102スレ/いい朝

Last-modified: 2014-05-27 (火) 18:01:32
242 名前: ◆HOMUMADOj61K [sage] 投稿日:2014/05/18(日) 00:02:03.30 ID:+fQzKVFF0
>>226

「―――て、―――――だよ」

暗闇の中、どこかから声が聴こえる。
その方向を見ると、小さな光が見えた。
声はその光から聞こえていた。とても優しい声。とても優しい光。
その光に手を伸ばしてみると、それは遠くへ離れていってしまう。

(嫌、行かないで――!!)

走って追いかけようとするが、光はどんどん遠くへ離れ――


――――すごい勢いでこちらに突進してきた!?しかもなんか大きい!?

(あ、ダメだ。ぶつかる)

そう思った、その時だった。


「おっきろぉぉぉぉぉぉっ!!」

その叫び声とともに光に包まれ、思わず身を守ろうと縮こまる。
窓から差し込む朝日が目に痛い。
布団を被りたかったが、私の身体を包んでくれた布団は声の主に剥ぎ取られている。
全身に朝の光を(半ば強引に)浴びながら、私の意識は覚醒していく。

「おはよう、ほむらちゃん。もう朝だよ。ご飯もうすぐできるからね」

まだぼやけた感じの残る頭で布団強奪犯の姿を確認する。
いつもは愛しい笑顔も、この時ばかりはちょっとだけ腹立たしい。
中々起きられない私が悪いのだけど。
あぁ、いい匂いがする。お腹すいた。

「おはよう、まどか。朝からこの起こし方は中々キツイのだけど」

そもそも一人暮らしの私の部屋に、何故朝から彼女がいるのか。
あぁそうだ、合鍵渡してた。

「うぇひひ、中々起きないほむらちゃんが悪いんだよ」

悪びれもせず笑うまどか。悪いのは私だから当然だが。

「それはそうだけど、起こし方は他にもあるでしょう?改善を要求するわ」

何故起こしてもらっておいてそんな事を言うのかと怒られても仕方のない事を遠慮無く口にする。
この程度の軽口はもはや日常茶飯事だ。今日の朝ごはんはなんだろうか。

「もう、またそんなこと言って。じゃあどうすればすんなり起きるのかな、お寝坊ほむらちゃんは」

腰に手を当て、呆れた様子で聞いてくる。
あぁ、どうしてこの子は見えてる地雷に足を踏み入れるのか。私がこういう時なんと答えるかわかっているだろうに。

「当然―――おはようのキスをしてもらうわ」


243 名前: ◆HOMUMADOj61K [sage] 投稿日:2014/05/18(日) 00:02:31.85 ID:E2aNPwWW0
正直に言おう。
私はこの後真っ赤になって慌てるまどかを期待していた。
あまりそういう事に免疫がない子で、からかうと可愛いからつい弄ってしまう。
今回もそれのはずだった。

「そうすれば、起きるんだね」

そう言って微笑みながら彼女はベッドにのしかかって。
私の意識と眠気は吹っ飛んだ。

今日もいい朝だ。

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