!!
アオト)くっ…!! 勝敗じゃないケド、それがあるなら僕の敗けだろう…

青斗FDスローダウン、その後、未生斗FD、エンジンが圧力に耐えきれず出力低下、パワーダウン。
二台はゆっくりと走り、辰巳PAに再び入る。

ミキト)あちゃーっ、インタークーラーのホースだとか他のパイプが劣化してすっかり大穴が…
アオト)そうか…あれだけ無茶をすればそうもなるでしょう…ですが、今回は完全に僕がアクセルを戻しました。でも貴方は凄い。あのまま続けていても、勝ち負けで決まるとすれば、90%で僕が追い詰められていたでしょう…
ミキト)いや、実際に追い詰められてたのは俺です…RE S…凄いっスね…俺 FDがもっと好きになりましたヨ。貴方のような方を目標として、走り続けたいですっ。
アオト)僕には勿体ない言葉ですね…どうもありがとう。
ミキト)ありがとうございましたッ。
ブボボッ ガチャッ
ミドリ)はぁ~、速すぎよアンタ達…
アオト)緑、帰るぞ…木崎兄妹 完敗だナ。
ミドリ)清々しいってかァ?フフフッ…
じゃーねェ、ミキトくぅんッ
ミキト)それじゃあ…
ブォオオオン…
ミキト)こんなんじゃまともに走れるかは分からないケド、とりあえず速度さえ出さなきゃ大丈夫だヨな…
ブボォオオッ…
そして・・
旭)そうか。それでFDを…まァ、すぐ直せるしな。
ミキト)それでサァ、提案なんだけど……
旭)ほう。面白ェじゃんよォッw
そうやって好きなようにすりゃァ良いサ。まだストーリーは終わっちゃァいねぇヨ。
ミキト)…続くんですね。
旭)あぁ。続くよ。

閲覧数?