103スレ/隣に立つのは

Last-modified: 2014-06-07 (土) 11:07:13
316 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2014/05/30(金) 02:02:18.43 ID:81IrHL1M0
「紅茶はミルクですか、レモンですか!?ハイ、中沢くん!!」

今日もあの先生は絶好調だった。無論、マイナスの方向に。
かつて永遠とも思える時の迷宮を彷徨っていた頃から、この光景だけはただの一度とて変わったことがない。
上条恭介の才能が違うこともあった、極めて稀とはいえ、美樹さやかが想いを遂げかける時間すらあった。
それでも、この先生だけは、どうしてもこの方面では幸せになれないらしい。

「大体何がジューン・ブライドですか!結婚と言うのはそもそも……!!」

いつも通りの光景と思って流していたが、今日に限っては特にしつこそうだった。
どうせそのほぼ全てを聞いてはいないのだが、今回ばかりは耳に引っかかる言葉が聞こえた。

(ジューン・ブライド……結婚、か)

あの子も、いつかは結婚するのだろうか。だとすれば、相手はどんな男なのだろうか。
生半可な相手は許さない。それはあの子を幸せにできる相手でなければならない。
この宇宙であの子のことを私以上に愛しているものなど、あの子の家族しかいない。
ならば最低でも私に匹敵するぐらいはあの子の事を愛し、あの子の幸せを考えられる相手でなければならない。
そうでない相手など、私が決して許さない。
だけど――。

(誰とも、結婚してほしくない)

私のココロにはそんな欲望も存在していた。
その隣には、私が立ちたい。だけどそれは出来ない。
この国の法はそれを許すように出来ていないし、私のような存在があの子の隣に立つなど私が許せない。
あの子の幸せのためとはいえ、私はあの子の祈りを、ホンの少しでも踏みにじったのだから。
だから、私が隣に在ることが出来ないのならば、他の誰のものにもなってほしくないと。
そんな独占欲があることを、どうしても意識してしまう。
そんな自分の浅ましさに嫌悪感を覚える。
もっとも、この痛みも「まどかが居るからこそ」と思えば、それすらも愛おしく思えるのだが。

そんな事を考えて、ふとあの子に目線を向けると


「ソンナコトカンガエテ、ヘコンデル」

あれ、まどかの所にトカゲみたいのが見えるんだけど。
って言うか私のイヤーカフがいつの間にか無いんですけど。
あのトカゲの尻尾になんか馴染みのある宝石が見えるんですけど。
あ、まどかがこっちを振り返って――。

(もう、しょうがないなぁほむらちゃんは)

すっごいいい笑顔を向けられた。
テレパシーなんかあの子は使えないはずなのに、あの子の声がやけに明瞭に聞こえた気がした。
どうしよう、今から逃げれば間に合うだろうか。


この後捕まって無茶苦茶ルミナスされた。
悪魔ってなんだったっけ。






俺は何を書いてるんだ?

http://hello.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1401028507/316