21スレ/天体観測

Last-modified: 2014-04-17 (木) 01:46:21
280 名前:天体観測[sage] 投稿日:2012/05/17(木) 23:57:13.09 ID:5Los76Bs0
夜中に部屋を抜け出したまどか
散歩の途中、芝生の上に座って夜空を見上げるほむらを見つけ、そっと隣に腰掛けて横顔を見つめるのだった
「ほむらちゃんも眠れないの?」
「なんとなく、星が見たくなった」
「星、好きなんだ?」
「嫌いではないわね。体が弱くて入院していた頃は、本を読むのに飽きたら夜空を見上げるくらいしかやることがなかったから」
「そうなんだ・・・」
珍しくほむらが自分の事を語りだした事に気を良くしたまどかは、天を指差して声を上げた
「あの明るい星はなんて言うのかな。ほら、あそこの三つ並んでる」
「・・・あれはオリオンね。大きくて明るいから見つけやすいの」
「へぇ、あれがそうなんだ」
「猟師オリオンは・・・恋人アルテミスに誤って射殺されてしまう。悲しみにくれた女神アルテミスは、自分が夜空を駆ける時に
 いつでも彼に会えるようにと、オリオンを星座に加えてもらったそうよ」
意外な解説に、思わずほむらの顔を見返したまどか。その瞳はいつもと同じく遠くを見ていて寂しげだったが、
表情はどこか柔らかく感じられた
「哀しいお話だね。好きな人に殺されちゃうなんて」
「そうかしら。・・・私なら好きな人の手に掛かって死ねて、しかもずっと一緒に居られるなら・・・きっと本望だわ」
「ほむらちゃん?」
「変な話をしてごめんなさい。少し冷えてきたわね。もう戻りましょう」
不意に立ち上がってスカートを払い、宿舎へ戻ろうとするほむら
なんとなくその手を捕まえたまどかは、腕を絡めて寄り添うのだった
「今の話を聞いたら、なんだか一人で眠るのが怖くなってきちゃった。一緒に寝ても良い?」
「別に怖くなるような話はしていないけど」
「そうなんだけど。なんとなく、寂しくなっちゃったの」
「そう・・・貴女も意外と寂しがり屋なのね」
そっけなく返すほむらだったが、その手はしっかりと握り返していたのだった

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