103スレ/一人分にふたり

Last-modified: 2014-06-10 (火) 23:08:47
817 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/06/05(木) 02:44:11.25 ID:naUklpFH0
急な雨に、不覚にも傘を忘れた私。通用口の前で雨雲を睨んでいると、小さな手が肩を叩いた。
「一緒に帰ろ?」
「……まどか、部活じゃなかったの?」
「今日は中止」
そう言ってピンク色の傘を差し出してくれた。はにかむような笑顔に、私は意味も無く照れてしまう。
開いた傘は女の子一人分。私たちはぎゅっ、と触れ合って歩いた。
「ほむらちゃんは雨好き?」
すぐ近くのまどかが尋ねる。
「嫌いよ」
思い出すから、とは言わない。
「そっか。私も晴れの方がいいな」
私は頷く。まどかには晴れが似合うもの。
「……でもね」
まどかは意味ありげに私の方を見た。いたずらっぽい顔は、照れ笑いで一杯だった。
「ほむらちゃんとこんな風に歩けるんだから、この雨はちょっと好き」
「……私も」
ちゃんと言葉を返せない私は、下を向いて歩く。赤い顔は見られたくない。

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