二巻

Last-modified: 2010-01-14 (木) 13:32:52

「ウ…ウォルターさん……なんでスか……コレ……」
「何って カンオケでございます」
「ってゆーかなんで?
 ナゼにこげなモノが私の部屋に?」
「はっインテグラ様からの御用命で
 『やっぱ吸血鬼はカンオケで寝なきゃダメ』
 だそうでございます」
「ベ…ベッドは?」
「処分いたしましたハイ」


「それはそうとアーカード様 例の物 仕上がっております」

「ほう 見せてくれ」

「今 おとどけしようと思っておりましたが…」  ゴトッ   ガパン

  !   はは… これは…

「対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」
今までの454カスール改造弾使用ではなく 初の専用弾使用銃です
全長39cm 重量16kg 装弾数6発  もはや人類では扱えない代物です」

「専用弾 13mm炸裂徹鋼弾」  チキッ

弾殻(だんかく)は?」
            「純銀製 マケドニウム加工弾殻」

「装薬は?」
            「マーベルス化学薬筒 NNA9」

「弾頭は? 炸薬式か? 水銀か?」
            「法儀式済み 水銀弾頭でございます」

「パーフェクトだ ウォルター」    「感謝の極み」


「これならばアンデルセンすらも倒しきれるだろう」

「ほ―――ッ」 スゴイんですかソレ

「婦警殿、あなたの武器も新しくさせました」

「え!?」

よっ ガチャ

ズハッ
「30mm対化物用『(カノン)』『ハルコンネン』
弾は2種、劣化ウラン弾及び爆裂徹鋼焼夷弾!!
主力戦車(MBT)を除く全ての地上・航空兵器を撃破出来ます」

「な な なんじゃこりゃあ あ あ!」


ハハハハハハハ ニィャアァハハハ
最高に勃起モンだぜ!!
こっちだけズルして無敵モードだもんな!!


アーーーアーーーー
アローアロー聞こえますかーーー
円卓会議のミナサマ コンニチワーッ アローッ
どうしようもない インバイで売女(ビッチ)くそヘルシングちゃんもきいてますかあ?
僕様チャンたちの名前はバレンタイン兄弟ーーーッ
弟のヤンでーす 初めましてー よーろーしーくーねー
こちらはただ今遅めの昼飯の真最中ゥ
国教騎士団の隊員の皆様を美味しく頂いてまーす

今からブッ殺しに行くぜ
小便すませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?

まぁ 自殺する時間はあるかもしれないから死ねば? オススメ
じゃあねーッ みんな愛してるよーッ ブツッ ザッザーッ


………
………
フツーの人はこの組織にいないのかしら……
(いません)


ウォルター 率直に聞く
我々はもうおしまいか?

(ノー)!! ありえません!!
一世紀前の初代ヘルシング卿にくらべれば この程度
苦況(ピンチ)の内にも入りませんぞ

地下階からアーカードが そして3Fから我々が迎撃
いや 『出撃』いたします
お嬢様のご命令通り 一匹たりともこの館から生かして帰しませんぞ

あの小僧に HELLSING(我々)の授業料が いかに高額か
教育してやりましょう


のろい!!
やはりグールはグールですな
グールの頑強さに目をつけたのはいいアイデアですが
これでは!! 不死身の無敵軍には程遠い
小便はすませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?


ド カッ
ギ ュ
ヒュッ   ボ ッ

カッ   「HA!」

素晴らしい 素晴らしい反射能力だ

「ほざけ!!」

楽しい!! こんなに楽しいのは久し振りだ
貴様を分類(カテゴリー)A以上の吸血鬼(ヴァンパイア)と認識する

(弾をよけようともしない
不死身かあいつは!? 否! 不死身などこの世に存在しない!!
余裕をかましているだけで ダメージは奴の方が多いハズだ
勝てるぞ吸血鬼アーカードに!!)

拘束制御術式
第3号
第2号
第1号 開放
状況A「クロムウェル」発動による承認認識
目前敵の完全沈黙までの間 能力使用限定解除開始

では 教育してやろう
本当吸血鬼の闘争というものを


さあ どうした?
まだ足が二本ちぎれただけだぞ かかってこい!!

使い魔達を出せ!! 身体を変化させろ!!
足を再構築して立ち上がれ!! 銃を ひろって反撃しろ!!
さあ夜はこれからだ!! お楽しみはこれからだ!!

早く(ハリー)
早く早く(ハリーハリー)!!
早く早く早く(ハリーハリーハリー)!!

ばッ…ば
ばッ 化物め!! 

そうか 貴様もそうなのか 小僧
出来損(デキソコ)ないのくだらない生きものめ

ほざくな!
HELLSING(ヘルシング)のオモチャめ!!
英国国教会の犬になり下がった貴様に吸血鬼としての

五月蝿(やかまし)い!!
お前は犬の(エサ)

う あい う うお うあおお ああ あああ
ゴギャ おごッ げア…ッ


ヒッハ…ヒッハァァ クァッハクハッツ クハハァ

「もう 王手詰み(チェックメイト)だ 小僧」

殺りなよ ご老体

「殺さんよ これだけの事をしたのだ
誰の差し金か吐いてもらってから たっぷりと殺してやる」

甘いよねェ あんたら つくづく

カッカッカッ カツッ

よう 売女(ビッチ)

チキッ バスバスバスバスバス

お゛ お゛ぶ

「軽口を叩くな 私は…怒っている」

くっくふ くふふは ひはははははは

「お前らは一体なんなんだ!? 一体なんのマネでこんな事を!?
後ろで誰が糸を引いている!? 答えろ!!」

ひゃはははははは はははははははッはァ

「笑うな!! 答えろ!!」

あんたらも もう知ってんだろうが 俺の内に埋め込まれた機械類は
今こうしている時も 連中に情報を送り続けているんだぜ

作戦が失敗した事だって…この会話も筒抜けなのさ!!
連中が作戦に失敗して 今 全部ゲロしようとしてるこの俺を
生かしておくと思うのかい?

ヒュカ ブオウウアアアアアアア

「な…ッ!?」
「!?」

はぁ はははは ぁ ぁ
やっぱなぁッ ひははははははぁ

ひひひはは バカ共 教えてやる
一ッコだけ教えてやる ヒヒヒヒヒ

「!!」

せいぜい頑張るコトだな!! 売女(ビッチ)!!

ミレニ……アム

ボッハ ボギャ

「ミ……ミレ…… ミレニアム……?」


「ベルナドット隊長 どういうコトなんです」

ああん?

「俺達に警備員でもやれコトなんですかネェ 金持ちの道楽私兵気取りとか?」

いや なに 聞いて驚くなよ
俺達の今度の仕事はァ 化物退治なんだと!!

ははは またそんな
“HAHAHAHAHA”

「本当だ」


おまえ達の敵は血を吸い不老で不死の吸血鬼(ヴァンパイア)
にんにくと聖水をたずさえて
白木のくいを心臓に打ちこんだり首を切ったり
死体を焼いたり十字路に灰をまいたりするのが我々の仕事だ

詳しくはブラム・ストーカーを読め


それがどうした


……なんだと!?

こちらがしたてに出ていれば 調子に乗りやがる
おまえ達(プロテスタント)のクソ雑巾共が
2人死のうが 2兆人死のうが 何人死のうが 知ったことか
法皇猊下直々のご命でなければ
薄汚い貴様らなどと話などするか

グダグダぬかさずに話を聞け 異端教徒(プロテスタント)のメス豚共


メス豚!?

!!

さすがは泣く子も黙る第13課 いう事が違う

四方の諸族を統治して 平和を与え法をしき
まつろう民は寛容を 逆らうものは打ち倒す

何も変わらんね

2000年前から おまえらローマは 何も変わらん

吸血鬼(ノスフェラトゥ)アーカード
国教騎士団(ヘルシング)のゴミ処理屋!!
殺しの鬼札(ジョーカー)!!」

「生で見るのは初めてだ
はじめまして『アーカード君』」

はじめまして「マクスウェル」 そしてさようならだ
貴様は 私の主をメス豚と呼んだ
おまえ 生きて英国(ここ)から帰れると思うなよ

ぶち殺すぞ人間(ヒューマン)!!


おお
恐ろしい 恐ろしい

あんなに恐ろしいボディーガードに
銃を突きつけられては 話もできんな

何度もいうが 我々は話をするために
ここまで来たのだ
しかしそちらが“そう”するなら
こちらもこうしよう 拮抗状態を作るとしよう

(パチン)

!!

AAANNDERSONNG


我に求めよ されば汝に諸々の国を嗣業として与え
地の果てを汝のものとして与えん
汝、黒鉄の杖をもて、彼等を打ち破り
陶工の器物の如くに打ち砕かんと
されば汝ら諸々の王よさとかれ
地の審判人ら教えを受けよ
恐れを持て主につかえ おののきをもて喜べ
子に接吻せよ おそらくは彼は怒りを放ち、汝ら途に滅びん
その憤りは速やかに 燃ゆべければ
全て彼によりなり 頼むものは幸い

一撃で何もかも一切合切決着する
眼前に敵を放置して何が十三課(イスカリオテ)か!?
何が法皇庁(バチカン)か!?


「クククッククククク さあ!!殺ろうぜユダの司祭(ジューダスプリースト)」

「ハアハハハハハァ この前の様にはいかないぞ吸血鬼(バンパイア)」


「おや? この神父さん なんで刀なんか構えよるんじゃろう?」

「ああ きっと 前衛芸術ってヤツですなこれは! 孫が好きなんじゃよ」

「おじいさん おじいさん こっちの人は鉄砲構えてまスよ!!」

「おお―― でっかい鉄砲じゃのう~~」

「ワシが満州にいたときは~~こんな鉄砲なかったのにのう~~~~~~」

「おやおや また今村さんのマンシューがはじまったよォ~~」


教えてほしい? 本当に?
教えてほしいか? 本当に? 本当に?

「何がいいたい」

我々が貴様ら国教徒共(プロテスタント)にこうして
力を貸してやろうなんてのは本来ありえない事だ

これも以前のベイドリックでの協定違反の
借りを返したいと思っているからだ
そこらへんを理解してほしいね

「わかった………了解しよう」

だがそれだけでは 教えてやれんね

「なに?」

人に物をたずねる時には 大事な言葉が必要だろう
お願いします(プリーズ)』が!?

「貴様 聞いておればつけあがりおって!」
「ウォルタ────!!」

「一言だけでヴァチカンが特秘事項をもらそうというのだ 悪い取引ではない
それに今は四の五のいってられる状態ではない つかめる物なら葦でも藁でもつかもう」
「お嬢様…」

(ニヤリ)

「『お願いします(プリーズ)
どんな小さな事でもかまわない 教えてもらえまいか
ローマカトリックヴァチカン法皇庁特務第13課
イスカリオテ機関長 マクスウェル局長殿」

OK! OK!! 了解した!!
英国国教騎士団『HELLSING』局長
サー・インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲート・ヘルシング殿


今を遡る事50年前 第二次大戦の事だ
敗戦したナチスドイツから 大量のナチの軍人達が国外に逃亡した

ババリア戦友会(カメラーデンババリアーナ) スパイダー
ヘルパーズゲイツ ブラザー・クロイツ NAHID オデッサ
等といったナチ戦争犯罪人を救援する組織や 国外ドイツ人がその活動の手助けをした
主な逃亡先は親ドイツ国家群の多い南米

「それが一体なんの関係がある?
 ちょっとした戦争マニアなら知っていそうな話だ」

彼らは全てドイツ敗戦の直前か直後から行動を開始している
それはそうだ 戦争途中で逃亡などしたら 脱走だ それは

我々が知っている「ミレニアム」とは 計画名そして部隊名だ
ナチスの極秘物資人員移送計画とその実行者達だ
彼ら「ミレニアム」は戦争初期段階から営々と行動を始め
ドイツ占領地を駆けずり回って書籍を改ざんしながら
膨大な物資と有望な人材を集めて回り 南米に移送したのだ
没収したユダヤ人資産・美術品・貴金属・外貨・有価証券 etc(エトセトラ) etc(エトセトラ)
小さな物は金歯から 大きな物は潜水艦まで

なんで知ってるかって顔だね
手助けしたのさ 我 々(ヴァチカン) が 強 力 に ね